西高生が考えた「SDGsオープン弁当」

 「SDGsオープン弁当」なる素敵なお弁当の試食をしました。2学年の「総合的な探究の時間」で、「食」を探究テーマに選んだグループがSDGsの理念を意識した弁当づくりを企画し、それをKKRホテル熊本において商品化に踏み切って頂いたのです。まさに、自分たちが考えたアイデアが「商品」として形になったもので、お弁当を持参してくれた生徒達は得意満面の様子でした。

 SDGs(Sustainable Development Goals)は、持続可能な開発でより良い世界を目指す国際目標で、2015年の国連サミットで採択されたものです。17のゴール(目標)から構成され、この地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓い、先進国、発展途上国を問わず、すべての国・地域で取り組むことを呼びかけられています。わが国においても近年、学校はじめ企業、NPO等で様々な取り組みが始まっています。新型コロナウイルスのパンデミックが示すように、世界の結びつきは益々緊密となり、地理的に遠く離れた出来事であっても無関係ではいられない運命共同体となっています。特定の国のみが平和で安全ということはあり得ず、世界のすべての国・地域が普遍的につながっているのです。急速なグローバル化の流れの中、未来の担い手となる高校生がSDGsをより強く意識するのは自然なことで、SDGsの言葉を弁当に付けることに違和感はありません。

 お弁当の包み紙には、このお弁当がなぜSDGsなのか、イラスト付きでわかりやすく説明してありました。ゴール12「つくる責任つかう責任」、ゴール14「海の豊かさを守ろう」の視点で、弁当箱や仕切り(バラン)は紙製にしてプラスチックごみはゼロにしてあります。食材は熊本市西区(れんこん、あさり、のり、みかん)及び南区(なす、たまねぎ、トマト)の地元産を使用し、ゴール11「住み続けられるまちづくり」との関連を示しています。そして、このようなリーズナブルなお弁当を商品化することで、先進国の若者がゴール2「飢餓をゼロに」の意識を高めることにつなげていると思います。

 高校生の発想や行動力は未来を拓く原動力です。そのような豊かな可能性を引き出す学習活動を西高としてはさらに盛んにしていきたいと思います。これに伴い、積極的に社会に参画する姿勢が培われていくことでしょう。

 今回、西高生の熱い思いをプロフェッショナルとして受けとめ、様々な助言、指導をいただき、商品化という英断をされたKKRホテル熊本の総支配人の倉科様はじめ料理長の尾方様、総務課の高田様、関係の皆様方に厚く御礼申し上げます。自分たちの思いが商品になるという希有な体験を生徒達に与えていただき、深く感謝いたします。

「校長室からの風」