熊本県立熊本かがやきの森支援学校長
藤　田　泰　資

平成２５年１１月１日付けで、熊本県立熊本かがやきの森支援学校開校準備室が熊本県立熊本支援学校内に設置されました。本校は、県立特別支援学校整備計画に基づき、医療的ケアを必要とするなどの重度・重複障がいがある児童生徒の安全・安心かつ障がいに応じた適切な学習環境を確保することを設置目的としています。主として熊本支援学校の第Ⅰ学部の児童生徒を対象に、平成２６年４月に熊本支援学校内で開校し、秋には、熊本市西区横手で建設中の新校舎に移転する予定です。

新校舎は、体育館を含めた全館冷暖房、全教室床暖房を備えるとともに、看護師が常駐し医療的ケアを行うケアルームや各教室棟で看護師が待機するナースピットを設けるなど、安全・安心に配慮した教育環境となっています。そのほか、温水プールや個別学習室等を備え、一人一人の教育的ニーズに応じた教育ができるよう配慮されています。

学校の概要や開校までのスケジュール、工事の進捗状況等について、地域住民の皆様や熊本支援学校第Ⅰ学部在籍児童生徒の保護者の皆様に説明会を行い、お知らせしてきました。今後は、このホームページにおいても準備状況についてお知らせしていく予定です。

熊本かがやきの森支援学校は、次の４つを校訓とします。「かがやく笑顔」「学ぶ感動」「つながる喜び」「明日への生きがい」

これは、児童生徒にだけ求める姿ではなく、本校職員にも求める姿です。児童生徒も職員も同じ目的をもって成長する学校、子どもたちが毎日楽しく元気に通うことができ、保護者の皆様に安心していただける学校、そして、地域の皆様から愛される学校となるよう、開校準備を進めて参ります。

   御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。

春うららかな今日の佳き日に、たくさんのお客様方においでいただき、熊本県立熊本かがやきの森支援学校の開校式並びに入学式を挙行できますことを、心から感謝申し上げます。

本日ここに熊本県立熊本かがやきの森支援学校が開校しましたが、これまで本校の開校に向けて御尽力いただきました、蒲島熊本県知事様をはじめ関係のすべての皆様方に対しまして、改めて御礼を申し上げます。

本校が目指す教育は、安全・安心な教育であり、一人一人の持てる力を精一杯伸ばす教育です。この達成に向けて、保護者の皆様はもとより、教育、医療、福祉など関係機関の皆様からお寄せいただいている期待の大きさと、我々に課せられた責務の重さに、教職員一同、身の引き締まる思いです。

これまで熊本市域における重度重複障がい教育は、主に熊本支援学校がその責任を果たしてこられました。私どもは、熊本支援学校の長い歴史の中で培ってこられた専門性や保護者の皆様との深い絆を継承・発展させて参ります。本校の校訓として「かがやく笑顔、学ぶ感動、つながる喜び、明日への生きがい」の四つを掲げ、児童生徒諸君、保護者の皆様、地域の皆様、関係機関の皆様とともに新たな歴史を築いていくために全力を尽くす覚悟です。

さて、新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員一同、心から歓迎します。皆さんは、記念すべき本校初めての入学生となられました。これから、卒業まで三年から十二年という、長い年月を本校で過ごすことになります。この年月は、長い人生の中で、とても貴重で大切な時間です。皆さんが豊かな生活が送れるよう、先生たちがたくさんの学習を用意しています。運動会や遠足など、楽しいこともたくさんあります。どうぞ、元気でしっかり勉強してください。

今日まで限りない慈しみをもってお子様の成長を支えてこられた保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。本校では、お子様の将来について保護者の皆様と一緒になって考え、その夢の実現に向かって精一杯取り組んで参ります。今後、お子様の教育について担任との話し合いの場を用意して参りますので、お子様の自立に向けて一緒になって頑張って参りましょう。

最後になりましたが、御来賓の皆様方、本日は、御多用中にも拘わりませず、御臨席いただき誠にありがとうございました。本校は、本日、熊本支援学校の中で開校しましたが、新校舎を熊本市西区の城西校区に建設中です。一万四千平方メートル余という広大な敷地に、最新の設備を備えた安全安心な教育環境が造られており、十二月からは新校舎で学ぶことになります。城西の地に移りましても変わらぬ御支援を賜りますようお願い申し上げます。

新入生の皆さん、在校生の皆さん、いよいよ全員そろって、熊本かがやきの森支援学校がスタートしました。みんなで力を合わせて、いい学校を作っていきましょう。

未来を担う人材の育成という崇高な使命を自覚するとともに、入学生・在校生の皆さんの限りない可能性を祝し、開校式並びに入学式の式辞といたします

        平成２６年４月１０日　　

　４月の開校から３か月余が過ぎましたが、保護者の皆様のご協力のおかげで、本日、無事に一学期の終業式を迎えることができました。改めて、感謝申し上げます。

本校では、一人一人の持てる力を精一杯伸ばすことを大きな目標としており、このことは、校歌の２番に歌い込まれています。

  身体に重い障がいのある子どもたちの場合、知的にも重い障がいがあると思われがちですが、そういう決めつけは子どもの成長にとって大きなマイナスとなります。私たち教員は、児童生徒の可能性に目を向け、知的側面もしっかり伸ばすよう、日々関わり方や教材の工夫に努めているところです。

今後も、保護者の皆様の願いを踏まえ、家庭と学校が協力して取り組んで参りたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。

二学期に、元気でお会いしましょう。

開校記念式典　校長式辞

我が子への願いを教師に伝えることの大切さ

　先般のＰＴＡ懇親会におきましては、たくさんの保護者の皆様にご参加いただき心から感謝申し上げます。役員の皆様には、会場の手配、参加者の集約、当日の運営等々、大変お世話になりました。各テーブルでは、大きな声で話さないとお互いの声が聞こえないほどの盛り上がりでした。

　そんな中、あるお母さんからお子さんの名前の由来について話を伺いました。名前には親として我が子に託した願いが込められています。その願いを私たち教師が知ることは、とても大切なことと思いました。

　私が担任教師をしていた頃の話ですが、ある保護者が「歩けるようになってほしい。」との願いを話されました。家庭でも病院での機能訓練を熱心に続けられ、親としての長年にわたる願いであることがひしひしと伝わってきました。私は３年間担任し一貫してこのことに取り組みましたが、残念ながら歩けるようにはなりませんでした。しかし、その願いは新しい担任に引き継がれ、その夏についに一人で歩くことができるようになりました。学校としては約４年間、親御さんは約１１年間の取組でした。

　私たち教師にとって、保護者の願いを伺うことは、教育を推進する大きな力となります。それは、親御さんと教師が、同じ目標に向かって取り組むという強いパートナーシップを感じることができるからだと思います。

　健康や身体のこと、身辺処理や言葉・かずに関することなど、それぞれの分野について保護者の願いを知ることは、教育を行う上でとても大切なことです。どうぞ、担任にその願いを率直に伝えてください。そして、よろしければ命名の由来もお聞かせください。名前には、親としての一番初めで、一番大きな願いが込められていると思うからです。

　明日から長い夏休みに入ります。ご家族にとりましては、共に過ごす貴重な時間でもありますが、ご苦労も多いことと思います。何かあれば遠慮なく学校にご連絡ください。