徒然雑記帖

徒然雑記帖

平成30年度の就職試験を振り返る

 

就職試験ではどのような問題が出題され、面接で何が問われたのでしょうか。概要を知っておくことは学校を預かる責任者として大事なことであると思い、3年生の皆さん方が提出した受検報告書に毎年目を通しています。

 

集団討論で「日本食と言えば寿司か蕎麦か」というお題で議論させた企業がありました。一体どんなことが話し合われたのだろうと興味津々です。

また、計3社で中学校で必須教科を1つだけ加えるなら何か」と面接で問い、「学校の教科で1つ増やすとすれば何か。理由も添えて述べなさい」と作文で出題していました。昨年度は、「祝日に1日付け加えるとしたら何?」とあり、「エッ?!」と思ったところでしたが、今年は「教科」です。一体どのような答を期待しているのでしょうか。もし学生時代に学び足りなかったことを聞いているのだとしたら、私なら「年金制度」と答えるかもしれません。

ということで、いくつかの問題を紹介します。(【 】内に地区と業種を示しました。3社以上で出題があった問題は【多数】と表記しています)

1、2年生の皆さん方は、このような問題に来年、再来年に直面します。今の実力でどのくらい対応できますか?

 

作文   

・「入社3年後の目標」(「20年後の自分について」「社会人になってチャレンジしたいこと」「目標を達成するために継続して努力したこと」「社会人になるに当たっての心構え」「大工になってやってみたいこと」等も)【多数】

・「高校生活で一番困難だったこと」(「それをどう乗り越えたか」「その結果何を得たか」「それを今後どう活かすか」「今まで一番打ち込んだこと」「私が一番自信をもっていること」等も)【多数】

・「働くということはどういうことか」(「私にとって働きやすい職場とは」「仕事を通してどういう力をつけたいか」「働きながら成長するために心がけたいこと」「仕事をする上で大切なこと」等も)【多数】

・「製造業で一番必要なコンプラインアンス意識とは」【中京・製造】

・「学校の教科で1つ増やすとすれば何か。理由も添えて書きなさい」【中京・製造、中京・鉄鋼】

・「あなたを漢字1文字で表現するとしたら何か。理由も書きなさい」【中京・鉄鋼】

・「次の2つの中からあなたが修理できるものを選び、今まで学んだことを活かして修理の手順や必要な道具を詳しく書きなさい」【関東・保全】

①エアコンの効きが悪い ②パソコンでインターネットに繋がらない

・「お年寄りと関わる中で感銘を受けたこと」【熊本・介護】

 

集団討論

・「皆さん達4人はチームです。4人で会社を起業するとしてあなた達は何を売りますか」【中京・製造】

・「ドラえもんの四次元ポケットがあったとして、のび太君と世界を幸せにする道具をそれぞれ一つだけ選び、その理由並びにその道具の欠点を話し合ってまとめなさい」【中京・鉄鋼】

・「中学校で必須教科を一つだけ加えるとしたら何か【中京・製造】

・「中高生のインターネットの依存の対策は」【九州・製造】

・「成功体験と失敗体験のどちらが人を成長させるか」【九州・電力】

・「KYT(危険予知訓練)活動。絵を見て危険なところを探し、安全策を5人で討論しなさい」【近畿・製造、中京・製造】

・「東京オリンピックを盛り上げるためには」【中京・製造】

・「社会のルールを守らない人はなぜ守らないのか、その解決策は」【九州・製造】

・「日本食と言えば寿司か蕎麦か【関東・鉄道】

・「飛行機が故障して砂漠地帯に不時着した。そんな中あなた達5人は12個のアイテムを手にして逃げることになりました。12個の必要なアイテムを挙げて順位を決めなさい」【中京・製造】

・「学生と社会人の違い」【中京・製造】

・「ある企業には野球部があり、ファンクラブもある。同じように部を作るとしたら何部を作るか。チーム名、スローガン、集客方法、資金をどうするか」【関東・鉄鋼】

 

筆記試験(時事問題系の一般常識)

・「熊本県知事の名前をフルネームで漢字で書け」(「今の内閣総理大臣の名前」、「校長の名前」等も)【多数】

・「熊本城を建てた人は」【熊本・設備】

・「オリンピックの種目で新種目4つのうち1つ答えよ」【関東・電力】

・「自民党の総裁選挙に出馬するのは安部普三首相とあと一人は誰か」【関東・保全】

・「2018年、テニス全米オープンで優勝した選手は」【九州・建設】

・「東京オリンピック、パラリンピックのキャラクターは」【関東・製紙】

 

面接

・「高校時代に頑張ったこと」【多数】

・「年上の方や上司と仕事をしていくわけだが、どうすると上手く付き合っていけるか」【多数】

・「働くとはあなたにとってどういうことか」(「仕事とは何か」等も)【多数】

・「ジュニア・マイスターとは何か」【多数】

・「あなたが知っている重機の名前は」(「弊社の製品の名前は」等も)【多数】

・「弊社を漢字1文字で表すとしたら何か」(「漢字2文字なら何か」、「あなた自身を漢字1文字で表すと何か」等も)【多数】

・「あなたにとってどのようなことがストレスか。ストレス発散法は何か」【多数】

・「自分を動物に例えるなら」(「自分を車の部品に例えると何か。またその理由は何か」等も)【多数】

・「不得意な科目をどのように努力し克服したか」【中京・製造】

・「昨夜は寮に泊まってもらったが、同室4人とコミュニケーションを取ったか」【近畿・電力】

・「人の意見を聞いて動くタイプか、それとも自分で決めて行動するタイプか」【熊本・製造】

・「初任給をどう使うか」【中京・製造】

・「SNSに関してどのようなことに気をつけているか」【関東・鉄鋼】

・「あなたにとって苦手な人はどんな人か。その対処法は何か」【関東・建築】

・「あなたが住んでいる町の特徴は」【中京・建築】

・「ふりこ、ストップウォッチ、棒の3つを使って振り子の周期を確実に測定する方法は」【熊本・製造】

 

集団工作等

・紙20枚とはさみ、テープを使って8人で共同して高いタワーを作る。ただし、紙と紙との接合にテープを使ってはいけない。タワーの名称、工夫した点を話し合い、代表一人が発表。【中京・製造】

・ミニゴルフで得点を競う。(各班7人。まず、司会1、書記1、タイム1、応援2を選ぶ。選手と各係は重複可。各グループで「動作手順」を作成し、その手順通りに選手1人が3球ずつ打って3人の選手の合計点を班ごとに競う。その後、上手くできた点、できなかった点を面接で聞かれる)【中京・鉄鋼】

・マシュマロタワーにチャレンジ!【関東・電力】

パスタの乾麺20本、テープ90cm、たこひも90cm、マシュマロ1個(頂上につける)これらを使ってより高いタワーを4人で作りあげる。(説明5分、個人ワーク5分、作戦タイム13分、制作20分、反省10分)

 

まとめ

作文のお題は、毎年定番のものばかりです。面接では、社会の出来事を反映した時事問題を問う企業があるようです。グループワークや集団討論を課す企業が年々増え、採用に当たりコミュニケーション能力重視の姿勢は一貫したものを感じます。また、昨年度と同じ出題が続いている傾向が非常に顕著で、過去問をしっかり解いておく必要性を痛感します。

 

最後に・・・、生徒諸君が残していた感想には、「工場内は5Sが徹底していて、ゴミ、油など全く落ちていなかった」、「工場内は隅々まで掃除が行き届いており、さすがだと思った」などが沢山あり、普段から5Sを口うるさく指導している成果が出ているな・・・と嬉しく思ったところでもあります。

【校長】

 

追伸

 

=29 【多数】

 

□に+,-,÷,×を入れて式を完成させる問題を短時間にできるだけ沢山解くもので、SPIの常連で筆記試験でも多くの企業が出題しています。ちなみにこの答は順に+、×、-

このような算数系の問題(小町算)は、普段から私のサイトを見て数に関する感覚を磨いておくと得意になるかもしれません。

 

この問題を見て閃きました。今日1219日は、今年最後の素数日です。それを記念して日にちの数字をそのまま並べた1219をこの式で作ることができないかということです。即ち

 1219 

暫く考えたところ、何と全部「+」だけでできあがりました。

 

!+(!!)!!+!!+!!!=1219

 

「階乗、しかも多重階乗なんか使ってずるい」と言われそうですが、「+だけでというのが凄い偶然だ」と思わず唸ってしまいました。何かいいことがありそうです。

 

素数日とは

平成30年12月19日を301219のように6桁で表すと素数になる日です。このことについては、今年1月1日の記事で一度紹介したところですが、改めて書き出すと以下の通り24日あり、今日は今年の最後の素数日になります。

 

300109300119300221300301300317300319

300323300331300413300427300511300623

300719300721300809300821300823300929

301013301027301123301127301211301219

西南戦争と人吉、そして村山台地

 

俳優の鈴木亮平さんが主演を務めるNHKの大河ドラマ「西郷どん」が昨夜とうとう終わってしまいました。最後2回は「西南戦争」での激しい戦闘の様子が圧巻でした。

言うまでもなく、西南戦争(西南の役)は、1877年(明治10年)に九州で、明治新政府に対して反感を持っていた鹿児島の士族達が西郷隆盛を盟主にして起こした武力反乱です。明治初期に起こった一連の士族反乱の中でも最大規模のもので、我が国最後で最大の内戦と言われています。

平和的な交渉を望んだのに賊軍となってしまった西郷軍、「最後の侍」として日本のために使命を全うし、こうやって歴史になっていってしまったのかと感無量の思いで見ました。

 

ところで、生徒の皆さんは、ここ人吉市が西南戦争の激戦地の一つだったということは大丈夫ですか。「西郷どん」では先週(第46話)、解説字幕で「人吉」という地名がほんの一瞬出ただけでしたが・・・。

そして、この戦争が献血等の際にお世話になっている日本赤十字社発足のきっかけになったということは知っていましたか?(「西郷どん」ではこのことは扱われなかったようですが・・・。)

 

本校の校歌の1番は、「ふるさとの文化の朝に 風さやか村山台地♪」の出だしで始まります。本校が所在するこの村山台地こそ、西南戦争を語るうえではずせないキーワードになります。

  

本校南門から出て150mほど東に進んだ人吉西小学校の正門付近は、地図上に「∴」の記号が付いています。歴史に残る事件に関係のあった場所・建物や遺構(史跡)を表すこの記号、「西南の役官軍砲台跡」を示すものです。右の写真はそこに立つ案内板です。

 

その説明書きや史料によると、薩摩軍は、九州を北上し、熊本城を攻めますが、中々うまくいかなかったようです。1873(明治6)年3月、田原坂の戦いで敗れた薩摩軍は熊本城をあきらめ、追ってくるであろう官軍を迎え撃つために人吉にしばらくの間滞在しました。西郷隆盛は永国寺に本部(宿舎)を置いて戦争の指揮を執ることにし、球磨川南岸に兵を集結しました。

一方、薩摩藩を追って人吉に入った新政府軍は、人吉城下を一望でき見晴らしの良い村山台地に砲台を築きました。6月1日、眼下球磨川に展開する薩摩軍への総攻撃を開始。球磨川を挟んで砲火が飛び交いました。薩摩軍には人吉の士族たちも多数合流していましたので、父子、兄弟、甥と叔父が敵味方に分かれて戦ったとありました。(こういう記述は、中世の保元の乱(1156年)を彷彿させます)

薩摩軍の砲弾は、政府軍の本営まで届かず、球磨川を挟んでの攻防は官軍の圧勝で終わり、薩摩軍は、町に火を放って人吉から退却。町は、戦闘と放火により、灰燼に帰しました。それだけでなく、この人吉根拠地の期間中、薩摩軍はこの地域に苛烈な軍政を布き、政府軍と内通した容疑をかけられた住民が捕縛され、証拠も詮議も不十分なまま私刑同然に処刑する残虐が加えられているそうです。薩摩軍は総崩れとなって敗走、人吉を捨てて田代、大畑方面へ退却し、大畑に陣を敷きます。・・・以下省略します。

 

昨年は西南戦争後140年目に当たるということで、当時を振り返る催しが各地で行われたり、関連本も沢山出版されました。興味がある人は調べてみると、自分が住む人吉について新たな発見があるかもしれません。

また、いつの世も高台というのは戦局を有利に進めることが多いわけですが、本校はそんな悲しい歴史が残る村山台地に所在していることを知っておくことは大事なことかもしれません。

【校長】

 

 

昨年の夏休み期間中に生徒会の生徒たちが、「青少年赤十字リーダーシップ・トレーニング」という活動に参加してきました。生徒たちがもらってきたガイドブックの中に赤十字の歴史について次のように触れてあります。以下、長くなりますが抜粋しておきます。(参考までに)

 

日本赤十字社もスイスで最初の赤十字が誕生した時と同じように、戦いがきっかけで誕生することになりました。戦いに大きな力をもっていた鹿児島の士族である反乱軍は熊本まで攻め上がり、熊本城や田原坂を中心に明治政府と反乱軍で激しい戦いが繰り広げられ多くの負傷兵が出ました。負傷した兵士の多くは戦場に倒れたままで、充分な看護も受けられず苦痛に耐えかね、お互い刺殺しあった者もいたと言われています。

九州での悲惨な戦いを東京の地で聞いて悲しく頭を痛めていた元老院(今の国会)議官の佐野常民は、負傷した兵士がなんの救護も受けず放っておかれていることが残念でなりませんでした。

佐野常民はこれまでにヨーロッパを旅行したことがあり、その時にヨーロッパには戦場の負傷兵を敵・味方の区別無く救護する赤十字という団体があることを知っており、日本でもそのような団体を作る必要があると考えていました。この西南戦争の時に、赤十字のような団体があれば、負傷兵の生命を救うことができると考えたのです。

そのことを友人の元老院議官の大給恒(おおきゅうゆずる)に相談したところ、大給恒も大いに賛成してくれ、2人は具体的な計画をまとめました。救護団体を作りそれを博愛社と名付け、明治政府に救護活動をするための願書(ねがいしょ)を提出しました。

しかし、願書に記されていた敵・味方の区別無く救護するという考えは当時の人々になかなか受け入れられず、明治政府は、政府に逆らう反乱軍の兵士まで救護するという趣旨のこの願書を認めませんでした。

佐野常民はあきらめませんでした。認められなかった願書を持って戦場の熊本へ向かい、熊本城で政府軍の総指揮者として反乱軍の鎮圧にあたっていた有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみやたるひとしんのう)のもとへ、直接博愛社の設立の許可を願い出たのです。有栖川宮熾仁親王はこの願いを聞き入れ、その場で博愛社の設立を許可しました。

1877年5月1日のことです。日本赤十字社の創立記念日はこの日を記念して5月1日としました。これにより「博愛社」の救護員は直ちに現地に急行し、両軍の負傷者の救護にあたりました。この活動は、当時、敵の負傷者まで助けるという考えが理解できなかった人たちを驚かせました。

西南戦争から9年たった1886年(明治19年)、明治政府はジョネーブ条約へ加入しました。そして、博愛社は翌年の1887年(明治20年)に名前を日本赤十字社と改めることになり、ここに日本赤十字社として国際赤十字の一員に加わることになりました。

さらに1919年には、赤十字の平時活動を推進する国際赤十字・赤新月社連盟の創設に参画しました。

今日では、戦時平時の別なく幅広く赤十字の活動の推進に努めています。

 

長距離走大会と心拍数

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

 

今日の長距離走大会、全校生徒560人のうち欠席4人と怪我や体調不良等で見学をした22人を除く534人が寒風を衝く力走で初冬の球磨路を駆け抜けました。

途中で3人がリタイアしましたが、その他の生徒たちは全員が規定時間内(2時間)に走り抜くことができました。

 

力強い走りでみんなを先導した男子1位の鶴田舞杜君【3MA】(43分3秒:302.m/分)、女子1位の千代村春花さん【1A】(48分6秒:228.m/分)をはじめ、上位15人の皆さん方を表彰しました。そして、団体の部では2MBが優勝しました。誠におめでとうございます。

沿道周辺の皆様には、今年も大変御迷惑をおかけしましたが、終始温かいご声援をいただきありがとうございました。また、保護者の皆様には豚汁を振る舞っていただき大変ありがとうございました。

 

ところで、私は懸命に走る生徒たちを応援しながら、男子と女子が走る距離、女子11km、男子13kmをそのまま繋げた1113という数字にも思いを巡らしていました。(参考:距離を逆に並べた1311に関する昨年の記事はコチラ→13kmと11kmで思い出した積分の悲しい計算

 

1113、この数、どこかで耳にした数だな・・・と思って記憶の糸を手繰ったら・・・何と昨日、買い物をして支払ったお金でした。

1113円

ある意味、凄い偶然です。

 

1113は1113=3×7×53と素因数分解されるので、素数ではありませんが(約数は、1, 3, 7, 21, 53, 159, 371, 1113の8個)、今日12月13日の数字をそのまま並べた1213、こちらは素数です。

 

 偶然といえば、凄いことが今朝起こりました。3日前(12月10日)の記事で1248421という数がアクセスカウンター以外で実際に現れるとしたらどんな場面なのかと話題にしました。

何と、それに近い数字が今朝現れたのです!

私、毎朝、手首式血圧計で血圧を測っています。最高血圧●●●mmHg、最低血圧▲▲mmHg、脈拍数★★拍/分 をそのまま並べると、●●●▲▲★★という7桁の数になります。今現在、学校のHPの総アクセス数が7桁を刻んでいますので、血圧計が表示した7桁の数とHPの総アクセス数が極々小さな確率ですが同じになる可能性があります。そういう日がいつどんな状況で現れるのか、毎日楽しみに血圧を測って、表示された数字を眺めています。

 

今朝、右の写真のとおり、最高血圧124mmHg、最低血圧84mmHg、心拍数72拍/分 で、そのまま並べると1248472という数字になりました。3日前の記事で話題にした1248421と上5桁が見事に一致し、わずか51違い(百万台というオーダーを考慮に入れると非常に近い数)であり、朝から一瞬のけ反りました。でも脈拍が21だったら生きていないはずでは・・・と。

 

気になって心拍数が20前後の動物を検索したところ、ありました。象です。象で思い出すことがあります。生徒の皆さんは「哺乳類の心拍数と寿命は反比例し、一生の総心拍数は約20億拍で一定」という学説を聞いたことがありますか?有名ですから、耳にしたことがある人は多いかもしれません。

 

それによると、象(20拍/分)の寿命は、20億÷(20×60×24×365)を計算しておよそ70年、ちなみに人(70拍/分)は、20億÷(70×60×24×365)で、およそ54歳になります。(現在、人の平均寿命は男女とも80歳を越えていますが、医療と食生活の進歩によるものと考えられているようです)

とにかく、体が大きい(体重が重い)動物ほど1分間の心拍数が少なく長生きで、体が小さい(体重が軽い)動物ほど心拍数が多く寿命が短いという「心拍数と寿命の間の反比例の法則」そして、「哺乳類の心臓は総心拍数が20億回で打ち止め仕様」、どちらも味わい深い説です。

 

心拍数が少ないほど長生きできるというのなら、中・高校生の時にしっかり運動をして心肺機能を高めておき、平常時には70拍/分よりも低い、例えば60、50拍/分といった心拍数で動く強靱な心臓を作っておけば長生きできるということでしょうか?それとも、運動をやっていると、その分当然心拍数の増加を伴うので、やっただけ寿命が短くなるということでしょうか?

若い時に作った身体で残りの人生を生きていくというのは確かですが、こういうことが運動生理学などに無知の私にはよく分かりません。

 

ちなみに本日の長距離走大会でこんな計算をしてみました。もし、最大心拍数200拍/分で1時間半ずっと走っていたとすると、その間に心臓は1,8000回(200×90)打っていたことになります。これは生涯の総心拍数20億回に対してどのくらいの割合になるかというと、0.000009即ち9ppm*になります。この数字、一体どう捉えればいいのでしょう?

今日の長距離走大会、どのくらいまで心拍数が上がったか脈を取った人はいますか?身長や体重だけでなく、心拍数や血圧といった内臓機能についても、自分の身体のスペックとして時には気にしてみましょう。

【校長】

 

ppm(パーツ・パー・ミリオン)について

ppmは、「parts per million」の頭文字をとったもので、100万分の1の意味。主に二酸化窒素などの大気汚染物質をはじめとする公害分野や、食品添加物などの濃度、岩石中の微量元素の組成、半導体中の不純物量を示す目的などでよく用いられるが、不良品発生率などの確率を表すこともある。

拵える、誂える、設える

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

見事な西高東低の気圧配置となり寒い週末でしたが、生徒の皆さんはどのようにお過ごしでしたか?

