目指せ、V奪還! ~ 全国大会に向けて準備するロボット部

 

    最近、放課後は電子機械科の第3実習棟2階によく行きます。ここで、マイコン制御部ロボット班の部員たちが、一か月後の全国大会に向け準備の山場を迎えているのです。大会には2チーム出場しますが、本番用のロボット2台はほぼできあがりました。今、最後の調整に努めています。生徒に言わせれば「足回りに工夫した」とのことで、自信作のようです。

    全国大会を想定して作られたコートでは、練習用ロボットを使い操作の練習が繰り返し行われています。1チーム6人編成ですが、本番ではフロアに3人が出て、ロボットを動かすことになります。時間を計って操作の練習に取り組む生徒たちは、声を掛け合い、本番さながらに真剣です。操縦用コントロールボックスを持ち、ロボットを動かす担当の生徒は「細かい動きがまだまだです。」と語りました。毎日、十数人の生徒が出入りして、ロボットの調整、操縦の練習等を分担しており、部屋には緊張感がみなぎっています。

   第27回全国高等学校ロボット競技大会(全国産業教育フェア新潟大会の一環)が10月26日(土)、27日(日)に新潟県長岡市で開催されます。マイコン(マイクロコンピュータの略)と呼ばれる小さなコンピュータの制御(コントロール)によって動くロボットを操作して、制限時間内に規定の課題をクリアしていく競技で、モノづくりの技術やアイデア、チームワークで競われるものです。

 この全国高等学校ロボット競技大会において、御船高校はこれまで九度の優勝を果たしています。初優勝は平成16年の広島大会でしたが、それから4連覇を成し遂げ、「ロボットの御船高校」の名前は一躍広まりました。その後も優勝を重ね、平成26年の宮城大会で9回目の全国制覇を達成しました。これはひとえに電子機械科の教職員の熱心な指導とマイコン制御部ロボット班の生徒たちの努力が合体した成果であり、誠に誇りに思います。

 しかしながら、その後は熊本地震の被災もあり、優勝から遠ざかりました。けれども、昨年の山口大会では3位入賞し、復活の手応えを職員、生徒共につかみました。今年こそ悲願の十度目の全国制覇に向けて、生徒たちの意気があがっています。

 まだ一か月あると私には思えるのですが、生徒たちは、もう一か月しかないという気持ちだそうです。「焦っています」と言いながらも、生徒たちの眼は輝いています。何かに熱中する高校生の姿を見ていると、こちらも元気がわいてきます。彼らが目指しているのは、学校近くの飯田山ではなく、日本一の富士山なのです。準備と覚悟が全く違います。高い目標を持ち、それに向け努力することで高校生は飛躍的に成長します。これから一か月、マイコン制御部ロボット班の生徒たちを応援していきたいと思います。