3月10日木曜日に総合農業科環境コース2年生の農業土木専攻を希望する生徒6名で熊本県庁現場見学バスツアー(総合土木職)に参加しました。
現在、熊本県では、高校生の職員採用試験では、一般土木と農業土木職とに分かれていますが、大学生は、この2つが一緒になった総合土木職として採用試験が行われています。
本校総合農業科環境コース農業土木専攻では、農業土木を学んでいますが、工業高校土木科で学習する内容とほとんど変わりがありません今年度の卒業した先輩も、工業高校で土木を専攻している生徒、農業高校で農業土木を専攻している生徒と一緒に公務員の採用試験を受験し、合格を勝ち取っています
このツアーは、熊本県人事委員会事務局が企画されたもので、熊本県の土木職員の方がどのような仕事を行っているかを実際に現場へ行き、雰囲気などを体験するというものです。今回、中々、土木の現場を見学できないため、土木専攻を次年度希望する6名で参加しました
まず、最初に見学したのが、「益城町4車線化工事現場(益城町)」です。
この現場は、県道28号線で1日当たり約1万7千台の車が通る道路だそうです。この道路は、災害時の輸送物資を届ける拠点道路とされていましたが、2016年に発生した熊本地震で大きな被害を受け、家屋等が道路を塞ぎ、拠点道路としての役割を果たすことができませんでした。また、県内でも交通量が多く、慢性的な渋滞が続くことなども問題とされています。このことから、この現場では、2車線ある県道28号線を4車線にし、歩道、自転車道を新たに設けるという工事が行われていました。これまで幅が7mあった道路が、約28mの幅の道路に生まれ変わるそうです。職員の方々から、工事で苦労した点などお話がありました
次に見学したところは「大切畑ダム工事現場(西原村)」です。
このダムは、この地域の農業用水を確保するためになくてはならないものです。しかし、2016年の熊本地震の被害を受けました。ダムを調査したところ、ダム(堤体)直下に断層が確認されました。このことから、ダムの水を抜き、237m離れた位置に新たなダム(堤体)を作られることになりました。今回の視察では、大切畑ダムの工事の概要と進捗状況等の説明がありました。
次に、宇城地域振興局で「天草幹線道路事業説明」が行われました
現在、熊本県の各地域から熊本市まで90分で到着する「90分構想」があります。天草市から熊本市の区間が唯一90分では到着できないそうです。そのことから、この区間に、自動車専用道路を設置し、将来、90分で到着できるよう工事が行われることをお聞きしました。ここでは、天草市本渡の第2瀬戸大橋建設について施工写真とドローンの画像で説明を受けました
次に見学したのが、「潤川河川改修事業現場(宇土市)」です。
この潤川は、宇土市の大型商業施設の裏側にあり、毎年のように道路が冠水するなど被害が起きているそうです。
そこで、水田を用地買収し、新たな河川を作る工事が行われています。(河川バイパス工事)
ここでは、工事の概要等が説明されました。水田のため、地盤がぬかるむので、セメントミルクを建設機械で地盤に攪拌し、固めたことなどをお聞きしました
最後に見学したのが、「松の木堰工事現場(熊本市南区)」です。
下の写真が、現在の松の木堰です。この堰は、農業が盛んな天明地区の農業用水を確保するためになくてはならない構造物です。しかし、完成して50年以上が経過しており、老朽化が目立ち、新しい堰が建設されることになりました
現場では、3DCADを用いたVR体験などを行い、VRを使用することで施工(建設工事)がしやすくなることなどを学びました
今回、ツアーに参加して教科書だけでは経験できない数多くのことを学ばせていただきました。
熊本県庁の方、工事関係者の方などたくさんの方々へ感謝いたしますありがとうございました。