私は京都の同志社大学に行っていました。京都検定を受験しにです。

 

2,3年生の皆さんは、昨年2学期の終業式で次のような話をしたことを覚えているかもしれません。

 

「私、せっかく人吉の地に赴任したから、地元をよく知るためにも『人吉球磨検定』を受けようと決心した。・・・テキストを買って勉強してきたが、願書請求の段階になって実施してないことを知った。・・・受験生が集まらず3年前から休止になっているらしい。・・・ここ人吉は京都と雰囲気が似ていることから『小京都』と呼ばれているが、雪辱を果たすためにも本物の京都検定を受けたい。・・・」と。

 

一時期ブームになっていたご当地検定、その嵐も過ぎ去り東京の「大江戸検定」、奈良の「奈良まほろばソムリエ検定」、京都の「京都観光文化検定」(これが正式名称)の3つがいまだに沢山の受験生を集めており、その中でも絶大な人気があるのが通称「京都検定」のようです。

私、検定試験を受けるのはおよそ10年前の技能検定以来久々です。この京都検定、今の学校教育で育むことが重要視されている思考力・判断力・表現力等とは(論文が課せられる1級は別として少なくとも2級・3級では)無縁の世界です。ひたすら暗記力だけの勝負で、そういう意味では潔い試験と言ってもいいかもしれません。京都に行ったことは高校の修学旅行を含めわずか3回しかありません。地図を広げ碁盤目状の道路配置を頭に叩き込んだうえで、数多ある寺社を始め色々なことを全て一から覚えていきました。

とは言っても、この歳になると記憶は忘却との闘いです。今日10覚えても次の日には9忘れているといった状態が続き、途中何度か断念しようと弱気になりました。くじけそうになるモチベーションを奮い立たせてくれたのが、主催者が公表しているデータです。それによると、1級~3級のどの級も受験生が一番多い層が50歳~60歳(H28年度)ということで、記憶力の減退に苦しんでいる同志がきっと沢山いるはず?・・・、そのことだけが心の支えでした。

 

 そういうことで、試験勉強では公式テキストに加えて市立図書館や県立図書館にある京都本を読み漁(あさ)りました。特にものづくり関係の本を中心に。そして気付いたことがあります。今日のタイトルにある拵える、誂える、設える」という動詞です。順に「こしらえる、あつらえる、しつらえる」と読むようです。

 

京都のものづくり(伝統工芸)については、公式テキストブックの中に次の一節があります。

 

京都の伝統工芸の「匠の技」は朝廷、巨大社寺、貴族らがスポンサーとなり一流の審美眼で京の伝統工芸にさらなる技芸の精進を促し、これに応える十分な職人芸が発達した。・・・(途中略)・・・宗教都市であり、文化都市でもある京都は、現代でも工芸美術品の需要があり、それが重層的に影響しあいながら類いまれな「手の匠」を生み出しており、国の伝産法(伝統的工芸品産業の振興に関する法律)に基づいて、経済産業大臣が指定する伝統的工芸品に京都府内の17品目が指定を受けている。・・・

 

これら3つの大和言葉風の響きをもつ動詞、京のものづくりを語る本の中になぜか高い頻度で出てきます。私自身はこれまで稀に耳にしたことはありますが、いずれも自分が普段使う語彙ではありません。それだけにすごく目についたのかもしれません。意味も曖昧でしたから、念のために辞書で調べてみました。

 

●「拵(こしら)える」とは、ある材料を用いて、形の整ったものやある機能をもったものを作り上げること。

●「誂(あつら)える」とは、自分の思いどおりに作らせる。注文して作らせること。

●「設(しつら)える」とは、ある目的のための設備をある場所に設けること。

 

語義を読んでも、日常使わない言葉だけに分かったような、分からないような変な気分です。「誂える」は、お金を払って自分ではない他の人(専門家)に頼むニュアンスが強いから、ものづくり系の動詞にも拘わらず「手偏」ではなく「言偏」なのかなぁ・・・?とか思いつつ、このような小難しい動詞が似合う京の一流の職人たちによるものづくりの奥深さに思いを巡らしたところです。

こうした言葉で語られる伝統工芸に限らず、寺社や史跡・名勝から建築、庭園、美術、芸能に至るまで広く(浅く)触れたことで、日本の政治文化の中心であった京都の奥深い魅力を新たに発見しました。その意味で京都検定、私にとってはとても有益でした。また、知識が増えていく楽しみが記憶力低下の厳しい現実を突きつけられる辛さを凌駕してワクワクしたことも実感です。

 

話を大きく変えます。一昨日8日(土)に京都に向かうのぞみ16号の中で本校のHPを開けたら、午前9時17分現在の総アクセス数が1248421でした。

 この数、右から読んでも左から読んでも同じになる回文数です。それに加え、上4桁の1248は初項1、公比2の等比数列をなし、下4桁の8421は初項8、公比(1/2)の等比数列になっているという点でも面白い数です。ちなみに素因数分解すると、素数2つの積になる「半素数」でした。

 

1248421=29×43049 

 

ですから、その約数は1,29, 43049, 1248421の4個になります。

 

ちなみに1248421という数がアクセスカウンター以外で実際に現れるとしたらどんな場面でしょう?私、超々気になって検索をかけてみました。

ありました。今、お茶の間の話題をさらっている某自動車メーカーがpdfで公表している売り上げ報告書の中に、次の表記を見つけました。こういう偶然ってあるんですね!

 

・・・販売台数は、前年比9.4%増の1,248,421台となりました。・・・

 

最後に、今日取り上げた1248421について、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、この数字が現れた日にちであり、開戦記念日でもある12月8日をそのまま並べた128を拵えてみます。

 

-1248421=128

 

××=128

 

124)×()=128

 

××××÷×=128

 

124+(÷)×=128

 

248÷√=128

 

12-(×)}×=128

 

××√×!!!!×()=128

 

12×!!+!!!!+√×=128

 

12÷×!!!!+(!!)!!!!}×()=128

 

12!!!!!!+48×}÷=128

 

12!!!!!!+sin-1/)+(!+)×=128

 

cos-1/)+(!!)!!!-÷√×()=128

 

tan-1{√()}+!!!-!!××=128

 

ということで、広島~新神戸間の1時間ちょっと間に14通り立式しましたが、まだまだできそうな気がします。皆さんだったらどのような式を拵えますか?誰も考えつかないという渾身の一式ができあがったら是非教えてください。

 

ちなみに私もサイン・コサイン・タンジェントの全てが入った奇抜な式を立式しようとだいぶ試みましたが・・・

 

sin-1/)+cos-1/-4-2tan-1)=129 ×

 

となってしまい、どうしてもあと1近づけることができずに残念です。

受験に向かっているのに、小町算なんかで遊んでないで「追い込みの勉強したら・・・?」とか言われそうです。

でも、困ったことにポテチと一緒で「やめられない・止まらない」なんですよね、これが(..;)

【校長】

12月3日→123で思い出すこと

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。月が変わってとうとう師走に突入しました。1日(土)は小春日和でしたが、昨日2日(日)は昼から雨が降り出し少々肌寒い天気になりました。期末考査も終わりましたが、生徒の皆さんはいかがお過ごしでしたか?

 

 私は昨日、多良木町で行われていたサイテク祭り( Science & Technology の略らしい)で、本校溶接部と電気工作部がブースを出していたこともあり、様子を見に行きました。天気がぐずついていたせいか、昨年度よりも若干客足が鈍ったということですが(主催者発表)、本校のロボットやUFOキャッチャーの前には写真のように終日賑わっていました。

 今日は冷たい雨の中、12月最初の登校日になりました。そして明日からは、2年生はインターンシップが始まります。将来のことを真剣に考えるきっかけになればと願っています。

事業所の皆様には大変お世話になりますが、御指導を宜しくお願いします。

 

ところで、数日間出張が続いていたので、たまっていた仕事をしようと、今日はいつもより2時間余り早く学校に来ました。到着後すぐHPを開いた時(午前5時45分)の総アクセス数は1242013

これはどのような数かな?素数ぽいけど・・・と、いつものように素因数分解をしてみました。電卓を暫く叩きましたが、なかなかできません。根負けしてネット上の素数判定機にかけたわけですが、驚くべき事実に気付きました。

 

まず、1242013 は、先日から話題にしている「半素数」(2つの素数の積として表される数)でした。

 

124201341×30293 

 

従って、その約数は 1, 41, 30293, 1242013の4個です。

 

何に驚いたのかというと、今日の日にち12月3日の数字をそのまま並べた123も 123=3×41 と素因数分解される「半素数」であり、しかも41が共通していたということです。

 

41という数、高校の頃、答案用紙が41点で戻ってきたことがあります。化学でした。あまり良い思い出はありません。

それはさておき、この41という数、なぜか神秘的です。皆さんは、名古屋市と富山市を結び、日本列島をほぼ真っ二つに縦断する国道41号線のことを耳にしたことがありますか?

全長約250キロのこの道沿いから、ノーベル賞受賞者が相次いでいるということで、この国道41号線は別名「ノーベル街道」と呼ばれているそうです。日本でノーベル賞を受賞した方の生家の何と3分の2が41号線脇にあったそうです。右はネット上で見つけたそのことを報じる新聞記事です。偶然にしてはとても神秘的ですよね。

かつては出世魚のブリをはじめとする生活物資が運ばれていたらしいですが、この業績にあやかって「現代のお遍路」をする人たちもいるそうです。

 

最後に、今日取り上げた1242013について、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日話題にした41と123の2つの数を作ることに挑戦してみます。

 

42=41

124!-=123

 

あまりにも簡単にできて、何だかな~です。もう一組作ってみます。

 

12×0!=41

-1√420××!=123

 

う~ん、ピンときません。もう一組作ってみます。

 

×+{(!+)×}!!=41

+{(0!}×=123

 

何通りもできそうですが、皆さんだったらどんな式を作りますか?

 

123で思い出すこと

123と聞いて真っ先に思い浮かぶものといえば、33年前、昭和60年(1985年)8月12日に起きた日本航空123便御巣鷹山(おすたかやま)墜落事故です。単独事故としては史上最多の死者を出した航空機事故(乗員15人を含む520人が死亡)でした。

当時、私は教師として駆けだしの頃で、数学の免許を取るために東京の玉川大学の夏期講習会(スクーリング)に2週間通っており、明日帰熊という日でした。

あの日あの時(午後7時頃)、突然テレビの画面が「飛行機が消息不明」と報じるニュースに切り替わった瞬間は衝撃的で、鮮明に覚えています。その後は夜更けまでテレビにくぎ付けとなり、仮眠してはまたテレビを見るといった感じで、生涯忘れえぬ事故になりました。

時を経て、あの大惨事を直接知らない若い人たちが増えてきています。次第に風化が進むのは致し方ないのかもしれません。

 

そんなことを時々考えていたつい先日、これまた衝撃のニュースが報じられました。何と、イギリスのヒースロー空港で、乗務直前の日本航空のパイロット(副操縦士)から、基準値の9倍を超えるアルコールが検出され酩酊状態だったというものです。2日前の新聞では、現地の裁判所は「乗客乗員を危険にさらし、大惨事を引き起こすおそれがあったとして、被告に禁錮10カ月を言い渡した」と。

副操縦士は42歳とありました。今から33年前といえば9歳になりますから、この事故を直接知らない世代なのかもしれません。しかし、大惨事を引き起こした当該会社の社員ですし、社内教育で「御巣鷹を忘れるな!」と何度も聞き、徹底した安全教育を受けていたはずです。「それにも関わらずなぜ・・・?」という思いが、私たち大人の飲酒運転が無くならないこととダブってしまいます。

パイロットは離着陸の時だけでなく、常に緊張状態を要求される特殊な職業であり、お酒にストレス発散を求める向きがひょっとしたらあるのかもしれません。でも、飛行機の事故はとにかく、とにかく悲惨です。「飛行機をコントロールする前に、自分をコントロールできる人」が操縦する飛行機じゃないと誰しも乗りたくないはずです。

 

高校生を含めた若い人たちのアルコールの問題に敏感になっている時と偶然に重なったこともあって、今年一番ショックを受けたニュースの一つでした。

 

【校長】

√1234321=?

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。生徒の皆さん、3連休、いずれも天気に恵まれましたがいかがお過ごしでしたか?今日から期末考査が始まりました。全力を尽くしてください。

 

ところで、本校のHP、最近1日におよそ1100件(1時間当たり45件)のアクセスがあっています。

今日11月27日は、そのアクセスカウンターに興味を惹く数字が2つ現れました。まず午前8時12分に現れた1234321

 

この数字、ちょっと面白いと思いませんか? 右から読んでも左から読んでも同じ数という意味で。

このような数字を「回文数字」といい、趣味の数学の分野でしばしば研究の対象になっています。このことについては、偶然にも丁度1年前、昨年の11月27日の記事で紹介済みです。(詳しくはこちら → 総アクセス数 842248 → この数字の魅力

 

 

もう1つは、そのおよそ4時間半後の午後12時47分に現れた1234567

最上桁から数字が昇順に並び、何ともいい数字です。

 

ということで、今日はこれら2つの数字について考察してみます。

 

まずは今日のタイトルである √1234321=?

これは数年前の3年生の受験報告書の中にあった、即ち就職試験に出題された問題でもあります。学校では習わないはずの開平法(ルートの近似値を筆算で計算する素朴な方法)の技量を問う問題とは思えません。以下に述べる知識の有無が問われているはずです。

 

111や11111のように1がいくつも並んだ数字を「レピュニット」(repunitrepeated unitの略】)ということについても、今年の7月17日の記事で紹介済みです。(詳しくはこちら → 総アクセス数1111111と7月17日と239

 

その日の記事で、レピュニットに関する頭の体操を3問出題していました。それとも関連する問題になります。

 

回文数である121は11というのはとても有名です。

そこから何か閃きません?

・・・・

・・・・ thinking  time ・・・・

・・・・

分からない人は左の【ヒント】を見て考えてください。

 

もう大丈夫ですよね。

 

4段目の④をみながら、答は1111

 

 

では、数としての1234321を考察してみます。まず素因数分解です。

 

1234321=11×101 

 

従って、その約数は、1, 11, 101, 121, 1111, 10201, 12221, 112211, 1234321の9個。何と約数まで全て回文数になっているのがある意味不気味です。 

 

次に1234567 果たして、これは素数でしょうか?

色々な素数で割ってみました。なかなか素因数が見つかりません。根負けしてネット上の素数判定機にかけてみたら、素数ではありませんでした。

 

1234567=127×9721 

 

ということで、その約数は 1, 127, 9721, 1234567の4個になります。

従って、もし「x+9848x+1234567 を因数分解しなさい」という問題があれば、その答は (x+127)(x+9721)となります。中学程度の因数分解ですが、難しいですよね(..;)

でも、こういう因数分解が某私立高校の数学の入試の1番の集合問題の中に出題されていたのを見たことがあります。勿論、最後の定数項は1234567みたいな7桁の数字ではなく4桁の数字でした。その数字、随分昔のことで正確に覚えていませんが、例えば「x-670x-2019を因数分解しなさい」ならできますか?

2019は来年の西暦です。閃き力を問う問題かもしれません。

答は(x+3)(x-673)です。定数項はわずか4桁ですけれども、当時、因数分解の専門書の中で「高校受験史上最難の因数分解」とか騒がれました。実際、限られた時間で3と673の組み合わせを見つけるのは至難の技かもしれません。

 

知っている人もいるかもしれませんが、1234567のように2つの素数の積として表される自然数のことを「半素数semiprime:【セミプライム】)」と言います。素数は無数に存在するため、半素数も無数に存在することになります。ちなみに最小の半素数は4(2×2)ですし、先ほど取り上げた来年の西暦である2019も(3×673)で半素数です。

 

最後に、今日取り上げた12343211234567の2つの数について、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日の日にち11月27日の数字をそのまま並べた1127を作ることに挑戦してみます。

 

12!!!-(!!-(!!!!!-(!!!!=1127 → 11月27日

 

1234!=1127  11月27日

 

「半素数」について

名前がついているぐらいだから、数学、特に暗号化理論の分野では研究の対象になっています。ここでは極々簡単に。

インターネットでやり取りするデータは、常に悪質な第3者に傍受されているという前提で利用しなければなりません。クレジットカードの番号を入力するとき、その番号が盗まれて第三者に不正に使われないかとか心配したことがある人も多いはずです。

そこで、たとえ盗まれても絶対に読まれないように、データを暗号化する必要があります。その時にデータに素数を使った「鍵」を掛けます。2個の素数の積を求めることは簡単ですが、半素数を素因数分解して元の2個の素数を求めることは、その桁が大きくなればなるほど困難であり、そのことが「鍵」の安全性の原理になっています。事実、わずか7桁の数である1234567も127×9721のように素因数分解に苦戦しました。

図書館にある雑誌Newtonの昨年8月号が「素数の神秘」という特集を組んでいて、そこに素数を使った「鍵」について分かりやすく解説してあります。興味がある方は是非ご一読を。

 

追伸

1234567で思い出しました。123456789人です。何の数字でしょう?

昔、私が駆け出しの教員だった頃、新聞の見出しにこうありました。「日本の人口、今日123456789人」

いつの頃だったのかと改めてネットで調べたら、平成2年(1990年)4月3日のようです。ずっと増加傾向だった日本の総人口は、平成16年(2004年)12月の1億2783万8000人をピーク(総務省発表)に減少に転じています。減少のサイクルに入った日本の人口が再び123456789と並ぶのは2020年頃だと言われています。私たちはそのことを報じるニュースをどう受け止めるのでしょうか?

 

【校長】


手巻きウインチの設計図面がこんな形で!

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

今日、学校は球磨工フェスタ(文化祭)を開催しています。あいにく、人吉市は産業祭を行っており、地域の中学校も文化祭をしているそうです。出足が心配されましたが、天気に恵まれたこともありお陰様で大盛況です。でも、中学生の皆さんにご観覧いただくことができなかったことは残念に思います。

 

写真は、校内で見つけたカレーのポスターです。そよ風に吹かれて裏面がめくりあがっていました。何と、手巻きウインチの設計製図の図面です。

私は昔、機械科の教師をしていました。前々々任校のことになりますが、3年間の機械科での学習の総まとめとして、卒業製図と称して描かせていたのがこの図面です。寒さに震えながら夜遅くまで描いていた生徒たちのことを思い出しました。

誰が描いた図面か知るよしもありませんが、将来こういう形で文化祭のポスターとして裏面が甦(よみがえ)るとはまさか思わなかったはずです。ある意味、機械科らしい究極のエコかもしれません。

 

話は変わりますが、体育館で行われた午前の部が終わり、校長室に戻りHPを開けたところ、今、午前11時24分現在の総アクセス件数は、1219957

今日11月11日の日にちの数字の並びは1111で、レピュニット数(1がいくつも並んだ数字のこと。repunitrepeated unitの略】)です。

 

ということで、いつものように1219957に加減乗除等の記号を入れて、この1111を作ってみます。

 

121×+√×=1111 → 11月11日

 

あまりにも簡単に出来たので手応えを感じません。もう一つ作ってみます。

 

121995!!=1111 → 11月11日

 

いくつも出来そうな気がします。皆さんだったらどんな式を作りますか?

