卒業、そして旅立ち ~ 令和元年度卒業式

 令和2年3月1日(日)、熊本県立御船高等学校「第72回卒業証書授与式」を挙行しました。新型コロナウイルス感染拡大予防のため、来賓及び在校生(2年生)の出席はなく、吹奏楽部の演奏も行わない簡素な式典となりました。しかしながら、卒業生に対する私達教職員の祝福と励ましの思いはより熱いものがあります。そして、1,2年生の芸術コース美術専攻の生徒たちが、昨日のうちに3年生各教室の飾りつけや黒板にチョークで絵やメッセージを表現してくれていました。

 日曜日ということもあり、例年以上に保護者の出席が多く、マスク着用にもご協力いただきました。会場の体育館は換気に努めたため寒さを感じる一方、凛とした雰囲気を醸し出していたように思います。

 卒業生は普通科(芸術コース含む)105人、電子機械科67人の計172人です。平成29年春に入学し、以来3か年、天神の森に見守られ、起伏に富んだ高校生活を送ってきました。この学年は1年次「一点突破」、2年次「二人三脚」、3年次「猪突猛進」とそれぞれスローガンを掲げ、今田学年主任のリーダーシップのもと生徒たちを育ててこられました。

 卒業式は学校教育の集大成です。在校生でただ一人参加した2年生の田中さん(生徒会長)は、送辞の中で、先輩たちと共に活動した生徒会の日々を振り返り涙声となりました。対する卒業生代表の野中君(前生徒会長)の答辞では、この先の行く手にどんな困難があろうとも進んでいく決意表明がなされ、頼もしく思いました。最後の校歌斉唱はよく声が出て力強いものでした。卒業生退場では、クラスごとに大きな声で保護者や教職員への感謝の気持ちを伝え、まことに爽やかでした。

 卒業式は旅立ちの場です。生徒たちはこの天神の森の学び舎を羽ばたいていきます。まだ見ぬ多くの人々、景色、様々な物語が、彼らを待っています。自立へのわくわくした期待感に包まれていることでしょう。今日、新しい旅が始まるのです。

 毎年こうして若人の旅立ちの場に立ち会えることは、とても幸せなことです。高校教師の道を選んで良かったと思います。