命の大切さを学ぶ教室
8月29日(金)6限目に、会場の視聴覚室と各教室をリモートで結んで命の大切さを学ぶ教室を行いました。講師として「少年犯罪被害者当事者の会」の一井 彩子氏をお招きし、「命の大切さを学ぶ~子どもたちを被害者にも加害者にもしないために~」と題し、講演をしていただきました。
一井さんは平成7年、長男 勝さん(当時15歳)を、隣接校区の中学生とその卒業生ら4人による集団暴行で亡くされたご遺族で、事件後「少年犯罪被害者当事者の会」や「全国犯罪被害者の会」の会員として、多くの被害者の方々と共に、被害者の権利獲得のために活動されています。
30年前の8月30日、勝さんは、後に主犯格となる17歳の少年にビールを飲むように言われそれを断ったことで腹を立てた少年と顔見知りだった3人の少年に、1時間半に渡って凄まじい暴力を受けた後、臨海公園に置き去りにされ、たまたまトイレを探していたトラックの運転手さんに発見されたそうです。
勝さんが亡くなった後も、1次被害にとどまらず、加害者側との対応やマスコミからの取材攻勢・地域の人からの心無い中傷などの2次被害も受けられ、ひきこもる・縁を断ち切るなどの3次被害までも受けられ、大変苦しまれたとのことでした。
それでも活動を続けてこられたのは、少年事件では事件の詳細など何も知らされない、加害者の人権だけが守られて被害者には何の権利もないという現実があったからだと話されていました。
最後に「子供たちを被害者にも加害者にもしたくないという思いで、活動を続けています。暴行事件は減っているが、事件の凶悪さは前よりも増しています。生きにくい世の中だと思いますが、自分の命や周りの人の命を大切にして元気で自分の夢に向かって進んでいってもらえたらと思います。」とエールを送ってくださいました。
講演後、生徒会長の安部君より謝辞があり、「家に帰ったら、今日の講演のことを家族と話したいと思います。」としっかりと心で受けとめている様子でした。
大津高校では、一人ひとりが命を大切にできるようこれからも定期的に学ぶ機会を設けていきます。