校長室からの風

3月24日、修了式 ~ 令和4年度修めの日

   3月24日(金)は、3学期の終業式であると共に令和4年度の修了式、修めの日です。そして、午後には合格者説明会が実施され、来年度の新入生約340人が保護者と共に来校してくれました。

 午前中、スタジオで表彰式と修了式を実施、それをオンラインで各教室と結びました。柔道部はじめeスポーツ部、ウエイトリフティング部、書道部など、そして成績優秀者(代表)、皆勤賞(代表)の生徒たちに賞状等を渡し、その努力を称えました。特に、女子柔道団体は全国選抜大会でベスト8の立派な成績を収め、念願の日本1への可能性が高まってきました。

 修了式での校長からのメッセージは、3年余りのパンデミックによって、一人一台のタブレット端末配備に象徴されるように学校教育のデジタル化が急速に進んだことをテーマとしました。私自身、まだ先の未来の教育と思っていたものが、一気に歴史の針が回りました。後戻りすることはありません。

 以前の学習は、まず暗記し、覚えることで大量の知識を身につけることが求められました。それが劇的に変化しました。人間の能力をはるかに超えたコンピュータの記憶力や計算力、情報量を利用することで、暗記や覚える学習はあまり意味がなくなりました。

 私は近視ですから、眼鏡をかけ、自分の身体の機能の弱い部分を補っています。これと同じように、タブレットやスマートホンは皆さんの身体の機能を拡張、強化してくれるもので、身体の一部のようなものです。体の一部の機能であるコンピュータに何をしてもらうのか、それを活用して、どんなことを探究していくのか。これからの学びは問われます。

 気を付けてほしいことは、学習がデジタル化したからといって、ひとりで内向きになってはいけません。一人でコンピュータゲームを楽しむのではないのです。ICTとは情報通信技術です。コンピュータで情報を共有し、多くの人とつながり、協働の学びを進めていくことです。すなわちチームワークがますます必要になってきます。コンピュータを使う基本的なマナーとモラル、そして相手を思いやる気持ちが大切になります。ネットの向こうに生身の人間がいるという事実を忘れないでください。

 デジタル化が進む社会だからこそ、スポーツをはじめ自ら身体を動かし、感受性や身体感覚を研ぎ澄ますことが必要となります。一人でスマホの画面を見て笑うのではなく、マスクを外し、学校の活動の中で友達と共に笑い合う場面が新年度は増えることを期待します。

 学校だからこそ出来る、お互いが認め合い、励まし合い、笑い合う時間が西高で広がることを願っています。

 「校長室からの風」

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