           【校長】

今日は古典の日

 

月がかわり今日から霜月。空の色のみならず、街の景色のなかにも冬めいた感じが一層漂っている感じがします。

写真は一昨日、多良木高校であった会議に行った際に目にした校庭の木々をパシャリしたものです。さすがは奥球磨、人吉市内より色づくのが早いように思いました。

 

ところで、11月1日は「古典の日」。源氏物語千年紀を記念して10年前の平成20年(2008年)11月1日に京都で宣言されました。何とその2年後の平成22年、国の法律でも制定されました。

「こういうことが法律になじむのか?」と思えるような興味深い法律です。法文を読んだことがある方はきっと少ないでしょうから、全文を引用して紹介します。

 

(目的)

第一条 この法律は、古典が、我が国の文化において重要な位置を占め、優れた価値を有していることに鑑み、古典の日を設けること等により、様々な場において、国民が古典に親しむことを促し、その心のよりどころとして古典を広く根づかせ、もって心豊かな国民生活及び文化的で活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「古典」とは、文学、音楽、美術、演劇、伝統芸能、演芸、生活文化その他の文化芸術、学術又は思想の分野における古来の文化的所産であって、我が国において創造され、又は継承され、国民に多くの恵沢をもたらすものとして、優れた価値を有すると認められるに至ったものをいう。

(古典の日)

第三条 国民の間に広く古典についての関心と理解を深めるようにするため、古典の日を設ける。

2 古典の日は、十一月一日とする。

3 国及び地方公共団体は、古典の日には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよ う努めるものとする。

4 国及び地方公共団体は、前項に規定するもののほか、家庭、学校、職場、地域その他の様々な場において、国民が古典に親しむことができるよう、古典に関する学習及び古典を活用した教育の機会の整備、古典に関する調査研究の推進及びその成果の普及その他の必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

附 則

この法律は、公布の日から施行する。

 

6年前、「古典の日」が法律で制定された時、マスコミでも大きく取り上げられました。当時、「えっ!何でまた法律で・・・?」と、私自身はかなり複雑な思いで受け止めたことを思い出します。

というのも、そもそも「古典の日」が京都で宣言された発端が、源氏物語の執筆千年を記念したものだったので、この法律でいう「古典」とはいわゆる国語で習う(文学の)古典とばかり思い込んでしまったからです。高校のとき、「ラ行変格活用」などでアトピーが出るほど苦しんだ古語文法を思い出し、「国は何と嫌な日を作ってくれたんだ!?」と思ってしまったわけです。

 

それから数年後、どういういきさつだったか忘れましたが、条文に目を通す機会がありました。第二条の「古典」の定義によると、文学だけでなく音楽や美術、演劇・・・と様々であり、「なんだ、そういうことだったんだ・・・(安堵)」と思った次第でした。

定義の後段には、「学術」や「思想」という言葉も出てきます。その視点から考えを巡らせてみると、今皆さん方が少なくとも普通教科で習っていることのほとんど、数学のサイン・コサインにしろ、理科のアボガドロ数にしろ、現社で学ぶベンサムの功利主義にしろ・・・、人類の叡智(えいち)の結晶であり、まさに古典といってもいいですよね。

私、そういうことも踏まえて、入学式の式辞に「古典」のことも触れることにし、毎年次のように話をしています。抜き出しておきますので、文中の「いにしえの賢人の思想」に着目しながら入学式の日を思い出してください。「そんな話、聞いたかな・・・」と思う人がいるかも?

 

・・・(前略)・・・第四次産業革命が社会や生活を大きく変えようとしている今、知識を得ることは勿論ですが、将来の技術者・技能者として数学的・論理的なものの見方や考え方をしっかり身に付けることは必要不可欠です。さらに、異文化やいにしえの賢人の思想に触れることで、自分の心の幅を広げ、それらを基に自分自身の頭で考え、判断し、実行する力も求められます。その意味で、中学までの教師や親から言われてする勉強から脱却し、知的好奇心を持って自ら学ぶ力を身に付けなければなりません。三綱領の中にある好学とはまさにそのような姿勢です。・・・(後略)・・・

 

話を大きく変えます。古典の日である今日11月1日に思いを込めて、朝一番(7時25分)にHPを開けた時の総アクセス数である1209199に加減乗除等の記号を入れて、日にちの数字の並びである111を作ってみます。

 

120)×111 → 11月1日

 

あっという間に式ができて拍子抜けです。生徒の皆さんだったらどんな式を作りますか?

【校長】

 

【注】 中学生の皆さんへ

10=10×10=100 とか 2=2×2×2=8 は御存じのとおりです。高校の数学では、もっとすごいものが出てきます。上に小さく書く数字を「指数」と呼びますが、この指数が0やマイナスのものが出てくるのです。

 例えば、50とか、2-2という形のものです。

 「0乗ってナニ?」「-2乗って・・・!?」

 初めて見る人は、そう思うかもしれません。

それから、なんとこの指数、整数にとどまらず、有理数(二つの整数 a, b (ただしbは0 でない)をもちいて a/b という分数で表せる数)になることもあります。

64(2/3) とかです。3分の2乗とか、もう本当にすごい世界です。このように数の世界が広がることを「指数の拡張」と言うことがあります。

 ちなみに、50は1、2-2は0.25、64(2/3)は16になります。

「・・・何で(?_?)」というのが実感かもしれませんが、高校の数学をお楽しみに。

 

ということで、今日の式の指数にあった(9-9)は0であり、1の0乗は1であることに注意しながら味わってください。

このように、どんな数も0乗すると1になります。今はそう覚えておいてください。勿論、高校ではなぜ0乗が1になるのか説明できるようになるはずです。

最後に・・・、今、「どんな数も・・・」と書きましたが、0(0の0乗)については、「0に0をかけると0だが、0の0乗は1である。果たして??」といった議論になることがあります。このことを理解するためには、高校の数学も越える高度な数学の素養が必要かもしれません。

祝 総アクセス数 120万件達成


いつも本校のHPにお越しいただき、ありがとうございます。

10月に入り、1日当たり平均1100件のアクセスをいただきながらカウンターは順調に数を伸ばしていました。

そして、本日10月24日、午前5時2分現在の総アクセス件数は、1200000

百二十万! 久々にきりのいい数字です。こういう綺麗な数字を見ると無性に素因数分解をしてみたくなります。早々やってみます。

 

1200000=2×3×5 


  従って、その約数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 10, 12, 15, 16, 20, 24, 25, 30, 32, 40, 48, 50, 60, 64, 75, 80, 96, 100, 120, 125, 128, 150, 160, 192, 200, 240, 250, 300, 320, 375, 384, 400, 480, 500, 600, 625, 640, 750, 800, 960, 1000, 1200, 1250, ・・・(途中省略)・・・, 60000, 75000, 80000, 100000, 120000, 150000, 200000, 240000, 300000, 400000, 600000,
1200000

の96個あることになります。

では、いつものように 1200000 という数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日の日にち10月24日の数字をそのまま並べた1024を作ることに挑戦してみます。

×!+!+!+!+!)!!!=1024

【注】 中学生の皆さんへ。”!”は、高校で学習する内容ですので、こうやって何度も説明していますが、”!”は「階乗」または「ファクトリアル」と読みます。

例えば5!なら、5×4×3×2×1を計算して120になります。

そして、0!=1というのも知っておく必要があります。これは定義(決めごと)ですから「どうしてそうなるの?」なんて考えたらいけません。

そういうことで、指数部にある(0!+0!+0!+0!+0!)の結果が5になる所までは大丈夫だと思います。

問題は”!!!”です。これは「3重階乗」といいます。このことについては、昨年の8月2日の記事以来、何度か解説していますが、このような「多重階乗」は、高校の数学の範囲も超えますので、「2重階乗(ダブルファクトリアル)」や「3重階乗(トリプルファクトリアル)」から順を追ってもう一度おさらいをしておきます。決して難しいものではありません。ついて来てください。

・まず、2重階乗(!!)は階乗の1つ飛ばしバージョンと考えてください。

n!!なら、n×(-2)×(-4)×・・・×・・・というように、2つずつ減らしながら掛け合わせます。nが偶数だと×4×2で終わりますが、nが奇数だと最後は×3×1で終わることになります。5を例にとってやると

 5!!=5×3×1=15 となります。

・3重階乗(!!!)は階乗の2つ飛ばしバージョンと考えてください。

従って、5!!!なら、2つおきの階乗ですから、5×2で10になります。

要は、210=1024 を作ったわけです。2を10回かけると1024、これはとても有名であり、覚えておいて損はありません。

ちなみに、高校に入学して1年もしくは2年生で学習する専門の基礎科目に情報技術基礎という科目があります。その中にコンピュータで用いられる単位であるビットとバイトを扱う単元があり、この1024という数字が登場します。

コンピュータでは、2進数を扱う都合からキロ(K)やメガ(M)といった接頭辞が1000ではなく1024のべき乗で表示します。例えば、1 KB1024 B1 MB 1024 KB となります。つまり、1024B1kB1024KB1MB1024MB1GB1024GB1TB・・・となります。

簡単に言いますと、2進法で表すコンピュータの世界での1つの単位の大きさは、1024倍ごとに上がっていきます。高校の授業をお楽しみに・・・


  ということで、「毎月120万円のお給料があれば(経済的には)幸せだろうな・・・」なんて思いつつ、あくまでも仮定の妄想をしながらこの数字と遊んでみました。

【校長】



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よけまん」って?

 

いつも本校のホームページにお越しいただきありがとうございます。

 

学校では明後日19日までの予定で3日間にわたる中間テストが始まりました。廊下にバッグ類が一斉に出された光景はある意味壮観です。

生徒の皆さん、頑張ってください。

 

 

ところで、学校からちょっと郊外に足を向けてみると、球磨川沿いに広がる田んぼでは、稲の穂が重そうに垂れています。

秋まさにたけなわ。

この光景を見ていると、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉を思い出しました。色々な話でよく引用されますので、きっと生徒の皆さんも聞いたことがあると思います。稲の穂は実るほどに穂先が低く下がるわけですが、人も社会的な立場が高くなればなるほど、謙虚な姿勢で人と接することが大切であるという教えです。(私自身はこの言葉、パナソニックの創業者松下幸之助氏の「人生談義」という本の中で知りました)

稲と言えば・・・

 

お隣の高校、南稜高校のHPの昨日の記事が印象的でした。「南稜米の調製が終わりました!」というタイトルのブログの中に、調製作業が終わった南稜米を冷蔵庫へ運ぶ様子が写真付きで載っていました。今年は豊作だそうです。お米が一杯に詰まった100袋もの米袋をトラックから冷蔵庫まで運ぶのは、本当に大変だったみたいです。実際、とても難儀そうに運んでいて、袋を担ぐ生徒の表情に重さが滲み出ていました。

その記事の中に気になる言葉を見つけました! 次の一文です。

 

「重い、重い」と言いながら持ち方を工夫して運びました。終わった後、「よけまんがあればいいのに」と。確かに()

 

私、「よけまん」という言葉を初めて目にしました。何人かの先生に聞いたところ御存じないようでしたので、「きっと方言に違いない!」と思って検索してみました。

やっぱりそうでした。あるサイトに、次のように紹介されていました。

 

この言葉の意味を知ってる方は、相当ディープな熊本人か、熊本オタクですね!「よけまん」とは、主に球磨地方に伝わる方言で、おやつ とか、一息入れる という意味です。よける(避ける) と おまんま がくっついて、「よけまん」となったそうで、「田んぼや畑での農作業を休憩して、おやつで一息いれる」という、意味合いなんだそうです。でも、昔むかしの言葉ではなく、球磨では今も立派に、普通に使われてるんですよ。・・・(後略)・・・

 

ディープな熊本人とか熊本オタクというコメントが何とも面白く可笑しいです。

 

それはさておき、農業系の高校は血が通う生き物を相手にしているので、工業高校とはまた違った学校の日常があり、ブログの内容もバラエティに富んでいます。同じ高校生として、隣の高校に通う友がどのようなことを学んでいるのか、他校のHPもちょっとのぞいてみてはいかがでしょうか。

                   【校長】

待ちなんかった 青井さん


昨日の青井阿蘇神社のおくんち祭りに参加した生徒の皆さん、大変お疲れ様でした。

陵和会(同窓会)の神輿(みこし)を担ぎたいと自ら手を挙げた3年生は今年101人であり、平成23年に生徒が参加し始めて以来最多の人数だったと担当の先生から伺いました。祭り好きの人にとっては、待ちなんかったことでしょう。

天気が良すぎて熱中症も懸念される中、若いエネルギーを存分に発揮して、祭りを盛り上げてくれました。また、場所・場所で力を振り絞ってエッサッサを披露してくれ、町の人たちも惜しみない拍手で応えていただきました。ありがとうございました。

特に、最後の宮入行事、なかなか神輿を神前に納めさせてもらえず「セイヤ・セイヤ」の勇ましいかけ声を境内いっぱいに響き渡らせながら何度も繰り返しになり、見ていて圧巻でした。担ぐほうは超大変だったのでは?鈴の音も大きく鳴り響き、きっと青井の神様も喜ばれたのではないかと思っています。

陵和会の皆様には、事前の神輿担ぎの練習から当日の粋なはちまきの結び方の御教示、そして道中の細かい御指導まで大変お世話になりました。陵和会と本校現役生の絆がまた一層強まった感じがします。

話は変わりますが、今日10月10日は以前「体育の日」でした。1964年10月10日の東京オリンピックの開会式が行われたこの日、真っ青な大空に自衛隊機が五輪の大円のジェット雲を描く様子は繰り返し放映されていますので、見たことがある人は多いはずです。この日、東京の空は雲一つない快晴だったそうです。統計上晴れの日が多い「晴れの特異日」に開会式をもってきたとか(嘘か本当か知りませんが)聞いたことがあります。

しかし、ここ人吉は昨日と一変して曇天(午後の降水確率60%)です。特異日が現れる気象学的原因はまだ解明されていないそうですが、閏年とかあるのになぜ毎年同じ日になるのか昔から不思議に思っています。

今日は、そんな10月10日に思いを込めて、今朝7時30分現在のHPの総アクセス数1184473を使って久々に数遊びをしてみたくなりました。数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れ、今日10月10日の「1010」という数字を作ることします。(お昼休みの楽しみにとっておきました)

11!!!+!!!+!×√+√()=1010→10月10日

特に手こずることなく、10分ほどで完了です。あまりにも簡単でしたから、もう一つ挑戦することにします。

昨日のおくんち祭りの参加者に配付があったお守りに「御鎮座1212年」と印刷してありました。(左の写真)

青井阿蘇神社が球磨盆地のほぼ中央部、球磨川北側のあの地に鎮座して1212年目ということでしょう。

この1212というのも印象的でいい数字だと思います。そこで、この1212という数字を、同じく1184473から作ってみることにします。

1184!+=1212

これまた簡単にできて、拍子抜けでした。皆さんだったらどのような式を作りますか?

 

【注】 中学生の皆さんへ。もう何度も説明していますが、”!”は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、例えば4なら、4×3×2×1を計算して24になります。

・これに対して、2重階乗(!!)は階乗の1つ飛ばしバージョンと考えてください。

n!!なら、n×(-2)×(-4)×・・・×・・・というように、2つずつ減らしながら掛け合わせます。nが偶数だと×4×2で終わりますが、nが奇数だと最後は1で終わることになります。

・3重階乗は階乗の2つ飛ばしバージョンです。n!!!なら、n×(-3)×(-6)×・・・ということです。最後は最小自然数まで掛けることになります。

    従って、  8!!!=8×5×2=80

11!!!=11×8×5×2=880 となります。

        特異日については、ネット上のコトバンクに次のように解説してありました。

長年にわたって毎日の気象状態の平均をとったとき、特定の日にある気象状態が偶然とは考えられないほど大きな確率で出現し、かつその前後の日にはそれほど大きくない出現確率のとき、この日を特異日(singularity)と呼ぶ。日本では 116日および 314日の「晴れ」、43日の「春の荒れ」、46日の「寒の戻り」、611日の「入梅」、917日および 26日の「台風来襲」、113日の「秋晴れ」などがよく知られる。

【校長】


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は資格チャレンジの日

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

 

生徒の皆さん、一昨日の体育大会、大変お疲れ様でした。

近隣の高校が早々と延期を決める中、漏れ伝わってくる3年生のこの大会に懸ける意気込みにどう応えるか、最終的な判断をする者としてギリギリまで悩みました。

万一ぬかるんだグラウンドで足を取られ、骨折等大きな怪我があったり、気温が低い中、低体温症で救急車の出動があったりしたら・・・・色々なケースも考えました。最終的には、批判が出ることは重々承知で実施を決断しました。

集団演技の時に雨が上がったのは奇跡的で、大袈裟ですが「天の恩寵」だと思いました。「沢山の観客の前で演技ができてよかった」という生徒たちの声も聞き、時間短縮・種目変更・・・色々ありはしましたが、結果的には事故・怪我なく終わり、明日に延期してやるより雨天の中、かえって引き締まったのではないかと思っています。

一昨日夜、保護者の皆様にもこの気持ちをメールで配信したところです。保護者の皆様には、御理解・御協力をいただき誠にありがとうございました。

 

 

ところで、月が改まりました。年度後半の開始日である10月1日が週の初め月曜日にも当たるというのが何ともよく、台風一過、朝から清々しい秋の日が差しているのも気分いいです。校庭では建築科3年の人たちが、雨に濡れたテントを日に干してくれています。

 

今朝のテレビのニュースは台風関連ばかりでしたが、ラジオでは今日は「日本酒の日」と言っていました。聞くところによると、10月に入ると新米の収穫が始まり、全国各地の蔵が日本酒造りを始めるからだそうです。鉄チャンの私としては、今日は東海道新幹線が開業した日(1964年)というのが真っ先に思い浮かびました。10月1日は「衣替え」でもあります。今朝の官舎の台所は21℃で肌寒かったので、冬に向けての準備をしなければならないと実感したところでした。

そういうことで、10月1日は各種団体が独自に定めた記念日が何かしら多そうな感じがして、ちょっと調べてみました。沢山ありました。

 

国際高齢者デー、コーヒーの日、法の日、日本茶の日、日本酒の日、メガネの日、・・・(途中略)・・・トンカツの日、雨といの日、ポイントカードの日、資格チャレンジの日、釜飯の日、あずきの日、省エネルギーの日・・・(以下略)・・・

 

何と47個も羅列されていました。それぞれのいわれを読んでいたら、無理な語呂合わせも多く、なかなか面白いと思ったところです。気になるのは「資格チャレンジの日」です。本校でも皆さんに資格取得を推奨しているからです。なぜ今日なの?と、想像を巡らせました。

制定・登録した一般社団法人日本記念日協会によると、「自己啓発・転職・就職などで重要な資格とその取得について、毎月の初日である1日に考え、資格取得への挑戦を促進し、より良き人生を目指してもらうことが目的」とありました。確かに、月の初日というのは気分一新、新しいことにチャレンジするにはうってつけかもしれません。

 

今日の職員朝会では、危険物取扱者の試験が12月8日(土)に本校で行われることが決定したという連絡がありました。この試験、全国的な合格率が低下して難化の傾向にあります。昨年度の本校生の合格率も今一つで、パッとしませんでした。リベンジをかけようと思っている人は多いはずです。

危険物はその取り扱いを誤り万一事故が発生すれば、人命を危険にさらし、環境を汚染し、地域社会に大きな被害を与え、企業は莫大な損害を被り大きな責任を負うことになります。その元々の原因は、あり得ないようなちょっとした判断ミスが多いと聞いています。今の皆さんにとっては、スキルアップの資格かもしれませんが、安全な社会づくりの使命を帯びた資格であるということもしっかり自覚して、計画を立てて頑張ってください。

 

ということで、1年365日すべてに何かしらの記念日があり、その数の多さに改めて驚かされたわけですが、最も記念日の多い日はいつなのかということも気になり調べてみました。何と10日後、10月10日みたいです。

【校長】

気を揉む台風24号の動き


   いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

熊本地震で被災した阿蘇市車帰(くるまがえり)にある菅原神社の祠(ほこら)の新築工事を伝統建築専攻科の2年生が請け負い、約半年かけて完成、昨日(26日)納品しました。私もその現場に立ち会い、貴重な経験をすることができました。

詳細は専攻科からアップされていたブログのとおりですが、祠を積んだトラックの後ろをつけて、昼過ぎに現場に到着しました。

右の写真では分かりにくいかもしれませんが、道路から設置場所までの通路が意外に狭く、フォークリフトや小型クレーン車を使って難儀しながら少しずつ移動させ、3時半頃やっと設置作業に取りかかることができました。あいにく秋の冷たい雨がぱらつく中での作業になりました。それにもかかわらず、地元の氏子さんたちも20名ほど出て来られ、笑顔で作業の様子を見守っていただきました。ありがとうございました。

ところで、今日は昨日の雨でぬかるんだグラウンドを整地しながら、体育大会の予行があっています。そんな生徒・職員みんなが気を揉んでいるのは天気のことです。遥か南の海を北上中の台風24号が、九州から本州にかけて停滞している秋雨前線を刺激しているようです。大会当日は雨、しかも予備日としている30日(日)は暴風雨のようです。少々の雨でも当初の予定通り29日(土)に実施するか、それとも来週の2日(火)とかに延期するか、難しい判断を迫られています。明日(28日)のお昼には態度決定をしてHP上でお知らせします。

最後に・・・

先週水曜日(9月19日)にアップしていた「サギと三角形の面積」の記事の中で「面積が24になる三角形の3辺がヘロン数として見つかったら教えてください」と書いていましたが、本校電気科の仲嶺先生の御親友から「2組見つかったよ」とメールをいただきました。お知らせいただきありがとうございました。

(a, b, c) (,,10)→面積=24  (,13,15)→面積=24

三辺が500までの自然数について、何とエクセルを使って計算させた結果なんだそうです。

よ~く見るまでもなく、このうち6,8,10は、三平方の定理で有名な辺の比が3:4:5の直角三角形ですよね。私、ピタゴラス数はいつもヘロン数になるという至極当たり前のことを忘れていました。

そして、この(6,8,10)の三角形は、辺の長さの和と面積がいずれも24になります。今とても気を揉んでいる台風も24号と同じ数字でもあり、何か変な縁を感じます。

 ピタゴラス数とは、直角三角形において、三平方の定理 a2 + b2 = c2を成り立たせる自然数の組のことです。よく知られているのは、(,,)(,,)(,12,13)などでしょうか。

このピタゴラス数は、c<100の範囲で次の16個あることが知られているそうです。意外に沢山あることに改めて驚いたところですが、数学の先生だったら「作問に使えるな・・・」と思うかもしれません。

 (,,)(,,)(,12,13)(15,,17)(,24,25)(21,20,29)(,40,41)
(35,12,37)(11,60,61)(45,28,53)(33,56,65)
(13,84,85)(63,16,65)
(55,48,73)(39,80,89)(77,36,85)
(65,72,97)

【校長】


 

 

 

 

 

 

 

サギと三角形の面積

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

 

先週金曜日から始まった体育大会の練習、3連休を挟んで3日目になる今日は、1年生が午前中体育館で集団演技の練習をしました。いかがでしょうか。練習を通して、少しずつ形が出来上がっていることを実感していますか?

