入学式式辞(抜粋)




入学式式辞より
(抜粋)

                                    校長 西澤 頼孝

 新入生の皆さん、入学おめでとう。私たち職員は、皆さんの新たなるスタートを祝福するとともに、心から皆さんの入学を歓迎いたします。

 御船高等学校は、大正十一年に、熊本県で八番目の旧制中学校として創設され、今年度九十六年目を迎える、県下でも屈指の歴史と伝統を持つ高等学校です。現在も、ロボット競技大会での活躍は言うに及ばず、芸術活動の面、部活動の面などにおいても輝かしい実績を上げています。

 この御船高等学校で、多くの先輩方の心の根幹を育て上げてきたものが、初代校長、岩口石蔵先生が開校時に定められた三綱領、「一つ、誠実以て人に接す」「一つ、自ら進んで学を修む」「一つ、自律以て己を処す」の精神です。いつの時代においても、先輩方は常に、学校の輝かしい歴史・伝統に大きな()誇りを抱き、この三綱領の実現に努めてこられました。「人を思いやる豊かな心」、「積極的に自ら学ぶ姿勢」、「自ら考え行動するたくましさ」。この三綱領の精神を生かしていくことこそが本校の伝統をよりよく発展させていくものです。新入生の皆さんも、一日も早く校風に慣れ、三綱領の精神を自らのものとして、新たな伝統づくりに加わってほしいと思います。

 さらに、本年度は、「熊本地震」震災復興元年の年であり、本校は被害の大きかった地域の高等学校として、復興、防災の中心的役割を果たしていく使命があります。皆さんの若い力を、地域の復興及び活性化のために大いに役立ててください。

高校時代は、自らの将来について具体的に模索する重要な時期であり、これから生きていくために必要な「自己形成」の第一歩です。目標を立てて勉学に励み、体と心を鍛え、自主自律の精神や規範意識を身につけることで、人間的に成長してほしいと思います。そして、勉学に、スポーツに、若き情熱を傾けてくれることを切に願っております。