校長室からの風(メッセージ)

スポーツマンシップでいこう(高校総体)

「スポーツマンシップでいこう」


 「スポーツマンシップでいこう」の大会スローガンのもと、第43回熊本県高等学校総合体育大会(「高校総体」)が5月29日(金)から6月1日(月)にかけて開催された。「スポーツマン」とはスポーツをする男性という狭い意味ではなく、女性も含めて「スポーツをする人」と広く捉えているのだろう。

 多良木高校からは、陸上(男・女)、サッカー(男)、バレーボール(女)、バスケットボール(男・女)、ソフトテニス(男・女)、アーチェリー(女)の各競技に出場した。私自身、各会場を巡り、キラリ輝く多高生を応援できた。

 サッカーは5月23日(土)から先行開催されたが、24日(日)の熊本北高との2回戦は、残り3分で同点ゴールを決めて追いつき、延長戦でも決着がつかず、最後はPKで敗れるという劇的な試合となった。最後まであきらめずにプレーした選手達に拍手を送りたい。

 「うまかな・よかなスタジアム」で競技する陸上部員の姿は普段よりも大きく見えた。立派なスタジアムは高校生を成長させると感じた。また、バレーボール、バスケットボールともに強豪校に敗れたが、チーム一丸となり持っている力を発揮する姿はすがすがしかった。そしてソフトテニスでは、特に女子の試合が印象に残った。昨年度の後半、部員不足でチームとしてほとんど練習できていなかったが、この高校総体に照準を合わせ出場に漕ぎ着けた。女子団体1回戦では、男子部員の声援を受け3ペアともに松橋高校と互角に戦い、1-2の惜敗であった。選手達は「自分たちはやればできる」と大いに手応えを感じたのではないだろうか。

 アーチェリー競技を初めて観戦できた。会場は宇土市アーチェリー場。競技人口が少なく、女子団体は本校を含め3校しか出場していない。他の競技会場に比べ、観覧者も少なく、寂しい雰囲気だった。加えて、私が訪れた5月30日(土)は冷たい雨が降り続く最悪のコンディションであった。しかし、生徒たちは雨に濡れながらも、70m先の的を目がけて、一本一本の矢に気持ちを込め、自分の世界に集中していた。静かな空気の中に張り詰めた緊張感があり、自分が選んだスポーツに取り組むプライドさえ伝わってきた。

 ルールを守り、審判に敬意を示し、正々堂々と公正に勝負を競い、勝っても負けても相手を称える、それがスポーツマンシップだ。多高生がスポーツマンシップで高校総体を戦い抜いたことを誇りに思う。