卒業コンサート
開演を知らせるブザーが鳴り、観客席の照明が次第に暗くなります。一方、ステージはより明るくなり、まるで暗い海に浮き上がる光の舞台のようです。久しぶりにコンサート開演の雰囲気を味わいました。コロナ禍の中、御船高校芸術コース音楽専攻生の演奏会を立派な音楽ホールで開催できることに感慨深いものがありました。
12月8日(火)、御船町カルチャーセンターのホール(500席)で、午後6時から御船高校芸術コース音楽専攻演奏会が開かれました。この演奏会は、3年生にとっては卒業コンサートとなります。芸術コース音楽専攻生にとっては毎年恒例の大きな行事ですが、今年は開催できるか心配の声がありました。秋になり新型コロナウイルス感染の第三波が起こり、この熊本でも警戒レベルが上がりました。しかし、御船町カルチャーセンターのご理解もあり、主催者の学校側が感染対策を十分に講じるということで演奏会実現に漕ぎつけたのです。音楽ホールで演奏できるかできないかは、生徒たちの気持ちが大きく違ってきます。
当日、会場の受付では、音楽専攻者だけでなく芸術コースの他の生徒達も協力し、来場者の検温や連絡先記入、誘導などが行われました。観客席は一つおきに座り、30分に一回は換気が行われました。生徒と教職員による手作りの演奏会であり、当事者として感染対策に努めたことは大きな意義があったと思います。
音楽専攻生は3年生4人、2年生5人で、9人全員がステージに立ちました。第一部では9人の専門とする楽器のソロ演奏です。第二部では、アンサンブル、合奏、合唱で、第一部では緊張気味だった生徒たちの表情も和らぎ、笑顔が出るようになりました。特に2年生5人によるアンサンブル(ハンドベル、合唱)は軽快なダンスを披露し、弾むようなパフォーマンスで会場の雰囲気を一変させました。最後の合唱「桜の雨」(作詞・作曲 森晴義)は卒業がテーマであり、2年生のピアノで8人が気持ちを一つにしっとりと歌い上げました。
エンディング、3年生4人を代表し、酒井さんと井藤くん(唯一の男子)が挨拶してくれました。3年間の思いがこもり、仲間をはじめ指導者、保護者への感謝の言葉で締めくくられ、印象深いものでした。
音楽専攻の皆さん、楽器ができるということはとても素敵なことです。楽器はあなたたちの身体(からだ)の一部となっています。これからも音楽があなたたちを支え、励ましていってくれるでしょう。
寒い夜でしたが、心温まる演奏会でした。