西高生の皆さん、勝負の時です ~ 県高校総体、県高校総合文化祭
「ぱーん!」と畳を手で叩く音が響き、札が飛びます。セミナーハウス2階の和室で行われている「競技かるた」部の練習は、張り詰めた緊張感があります。小倉百人一首を用いての競技かるたは、知力と体力、そして何より集中力が求められるものです。部長の児藤さん(3年生)によると、公式戦では一試合が1時間に及ぶこともあり、勝ち進むと心身ともくたくたになるそうです。「対戦型スポーツです」と笑って語ってくれました。
高校生の文化活動の祭典である県高校総合文化祭は5月28日(金)~29日(土)に開催されます。西高「競技かるた」部は、7月の「全国高等学校かるた選手権大会」(滋賀県大津市近江神宮)への出場をかけて出場します。児藤さんは先行競技で全国高校総合文化祭(和歌山県)への個人出場を決めていますが、「競技かるたの聖地である近江神宮へ団体で行きたい」と意欲満々です。県立劇場で開催される総合文化祭は、コロナ感染防止の困難さもあり、展示部門は中止、ステージ部門は無観客での発表となり、本校の文化部で出場するのは「競技かるた部」だけです。
一方、県高校総体は、無観客の方針のもと全ての競技が実施されます。すでに先週末に一部競技が先行実施され、西高サッカー部は1回戦快勝、好発進しました。多くの体育部活動にとっては明日5月28日(金)から30日(日)が本番となります(一部競技は31日まで)。今週、各部活動の練習を見て回りましたが、その士気の高さは観る者に迫ってきます。3年生の多くはこの高校総体を区切りに部活動を退き、進路希望達成に向かって学校生活のシフトを切り替えます。高校総体直前の今は、全員でのかけがえのない時間を惜しむ雰囲気があります。
梅雨の影響で水たまりが残るグラウンドで泥だらけになり迫力あるプレーをするラグビー部。屋根が付いているとは言え、水温は低めのプールで黙々と泳ぎ続ける水泳部。本番を想定した試合形式の練習をタブレット端末で動画撮影している剣道部。怪我で高校総体に出場できない部員が一生懸命選手達の練習をサポートする柔道部。
西高生の皆さん、勝負の時です。皆さんはこれまで厳しい練習を積み重ねてきました。そのことが試合に臨むにあたって唯一の拠り所となります。そして、楽しい時も苦しい時も連帯してきたチームメイトの存在が支えです。
コロナ禍の逆境の中、高校総体が行われることは、私たち高校教育関係者にとって、オリンピック開催と同じくらいの大きな意義があります。
県高校総体直前の体育部練習風景