2019年2月の記事一覧
仮定法の思い出
トランプ大統領の5日の一般教書演説、いまだにメキシコ国境に壁を建設する公約の実現に強い意欲を示していることなどがテレビ等で盛んに報じられ、生徒の皆さんもきっと耳にしているはずです。
今朝7日の朝刊各紙にはその和訳が載っていました。讀賣新聞には、演説のポイント部分について英文が載っていたので、何気に目を落としてみました。
If I had not been elected President of the United States, we would right now, in my opinion, be in a major war with North Korea.
私が米国の大統領に選ばれていなかったら、私の意見では、今まさに、北朝鮮と大規模戦争になっていただろう。
たまたま読んだ大統領の英文、仮定法でした。「英語中級者の壁」とも言われるこの構文、私も高校の頃、散々苦労したことを思い出します。
手元のシラバスによると、本校では3年生の「コミュニケーションⅡ」で3学期に仮定法過去や仮定法過去完了について学習するようです。誰が名付けたんでしょう。名前がいかめしいですよね!「仮定法過去完了」って。この大統領の英文、まさにその「仮定法過去完了」かと思いきや、if節が仮定法過去完了、主節が仮定法過去という高校生泣かせのあの恐ろしい構文でした。
私が仮定法について学んだのは高校2年生の頃です。「英語では仮定の話をするとき、なぜ一つ前の時制を使うのか」、多分そんなことだっただろうと思い出すのですが、先生が熱心に説明していました。
その時、私は教室の廊下側の一番前の席で、開けっぱなしのドア越しに廊下の向こうから校舎に迷い込んだ仔犬がこっちに来るのが見えました。私と目が合うと突然立ち止まったので、「どこから来たの、お腹すいたの・・・?」とか口パクでしゃべってしまいました。当然、先生に見つかってしまい、「授業に集中してない!」とこっぴどく叱られ、怒り狂った先生が何とそのワンちゃんの首根っこを掴んで校庭に追い出してしまいました。私にとって仮定法はそんな苦い思い出と一緒に甦る構文でもあります。
そういうことを思い出しながら、今一度大統領の英文と和訳を読んでみたら、エッ?和訳がひょっとして間違っているのでは?と気付きました。
讀賣といえば、日本を代表する大新聞です。校閲はしっかりしてあるはずで、そんなことはまずあり得ないはずですが・・・。でも、right now が挿入され、「今まさに」とあるわけですから、当然文末は現在形で訳し、次のようになるべきではないかと思います。どうなんでしょう。生徒の皆さんはどう思いますか?
私が米国の大統領に選ばれていなかったら、私の意見では、今まさに、北朝鮮と大規模戦争になっているだろう。
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