学校生活 南稜NOW

尿石症の予防

肥育牛を捕まえてブラッシングしたり、身体測定したりすることに意味はあるのでしょうか。これまで毎日、捕まえてブラッシングしたり牛洗をしていました。しかし、コロナへの警戒が強まっていたときは、あまり農場に生徒が集まることが出来ませんでした。

先日、月に1度の身体測定を実施。胸囲を巻き尺で測定しているとき、ある生徒が気付きました。「ウシの反応が変です。尿がくさいです」。よく、観察してみると・・・。尿石症でした。

尿が出る穴全体に白くへばりついているのが尿石です。ひどくなると尿が出なくなり、死んでしまうこともあります。

尿石を治す薬を飲ませました。この薬を飲ませると、尿石が溶けていくそうです。

尿石の原因はいくつか考えられます。飼養管理を見直すと、まずは「水を飲んでいるかどうか」を確認する必要があります。

フロー式のウォーターカップを見ると、ウシの糞が入っていました。これでは水を飲めません。鉱塩も汚れていました。どちらもキレイに掃除します。

だいぶんキレイになりました。

体重測定やブラッシングなど、ウシを近くで見ることはとても大切なことです。ウシから離れた通路からも見えることは見えるのですが、近づいて観察することは今回の病気だけでなく、怪我や皮膚病、体の発育、発情の状況など、多くのことに気付くことが出来ます。「観察」見ることが目的ではなく、気付くことが目的であるということです。

更に、「いつもと違う」と感じたこの生徒はセンスがあります。日頃から動物をよく観察している証拠ですね。

ウォーターカップ(水飲み場)を洗ったとたん。ウシは行列を作りました。水が飲みたかったんですね。飲めなかったんですね。ウシは何も言わないから。人がウシの気持ちを考えながら育てる事が大切だと感じました。