校長室からの風(メッセージ)

最後の授業 ~ 皆さんは主権者です

最後の授業 ~ 皆さんは主権者です

 3年生は1月末の卒業考査を終えると2月は原則家庭学習期間に入り、自動車学校に通ったり、進学先からの課題の勉強に取り組んだりするのですが、数日は登校日を設け、校外から専門家を招いて「最後の授業」を設けています。税理士さんによる租税教育、八代年金事務所の方による年金の知識、そして2月20日(火)には熊本県選挙管理委員会事務局の担当者の方に来校していただき、「選挙を考えよう」という出前授業を実施していただきました。

 18歳選挙権が導入されて2年がたちました。今の3年生の中には昨年秋の衆議院議員選挙を経験した者もいて、選挙への関心は高いと思います。しかし、主権者になったということは選挙権があることにとどまりません。身近な暮らしの中に疑問を持つことから始まり、地域社会、国、そしてグローバルな問題にまで、広く当事者意識を持つことが求められると思います。3年生のおよそ4割が卒業後は就職します。所得税や住民税等を負担するからには、より社会の中の一員であることを自覚してほしいと期待します。

 わが国は「国民主権」です。自分の一票くらいでは何も変わらないと思うかもしれませんが、18歳の皆さんも、55歳の校長の私も、そして総理大臣も同じく一票しか持ちません。王様や貴族のような特権階級が国や社会の在り方を決めるのではなく、私たち一人一人が選挙を通じて選んだ代表者に委任する間接民主主義、議会制民主主義の国です。議会では異なる意見の持ち主、政党が対立して、その調整には時間がかかります。手続きは面倒に見えるかもしれません。しかし、これまでの歴史の結果、この議会制民主主義を日本は選んでいます。

 自分の一票で社会を、この国をより良くしたいという意志を持ってほしいと願います。誰かヒーローが出現して問題を解決してくれるだろうと待っていても社会は変わりません。未来は皆さん達が創っていくものなのです。


            県選挙管理委員会事務局による選挙出前授業