 

ところで、列車通学生の中には気付いている人がいるかもしれませんが、人吉駅からすぐのヒヨドリ越えの登り口付近に1週間程前からサギがいます。羽根を閉じたときうまく身体に密着してないので、怪我をしているのかもしれません。愛嬌のある目で私を見つめますので、「どうしたの?怪我したの?ご飯、食べてる?」とか言いながら少しずつ近づいて距離を詰めています。最初は5m位まで近づくと逃げていたのですが、毎日やっていると顔を覚えたのか、心を許したのか数日前から2m位まで近づくことができています。別にストーカーのつもりはありませんが、何となく嬉しいものです。

 

サギにはいい思い出があります。昔、釣にはまっていた時のことです。川岸で釣をしていたら、サギからずっと背後で待たれていたことがあります。つり上げた魚を貰おうとしているのです。そのような光景、時々新聞写真等で紹介されますので、イメージが湧く方が多いかもしれません。まさか自分がその当事者になるとは・・・! とても光栄でした。

魚を釣っているということをしっかり理解し、辛抱強く待つ様子からは知能の高さが窺えます。サギ君に魚をあげようと、ついつい粘ってしまい、これもまた釣の一つの醍醐味と言ってもいいかもしれないな、とか思ったところでした。鳥は警戒心が強いというのが私の認識でしたので、野生のサギがこんなに人間と接する生き物とは本当に驚きです。

 

古来、日本人とサギは親しい関係だったのかもしれません。それを裏付けることとして、温泉の開湯伝説を思い出します。「日本三古湯」の一つ、愛媛県・道後温泉に伝わる「足に傷を負って苦しんでいた一羽の白鷺が、岩間から噴出する温泉を見つけた」という話を聞いたことがある人は多いはずです。このように歴史ある温泉には開湯伝説があり、そこには鹿や熊などの動物が登場することがあるのですが、一番多いのが「白鷺伝説」なんだそうです。

改めてネットで「温泉 サギ」と入れて検索してみると沢山ヒットし、サギが温泉で脚の傷を治したという話は定番になっていることが窺えます。それにしても、あんな堅そうな脚ではお湯の温かさも感じられないのでは?と思うのですが、血管は通っているはずなので、長く湯に入っていれば多少は体も温まるのかもしれません。私が初任や前任校のころによく通った武雄温泉(佐賀)や天草下田温泉も白鷺伝説があります。人吉市内にも「白鷺の湯」という温泉がありますよね。

 

話は変わりますが、生徒の皆さんはサギを英語で何というか知っていますか?

 

答はheron(ヘロン)です。

 

何と、三角形の3辺の長さから素早く面積を求める公式を発見した古代エジプトの数学者・技術者のヘロンHeron)さんと綴りが一緒です!

2、3年生は数学の教科書の中に見受けた人もいると思いますが、ヘロンの公式を発見した人として有名です。その公式とは、三角形の3辺の長さをabcとしたとき、面積を次の式で求めるものです。

 

三角形の面積=√{s(s-a)(s-b)(s-c)}

ただし、s=(a+b+c)/2

 

私がヘロンの公式を初めて目にしたのは、中学1年生の時でした。図書館から借りた数学史の本の中に見つけました。当時、三角形の面積を求める公式は「(底辺)×(高さ)÷2」しか知らなかった私にとって、3辺の長さからそれを求めることができるというのは大変な驚きで、しかもその公式が遥か2000年も前の紀元前1世紀に発見されていたということを知り衝撃的でもありました。三角関数(三角比)を使わずに中学生でも理解できる証明が載っていて、理解をしようと、もがきまくった覚えがあります。

当時、この公式を使って、あることに挑戦したことも懐かしく思い出します。何かというと、三角形の3辺とも長さが自然数で、かつ面積も自然数となるような3辺を見つけることです。結構時間を費やしたはずですが、結局その当時見つけることができませんでした。随分後になって、そういう三角形は「ヘロン三角形」と名付けられ、3辺の長さの三つ組(abc)をヘロン数と呼ぶことなどを知りました。例えば(13,14,15)はヘロン数(面積は84)です。

 

今朝の7時35分現在の本校の総アクセス数は1159305でした。この数字、各桁の数の総和(1+1+5+9+3+0+5)を求めると何と「24」。

私の名前(西)の擬音語(オノマトペ)の数字表現である「24」と偶然同じです。そして今話題にしている「サギ」の漢字「」も総画数24画です。凄い偶然を感じます。ということで、中学の時に挑戦したことを再びやってみようという気になりました。

即ち、サギにあやかって、面積が24になる三角形の3辺がヘロン数として存在するか見つけようというものです。生徒の皆さん方の体育大会の練習を眺めながら、数時間色々な数字で試してみましたが結局、見つけることができませんでした。

生徒の皆さんで、もし見つかったら教えてください。ただし、存在しないことを証明しようとすると、数学界ではすぐ難問になりますので要注意です。

【校長】

18と秋の到来

夏休みも残り1週間を切りました。焦っている人がいるかもしれません。

本校のホームページ、たまたま開いた昨夜8月26日の20時13分現在の総アクセス数は1142052でした。

この数字をずっと見ていたら、面白いことに気付きました。下4桁の2052と上3桁の114との関係です。

何と、2052÷114=18ということで、綺麗に割り切れるのです。たまたま目にした数字で、このことに気付き、当夜の満月も相まって「吉兆」を感じたところでした。

この18という数字、西洋では「悪魔の数字」とされる666との関係(6+6+6=18など)がよく取り沙汰されますが、私にとっては小中学校の時に何度か出席番号でお世話になったこともある思い出深い数の1つです。

18といえば、相良33観音巡りで相良村川辺にある18番札所「廻(めぐ)り観音」につい3日前、熊本出張から五木越えで帰る途中に立ち寄ったばかりでした。すぐ横の川辺川が激流のようになっていて、鮎釣りをする人が流されないかと気を揉みました。

  


  そんなことを思い出していたら、「百人一首の
18番の歌は何だったかな?」と気になりました。(教諭のころ、百人一首部の顧問をしていました)

調べてみたら、「住の江の岸に寄る波よるさへや・・・」で、平安時代の藤原俊行の歌です。

藤原俊行といったら、この歌よりも中学校の時の国語で習った秋来ぬと 目にはさやかに 見えぬども 風の音にぞ おどろかれぬる」が有名だと思います。視覚を否定し聴覚で秋の到来を感じ取っている歌で、とても分かりやすく、この時期必ず口ずさんでしまいます。生徒の皆さんは、既に秋の気配を感じていますか?

私は、枯れて元気を失ったひまわりの大輪が頭を下げて茶色く変色しつつあるのを見て、「しっかりしてよ、ひまわり君!」とか言いながら夏の終わりを感じました。

【校長】

 

 

残暑お見舞い申し上げます

 

立秋(8日)は過ぎましたが、日中の異常な暑さは続いています。でも、夕暮れの薄闇からカナカナと消え入るように聞こえてくるひぐらしの鳴き声に、静かに秋が近づいていることを感じます。

夏休みもいよいよ折り返し。宿題が気になり始めた人がいるかもしれません。計画を立ててお過ごしください。

 

この間も、3年生は連日登校して、SPI対策、履歴書の清書等に懸命に取り組んでいますし、1,2年生は暑い中、さらに暑い体育館等で練習に明け暮れています。

 

先ほどは、8月3日(金)から6日(月)にかけて、岐阜県海津市長良川国際レガッタコースで開催されたインターハイ・カヌー競技に出場した選手7名が顧問の中島先生と共に結果の報告に来室しました。カナディアンペア500mが準決勝3位、カナディアンフォアが5位入賞ということでした。県の青のユニフォームを着て、真っ黒に日焼けした姿が凜々しかったです。おめでとうございます。

 

話は変わりますが、明日11日は新月です。何か目標を達成しようと思うとき、人はその達成を強く願うものですが、その最もよいタイミングが新月の日だとされています。2学期がうまくスタートできるように、月に願いを込めてみてはいかがでしょうか。

【校長】

全校応援、お世話になりました。

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

 

昨日は全校応援でした。炎天下、第4シードの有明高校との試合は、天候と同じく熱いものとなりました。

生徒の皆さんの気迫のこもった応援が選手の背中を押したのでしょう。白熱した息詰まる接戦を制して、2対0で勝利。校歌を高らかに歌うことができ、胸が高まりました。

そして・・・、胸をなで下ろしたこともあります。昨日の試合では全部で34人が熱中症の疑いで救急搬送されたそうですが、本校からは救急車に乗った生徒が一人もいなかったということです。体育や部活での日頃の身体の鍛え方が本物であることを証明したようなものです。三綱領にある「剛健」がしっかり身についていています!

「人吉球磨から甲子園に」の悲願達成のためには、あと2回勝ち続けなければなりません。引き続き応援をお願いします。

 

ただ、県高野連からは全校応援の自粛要請がありました。そこで、21日(土)の準決勝については、せっかく応援計画を立てていましたが、全校応援は急遽見合わせることにしました。

希望者が自主的に藤崎台球場に応援に行くことを妨げるものではありませんが、熱中症が心配されます。テレビ等を通しての応援でも「祈り」は通じるはずです。できましたらその方向での協力を宜しくお願いします。

 

最後に・・・。3日前の熊本高校と本校の試合は7回裏の時点で、8対1で7点差のコールドゲームで勝利しました。

そこで思ったのですが、右のスコアーボードにあるように、毎回1点ずつ得点して、7対0で7回コールドゲームになってしまうような試合が高校野球の公式戦で過去にあったことがあるのでしょうか?

 

スコアーボードに1が7つ並んだ様子ある意味壮観ですが、これは、17日(火)午後7時53分時点のアクセスカウンタ(右写真)からの連想です。

(一昨日の記事はこちらをクリック→総アクセス数1111111と7月17日と239

 

そんなゲームがあれば「どういう試合運びだったらそういうことが起こるのか・・・」と想像が広がり楽しかったです。

                        【校長】

総アクセス数1111111と7月17日と239

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

外ではセミたちが短い夏を謳歌しているようで、蝉時雨(せみしぐれ)が凄いです。私が高校生の頃、「蝉時雨という日本語が死ぬほど好き」という友達がいました。

改めて蝉時雨の意味を手元の辞書で確認したところ、「たくさんの蝉が鳴いているさまを時雨の降る音にたとえていう語」(時雨は「初冬の頃、一時、風が強まり、急にぱらぱらと降ってはやみ、数時間で通り過ぎてゆく雨)とありました。夏生まれの私にとっても、朝から蝉時雨を聞きながら目が覚めるのは幸せなひと時ですが、「死ぬほど」という表現が可笑しく、この季節になるとその友のことを思い出します。

生徒の皆さんは、死ぬほど好きな日本語ってありますか?私自身、好きな言葉なら「木漏れ日」や「恩寵(おんちょう)」、「逢瀬」、「春うらら」*1等、ぱっと思いつきますが、「死ぬほど・・・」と言われると、はて何だろうと考え込んでしまいます。

ところで、今現在、午後7時53分現在のアクセス件数は、1111111

「レビュニット」というのは、ほとんどの生徒の皆さんにとって初めて耳にする言葉かもしれません。この数字もそうですが、111や11111のように1がいくつも並んだ数字を「レピュニット」(repunitrepeated unitの略】)といいます。そして、素数であるレピュニットは「レピュニット(型の)素数」と呼ばれ、あるレピュニットが素数であるかどうかというのが、例によって素数ファンの関心事*2になっています。

この1111111は、レピュニット素数でしょうか?さっそく素因数分解ができないか確かめてみます。

色々な素数で割ってみました。なかなか素因数が見つかりません。根負けしてネット上の素数判定機にかけてみたら、素数ではありませんでした。1が7連続するこの数からは想像すらできない、意外に大きな2つの素数の積になっていました。

1111111=239×4649

従って、約数は1,239,4649,1111111の4個あることになります。

4649という素因数が何ともいいですね。「よろしく」と読めます。人吉から熊本まで国道219号線を2時間運転すると、このナンバーをつけたクルマと1台はすれ違っている気がします。でも、希望ナンバー制の人気ベスト200のランキングには入っていませんでした。

そしてもう一つの素因数239も・・・。

私はこのことにたった今気付き、あまりの偶然に恐れおののいているところです。今日7月17日の数字の並びである717を素因数分解すると

717=3×239でした。ここにも239が隠れていたとは!?

ということで、1111111の数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、717を作ってみたくもなりました。

{(1+1+1)!}!-(1-1)!-1-1=717 → 7月17日

【注】 中学生の皆さんへ !は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習しますが、例えばここに出てくる3!なら3×2×1を計算して6ですし、ここではさらにその6の階乗を求めています。6!=6×5×4×3×2×1ですから720になります。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。

そして、(1-1)!は0!のことです。0!(ゼロの階乗)は1です。これは約束(決め事)ですから、「どうしてそうなるの?」とか考えたらいけません。


最後に1111111に関する頭の体操を3問出題します。生徒の皆さん、よかったら解いてみてください。

   1111111が2進数だとしたら、これは10進数ではいくらでしょう?

   1+11+111+1111+11111+111111+1111111=?

   1111111の計算結果は?(なるべくエレガントに計算してください)

答え

   127

   1234567

   1234567654321

略解

 ① 1×2+1×2+1×2+1×2+1×21×2+1×2

=64+32+16+8+4+2+1

=127

これは情報技術検定3級のレベルです。2進数を日常的に扱うコンピューターのシステムエンジニア(SE)にとっては、すぐに127と反応できないと飯を食べていけない・・・とか聞いたことがあります。


②          1

+      11

+     111

+    1111

+   11111

+  111111

+ 1111111

=   1234567


③ 1111111

1111111×1111111

1111111×(1000000100000100001000100101

=  1111111000000

  111111100000

    11111110000

      1111111000

        111111100

          11111110

            1111111

=  1234567654321


*1
木漏れ日、英語に一語で翻訳できない日本語の代表的な例とされ、untranslatable word として英語の記事等でよく見受けます。「木々の葉を通過する日光」ということを説明するしかなくなるようで、手元の和英辞典には、Light that comes through the leaves (of a tree)なんて載っていました。右の写真は、先月、あさぎり町の白髪岳に登ってきたときの登山道にできていた木漏れ日です。

時々耳にする恩寵、奥深い言葉です。神が人間に与える恵み、神の無償の賜物(たまもの)のことです。村上春樹の小説の多くは、恩寵が深い所でテーマなっているようで、そのことを意識しだすと頭が混乱します。

「契りを結ぶ」は古典では必須の言葉ですよね。現代において、「約束する」という堅い意味で使われることはあまりないように思うのですが、そういう文字通りの意味があるからこそ、恋愛についてのくだりでは意味するところが明らかなのに、刺激的な匂いを感じさせない言葉だと思っています。

「春うらら」は漢字では「春麗」とありました。「春のうららの隅田川~♪」(by滝廉太郎)は、文省唱歌として中学校の時に習いましたが、文省唱歌と名を変えて今でも指導しているんでしょうか?


*21が並んでいる数はいかにも素数っぽいのですが、レピュニット素数は意外に稀のようです。11の次のレピュニット素数は1が19個並ぶまで現れず、その次は23個。その次は飛んで317個。その次はさらに飛んで1031個の時だそうです。

レビュニット素数がどんなタイミングで出現するのか、あるいは無限に存在するかどうかというのは未解決問題となっており、好事家たちの関心を引くのもわかるような気がします。

                        【校長】


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅雨明け

いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。

 

気象庁は「今日11日、九州南部が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。平年より3日早く、昨年より2日早いそうです。そういえば、今日は朝から本当に気持ちのよい陽光が部屋に差し込んでいて、夏生まれの私としては夏本番の到来を嬉しく思ったところでした。

 

    右の写真は、昨日(10日)の夕方5時頃、本校の上に出現した虹です。最近虹をよく見ます。確か、この一ヶ月で4回目(内1回は月夜の虹でした)。飛行機から見ると、遮るモノが無いので丸く見えるとか聞いたことがあります。本当かなぁ?

 

今日は昼から熊本市内で研修会でした。途中の休憩時間に野球の試合結果が入り(対御船高校戦、6対0で勝利)、回りの先生方から祝福の言葉を頂きました。

その後、熊工で所用を済ませ、夜の9時過ぎに人吉(学校)に帰って来ました。不在の間にたまっていた書類に目を通した後、HPを開けたら、午後10時12分現在の総アクセス数は、1107369

 

この数字、何か閃くものがありました。素数?

いや、違います。素因数分解は次のようになります。

 

  1107369=3×41×3001  ・・・・・・・・・・・①

 

じゃあ、何かというと、上4桁の数が下3桁の数で割り切れるということです。

即ち 

1107÷369=3  ・・・・・・・・・・・・・・・・・②

 

あまり面白くありませんか?? ちなみに、

上4桁の1107を素因数分解すると、1107=3×41 ・・・③

下3桁の369を素因数分解すると、  369=3×41 ・・・④

となります。

 

①~④を眺めてみると、何の脈絡もなさそうで何か秘密が隠れていそうで、不思議な気分になり、暫くボ~っと見とれてしまいました。

生徒の皆さんたちは、7桁の数、そして上4桁、下3桁のそれぞれの数の因数にどのような関係があればこのようなことが起こるのか見破りましたか?

 

心移りしました。いつものように、1107369という数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日の日付である711を作ってみます。

 

1×(107×3!+69)=711 → 7月11日(梅雨明け)

 

これまた、簡単過ぎて面白くありません。もう一ひねり・・・と考えていたら、警備員の方が「まだ残られますか?」と来られました。時計を見たら午後11時。官舎に帰ります。

【校長】

今日は半夏生

いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。

また月曜日が始まりました。先週末に期末考査が終わり、月も変わって生徒の皆さんの頭の中は夏休みに向かって一直線といったところでしょうか?

今日は1年の折り返し点にも当たります。日がだんだん短くなっていることを実感している人がどのくらいいるのか分かりませんが、夏至から数えて11日目の今日7月2日は、暦の上で「半夏生(はんげしょう)」と呼ばれています。

朝からラジオで「今日は半夏生」と言っていたのを聞いて、「半夏生」の3文字を初めて目にした時、「はんなつなま?半分夏が生まれる? これっていったい何?」と反応した遠い昔を思い出しました。昔といえば、私、昔、大阪の企業に勤めていて、関西では半夏生の日に行事食としてタコを食べる習慣があったことも思い出したわけですが、この「半夏生」の意味をよく知らなかったので改めて調べてみました。

この「半夏生」、そもそも植物の名前らしいです。図鑑で調べたところ、右の写真のようなドクダミ科の植物で、今頃花を咲かせることに由来するんだそうです。

葉の片面(表面)だけが白くなることから古くはカタシログサ(片白草)とも呼ばれたり、「半化粧」と表記されたりすることもあるそうです。湿地帯を好む絶滅危惧種とありました。私は目にしたことはありませんが、皆さんは見かけたことありますか?

