「前に進む強い意志」 ~ 生徒会長からのメッセージ

 6月8日(月)、朝8時半から今年度最初の生徒会主催の全校朝礼が行われました。昨年度までは、全校生徒が体育館に集合し、生徒会長の挨拶、生徒会からの連絡、そして校歌斉唱という順序で全校朝礼が実施されました。しかし、新型コロナウイルスウイルス対策を踏まえ、今年度最初の全校朝礼は校内放送で行われ、全校生徒は各教室で聴きました。

 生徒会長の田中さん(電子機械科3年)の全校生徒へのメッセージは、私たちの心に深く届きました。「賑やかになりつつある御船高校に喜びを感じます。」と田中さんは切り出した後、高校総体、高校総文祭、夏の甲子園大会など部活動の集大成の場がなくなったことへのやり場のない憤りや悔しい気持ちを語ります。田中さん自身、1年次から目標としてきたモノづくりコンテスト及び技能検定試験が中止になったことで目標を失い、喪失感でいっぱいになったと率直に自分の心情を述べました。しかし、田中さんは、自分自身がそれほど悔しい気持ちになったということは、それだけ「努力をしてきたということ」、目標に向かっての「強い意志があったこと」に気づいたと言うのです。

 田中さんは、同級生である3年生に呼びかけます。「今までの努力を捨てるのではなく、これまでの強い意志を次に託しませんか」、「前を向いて、かっこよく前に進みましょう。」と。きっとこの言葉は、3年生を励ましたことと思います。後輩の2年生に対しては、「先輩を追い抜くぐらい頑張ってください。」とエールを送り、これから高校生活が始まる1年生には「新しいことに挑戦」することを望みました。

 最後に、新型コロナウイルスの脅威が収束していない状況に触れ、「自分自身へ問いかけながら、今の行動が正しいのかをよく考え、自分のためみんなのために体調に気をつけて過ごしましょう。」と締めくくりました。簡潔で、気持ちのこもった生徒会長からのメッセージでした。聴いた生徒の皆さん一人ひとりが受け止め、これからの学校生活に活かしてくれるものと期待します。強い意志で前へ進もうという生徒会長のメッセージで一週間が始まったことは御船高校にとって大きな意義があると思います。

 学校再開という希望に支えられ、生徒のみなさんと私たち教職員は長い休校期間を過ごしてきました。漸く学校は再開されました。しかしながら、失ったものは大きく、今後も様々な制約があり、以前のような学校生活は戻ってきません。けれども、前へ進む強い意志があれば、私たちの学校、御船高校の新しい航海の前途は洋々と思っています。