卒業生の皆さんへ

 皆さんが高校一年の三学期に未曾有の新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的流行)が発生しました。肉眼では見えないウイルスで私たちの生活は一変し、学校生活も大きな影響を受けることになりました。

 臨時休校、学校行事の中止及び縮小、部活動の制限等、思うような高校生活を送れないことで失望感や閉塞感に包まれたと思います。誰も予測できない、先が見えない長いトンネルのような生活を余儀なくされました。

 しかし、このような逆境の中、皆さんは学ぶことをとめず、それぞれの進路を切り拓き、卒業の日を迎えたのです。このことを私は誇りに思います。困難な社会環境にあっても、自己管理に努めてリスクから身を守り、高校生としての本分を全うした体験は、これからの皆さんの生きる力になると思います。

 いつの時代も未来は不確実で、見通しは立ちません。しかもコロナパンデミックが歴史の歯車を早回しにしました。社会の急速なICT(情報通信技術)化が進むでしょう。皆さんの前途には、大きな変革の波が立っています。

 今回のパンデミックで現代社会が抱える様々なひずみ、弱点が浮き彫りになったと思います。誰かヒーローが出てきて問題を解決してくれることはありません。皆さん一人ひとりが考え、行動して欲しいのです。コロナパンデミックが終熄しても元に戻してはいけないことは何だと思いますか?目指したい未来はどんな社会ですか?

 皆さんの人生はこれからです。未来が皆さんを待っています。

「校長室からの風」

 2月28日午後 同窓会(西峰会)への入会式