「半夏生」は昔から農作業の大事な節目とされ、田植えを終わらせる目安とされてきただけでなく、この日の天気で収穫を占ってきたそうです。この頃に降る雨は「半夏雨」と呼ばれ、大雨になることが多いとありました。

話は大きく変わりますが、本日7月2日午前0時3分現在の総アクセス件数は、1100000 です。 百十万! 久々にいい数字を目にしました。

手始めに素因数分解をしてみたくなりました。

  1100000=2×5×11 

従って、その約数は、1, 2, 4, 5, 8, 10, 11, 16, 20, 22, 25, 32, 40, 44, 50, 55, 80, 88, 100, 110, 125, 160, 176, 200, 220, 250, 275, 352, 400, 440, 500, 550, 625, 800, 880, 1000, 1100, 1250, 1375, 1760, 2000, 2200, 2500, 2750, 3125, 4000, ・・・(途中省略)・・・, 55000, 68750, 100000, 110000, 137500, 220000, 275000, 550000, 1100000 

の72個あることになります。

次にいつものように、1100000という数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日の日付である72を作ってみます。

(1+1)×{(0!+0!+0!)!}!!!×(0!+0!)=72

【注】 中学生の皆さんへ もう何度かこの記事の中でも説明をしていることにはなりますが、!は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習します。ここにある3!なら、3×2×1を計算して6になります。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。

そして、0!(ゼロの階乗)は1です。これは約束(決め事)ですから、「どうしてそうなるの?」とか考えたらいけません。

    ”!”が2つ以上つく「多重階乗」については、高校の学習範囲も超えてしまいます。しかし、そんなに難しくはないので、興味ある方は昨年10月22日の記事「祝 総アクセス数800000件達成」をご覧ください。校長室>徒然雑記帖から入ることができます。

ちなみに、6!!!なら3つおきの階乗ですから、6×3で18になります。

最後に・・・、昨日7月1日(日)は、高校就職では求人受付開始日でした。実質、今日から求人票を持参して企業の方が来校されます。

いい印象を持って帰っていただけるように、生徒の皆さんも日常の所作を今一度点検してください。

【校長】


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日から期末テスト

いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。

また月曜日が始まりました。梅雨の中休みでしょうか、朝から青空が広がって気持ちがいい一日です。

 

先ほど校内を回った時は、明日から期末考査ということで考査前の最終確認や試験勉強をする授業を多く見受けました。

今日は私たち教職員の完全定時退勤日に合わせて、生徒の皆さんたちも部活動がない日になります。さっさと下校して、ラケットやバットを鉛筆に持ち替えて、しっかり勉強に励んでください。

勉強に疲れたら夜空を見上げてみてみるといいかもしれません。左側がちょっと欠けた大きな月がぽっかりと浮かんでいることでしょう。淡い月の光が目を優しく癒やしてくれるはずです。満月は3日後の6月28日(木)です。

 

ところで、「最近アクセス数を話材にした記事が最近出ていませんね」と、私自身も気にしていたことについて、何人かの先生方から声をかけていただいています。

今年、4月6日に6桁から7桁へと1桁あがり100万台になりました。100万に達した後は(およそ1週間後に110万になりそうではありますが)、なかなか興味をひく数字が出現しなかったことによるものです。

 

本日6月25日16時25分現在の総アクセス件数は、1095470 です。正直、食指が動く数字ではありませんが、久々にやってみます。(数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日の日付である625を作ってみます)

 

1095-470=625 → 6月25日

 

あっという間に立式できましたが、全く面白みがありません。もう一ひねりしてみます。

 

(1+0!)+5!-4-[√7]―0!=625 → 6月25日

 

【注】 中学生の皆さんへ !は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習します。ここにある5!なら、5×4×3×2×1を計算して120になります。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。そして、0!(ゼロの階乗)は1です。これは約束(決め事)ですから、「どうしてそうなるの?」とか考えたらいけません。

 

    この式にはもう一つ見慣れない記号([  ])があります。これはガウス記号と呼ばれ、その数を超えない最大の整数を表す記号です。私の記事では初めて登場する数学の記号になりますが、そんなに難しくはありません。例えば[.14]=3になりますし、[-0.23]=-1となります。

従って、上の式では√7≒2.645・・・ですから、[√7]=2です。

 

数学の先生に聞いたところ、ガウス記号は教科書に載っていないので、本校では扱ってないそうですが、教科書に載っていなくても『実数xを超えない最大の整数を[x]と表すこととする』という注意書きを問題文に明示したうえで、大学入試には出題されていますので注意が必要です。就職試験でも前述の [-0.23] =? 程度の問題でしたが、出題されていたのを受検報告書で見た覚えがあります。

ちなみにガウスは、19世紀のドイツの超天才数学者・物理学者です。彼の業績は極めて多岐に渡り、数学や電磁気などの物理学で彼の名を冠した定理や法則が多数存在するんだそうです。

 

 

話は大きく変わって、朝のテレビで言っていたことになります。本日、6月25日は、1960年(昭和35年)の今日、自動車による交通が発達し、道路における危険の防止と交通の安全と円滑、道路交通による障害の防止を目的とした「道路交通法」が施行された日なんだそうです。

 

道路交通法と聞いて、私たち教職員がいつも気をつけておかなければならないことは、「第65条第1項 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」だと強く思っています。

 

* 法律解説書の注釈には、「何人」というのは、運転免許を受けている人にかかわらず、全ての人が対象で、車両等とは、自動車はもちろん、電車や軽車両等(自転車等)までを含むとありました。

 

先月、熊本市で自転車に乗って登校していた高校3年生の女子生徒が酒気帯び運転の人が運転するワゴン車にはねられて死亡するという大変痛ましい事故がありました。どんなに気をつけていても飲酒運転のクルマに巻き込まれたらどうしようもなく、この報に接して大きな無力感を感じました。

生徒の皆さんたちも、もうすぐクルマの運転免許証を手にするはずです。お互いに良き交通社会人でありたいものです。

【校長】

サイン・コサイン何になる・・・♪

公開授業週間の今週、2年生の各教室では、数学で三角関数の加法定理をやっています。「ここって苦労する所なんだよな・・・」と、自分自身も三角関数に手を焼いていた高校時代を思い出しました。

自分が数学教師だったら入門程度の三角関数の範囲でどんな問題を出すだろう・・・と、10問作問してみました。

生徒の皆さん、三択式ですからよかったら解いてみてください。

一部おふざけの問題も入ってますので、あくまでも暇つぶしにどうぞ。

でも、1問20秒のペースで解いていって、7問以上正解だったら、「三角関数検定3級」位の力はあるのでは?と思います。


1 三角関数で、sinは日本語で「正弦」といいますが、cosは何という?

①余接 ②正接 ③余弦


2 三角関数の主役、sinさん、cosくん、tanさんのうち、いつも自虐的にひがんでいると思われるのは誰?

sinさん ②cosくん ③tanさん


3 アンケートで「三角関数が嫌い」と答えた日本の高校生が、その理由として挙げた中でいつも最上位にあるものは?

① 公式が多い。 

② 三角関係を思い出して苦しくなるから。

③ sincostanとの出会いが「超唐突!!」で「何、コイツら?」の思いをずっと引きずってしまったから


4 三角関数のイロハともいえる三角比(三角形、特に直角三角形の辺の比を考える分野)は、いつ頃どこで産声をあげた?

① 紀元前約2000年頃のエジプト

② 紀元前約200年頃のギリシャ

③ 1740年頃のスイス


5 人吉市役所と八代市役所間の直線距離は36.368km36368m)で、標高差は103mである。右図のような三角形を考えるとき、勾配(こうばい)に相当するΘはおよそ何度?

0.016° ②0.16°  ③1.6°


6 次の角度のうち、sincosの値が等しくなるのは?

135° ②225°  ③315°


7 sin75° と sin30°+sin45°の大小関係は?

sin75°>(sin30°+sin45°)

sin75°=(sin30°+sin45°)

sin75°<(sin30°+sin45°)


8 中学校で習った「三平方の定理」というのは、【  】定理の特別な場合(θ=90°の場合)だった。

①正弦  ②余弦  ③正接

 

9 次の勉強嫌いの生徒のほざきに、教師になったつもりで力強く論破してください。一番説得力のあるものは?

「何でcos135°を求める必要があんの?やってる意味ねぇし、人生に三角関数なんか必要ねぇし」

① 三角関数が必要な職業が選べなくなり、人生の選択肢を狭めてしまうよ!

② 私は今その三角関数を君たちに教えることでお金をもらってま~す。

③ 「何の役に立つの?」って疑問は「そもそも何で必要なの?」って疑問なわけで、その答えは「じゃあ、あんた何で生まれたの?」に帰結するよ!


10 右図で加法定理を考えてみた。
xに相当する長さは?

cosβsinα

sinβcosα

cosαsinβ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【答え】

1:③  2:③  3:①  4:①  5:② 

6:②  7:③  8:②  9:①②③(どれを選んでも正解) 10:③


【解説】

    1: 数学Ⅰの教科書で確認してください。

既に習ったように、sin(サイン)とcos(コサイン)の間には、sin2θ+cos2θ=1(サインの2乗とコサインの2乗の和は1)という強力な関係があります。その意味で「サインとコサインは一対」であると言っても過言でありません。コサインの英語表記cosineは、cosineco-は「~と共に」という意味を作る接頭辞です。なるほど、コサイン(cos)はサイン(sin)と常に共にあるので、この英語表記は分かりやすいです。しかし、日本語になるとcosがなぜ「余弦」と名付けられたのか?

「余」に込められた意味等を追究してみるのも一興かもしれません。


2: 次のサイトを見てみてください。tanさんの嘆きが聞こえてきそうです。

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1710/18/news049.html

数学Ⅰでよく出題される三角関数の式の証明では、tanΘが出てきたらsinΘ/cosΘに直して計算すればうまくいくことが多いです。でも、とかく分数の計算はややっこしくなりがちで、tanΘを見ると「うわ…」と引かれる原因なのかもしれません。

A+B+C=π のとき、tanA+tanB+tanC=tanAtanBtanCなんていう美しい公式もあります。tanさんの良いところを見つけて、エールを送ってください。


3: あるアンケート(自由記述)で②の回答を見たとき笑ってしまいました。

私、三角関数ほど単純なものはなく、三角関係ほど複雑なものはないと思うのですが・・・。

皆さん方が学習してきたように、三角関数はまず直角三角形による定義をしますが、次に単位円による定義に拡張されます。その拡張された定義の元では三角関数は「円関数」と呼ばれることもあります。従って、三角関数からどうしても三角関係を連想される方は、「円関数!!」と5回ほど唱えれば邪念が払われるかもしれません?


4: これは数学史の問題です。その手の本を紐解くと、①の紀元前 2000 年頃、エジプト人がピラミッドの建設で原始的な三角比(1年の最初の頃に習った三角関数)を使っていたとあります。

そして、今2年生の皆さんが習っている三角関数や加法定理は、②の古代ギリシャ時代には確立されていたというので驚きです。

なお、③の1740年ごろというのは、オイラーが次の公式を発見した記念すべき年です。

 ei xcos+ isinx 

実数の世界では全くの無関係のように思われていた指数関数と三角関数が、複素数の世界では親戚どころか兄弟であったことを意味する重要な式です。

この式は、大学の工学部や理学部等に進学すると数学で学びます。今の段階ではこんな式があるんだ・・・という理解で十分です。オイラーはスイス生まれの数学者で、人類史上最も多くの論文を書いた数学者であったと言われています。


5: これは直感で正解してほしいところですが、ある意味難問かもしれません。

実際、人吉から八代方面に向かって国道219号線を車に乗っていると、道がずっとゆるやかな下り坂になっていることに気付くはずです。一体どのくらいの勾配なんでしょう?

これは、逆三角関数と呼ばれる計算をすることで求めることができます。

逆三角関数は数学では習っていないと思いますが、設計などの専門科目で学びますし、計算技術検定2級を受検した人にはおなじみのはずです。

Θtan-1103/36368)を関数電卓に入れると、約0.16と表示されます。


6: 三角関数を単位円で再定義した際に、sinはy座標、cosはx座標になります。従って、第1象限と第3象限でsincosが等しくなることがありえます。

ちなみにこの問題は競技クイズ日本一決定戦の予選第1回戦(1問平均10秒のペースで解答する力が要求)に出題されました。


7: 頭の中に単位円を描き、30°、45°、75°それぞれのy座標をイメージしてください。30°のy座標と45°のy座標を重ね合わせた(足し合わせた)高さと75°の高さの比較になります。頭の中に図が丁寧に描ければ答は自ずと③と分かるはずです。

ここでは計算で求めてみます。

sin30°=1/2(=0.5)、sin45°=√2/2です。

ここで√2を約1.4として計算すると右辺は、

sin30°+sin45°=0.50.71.2

では、左辺のsin75°はいくらでしょう?

既に「加法定理」を学習した皆さんなら簡単です。

sinαβ)=sinαcosβcosαsinβを使って

sin75°=sin45°+30°)

sin45°cos30°+cos45°sin30°

(2/2)( 3/2)(2/2)( 1/2)

(6+√2)/4

ここで、先ほどと同様に、√6を約2.4、√2を約1.4として計算すると、

sin75°=(√6 + √2/4=(2.41.4/43.8/40.95

従ってsin75°<(sin30°+sin45°)となります。

ここで覚えておいてほしいのは、

sinαβ)=sinαcosβcosαsinβ

であって、

sinαβ)=sinαsinβ 

にはならないということです。

では、この問題は加法定理を知らないと解けないのでしょうか?

思い出してほしいことがあります。45°の直角二等辺三角形と30°と60°の直角三角形について、それぞれ辺の比が「 11:√2 」と「 12:√3」というのがありました。中学校のときからお馴染みのとおりです。

実は、75°と15°の右図のような直角三角形では、辺の比が「 4:√6 + √2:√6 - √2」というのが成り立ちます。

これを覚えておくと15°と75°について、sincostanの値が図を見ながら、sin75°=(√6 + √2/4とか、たちどころに分かりますので非常に便利です。

某電力会社の就職試験問題で、sin75°=(□+√2/4という穴埋め問題で、□に√6を入れさせる問題が出題されたことがあります。加法定理を万一忘れていてもこの辺の比を思い出せば楽勝です。

余談ですが、sincos加法定理そのものの証明が1999年(平成11年)の東京大学の入試で出題されました。「公式は証明してから使うべき」というメッセージなんだろうか、それとも「教科書の内容すら身に付いていないのに難しい問題集を解いている受験生に対する警告」なのだろうかとか色々騒がれました。出来も非常に悪かったそうです。勿論、皆さんは習ったばかりなので証明はバッチリですよね?


8: 余弦定理とは、a2b2 c22bccosAという形の公式です。

今、A=90°のときcos90°=0ですから、a2b2 c2となり、これは中学校で習った三平方の定理そのものです。

正弦定理とは、a/sinA b/sinB c/sinC という形の公式です。

ちなみに、正接定理と呼ばれているものはありません。

余弦定理を用いることにより、三角形の「2辺の長さとその間の角度」から「残り1辺の長さ」を求められます。また、三角形の「3辺の長さ」が与えられた場合に、すべての角の余弦が求められ、すべての「角の大きさ」を考えることもできます。これに対して、正弦定理は三角形の「1辺の長さ」と「2つの角の大きさ」が与えられた場合に、「残りの2辺の長さ」を求めることができます。慣れるまでどちらの定理を使えばいいのか悩むことがあるかもしれません。


9: これはどれを選んでもマルにします。あなたなら先生からどう言われたいですか?私、自分で解答を作りましたが、3つともとても気にいっています。

この問題の作問のヒントになったのは、「サイン・コサイン何になる・・・♪.」と歌詞の中に出てくる『受験生ブルース』でした。日本のフォークソングの源流を作った男と言われる高石友也の代表曲で、1968年(昭和43年)に大ヒットしました。今でいう「団塊の世代」が大学受験地獄(この言葉は今、死語かも?)を経験していた頃で、当時私は小学3年(9歳)でした。テレビやラジオから毎日のように流れるその哀しい曲を何度も聞いているうちに、サイン・コサインという数学用語がしっかりインプットされました。

高校になって初めてサイン・コサインを習い、「こんなの勉強して何になる?」とその歌詞の意味するところが分かったような気が私自身しましたし、誰でも一度はそう思うのではないかとか考え込んでしまいました。

そういえば、鹿児島県の伊藤祐一郎前知事が2015年(平成27年)8月、「サイン、コサインを女の子に教えて何になる?」などと発言してちょっとした話題になったことがありました。

「いろいろな人生の問題があるため、今の均一な教育の仕組みを変えた方がいい」との思いからの発言だったと釈明されましたが、知事もきっと『受験生ブルース』を聞いて育った世代なのかな・・・と思った次第でした。

私自身も昔、生徒指導部で交通係をしていた頃、多分通学自転車のマナーの悪さに憤慨したドライバーだったんでしょう。苦情の電話の中で「アンタの高校、サイン・コサインとか難しいことを教えなくてもいいから、信号の見方をきちんと指導してくれ!」と罵声を浴びたことがあります。悲しい思い出です。


10: 三角関数はまず直角三角形による定義をします。これはまさにその範囲です。図をよく見ながら丁寧に読み解いていくと必ずわかるはずです。

私は昔からこの図を見るたびに、「本当によく出来た図だな!」と思っていました。あくまでも、α、β、α+βがいずれも鋭角という制限付きではありますが、加法定理がこんなに分かりやすく図の中に表現できるなんて、ある意味凄いです。

是非、sin(α-β)やcos(α-β)が表示できる図も考えてみてください。

【校長】


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひよどり越え」の名前の由来を探る(その2)

 中庭のあじさいの花が二輪咲いています。なぜ紫陽花と書いてアジサイと読むのか知りません。でも、この淡い紫色を見ていると夢見心地の気分にひたれます。

 今朝、高校総体の行進の練習がありました。総体が終わるまで梅雨入りは待ってほしいと願っていましたが、とうとう熊本も昨日梅雨入りしてしまいました。




 注:以下の記事は、昨年7月20日にアップした「アクセス数682962→鵯(ひよどり)越えの戦い)」の中編になります。(昨年7月20日の記事は→こちら

本校生が「ひよどり越え」と呼んでいるのは、平家物語の中でも語られる平家滅亡の前兆となる戦い(一ノ谷の戦い)に出てくる呼称です。

いつ頃誰が列車通学生が上ってくるあの坂を「ひよどり越え」と名付けたのか、人吉市史や本校の30周年記念誌などで調べましたが結局分かりませんでした。それどころか意外なことを知りました。それは・・・

「黒坂」

昭和41年4月8日号の人吉新聞に「黒坂の登校階段完成」の見出しに続く次のような趣旨の記述があり、その当時は「黒坂」と呼ばれていたようです。

球磨工業高校通学生徒の一部父兄(主に汽車通学生から市に対し整備を陳情されていた市内城本町の西校登校道路(人吉駅裏の通称黒坂)がこのほどコンクリート階段に整備され、通学生徒をはじめ、地元の利用者は喜んでいる。

同道路は急勾配のため、整備しても一雨降ればすぐ土砂を洗い流し、路面が悪くなり地元民からも整備方が陳情されていた。昨年は悪路を通行する生徒の姿を見て、同町民政委員谷川源昨さんが老身を問わず道路整備に汗を流し生徒から感謝されたこともあったが、今回の整備で通学生も安心して通れると言っている。同道路は延長140m、巾員1mを全長階段にしている。工費は11万6千円。

一方、「大悲坂」とも

相良三十三観音の一つ、九番村山観音(写真右)はJR人吉駅の裏手にあります。案内のパンフレットには「大村横穴群にある『大悲坂』が登り口」とありました。

そのパンフレットには、「西暦1764年紺屋町の商人達が協力し合い、観蓮寺の観音堂に行く参道を苦労して切り拓き、その事業を後世に残そうと「大悲坂碑」(だいひさかひ)を建てています」とあります。従って、この登り坂は250年前頃は、「大悲坂」と呼ばれていたことになります。

左の写真では読み取れませんが、実際に石碑に近づいて見ると、確かに大悲坂と彫り込んであります。

村山観音が安置されているお堂は「大悲殿」と呼ばれているところから来ているのかもしれません。手元の国語辞典によると、「大悲」とは「他人が悲しみ苦しんでいるのをみて助けてあげたいと思う人の心」とあり、どうやら仏教用語のようです。

結局「ひよどり越え」とは?

