学校新聞「いとでんわ第185号」発行にあたって 卒業への足音と、紡がれる「いとでんわ」の輪
三月を迎えました。朝夕はまだ厳しい寒さが残るものの、日中の柔らかな陽光や、校庭に膨らみ始めた花の蕾に、確かな春の訪れを感じる季節となりました。
さて、いよいよ今年度の締めくくり、そして卒業という大きな節目を目前に控えています。現在、校内では卒業式の練習が始まり、ホールには心地よい緊張感と、どこか切なくも温かい空気が流れています。卒業証書授受の動作を確認する卒業生の横顔には、数年前の入学当初にはなかった「自信」と、未来を見据える「力強さ」が満ち溢れています。その一挙手一投足を見守る教職員もまた、子供たちと共に歩んだ日々を思い返し、胸が熱くなる思いです。こうした練習の風景や、卒業を控えた子供たちが取り組む作業学習の様子も、私たちはICTを活用して記録し、振り返りを行っています。自分の頑張りを動画や写真で客観的に見ることで、子供たちは「自分はこんなにできるようになった」という達成感を深めています。こうした「成長の見える化」は、保護者の皆様との共有だけでなく、卒業後の進路先や地域社会との橋渡しにおいても、非常に重要な役割を果たしています。画面越しに伝わる子供たちの生き生きとした姿は、社会という新しいステージへ踏み出すための、確かな自信へとつながっています。
卒業は一つの「別れ」ではありますが、同時に地域社会という「新しいステージ」への出発でもあります。子供たちがこの芦北支援学校で紡いできた「いとでんわ」の糸を、今度は地域の皆様が優しく受け取ってくださる。そんな温かい循環が生まれることを願ってやみません。学校、ご家庭、そして地域、この糸をより太く強く結び直し、子供たちの未来を支えるネットワークを強固なものにしていきたいと考えております。
保護者の皆様、そして地域の皆様。最後の一日まで、子供たちが「Only One」の輝きを放ちながら自信を持って羽ばたけるよう、引き続き温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。
私たち教職員も、皆様からの声に耳を傾け、ICTも積極的に活用しながら、一人一人の門出を精一杯支えてまいります。
熊本県立芦北支援学校 校長 櫻井 祐二