校長室からの風
希望をつないで ~ 西高吹奏楽部第33回定期演奏会
4月9日(土)午後、熊本市天明ホール(南区奥古閑町)において、第33回熊本西高等学校吹奏楽部定期演奏会が開催されました。本来、3月中旬に予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で実施できませんでした。しかし、生徒たちはあきらめることなく、実施時期と場所を変更し、練習を重ね、先輩から受け継いだバトンをつなぎ33回目の定期演奏会を実現したのです。テーマは「 ~ HOPE ~ 」(希望)です。
新2,3年生の吹奏楽部員は現在、12人。ステージ上での進行、演奏で精一杯です。従って、受付や会場案内などは美術部員が協力し担っていました。ホワイエには美術部の作品も展示されていました。そもそもパンフレットが書道部、美術部の協働による手作りです。文化部の力を結集した演奏会と言えます。
午後2時にオープニング。第1部では、吹奏楽部による4曲の演奏が行われ、そのうちの一曲「ROMANESQUE」は3月1日の卒業式で披露する予定でしたが、コロナ感染対策の式典簡素化のため演奏できなかった幻の曲です。部員の思いがこもった演奏となりました。第1部では、寺本教諭がタクト(指揮棒)を振りました。寺本教諭はこの度の人事異動で八代高校へ転出されましたが、最後の定期演奏会に駆けつけられました。
第2部は、西高太鼓部のステージとなりました。同部の卒業生の先輩たち10人が登場し、横笛、鐘も交えた賑やかな演奏となり、変化をつけた切れ目ないリズムで会場を盛り上げました。最後は現役部員2人による、小・中・大の3種の太鼓を打ち分ける演奏で締めくくりました。
第3部では再び吹奏楽部のステージで、荒木明子教諭の指揮による、吹奏楽曲の定番オンパレードとなり、観客の手拍子も加わりました。来場していた野球部員から「アンコール!」の大きな声がかかり、「ヤングマン(Y.M.C.A)」の演奏で会場が一体感に包まれました。
コロナ感染症対策のため、吹奏楽部員は思うような練習や準備はできなかったことと思います。けれども、彼らは今のベストを尽くしました。それは私たちに十分に伝わってきました。
世界は2年以上もパンデミックに覆われています。残虐非道な戦争が行われている国もあります。この不安定でリスクに囲まれた世界の片隅で、西高吹奏楽部の演奏をライブで楽しむことができたことに感謝せずにいられません。
「校長室からの風」