私、赴任当初から気になっていたことがあります。それは、平家の落人伝説が色濃く残る地域に所在する学校だからある意味当然かもしれませんが、本校も色々と落人伝説と関わりがあるのでは?ということです。どんな点にそれを感じたかと言うと・・・

① 今、話題にしている平家物語にも出てくる「ひよどり越え」のネーミングがまさにそれ。

隣の人吉西小学校の先生方を含め十人近くの行き交う地元の方々に坂道の名前を尋ねてみましたが、その全員が「この坂に名前があるの?」とか「知らない」といった答えばかりでした。人吉西小学校の某先生は、「球磨工生が上がってくる坂」と呼んでいると言われ、「ナルホド!」と思いました。

また、学校評議員をお願いしている1期生の馬場上氏にも尋ねてみたところ、「当時何と呼んでいたか忘れたが、そういう(=ひよどり越え)呼び方はしていなかったはずだ。初めて聞いた」という証言をいただきました。

② 建築科の実習工場の前にキジ馬が3騎積み上げてありました(右写真)。フラワーポットとして生徒が作った作品だそうです。言うまでもなく、キジ馬は平家の落人たちが都での華やかな生活を思い返しながら作る手慰めとして作り出した民芸品だと言われています。


*  大村横穴古墳群(Omura side hole tomb)は、JR人吉駅の北側にあり、岩の崖には27の横穴が掘られています。1400年ほど前の古墳時代後期の墓だと言われています。左の写真のように、人吉駅のホームからぽっかり口を開いている穴が見えます。何も知らなければきっと「あれはなぁに?」と思うはずです。古代人が闊歩していたことを彷彿させる場所のすぐ隣に停車場がある光景は日本広しといえどもあまりないかもしれません?

パンフレットには、「この中の7基の外壁に馬などの動物、武具、文様等の装飾が残っていることから、早くから学界にも注目され、大正10年(1921年)3月3日に国指定史跡となりました。昭和58年から毎年7月第4土曜日には地元城本町住民が中心となって「古墳まつり」が続いています」とありました。

この古墳に沿って、約240人の列車通学生が毎日登下校で使っている365段の階段があり、本校関係者が「ひよどり越え」と名付けているのです。

途中に2箇所外灯があるものの、夜はとても暗く、生徒総会でも外灯増設の要望が出ていました。その道を使っているのは本校生がほとんどだからということでしょうか、外灯の電気代は何と本校が支払っています。4月分は735円でした。

人吉市に外灯の増設を陳情しても国指定の文化財(大村横穴古墳群)だから形状の変更が難しいらしく、なかなか進んでいないのが現状です。

後編に続きます。

【校長】


 

Why don’t we go to see a firefly tonight?


いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。
 
  
朝夕は半袖では少し肌寒いけど、日中は汗ばむ爽やかな初夏の陽気です。そろそろ梅雨入りも気になるところですが、いかがお過ごしでしょうか。

昨日は私たち教師の「完全定時退勤日」ということで、生徒の皆さんは部活がありませんでした。嬉しそうな表情で下校する何人かに「早く帰って何するの?」と水を向けたところ、にこにこしながら異口同音に「勿論、勉強です」と。何かしら可笑しかったです。

私は昨夜8時頃、歩いてコンビニに買い物に行く途中、川べりの草むらに蛍が光を放っているのを目にしました。蛍、今年になって初めてでした。綺麗な清流に恵まれたここ人吉は蛍が舞うんですよね!

昨年、こちらに越してきて、蛍が乱舞する光景を何十年ぶりかに目にして、自然が豊かなんだと改めて驚きました。

いつかは部屋の中に蛍が迷い込んできたこともあり(右写真)、淡い光の点滅を見ながら、女子から『今夜一緒にホタルを見に行こうよ』と高校生の頃に誘われていたらどんな返事をしただろう‥‥とか、ありもしなかったことを考えつつ幽玄夢幻の中眠りに落ちるという何とも贅沢な体験もしました。

そういえば、千年も昔に書かれた「源氏物語」にも、蛍が恋物語にふさわしい感じで描かれています。ズバリ「蛍」と名付けられた巻でです。

手元のシラバスによると、本校の国語では徒然と伊勢は学習しますが、源氏は扱わないみたいですから、生徒の皆さんの中でこのストーリーを知っている方は少ないのかもしれません。ごく大雑把にいうと、玉鬘(たまかずら)という姫君の姿を、ある男性に見せようと考えた光源氏が、暗闇のなかで蛍を放ち、その光に照らし出された姫の美しさに、男性がますます恋心を募らせていくというシチュエーションでした。

いよいよ明日から中間考査が始まります。試験勉強も気合いを入れてやらないといけませんが、窓越しに外を眺めてみませんか。

暗闇の中のロマンチックな光の明滅に癒されるかもしれません。

                                                                            
                                                                                                【校長】


五月ばかりなどに山里にありく

いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。

生徒の皆さん、連休後半をどのように過ごしましたか。

「部活三昧」と聞こえてきそうですが、1日位は休養日があったはずでは・・・?

  
さて、タイトルの「五月ばかりなどに山里にありく」とは、枕草子第223段の出だしです。毎年5月になると、なぜかこの一節を思い出してしまい「何と颯爽とした書き出しの筆だろう!」と、文言に誘われるかのように、野山を歩きたくなります。

ということで、私はこどもの日の5日、熊本市の金峰山中腹にある洞窟、霊巌洞1まで、徒歩で往復(16キロ位)してきました。晩年の5年間を熊本で過ごした宮本武蔵が、この洞窟にこもって兵法書「五輪書(ごりんしょ)」を著したことは、あまりにも有名です。

山麓に広がるみかん園は白い花が満開。目を下に落とすと、道沿いにはヨモギがびっしり生えていています。顔を近づけて、「これこそ野原の匂い!」と、その香りを楽しんでいたら、223段後半に「蓬の車に押しひしがれたりけるが、輪まはりたるに、近ううちかかりあるもをかし」2と続いていたことも思い出しました。多分、牛車の中にはヨモギの香りが漂っていたんだろうな・・・と。

そんなことを考えていたら、よもぎ餅を久しく口にしていないことを思い出し、どうしても食べたくなって、帰宅後近くのスーパーへ直行。

製菓・パンのコーナーに、最後の1パックが残っていました。某大手パンメーカー製のよもぎ餅大福5個パックで213円。北海道産の粒あん入りです。

そのお味は・・・?

餅の色こそヨモギ色でしたが、その香りはほとんどせず、「こんなものかな・・・」と少し残念でした。夕方のニュースでは温泉施設で「いい香り!」とか言いながら菖蒲湯につかる子どもたちの様子を報じていました。季節の匂いを楽しむ心のゆとりをいつまでも持ちたいものです。


  週の初めは大雨です。連休のせいか今週は少し長く感じるかもしれません。高校総体も近づいていますが、あと10日で中間考査。特に、1年生にとっては高校で初めての定期テストになります。ぜひ、計画を立てて学習を始めてください。



*1うっそうと茂る樹木におおわれ、神秘的な霊場として知られる雲巌禅寺(うんがんぜんじ)の裏山に所在します。洞窟内には岩戸観音(いわとかんのん)の名で呼ばれる観音像が安置されています。


*2【口語訳(意訳)】
車の車輪に踏まれた蓬が輪が回る時に、ふっと剥がれて車の御簾などに当たり、パシッと微かな音を立てて引っかかるのが趣(おもむき)がある。

 

【校長】



飛行機雲に想う

いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。

月が変わり、いよいよ平成のカウントダウンが始まりました。大型連休狭間の今日5月2日、学校では朝から進学課外の開講式、そして午後はこの春就職して帰省した卒業生を招いて機械科の生徒を対象に進路講話が行われました。


 さて、いきなりですが、生徒の皆さんは飛行機に興味がありますか?
 
私は高校の頃、鉄研(鉄道研究同好会)に所属しており、東京あたりまでの出張なら今でも鉄道を利用するほうで、飛行機は今一つです。でも、お月様を見るのが好きなので、今日はどのあたりにいるんだろうと空を見上げた際に飛行機を見つけることが多々あり、人吉上空を飛ぶ飛行機に興味を持ちました。

多分、上空の気象条件が整った時だと思います。青空の下、一直線にくっきりと力強い雲1を引く飛行機を目にすることがあり、嫌なことも忘れていつまでも目で追ってしまいます。そうこうしているうちに、人吉上空は、高高度を飛ぶ国際線の旅客機の航路が設定されているのでは?と思うようになりました。


 はるか上空を飛ぶ機影を眺めていると、
あれはどこから飛んできてどこに向かっているんだろうとか思いませんか?

私はとても気になります。

知っている人も多いかもしれませんが、リアルタイムで世界中の飛んでいる飛行機が分かるという「Flightradar24」というスマホ用のアプリがあります。今、この瞬間飛んでいる飛行機が、どこを飛んでいて、どんなルートで、高さとスピードはどれぐらいかを地図上に表示してくれるもので、コックピットからの仮想の眺めも見ることができるというものです。(ADS-Bという航空機が現在の位置と高度を絶えず送信するシステムを使っているらしいです)無料版と有料版がありますが、無料版でもインストールしていると結構楽しめるお薦めの神アプリです。


 ということで、私、飛行機を見つけると、いつもこのアプリを開いて検索してしまいます。あくまでも私が人吉の空を見上げて確認した飛行機を調べた限りの話になりますが、本市上空を飛ぶ国際線には以下の便がいました。(そのアプリの画像を貼り付けて皆さんにお見せすることができればいいのですが、著作権上その行為が許可されているのかどうか不明ですから、フリーの白地図にいくつかの路線のイメージを書き込んだものを代わりに載せておきます)

 

 台北
(台湾)-新千歳(札幌)、香港-新千歳、
 バンコク(タイ)-新千歳、台北-成田、
 台北-福岡、マニラ-福岡
 仁川(韓国)-グアム、仁川-ウェリントン(ニュージーランド)
 仁川-シドニー(オーストラリア)
 上海-サンフランシスコ
 重慶
(チョンチン:中国)-サンフランシスコ

 いかがでしょうか、写真にあったように、人吉上空でいくつかの航路が十字に交わっていることがどういうことかお分かりだと思います。


 私は、高校・大学の頃、故城達也さんの素敵な声のナレーションで始まる「ジェットストリーム」
2という深夜ラジオの番組を聴いて育った世代です。だからでしょうか、国際線の飛行機に乗ったことこそ数回しかありませんが、翼のランプを点滅させながら夜間飛行をしている飛行機を眺めると、明日の朝どこに降り立つのだろうかと、この空のもと繋がっている異郷の街や情景を想像してしまい、一緒に乗っていきたくなります。


 若葉が美しい季節、今日は八十八夜(立春から88日目)、あと3日で立夏、往く春を惜しむ頃です。生徒の皆さん、有意義な連休後半をお過ごしください。



1
飛行機雲はジェットエンジンからの排気ガスが核になり、水蒸気が凝結して生じるもので、上空の環境によってできる時とできない時があります。どんな時にできるのか調べてみて驚きました。飛行機雲が現れすぐ消えずに長時間残る時は、空気中の水蒸気が多いことを示し、何と、天気が下り坂の前兆なんだそうです。そういうこともつゆ知らず、この歳までポカンと眺めていたとは・・・!? 

ちなみに「飛行機雲」は、英語でairplane cloudではなく、contrail [コントレイル]と綴るんだそうです。これは、condensation trailからできた単語でcondensationは「(気体の)凝縮・凝結」、trailは「跡」の意味です。


2
その番組のオープニングナレーションは次のとおりでした。CDまで購入して何度も聴いたので今でも諳んじて言えます。皆さんも声を出して読んでみませんか?これは「声に出して読みたい日本語」だと思います。


 遠い地平線が消えて、ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、たゆみない宇宙の営みを告げています。

満天の星をいただく、はてしない光の海をゆたかに流れゆく風に心を開けば、きらめく星座の物語も聞こえてくる、 夜の静寂(しじま)の何と饒舌(じょうぜつ)なことでしょうか。

光と影の境に消えていったはるかな地平線も瞼に浮かんでまいります。

日本航空があなたにお送りする音楽の定期便ジェットストリーム 、皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、城達也です

      【校長】


 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

3乗の展開の公式


いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。

今日の2限目、3階の1年生の教室です。建築科や機械科ではモーメントや力の合成など専門の内容が本格的に始まっていました。また、電気科では数学で3乗の展開をやっていました。

3乗の展開とは、ab3a33a2b3ab2b3 の公式を使って(2a+3b)3などを求めるものです。

板書されたこの公式が廊下越しに見えて、自分が高校の時の数学の恩師(故人)のことを思い出してとてもノスタルジックな気持ちになりました。

その先生、中学数学で学んだ2乗の展開公式と3乗、(そして発展的に学ぶ)4乗の展開公式の中に出てくる各項の係数を抜き出して板書され「規則性を見つけてごらん」と水を向けられたのです。

どういうことかというと、

aba+2abb

ab3a33a2b3ab2b3

aba+4ab+6ab+4abb

各項の係数を抜き出すと

121

1331

14641

なかなか見えてこないかもしれませんが、

abab

を2乗の展開公式の上段に加えて、係数の並びを少しずらすと

11

 121

 1331

  14641

のように、綺麗な三角形の形に係数が並んでいきます。そして上の段の係数と下の段の係数の間には規則性があります。

この記事をお読みの1年生や中学生の皆さん、もう見抜けましたか?

上の段の左上の数と右上の数の和が下の段にきています!

この三角形は「パスカルの三角形」(Pascal's triangle)と呼ばれています。圧力や応力の単位[Pa]として工業で学ぶ皆さんにとってはおなじみのフランスのパスカル(16231662)ですが、彼が最初に気付いたからということでしょうか?名前が残っています。しかし、数学史を紐解くと、実際にはパスカルより何世紀も前の数学者たちも研究していたようです。

従って、14641の下の段の数字の並びは、1 5 10 10 5 1 となりますので、abの展開公式は、

aba+5ab10ab10ab+5abb5 となります。

係数の並びは分かるけどabとかがどういう仕組みになっているのか、こんがらがっている人がいるかもしれません。

a について見るとa, a, a, a, a, a(a=1)のように次数が下がり、

b について見るとbbbbbbのように次数が上がっています。ここで、abの次数を合わせるといつも5次(5乗)になるということは見逃さないで下さい。

まぁ、こういう公式なんて覚えていなくても、気合いで1つずつ展開すれば済む話なんです。でも、覚えていたほうが速く解けるし、計算による脳のエネルギー消費を節約することができるわけです。最後に・・・

Which do you like better, expansion or factorization?

(展開と因数分解、どちらが好きですか?)

私は断然・・・。

【校長】

初志貫徹・有言実行

いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。

 

ここ数日、199名の新入生が入学式の日に提出した「決意作文」を読んでいます。「精一杯」「しっかりと」「挑戦」といった言葉がちりばめられ「やる気」がビンビン伝わってくる作文がある一方、「ご指導よろしくお願い申し上げます」で締めくくられ謙虚さが感じられる作文まで色々あり、とても感銘を受けます。と同時に、私たち教職員もそれに応えるべく頑張らないといけない!という気持ちがいやがうえでも高まります。

 

この種の作文は就職の際にもよく書かされるもので、その時は意気込むあまり大きなことを書きすぎないのが美徳なのかもしれません。しかし、高校生の決意作文にそれは求めません。作文で綴った本校で頑張りたいという大志(これは今年度の学校テーマです)、その気持ちをいつまでも忘れないでほしいと心から願っているところです。初心忘るべからず初志貫徹です!

 

   * 入学式の定番フレーズでもある「初心忘るべからず」、生徒の皆さんもきっと一度は耳にしたことがあるはずです。およそ600年前、能を大成した世阿弥(ぜあみ:多分歴史で習ったはずです)が著わした「花鏡」の中に見える言葉だそうです。

実は、私もこの言葉を引用して、今年度の入学式の式辞を作っていました。でも、長くなりそうでしたのでやめました。今日、改めて調べていたら、世阿弥がいう「初心」とは、「物事を始めたころの新鮮な気持ちや謙虚な気持ち」を指すのではなく「みじめさや未熟さ」を指していると知りました。即ち、「その心を忘れるな」ということは、「あの頃のみじめな状態には戻りたくない」という気持ちを常にもって、芸事に精進しなさいという意味らしいです。そういう隠された意味を知っていると、また違った感じに聞こえます。

 

では、決意作文で触れられていた本校で「頑張りたいこと」のランキング6位までと、特に印象に残った記述をいくつか紹介します。

 

頑張りたいこと No1・・・学習  (169名:84.9%)

        No2・・・部活  (160名:80.4%)

No3・・・資格取得( 62名:31.1%)

No4・・・生活面 ( 57名:28.6%)【時間を守る等】

No5・・・学校行事( 44名:22.1%)【体育大会等】

No6・・・友達作り( 35名:17.6%)

 

 

○ 他人の意見に耳を傾け、相互が納得する意見を見つけ出すこと、そして何かを頼まれた時にその期待に近い結果を残すことに心掛け、人を愛するのはもちろん人から愛される人になりたい。

○ 私には一つの大きな目標があります。それは○○部の仲間と共に全国の舞台で活躍し、日本一になることです。

○ これからこの学校でものづくりを学ぶ中で、誠実の心を大切にしていきたいです。なぜなら、誠実さがなければ良い作品ができないからです。

○ 部活動では運動部のマネージャーになり、選手を支えながら選手と一緒に成長していけるような部活づくりをしたいと考えています。

○ 私の力で○○部を必ず全国大会に出場させます。

○ 僕の好きな諺に、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成さぬは人の為さぬなりけり」とあります。この言葉の通り、強い意志を持ち、何事にも挑戦し続けていきたいです。

○ 過去の自分を一度捨て、新たに勉学に励み進化した自分を両親に見せたいです。・・・そして、今までお世話になった地域の方々、友達、家族一人一人に恩返しをしたいです。

○ 「努力は人を裏切らない」この言葉を信じ一日一日を大切にしていきたい。

○ 先輩には敬語を正しく使いたい。

○ まだ人吉球磨から甲子園に出場したことがないので、部活での練習に加え、自主トレを人一倍して県代表として甲子園に出場したい。

○ ○○に就職したいという夢を必ず叶えるためにも、高校で取れる資格を全部取るように頑張ります。資格はお金がかかると思うけど、親に感謝して一発で合格できるように頑張ります。

○ 前期試験の面接で言ったとおり、生徒会長になりたいと思っています。

○ 僕が高校で頑張りたいことは全て校訓に当てはまります。剛健誠実、自主自律、好学敬愛の三綱領はとても大事なので、三年間大切に心掛けます。

○ 将来○○関係に進みたい。そこは英語がとても大切なので英語をしっかりとまじめに取り組みたいです。

○ 中学校では給食があってバランスの取れて美味しいご飯を食べてきましたが、もうそんなのはないので、自分でバランスの取れた食事をしていきます。

○ 私が球磨工業高校で頑張りたいことは、つねに「トップ」に立つということです。

○ 最後に僕が挑戦したいことは3年間無遅刻無欠席を達成することです。

 

 有言実行でいきましょう。頑張れ、新入生!

【校長】

spring storm

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。


  一昨日午後の春の嵐、すごい強風と大雨でしたが、生徒の皆さんはどのように過ごしましたか?

私は窓を叩きつける雨を見ていて、ヘルマン・ヘッセの「春の嵐」を思い出しました。40年前、大学2年の頃に読んだ覚えがあります。確か切ない恋愛ものだったような気がしますが、内容を思い出せません。

あのころ何を考えてその小説を読んだんだろう・・・、そう思うと居ても立ってもいられなくなり近くの本屋さん(ブックオフ)に大雨の中、車を走らせました。あいにく、ありませんでした。

もう1軒行ってみました。またしても空振りでした。諦めて帰る頃は、風雨もだいぶ治まっていました。側溝の蓋には、飛び散った花びらが一杯。桜は2週間前に終わっています。何の花びらでしょう。ハナミズキ?



  司書の坂口先生に伺ったところ、「『車輪の下』はあるんだけど・・・」ということでした。残念です。

【校長】





 

 

 

入学式、無事に終わりました。

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

右の写真は、1年生のある教室の黒板に描いてあったメッセージです。「2時間かけて描いた」と担任の先生から伺いました。歓迎する気持ちがすごくこもっています。

改めまして、新入生の皆さん、入学誠におめでとうございます。真新しい制服やスーツに身を包んで臨んだ入学式、いかがでしたか?

