校長室からの風(メッセージ)

次の人に襷をつなぐ ~ 校内駅伝大会

 12月21日(水)に校内駅伝大会を行いました。学校周囲の一般道のコース(男子4.5㎞、女子3.4㎞)を1チーム5人がそれぞれ走り襷をつなぎました。レース後には保護者の方々が作られた豚汁を生徒全員でいただきました。大会後の校長講評を掲げます。

 「2年1組の皆さん、優勝おめでとう。襷をつないだ5人の懸命の走りは力強さがありました。優勝するぞという気迫が伝わってくる走りでした。2年1組は昨日のクラスマッチでは、女子のバスケット、男子のバレー共に準優勝で悔しい思いをしたので、喜びもひとしおと思います。また、惜しくも2位となった1年2組の皆さんの快走にも驚かされました。昨日の1年1組のバスケットの優勝と合わせて1年生のエネルギーを感じました。

 長距離走は多くの人が苦手とするものだと思います。けれども、次の人が待っている、ゴールではみんなが待っていることが走る力となります。多くの熱い声援に支えられ、参加者全員が完走したことを頼もしく思います。さすが多高生です。

 この二日間をとおして改めてスポーツの素晴らしさを感じました。私が小学生のころはソフトボールとドッジボールが人気で、友達と夢中になってやっていましたが、エラーしたり、ミスしたりすると、お互いよく「ドンマイ、ドンマイ」と声を掛けあっていました。ドンマイとは気にするなという励ましの言葉だと思い、使っていました。中学校で英語を勉強して初めて、「Dont Mind」の略語として日本人が使う和製英語だと知りました。本来は、「Never Mind」「Don’Worry」、「Switch Your Mind」などと言うべきなのでしょうが、当時は「ドンマイ」でした。しかし、思うのです。スポーツをしている時ほど、ごく自然に「ドンマイ」のような励ましの言葉が出る時はありません。これもスポーツの持つ力でしょう。

 スポーツの種目によっては得意、不得意があります。いや、スポーツ全般が苦手という人も少なくないでしょう。けれども応援はできます。また、ふだんとは違うクラスメイトや仲間の頑張る姿に気づきます。自分はレギュラーではないけれども、応援でがんばる、サポートで頑張ると様々な役割があっていいと思います。先週のある日の夕方、夕闇の中を3年生の女子生徒が数人で走っていました。「頑張るね」と声を掛けたら、「私たちは遅いんです。でも、最後の駅伝大会だから、クラスに、チームに少しでも迷惑をかけたくないから走っています」と答えてくれました。苦手でも自分の役割を果たすという姿勢に胸を打たれました。

 結びになりますが、この後、正門付近で保護者有志の方と生徒会、野球部の皆さんで門松づくりが行われます。門松は、新しい年の神様が天から降りてこられる目印(「依代(よりしろ)」と言いますが)となるものです。これで学校も新年を迎える準備が整います。来年はさらに私達の学校、多良木高校が輝く年になるという期待がふくらんだ二日間でした。」