鶏のと殺・解体実習を行いました。
1ヶ月ほど前から緊張していた生徒たち。
この日の朝は少しいつもと違う表情をしていました。
毎日実習でエサをくれる生徒たちの、いつもとは違う表情が分かったのか、鶏たちは逃げ回っていました。
鶏を1人1羽捕まえたあとは、いよいよ「と殺」です。
足を縛られ、逆さにつるされた鶏たちは案外おとなしく、覚悟を決めたようでした。
首の羽を抜き、血管を探します。
包丁をいれるのが浅いと、鶏も苦しい思いをします。そのため、1回でスパッと切ってあげるのが理想です。
しかし、「1回で切ってあげよう」と覚悟を決めても、手の中で動く鶏の顔や、動いて見える心臓、温かい体のぬくもりに、『生きている命』を実感し涙が止まらず、なかなか切れない生徒もいました。
長い時間をかけて覚悟を決め、全員が鶏の首を切ることができました。
と殺のあとは、「解体」です。
お湯につけて毛を抜きます。
骨と実をはがしていきます。
部位ごと(皮、手羽、ささみ、もも、むね)に分け、半分は調理実習に、半分はそれぞれ家に持ち帰りました。
鶏を捕まえる時、足を縛る時、逆さにつるす時、暴れる時、首を切る時、毛を抜く時、生徒の口から「ごめんね」「苦しいね」「痛いね」という言葉が聞こえました。
普段私たちが当たり前のように口にしている食べ物には、それぞれ命があります。
明日は、と殺・解体を行った鶏を使って、調理実習を行います。
命をいただくことへの感謝の気持ちと、命をいただける過程には誰かがこのような思いをしているということを忘れず、「いただきます」「ごちそうさま」の意味を理解し、調理・試食をします。