実は、入学式が午後3時前に終わり物品販売等があっている中、午後4時45分からは人吉高校敷地内にある凛然寮(人吉球磨地域共同寄宿舎)で入寮式が行われました。私にとっても新入寮生にとっても大変忙しい一日でした。

入寮式も滞りなく終わり自宅に帰り、遅い夕ご飯を食べてホッとしてHPを立ち上げたら、今現在、午後10時32分現在の総アクセス件数は、1005678

下4桁が5<6<7<8、末広がりでなかなかいい感じの数字です。


  数字といえば、今日入学を許可した生徒・学生数は、本科が199名、専攻科が8名の計207名です。

合計の207は、各桁の和が9で3の倍数ですから、3で割り切れます。実際、素因数分解すると32×23となり約数は1,3,9,23,69,207の6個あります。


  私としては、200に1不足している199という数字、丁度200じゃないのがとても残念なんですが、199はそれはそれで気になります。

もうお気付きと思いますが、これは素数です。しかも、各桁の数字を入れ替えてできる919,991も素数ということで「これは一体どういうこと?」と一気にテンションがあがりました。

* 各桁の数字をどのように入れ替えても素数になる数字のことを「完全順列素数」ということを思い出しました。2桁の素数なら11,13,17,37,79の5個で、これを見つけるのは中学数学のレベルです。3桁なら199以外にどのような素数があるのか・・・?

けっこう面倒でしたが、199以外に113と337を見つけることができました。4桁ではどうなるのでしょうか・・・? 気が遠くなります。

ところで、199という素数は、各桁を循環させると991,919となり、そのいずれも素数ですので、「循環素数」でもあります。実は、199よりも2少ない197も197→971→719と各桁を循環させると、いずれも素数になりますので循環素数ですが、これは完全順列素数ではありません。(197,179,719,971は素数ですが、791が7×113、917が7×131と素因数分解されます)


  最初に話題にした総アクセス件数の
1005678の5,6,7,8の並びにヒントを得てごちゃごちゃやっていたら、またしても面白い性質をみつけました。何と199は、連続する6つの整数の平方の和で表されるということです。

数式で書くと  199=3+4+5+6+7+8

「美しい!」と見とれて、寝るのも忘れてしまいそうです。こうなると、専攻科の入学生の数である8にも何か意味を見出したくなります。


  色々考えてみましたが、特に思いつきません。苦し紛れですが、199と8を結び付けるものとして「8n-1」ということ位でしょうか? 

199=8×25-1

(あれ!、1不足が出てきました。199は、8n-1型で表される12番目の素数になります)

話は大きく変わりますが、桜が終わりハナミズキが青空に美しく映える頃となりました。右の写真は校長官舎の庭にあるものです。

歌手一青窈(ひとと よう)さんの歌でも有名なハナミズキ、図書館の植物図鑑によると、日本における植栽は、1912年に当時の東京市長だった尾崎行雄がアメリカ合衆国ワシントンD..へ桜(ソメイヨシノ)を贈った返礼として1915年に贈られたのが始まりとありました。日本人が桜を愛するように、アメリカではハナミズキが最も愛されるのだそうです。

明日は対面式、明後日は交歓会と、新入生を対象とした行事が続きます

【校長】


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祝 総アクセス数 百万件達成

いつも本校のHPにお越しいただきありありがとうございます。

本日4月5日、午後3時40分現在の総アクセス件数は、1000000

ついに、6桁から7桁へと1桁あがり、総アクセス数が百万に達しました。

気の早い話ですが、もし現在のペースのアクセス件数(1日当たり平均1200件)がずっと続くと仮定すると、8桁の最小数である1千万になるのは、2048年12月頃です。その頃、今の生徒たちは40歳前です。どのような人生が開けているのでしょうか。考えるだけでワクワクしますし、自分はその頃どうなっているのだろうかと思うとなぜか切なくなります。そしてその間およそ20年6カ月間、7桁の様々な数を目にすることになります。

ところで、百万という数、とてもウキウキします。平方根(√1000000)は1000で、立方根(31000000)は100です。また、常用対数(log1000000)は6ですね。とりあえず素因数分解してみます。胸がドキドキ高まります。

26×56ですから、その約数は、1, 2, 4, 5, 8, 10, 16, 20, 25, 32, 40, 50, 64, 80, 100, 125, 160, 200, 250, 320, 400, 500, 625, 800, 1000, 1250, 1600, 2000, 2500, 3125, 4000, 5000, 6250, 8000, 10000, 12500, 15625, 20000, 25000, 31250, 40000, 50000, 62500, 100000, 125000, 200000, 250000, 500000, 1000000の49(=7×7)個です。

このサイトではこれまで達成したHPの総アクセス数を取り上げて様々な角度から考察をしてきましたが、約数の個数が奇数個になったのは初めてです。以前、奇数個の約数の数について、その数学的な説明をこのサイトでしたことがあります。興味がある方は、校長室>徒然雑記帖から入って、昨年1月15日のサイトをご覧ください。「nが平方数 nの約数の個数は奇数」とか書いてあります。

続いて、いつものように数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日の日付である45を作ってみます。

 ((10!+0!)!)!!-(0!+0!+0!)0!)=45 → 4月5日

【注】 中学生の皆さんへ !は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習しますが、例えば6!なら、6×5×4×3×2×1を計算することになります。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。”!”が2つ以上つく「多重階乗」については、高校の学習範囲も超えてしまいます。しかし、そんなに難しくはないので、興味ある方は昨年10月22日の記事「祝 総アクセス数800000件達成」をご覧ください。校長室>徒然雑記帳から入ることができます。ちなみに6!!なら2つおきの階乗ですから、6×4×2で48になります。

そして、0!(ゼロの階乗)は1です。これは約束(決め事)ですから、どうしてそうなるの?とか考えたらいけません。

時間をあまりかけることなく立式できたのですが、できれば「!!」のような仰々しい記号を使わず、すっきりした式を作りたかったです。生徒の皆さん、もっとシンプルな式ができたら教えてください。

 話は変わりますが、生徒の皆さんは100万と聞いて、どのようなことを思い出しますか。工業で学ぶ人たちですから、SI接頭辞の1000000 倍がM(メガ)、1/1000000 µ(マイクロ)ということや、百万分率をppm (parts per million) ということはすぐに思い浮かぶかもしれません。

 私は随分前に新聞で読んだある記事を思い出しました。私立文系の大学の受験者で数学(センター試験)を選択した学生としなかった学生の「その後の年収」の追跡調査に関するもので、京都大学の先生が調査したものでした。それによると、数学を受験した人の年収が平均100万円位多いという結果で、当時大変驚いてこの記事を何度も読み直しました。

今回、改めて関連記事を探しましてみたらネット上に残っていました。(興味ある方は「数学受験者の年収が100万円位多い」で検索してみてください)

「数学で鍛えた論理能力は社会に出て活躍の場を広げることにつながるので、子どものうちから数学力を身につけさせることに留意すべきである」という趣旨の記事に接し、生徒たちに数学の大切さについて話をした覚えがあります。

 

ところで、100万円の分の1万円札束を見たことがありますか?私は銀行で見たことがあります。その厚さ、およそ1cmで横向きに立てることができます。

100万円位ならベテランの行員さんの手にかかるとほんの数秒で数えられるみたいです。実際、100万円近いボーナスを、元行員の妻に手渡したところ「パパッと数えられたので味気なかった」というぼやきを友人から聞いたことがあります。

最後に「百万」が入っている背筋がぞくっとするような言葉を一つ。あまりにも有名なので、耳にしたことがある人が多いかもしれませんが・・・・。

喜劇王チャップリンが制作した映画「殺人狂時代」の中に出てくる次の言葉です。

1人殺せば殺人犯だが、100万人殺せば英雄だ。

この映画、私は見たことがありません。第二次世界大戦末期、「最新兵器」の実験台として、広島・長崎へ「原子爆弾」を投下し、30万人以上もの罪のない一般人を殺し、「戦争の早期終結」との大義のもと美化し、戦勝国の気分に酔っていたアメリカを痛烈に皮肉る内容の映画だそうです。そして、この言葉は20世紀の映画史に残る「名台詞(せりふ)」と呼ばれているようです。

来週の月曜日は始業式、そして入学式です。特に、新入生の皆さん、心の準備はできていますか?そして宿題は終わりましたか?    

【校長】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しづごころ」とは?

南門に至る道路沿いの桜が少しずつ散り始めました。10日後の入学式まで残ってほしかったのですが・・・。

春風にあおられ、ヒラヒラと舞い散る桜の花びらを見て、百人一首の33番紀友則(きのとものり ?~905)の歌が思い出されました。


   ひさかたの 光のどけき 春の日に

        静心なく 花の散るらむ

 

思い出したのはいいのですが、ふと「しづごころ」とはどういう意味だったんだろうと気になり始め、国語便覧やネット等で調べてみました。以下の現代語訳や解説は、「京おかきの小倉山荘」のサイトからの引用です。

◆現代語訳◆

  こんなに日の光がのどかに射している春の日に、なぜ桜の花は落ち着かなげに散っているのだろうか。

 

◆解説◆

【ひさかたの】

日や月などにかかる枕詞(まくらことば)で、ここでは「(日の)光」にかかっています。

  【光のどけき】

    「日の光が穏やか」という意味です。「のどけし」には、のんびりとしているな、などというほどの意味もあります。

  【静心なく】

    「静心(しづごころ)」は「落ち着いた心」という意味。「落ち着いた心がなく」とは、散る桜の花を人間のように見立てる擬人法です。

  【花の】

    花はもちろん桜のこと。

  【散るらむ】

    「らむ」は目に見えるところでの推量の助動詞で、「どうして~だろう」という意味。どうして、心静めずに桜は散っているのだろうか、というような意味になります。

◆鑑賞◆

  柔らかな春の日差しの中を、桜の花びらが散っていく。こんなにのどかな春の一日なのに、花びらはどうしてこんなにあわただしく散っていくのか、静める心はないのか、という歌です。とても日本的で美しい光景。そんな桜の美しさが匂うような歌といえるでしょう。

 

ということで、「しづごころ」とは「落ち着いた心」という意味でした。落ち着いた心がなくとは、散る桜の花を人間のように見立てる擬人法(この言葉、久々に聞く懐かしい響きです)だったんですね。散りゆく桜への哀愁が感じられ、この季節、必ず思い出す歌ですが、謎が解けてよかったです。


そういえば、私の好きな在原業平(ありわらのなりひら 825880)も伊勢物語82段の中に、桜をテーマとした次のような歌を残しています。

世の中に 絶えて桜の なかりせば

      春の心は のどけからまし

この歌はとても分かりやすいですね。「この世の中に、まったく桜の花というものが無かったならば、春を迎える人の心は、穏やかでいられるだろうに」という意味です。

業平はこの歌をどんな気持ちで詠んだのでしょうか。勿論、本気で「桜なんか無かったらいいのに」と思っているわけではないはずです。

「美しい桜の花よ、どうか散らずに、このままずっと咲いていておくれ」という、はかない花の命を惜しむ思いや桜を賞賛する気持ちを、あえて逆説的に「桜の花がなければ春はのどかなのに」詠んだのだと思います。


  伊勢物語を読んだことがある人は、この業平の歌への返歌として、ある人(作者不明)が詠んだ次の歌が収められていることを覚えているかもしれません。

散ればこそ いとど桜は めでたけれ

憂き世になにか 久しかるべき

「桜は散るからこそ素晴らしいのです。うき世に永遠のものなどないのですから」という意味で、これも分かりやすく共感できますよね。

「散るからこそ桜は素晴らしい!」とは実に思い切って言ったものだと思います。潔く散っていく桜を見ていると、この世の万物が絶えず変化し続けていること、そして、形あるものは必ず滅することに思いが至ります。だからこそ、今この瞬間のかけがえのなさが際立つのかもしれません。

どうも、古来、日本人は桜が大好きで、「もうすぐ咲きそうだ。ああ、咲いた。もう散ってしまった!」と、桜に振り回され過ぎているような気がします。日本人のDNAだから仕方ないのかもしれませんが・・・。

隣の事務室から不要な文書をシュレッダーにかける音がずっと響いていて、春の憂鬱(メランコリー)は一層深くなります。今日は、今年度最後の勤務日です。

【校長】

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

blooming

今年度もあと2週間。いよいよ押し迫ってきました。

雨の週明けになりましたが、天気に恵まれた土日、学校周辺で春を探してみました。


 
人吉駅から本校へのショートカットである通称「ひよどり越え」、急な坂道の脇で梅の花が満開でした。

  写真は白ですが、紅やピンクの花もあちこちで見受けます。時おり響くウグイスやメジロの囀りにもうっとりしてしまいます。




本校下のあやめ公園の木蓮、一斉に美しい花が咲き誇っていました。上品な甘い香りを漂わせる白色の花が青空によく映え、この時期つい愛着をもって眺めてしまいます。 

木蓮の木は恐竜が生きていた1億年前頃には存在していて、日本では平安時代から栽培されていたとか。




 本校と西小学校の間の狭い公道の脇に、コバルト色の可憐な花、オオイヌノフグリを見つけました。
瑠璃唐草(るりからぐさ)」とか「星の瞳(ほしのひとみ)」といった別名のほうがロマンチックに響きます。

 きっと命名者を恨んでいるのかも?何と、絶滅危惧種なんだそうです!




 球磨川のほうにも足を伸ばしてみました。堤防の草むらには、つくしが・・・。

  そして、河原には、県の鳥、ヒバリが天高く美しい鳴き声で歌っていました。

うらうらに照れる春日に雲雀(ひばり)上がり心悲しも独りし思へば』とは万葉集の家持の歌です。春の憂愁(メランコリー)というのでしょうか、雲雀の楽しそうな囀りと自分の憂鬱な物思いの対比が妙です。

                          【校長】


総アクセス数969696 → 100万の前に一息

土の中で冬ごもりしていた虫たちが地面に這い出てくる日とされる24節気の一つ啓蟄(けいちつ)、今年は3月6日だったようです。それから一週間が過ぎ、あの厳しい寒さが嘘のように暖かい毎日が続いています。生徒の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。高校入試関係で家庭学習の日が頻繁にあっていましたので、寝ぼけた虫たちのように調子が狂っている人もいるかもしれません?

昨日は合格発表がありました。昨年、一昨年、ドキドキして過ごしたこの時期を思い出してみるのもしみじみとしていいものかもしれません。

さて、969696とは、昨日3月14日8時12分現在の本校のHPの総アクセス件数です。

 

このような綺麗な数字を見ると、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなり、昨日の日付の314を作ることに挑戦していました。

(969-6)÷√9-6=315        惜しい、もう一歩

96×(9-6)+9+6!!!=315     あれ~

9!÷6!÷9×6-(9+6!!!!)=315 どうしたんだろう?

  

【注】 中学生の皆さんへ。

”!”は「階乗」または「ファクトリアル」と読みます。例えば6!なら、6×5×4×3×2×1を計算して720になります。”!”が2つ以上つく「多重階乗」については、高校の学習範囲を超えてしまいます。しかし、そんなに難しくはないので、興味ある方は10月22日の記事「祝 総アクセス数800000件達成」をご覧ください。校長室>徒然雑記帳から入ることができます。

ちなみに6!!!は2つ飛ばしの階乗ですから6×3で18です。また、6!!!!は3つ飛ばしの階乗ですから6×2で12になります。


  ということで、お昼ご飯を食べながら20分ほど格闘しましたが、どうしても式を完成させることができませんでした。持ち帰って今度は晩酌をしながら楽しみました。でも、近い数字にはなりますが314はとうとうできず、give upしました。この記事をアップし始めてから初めてで残念です。もし、生徒の皆さんで314になる式を作れた人がいたら教えてください。

ところで、969696というのは、間もなく到達するであろう1000000100万)の前に敢えて取り上げて、その数字の性質を考察しておくべき数字だと思います。

そこで、その面白さを実感するクイズを作問してみました。問題はわずか3問、○×クイズです。下の「正解と解説」を見る前にちょっとでも考えてもらえれば嬉しいです。

① 969696と紙に書いて180度回転させた後、その数字を裏側から見ると696969になる。

② 696969÷96969669÷96の計算結果は同じである。

③ 961, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 16, 24, 32, 48, 9612個の約数があり、69の約数(1, 3, 23, 69)4個のちょうど3倍の約数をもっている。従って、969696の約数の個数も696969の約数の個数の3倍である。


① 正解と解説

 × 180度回転させても同じ数字になります。それを裏側から見ると、次のように見えるはずです。→   

実際に紙に数字を書いてやってみてください。

それにしても、数字の「6」と「9」、よく似てますよね。昔、担任をしているときに、くじで席替えをしていた際、二つの区別がつくように6には「」のようにアンダーバーを引いていたのを思い出しました。

十進法のそれぞれの数字がいつ頃発明されたのかよく知りませんが、今改めて疑問に思ったのは、「なぜひっくり返したら同じみたいな記号にしてしまったのか」ということです。0と1から9まで、順番に見ていっても、こんなに似ている記号を使った数字はありません。なぜこういうことになったのか、数学史を紐解くと面白いかもしれません。


② 正解と解説

 69696969×1000069×10069

       =69×(100001001

       =69×10101

96969696×1000096×10096

       =96×(100001001

       =96×10101

従って、696969÷969696=(69×10101)÷(96×10101
               
69÷96

                =0.71875

③ 正解と解説

 969696を素因数分解すると2×3×7×13×37ですから、その約数の個数を指数に1ずつ足して積を求めると、6×3×2×2×2144

一方、696969を素因数分解すると32×7×13×23×37ですから、その約数の個数は3×2×2×2×248

従って、144÷48=3で3倍になります。

しかし、実際にこんな面倒な素因数分解をするまでもなく、②の解説の本質的な意味が分かれば、○になることは自明ですよね! 


  いかがでしたか?工業高校に学ぶ生徒の皆さん方にとって、数学は大事な科目になります。というより、数字とはこの先、縁が切れないはずですし、まずは近い将来の関門である入社試験で課されるSPIの非言語問題を、快刀乱麻を断つがごとくやっつけていかなければなりません。そんな皆さん方に、数字を見る目や数的処理のセンスが高まるようにとの願いを込めて作問してみました。

最後に、言語系のクイズも2問。

④ 百人一首の69番と96番の両歌で、共通して想起される事物は次のどれか。

ア:花  イ:鳥  ウ:風  エ:月  

⑤ 「6」と「9」のように紛らわしい日本語の平仮名を一組挙げよ。


④ 正解と解説

69番 【能因法師】

嵐吹く 三室(みむろ)の山の もみぢ葉は

     龍田(たつた)の川の 錦なりけり


(現代語訳)山風が吹いている三室山(みむろやま)の紅葉(が吹き散らされて)で、竜田川の水面は錦のように絢爛たる美しさだ。

      

96番 【入道前太政大臣 藤原公経(きんつね)】

花さそふ 嵐の庭の 雪ならで

     ふりゆくものは 我が身なりけり


(現代語訳)桜の花を誘って吹き散らす嵐の日の庭は、桜の花びらがまるで雪のように降っているが、実は老いさらばえて古(ふ)りゆくのは、私自身なのだなあ。


                生徒の皆さんは、百人一首をどのように覚えていますか?

語呂合わせ(例:うかりける…はげしかれとは → うっかりはげ、なげけとて…かこちがおなる → 嘆け過去)や決まり字で覚えている人がほとんどだと思いますが、詠者や歌番号で覚えている人も数は少ないですがいるはずです。

この問題は歌番号で覚えている人じゃないと難しかったかもしれません。中には、「これやこの ゆくもかえるもわかれてはしるもしらぬもあふさかのせき」→「百首の中で唯一濁点が一個もない歌」のように、特徴を捉えて覚えている人もいるかもしれませんね?

       

⑤ 正解と解説

平仮名の「さ」と「ち」

左右対称というのでしょうか、改めて見るとよく似ていると思いませんか?

英語のアルファベットの「p」と「q」*もそうですよね。

  pとqで思い出しました。一昨年の京都大学の入試で数学の問題の中で「2つの素数pとqで、p+q の計算結果が素数になる組み合わせを全て求めよ」という、ハッと虚を突くような問題が出題(理系・第2問・配点30点)されていました。

式が簡単で美しい対称形ですが難問です。でも、一組なら中学生の皆さんでもすぐに見つけられるはずですし、その一組を答案に書くだけで部分点はもらえるはずです。難しいのは、「全て」というのをどのように証明するかです。

いつか機会があればこのサイトで取り上げるかもしれませんが、果たして何組あるのか、素数が好きな人は知的に格闘してみてください。

今日は、96が3回繰り返された969696をもとに、96と69まで話を発展させました。

実は96は熊本市出身の私にとっては、電話の市外局番096-***-****で何十年もお世話になっているわけで、とても身近な数字だと思っていました。

また、それをひっくり返した69ですが、つい先日来賓として出席した人吉第二中学校の卒業式では、体育館前方に「第69回卒業証書授与式」と看板が下がっていて、「69回目を数えるということは、昭和何年に開校したんだろう?」と指を折りましたので記憶に新しい数字です。

そういえば、2週間前の日曜日、熊本駅の前を歩いていたら、突然署名を求められました。何だろうと説明を聞いていたら「憲法改正に関する『反対』の署名」でした。

日本国憲法で憲法改正について定めた条文は第96条です。そして、自衛隊の役割を明文で書き込むための憲法改正を目指しているのが安倍内閣です。その安倍内閣、今も続く長期政権の源流となる第2次安倍内閣が発足したのが安倍氏を第96代内閣総理大臣として任命された平成24年12月26日でした。この「96」の偶然の一致は何だろうと、つい思ってしまいます。

【校長】


 

円周率の中の「31415926535」

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。今日3月14日は、ホワイトデー?

