全国高等学校ロボット競技大会中止の報に接して
10月24日(土)~25日(日)に大分市で開催予定だった第28回全国高等学校ロボット競技大会の中止が発表されました。新型コロナウイルス感染防止の観点から、県を超えた人の移動を避けるため中止の判断に至ったようです。「とうとうロボット大会までもか」と暗然とした気持ちになりました。中止決定を知らせてくれた電子機械科の職員も肩を落としていました。
御船高校は、これまで全国高等学校ロボット競技大会において通算9度の優勝を果たしており、高校ロボット競技の世界では広く知られています。このことは電子機械科の職員と生徒たちの弛(たゆ)みない努力の成果と思います。昨年の第27回全国高等学校ロボット競技大会(新潟県長岡市)では10度目の優勝に挑みましたが、決勝トーナメント1回戦敗退という大変厳しい結果に終わりました。敗退が決まった瞬間、ある生徒は両手で頭を抱えて天を仰ぎ、ある生徒はフロアにしゃがみ込んでいた姿が今も目に焼き付いています。
昨年の1回戦敗退直後から、御船高校マイコン制御部ロボット班の生徒たちはV奪還を目指し、部活動に取り組んできました。新型コロナウイルス感染拡大に伴う長期の臨時休校期間も、秋の全国大会は実施されると生徒たちは信じていました。5月中旬の登校日に部長の緒方君(3年)に会った時、「自宅でもロボット競技のことばかり考えています」と明るい表情で話してくれました。しかしながら、彼らの活動の集大成の場は失われたのです。全国高校総体、全国高校総合文化祭、夏の甲子園大会をはじめ各種の大会や重要な検定試験等がのきなみ中止となっています。
「このまま終わらせるのは、あまりにも生徒が可哀そうです。」と今日も電子機械科のある職員が私のところに来て、無念の思いを訴えました。この思いはすべての部活動の顧問、いやすべての高校教職員共通のものでしょう。
本校では部活動は6月8日(月)から一斉に再開する予定ですが、まだ、新入生は部活動への入部手続きも終わっていません。御船高校電子機械科でロボットを作りたい、操作したいとの熱い志望動機で入学してくれた生徒が今年も幾人もいます。彼らのためにも、2年余り取り組んできた3年生の最後の出番を設けてやることができないか、考えなければなりません。
学校とは、生徒たちが安心して生活できる居場所と輝く出番がある世界のはずです。本校独自で、または地域の学校のネットワークでもって、3年生の最後の出番を創り出していかなければと強く思います。