校長室からの風

「未来への可能性」 ~ 大西市長からのメッセージ

 「未来への可能性」というタイトルで、大西一史 熊本市長のご講演を西高の2年生が聴く機会に恵まれました。7月14日(木)、会場は熊本市民会館シアーズホーム夢ホールで、NPO法人熊本教育振興会の主催によるものでした。同会の主要活動である「新しい風を呼ぶ教育講演会」は、今年度は西区の高校生を対象にしていただき、市立千原台高校2年生と県立熊本西高2年生の合同参加の講演会となりました。両校の代表生徒たちが司会進行を務め、謝辞も行いました。

 大西一史熊本市長(2期目)は54歳、政令指定都市熊本のリーダーです。日頃はテレビなどマスメディアを通してしか知らない熊本市長が、直接高校生にメッセージを伝えられる特別な学びの場となりました。

 「やったことに無駄はない」

 プロになるつもりで高校、大学時代に没頭したバンド活動の話から始まり、140社余り受けた就職活動、そして商社でのビジネスマン生活、国会議員秘書時代の体験とダイナミックな経歴を語られます。

 「何歳からでも学び直しができる」

 熊本へ帰ってきて30代で県議会議員に当選し、議員活動を始められます。そして、40歳で九州大学大学院に入り、法政理論を学び、修士号、博士号を取得されます。この大学院での学び直しは大きい意味があったと述べられました。

 「高校生としての目線でよい、自分の頭で考える」

 6年前に18歳選挙権が導入されましたが、相変わらず若い世代の政治への関心が低いことを指摘されます。みんなの声が反映されるのが政治であり、そうして社会は変化していくもの。インターネット上で政治家は自分の考えを表明しており、ネットを通して質疑応答もできる環境となった。若い世代に対して、もっと政治を身近に意識してほしい、関心をもってほしいと呼びかけられました。

 「より良い意思決定には経験が必要」

 不確実性が高く、正解のない問題があふれている現代社会。急速な情報化、グローバル化に対応しながら、正しい意思決定を行い、生きていくことは大変なこと。しかし、何がファクト(動かぬ事実)か見極めて意思決定していかなければならない。それには人生経験が必要だと強調された。市長自身は若い頃から何度も失敗し、修正し、経験を深めてきたことが今の拠り所となっているとのこと。

 約90分間、張りのある力強い声は変わることなく、情熱をもって高校生に「未来への可能性」を語り続けられた大西市長は次の言葉で締めくくられた。

 「青年は決して安全な株を買ってはならない」(ジャン・コクトー)

「校長室からの風」