1学期の終業式を迎えて

   7月31日(金)、御船高校は1学期の終業式を迎えました。前日、梅雨明けが宣言されたばかりですが、一気に真夏となり、気温は35度の猛暑日です。前庭の「天神の森」からは蝉時雨(せみしぐれ)が聞こえます。

 終業式は、午後1時半から全校放送形式で実施しました。生徒の皆さんはそれぞれのホームルーム(教室)で聴きます。最初に、「令和2年7月豪雨災害」によって犠牲となられた方々のご冥福を祈り、全員で黙祷を捧げました。

 そして、校長講話。1学期を振り返ると、社会も学校も新型コロナウイルス感染の影響で未曽有の混乱の日々だったと思います。パンデミックと呼ばれる世界的流行が今も続いています。連日、わが国の新規感染者の数値が発表されていますが、異常な出来事であるのにも関わらず、それが数か月続くと、異常に感じられず新型コロナウイルスと共にあるのが日常のように思えてきます。

 目に見えないウイルスへの対策は困難で、誰もが感染する可能性があります。感染者に対して偏見や悪意のまなざしを向けてはいけません。誰も悪くないのです。私たち全員が逃れられない災難に巻き込まれていると考え、支え合い、もうしばらく辛抱していきましょうと生徒の皆さんに呼びかけました。

 わが国全体が新型コロナウイルスによって翻弄されていることに加え、私たちの熊本県は豪雨災害にも襲われました。令和2年7月豪雨災害において、県南部では記録的な大雨に見舞われ、球磨川をはじめ河川の氾濫、土砂崩れ等が発生し、多くの人命が失われ、家屋が流され、道路や鉄道が寸断されました。災害発生から3週間余り立ちましたが、いまだ被災地では復旧が進んでいないと言われています。しかし、その中にあって、被災地の高校生たちが汗だくになって泥をかき出し、流木や水につかった家具などを運ぶ姿が伝えられています。若い力が復旧活動に加わることで、被災地の人たちを元気付けることになります。本校の生徒会有志も明日、被災地の一つである相良村へボランティア活動に赴きます。

 校長講話に続き、生徒会長の田中さん(3年B組)の退任挨拶がありました。田中さんは入学してすぐに生徒会執行部に入り、2年次に生徒会長に立候補して当選し、会長として重責を果たしてきました。田中さんは、生徒会活動を通じて多くのことに気づき、自分自身も変化して成長してきたと述べました。本日をもって新会長の村田君(2年1組)にバトンを渡し、自らの進路実現に挑みます。3年生にとってはいよいよ進路の夏が始まるのです。

 未知のウイルスの脅威、自然災害の爪痕と不安に満ちた社会ですが、御船高校は1学期を終え、次の課程へと一歩踏み出します。

                                                                 教室で黙祷する生徒たち