「俺にはホワイトデーなんてかんけーねーんだよ!」って言っている人もいるかも。そんな硬派の君には「円周率の日」1がお似合いなのかも?

世の中における円周率の役割を考え、円周率が存在しない世界について思いを巡らそうと、多くの国でこの日を円周率の日と定めているようです。

 

ところで、円周率については昨年10月2日のこのサイトの脚注でも取り上げたことがありましたが、改めてその定義、大丈夫ですか?

円の直径の長さと円周の長さの比(比率)ですよね。円の大きさ(円の直径)によらず、(円周の長さ)÷(円の直径の長さ)=一定(約3.14) であり、これをπ*2と表します。

 

とても奥が深い円周率、紀元前から現在まで世界中の人たちが色々な形で研究をしていて、今なお進化し続け、コンピュータを使用した計算では、10兆桁を超えて計算されているようです。手元にある教科書のコラムには、「円周率の値は1961年に10万桁、 1973年に100万桁、 1983年に1000万桁、1987年に1億桁、 1989年に10億桁、1997年に100億桁、1999年に1000億桁、2002年に1兆桁、そしてとうとう2014年に13兆桁まで計算されるに至った」とありました。

 

このように、無理数(小数点以下で同じ繰り返しをしない数)である円周率、皆さんは小数点以下何桁まで記憶していますか?

義務教育の段階では「3.14」と教わったので、2桁だけの人がほとんどだと思いますが、数学が少しでも好きな人ならば「3.14159」とキリのいい5桁まで覚えている人もいることでしょう。

3.14159265 35897932 38462643383279 5028841971・・・

を「産医師異国に向こう 産後厄なく産婦宮代に虫散々闇に鳴く これに母養育ない」という有名な語呂合わせで覚えている人は40桁まで大丈夫でしょう。

あるサイトには、小学生でも100桁位まで覚えられる語呂合わせが紹介され、どうしてこんなに円周率が人気なんだろう?と不思議ですが、これを覚えるギネス記録もあるようで、何と10万桁を超える記録が認定されているようです。

永遠に続く円周率になぞらえて、3月14日に入籍する人が多い(夫婦のどちらかが数学マニア?)と今朝のラジオで報じていました。そういえば、本校の先生の中にも車のナンバーが「・314」の先生がいらっしゃいます。希望ナンバー制度で取得されたのでしょうか、それとも偶然でしょうか?

 

このように、延々と割り切れずに小数点以下に数字が続いていく円周率ですが、その小数点以下2,000,000,00020億)桁までに、任意の数字の羅列があるかどうかを調べるアメリカの研究者のサイトあります。(そのサイト、リンクを張ることが許可されているのか不明ですのでURLの紹介は控えておきます)

Irrational Numbers Search Engine というキーワードを copy paste して検索をかけてみてください。すぐにヒットするはずです。ちなみに、Irrational Numbers(イラショナル ナンバーズ)とは「無理数」のことです。

 

20億桁までと限りはありますが、任意の数字列を入力すると、それが何桁目に現れるかを検索してもらえるので、結構楽しい暇つぶしができます。

試しに、今日2018年3月14日である「20180314」の8桁の数字の並びがあるかどうか確認してみました。

次のように表示され、小数点以下第2143万2395桁目3にあることが分かります。検索に要した時間はわずか0.1575秒です。

 

The numeric string 20180314 appears at the 21,432,395th decimal digit of Pi.

12528181760351422658201803148862764626677917154

                             ^ <-- 21,432,395th digit

Search time was 0.1575 seconds.

 

「これは面白い!」と、自分の誕生日や気になる数字を次々に調べてみました。色々試した限り、8桁までは任意の数字の並びが全て存在するようです。ワクワクしてきました。

そこで、20億桁までに円周率の数字の最初の並びである「31415926535・・・」がどこまで存在するのか調べてみました。以下、:「存在した」、×:「存在しない」の意味です。参考までに検索時間も示しました。

 

8桁(31415926)→50366472桁目:0.39秒)

9桁(314159265)→1660042751桁目:12.78秒)

10桁(3141592653)→×15.75秒)

11桁(31415926535)→×20.28秒)

 

ということで、円周率の数字の最初の並びは9桁まで存在するようです。

ちなみに、「123456789」という9桁の数字の列があるかどうか試したところ、次のように表示され、小数点以下第5億2355万1502桁目に最初の並びがあることが分かりました。

 

The numeric string 123456789 appears at the 523,551,502nd decimal digit of Pi.

7260489917323889207212345678922486448188070486

                             ^ <-- 523,551,502nd digit

Search time was 4.0000 seconds.

 

ドキドキしながら、2進数っぽい数字などヘンな数を色々と試してみました。

000000000 →(0が9連続)×

00000000  →(0が8連続)17233850桁目

010101010 →(0,1が9つ交互)×

01010101  →(0,1が8つ交互)1621470桁目

111110000 →(十進数では496)6926655桁目

123454321 →(回文数9桁)1774483,587桁目

 

先ほども書いたように、任意の数字の並びが8桁までなら存在するようですが、9桁になると存在しないケースもあるようです。

このプログラムでは制限が20億桁ですが、もっと桁数が広がり、現在分かっているという10兆桁当たりまで検索できるようになれば、10桁、11桁・・・と、任意の数字の並びが存在する可能性も広がるような気がします。

 

最後に・・・、私が愛用しているマグカップは、周囲に円周率が小数点以下1545桁目まで印刷され、「π」の文字がデザイン的に浮き上がっている優れものです。今日3月14日の「314」があるかどうか、検索ソフトに頼ることなくコーヒーを飲みながら目を凝らして探してみましたが、見つけることができませんでした。そこで検索ソフトにかけてみたら、最初に現れるのは「2120桁目」でした。惜しかったです。

【校長】

 

 

1 今日3月14日は、日本パイ協会が円周率のπにちなんで「パイの日」、日本数学検定協会はこの日を「数学の日」と定めています。

円周率で思い出しました。「アメリカの人口は円周率」という新聞の見出しを見たことをです。今、改めて検索したところ、平成24年(2012年)8月14日のことでした。このことを報じた記事には、「アメリカの人口が、3億1415万9265人になりました」とあり、アメリカ国勢調査局が有頂天になって喜んでいるとありました。「なるほど!これでアメリカの人口は忘れない」と当時、嬉しくなったことを覚えています。

なお、今日はE=mcの方程式で有名なアインシュタインの誕生日でもあるそうです。

 

2 ギリシャ語で周を表す περιμετρoζ の頭文字らしいです。アルファベットに置き換えると、periphereia になるそうで、英語読みなら「ペリフェレィア」に近いのでしょうが、ギリシャ語ではどう発音するのでしょうか?興味津々です。

なお、昨年10月2日のサイト(校長室より>徒然雑記帖 から入ることができます)で、「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」という東京大学の平成15年度の理系の入試問題を話題にしました。その際に、「余弦定理(本校では1年生の終わりに数学Ⅰで学習します)を習っていないと難しいので、中学生には無理かもしれません?」とか書いていましたが、何と、中学校で学習する数学の範囲で証明をしている動画を最近YouTubeで見て、なるほどそういう解法があるのか・・・と大変驚きました。

 

3  このサイトには、次に表れる桁数も表示してくれる機能があり、次は135038451桁目、その次は135925787桁目、さらにその次は210346676桁目と20億桁までに19回表れることが分かります。平均して1億桁に1回出現といったところでしょうか。

また、このサイトでは、e(ネイピア数)、√2(2の平方根)、Φ(黄金率ファイ)と、他の数学的に永遠と小数点以下が続いていく数字からも、任意の数字の羅列が、何桁目にあるかどうかを検索することができます。

心に残る◯◯◯でした!

無事に○○○が終わりました。最後のHRも終わり、何人かの生徒が挨拶や写真に一緒に収まってほしいと校長室に来るなど、玄関前の喧噪は1時間以上も続きました。

それもやっと収まり、ホッとしてHPを開いたら午後1時47分現在の総アクセス数は、958116でした。

数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなりました。

9×5-8-1+1-6=31  → 今日3月1日は○○○

√9×58+1+1+6=182 → ○○○で182人が巣立ちました。

 モチロン、○○○に入る3文字は「卒業式」です。

卒業式については、その様子を報じるブログがアップされているようですので、式後の最後のHRの様子を報告します。

各クラスで担任から生徒へ卒業証書が手渡され、生徒一人一人、高校生活の思い出や決意等を語っていました。子どもからの感謝の言葉で涙ぐむ親や、3年間の友達とのエピソードで笑いが湧き起こるクラスもありました。

 全クラスとも、とても和やかな最後のHRでした。


  

  


  


  来週早々アルバイトの形で職場に入るために、明日上京する人もいるなど、一旦卒業するとみな様々な事情を抱えてきます。明日また集まろうと集合をかけても誰かが欠けるものです。その意味で今日がクラス全員揃える最後の日でした。今日という日を目一杯楽しんでください。

最後にこのことも。式終了後、野球、バレーボール、空手、陸上(投擲)の生徒たちが直ちに後片付けをしてくれました。ありがとうございました。 

            【校長】

梅と月がいい感じです

今日は午後、ハローワークのコーディネートのもと、地元企業5社をお招きし、「親と子が地域と産業を学ぶ企業説明会」を開催します。本校としては初めての企画になりますが、あいにく高体連70周年記念式典と重なってしまい、学校の責任者として様子を見届けることができないのがとても残念です。

生徒たちの目が地元企業に向くきっかけになればと願っているところです。

 

さて、昨日2月22日はニャンニャンニャンということで「ネコの日」だったらしく、動物愛護団体が様々なイベントを行ったとニュースで報じていました。それを聞きながら、111、222とぞろ目になるのは1月11日と2月22日だけであり、333以降は存在しないわけで、ネコにこじつけるのも面白いと思いましたが、222という数字にもっと関心を持たないといけないと思ったところでした。

 

222を題材にした数学の問題を検索してみたら・・・、ありました!

東京にある某ミッション系私立中学校の平成4年の入試問題に「222の約数は【       】である。」という穴埋め問題が出題されていました。

勿論、222を素因数分解すると、222=2×3×37 ですから、

答えは1,2,3,6,37,74,111,222 になります。

小学生を対象とした中学入試ではちょっと難しいのかな・・・と思いました。

 

話は変わりますが、三寒四温を繰り返して春に向かっていることを実感します。今日はとりわけ日中の日差しが温かく感じます。今朝、通勤途中の道沿いのあるお宅の庭の梅が3分咲きで、思わず写真に収めました。梅の間にうっすら白く見える月はとても趣があるわけですが、梅と月というと、私は条件反射のように平安時代の歌人在原業平(ありわらのなりひら)の和歌を思い出します。

 

月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ 

わが身ひとつは 元の身にして

 

というものです。あの月は昔と変わったのだろうか。この梅の咲く春の景色は昔と変わっているのだろうか。いや、どちらもあなたと一緒に見上げた美しい月であるし、かぐわしい香りを楽しんだ梅の花である。しかし、あなたがいなくなり一人ぼっちになってしまった今、私の周りのものは何もかも変わってしまった気がする。私だけは元とのままで変わらないのに・・・と、世の無常と手が届かない所に行ってしまった恋人に思いを馳せ嘆いている歌です。何と切ないんでしょう!

今日は上弦の月ですから、日が暮れた頃は南の空高くにあるはずです。今晩眺めてみようと思っています。

【校長】

 

学年末考査が始まっています

学校は本日から学年末考査が始まりました。廊下に出されたカバンや教科書等が凜とした雰囲気を漂わせています。

試験の様子を巡回していたら、出された荷物の中に可愛い小袋が沢山入った紙袋もあり、多分マネージャーが放課後に部員に渡すチョコかな・・・と思ったところでした。

(「学校にお菓子を持ってきてはいけません」とか、無粋なことを言うつもりはありません)

 

あるチョコメーカーが主催する「今どきバレンタイン川柳」のサイト、毎年、面白いと思いながら閲覧しています。今年も世相を反映した楽しく笑える川柳が100句紹介されていました。

 

「俺のチョコ 黙って食う嫁 ちーがーうーだーろー」

 

というのがあり、一番笑えました。某議員が絶叫していた「ちーがーうーだーろー」っていうのは、今や流行語みたいですね。事務室でこの話題をしたら、「うちの娘も家で言っている・・・」と聞き、少しドキドキしました。また、

 

「忖度を 学びなさいよ 義理チョコで」

 

というのも脱帽レベルで面白いと思いました。「忖度」は今年度、本校生が受験した就職試験で、読み仮名をつける問題で出題されていました。国会で口にされなければ、難読漢字のままだったはずなんでしょうが・・・?

 

話は変わりますが、巡回した時、2年生は「数学Ⅱ」の試験で積分の問題と格闘中でした。その応用である面積を求める問題も出題されていたようです。この様子を見て思い出したことがあります。

 

先生:毎日1個のリンゴを食べたら、1週間でいくつのリンゴを食べたことになりますか?

生徒:1日1個のリンゴを7日間食べるので、1×7=7で7個です。

先生:このただのかけ算に見える計算ですが、これ実は積分なんです。月曜日から日曜日までの合計をかけ算を使って積分したんです・・・

 

と、分かりやすく積分の本質を教えてくださった高校の時の数学の先生や、「インテグラルよ永遠なれ」がペンネームだった友達のことです。

あれから40年が経ちました。それぞれどうしてらっしゃるかな・・・と。

 

話は変わりますが、2月10日から12日の3連休の期間中、県のサーバーの調子が悪かったようでHPへのアクセスがなかなかできませんでした。

多分10日(土)の午前中頃だったはずだと予想していますが、アクセス数が「941149」という数字を通り越しています。

 

これ、左から読んでも右から読んでも同じという回文数であることに加えて、1も4も9も平方数(1=1、2=4、3=9)であり、「平方数の回文数」であるということも興味深い数字だな・・・と思っていました。

 

平方数で思い出しました。1~10をそのままの並びで加減乗除等の記号を入れて今年の西暦2018を作ることに格闘したことがあります。その際に、立方数(3乗)を最初に持ってきていたことです。

 

12+4×5×6+78+91+0!=2018

 

中学生の皆さんへ

もう何度も書いていますが、式の中にある""は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習します。もし6!なら、6×5×4×3×2×1を計算して120になります。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。

式の最後にある0!ですが、0!=1です。これは定義(決め事)ですから「どうしてそうなるの?」なんて考えたらいけません。

 

【校長】

 

ビリビリときて思い出したこと

 立春は過ぎたものの強烈な寒波に震える毎日が続いていますが、いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

 今朝、出勤するとき、山頂に雪をかぶった白髪岳1の7合目付近の山際から眩いばかりに輝く朝陽が上がり、南の空には下弦の月(有明の月)が寒々と残っていて、とても風情がありました。ところが、学校に着いて鍵穴にキーを差し込んだ瞬間、ビリビリと不快な思いをして、いっぺんに現実に引き戻されました。

そんな嫌な静電気に関して、十日ほど前の人吉新聞の「お天気歳時記」の欄に「静電気が発生する条件は、気温15度以下、湿度20%以下といわれている。嫌な静電気を防ぐには、加湿器などで湿度を上げるほか、・・・」とあり、「ガソリンスタンドでは冬でも水をまいて静電気を予防している」と結んでありました。

 
ガソリンスタンドと言えば・・・、機械科の1年生の多くが12月に受検した危険物乙種第4類の結果の通知があり、合格率が芳しいものではなかったと報告を受けたことを思い出しました。自ら高い意識をもって学習する姿勢がまだまだ身についていないのかもしれません。次回は今回の反省を踏まえて、計画をしっかり立てて粘り強く勉強してほしいと願っています。

 
ところで、私自身は高校教師になって機械科で生徒に指導するようになってから危険物の資格を取りました。その勉強をとおして、ガソリンスタンドの店員さんがホースで水をまいている理由は、「静電気対策」2と知りました。
 
しかし、それ以前は、「タイヤが水を巻き上げて車体を汚すので嫌だな・・・」と思いつつも都市伝説のように囁かれていた、「同じ入れるなら昼よりも気温が低い朝入れたほうがお得」というドライバー側の立場に配慮して、水をまいて気化熱でコンクリート面の温度を下げることで少しでもガソリンの温度を下げてくれているものとばかり信じていました。

 
生徒の皆さんはそれがどういうことか分かりますか?

ヒントはガソリンの温度による「体積膨張」です。

物体は温度が上がると膨らんで体積が膨張します。ガソリンの体積は、1℃上昇すると0.00135倍膨張します。この数字を「体膨張率」と呼び、物質によって固有の値をとります。

この値を使うと、例えば冬10℃の気温で50リッターのガソリンが、夏30℃の気温で何リッターになるかが計算できます。具体的には次の公式になります。

体膨張率 × 元の体積 × 温度差 = 増加する体積

 
代入してみます。

  0.00135
× 50リッター ×(30-10℃)= 1.35リッター

 何と、ペットボトル2本分以上に相当する1.35リッターも膨張し、温度上昇後は51.35リッターになるのです。
3

ご存じのとおり、このところガソリンはリッター当たり140円台前半と、以前に比べ高めの価格で推移していますが、仮に140円とすれば1.35リッター分は140×1.35 =189円相当になります。たいした金額です。

ここでしっかり考えないといけないのは、冬10℃のとき給油するのと夏30℃のときとでは、どちらが189円相当分ドライバーにとってお特なのかということです。

 
さっそく考えてみましょう。ただし前提として、50リッターが公称のクルマのガソリンタンクは50リッターできっちりで満タンではなく、幾分余裕4(ここでは51.35リッター分)があるものとします。

また、スタンド地下のガソリンタンク内のガソリンの温度と外気温及び給油ポンプの流量計通過時、並びに車のガソリンタンクからエンジンに入るまでのガソリンの温度は全て同じであるとします。

 
ドライバー側の立場です。

冬に50リッター入れて夏まで乗らないとすれば、夏には51.35リッターになっているわけですから、ドライバーは1.35リッター(189円相当)得したことになるのでは?

夏まで乗らないというのは、朝温度が低いときに入れて、昼に温度が高くなってから走るということとイメージ的には同じで、ドライバーにとっては給油時の温度が低いほうがいいと思われます。

 さて、生徒の皆さん、この考えをどう思いますか?

私は特に問題ないような気がするのですが・・・。

 
勿論、エンジンに詳しい人は、ガソリンが燃焼するとき、温度が高いときに膨張したガソリンではノッキングが発生しやすくなり、つまり燃焼効率が悪化し、結果的に燃費が悪くなるからプラスマイナスゼロなのでは・・・?とか考え始める人もいるかもしれません。そういう厳密な議論は、今日は保留にしておきます。

 
ということで、少しでも温度が低いときにガソリンを入れるほうが、「ドライバーにとってお得なのでは?」と思っていたということです。

 
しかし、実際のところ、スタンドのコンクリート面に水をまくことで地下にあるガソリンタンクの温度が下がるというのは、あまり考えにくいことで、あってもほんの数℃位なのではと思います。ですから、夏でも冬でもまた、朝でも昼でもその温度差の影響を受けることはほとんどないのかもしれません。最近の給油ポンプの流量計には「温度補正機能」がついていると聞いたこともあるので、その場合は温度差のことは完全に無視できるのかもしれません。

 
実際のところはどうなのかと、ネット上でも色々探してみましたが、現在のところ明確に正解と分かる情報を記載した信頼できるサイトは見つけることができていません。ということで、ここでは「静電気対策」ということで整理したいと思います。
 最後に・・・、色々調べている中でガソリン給油機は±0.3%~0.5%程度の誤差があるということが分かりました。1000円分給油して3~5円に相当します。得しているのでしょうか、それとも損しているのでしょうか?

      【校長】

1  この白髪岳(しらがたけ)、冬場に麓の人吉盆地から眺めると山頂が雪に覆われていて白髪のご老人の頭のように見えることから、その名がついたらしいです。標高を調べてみたら、1416.7mで、九州中央山地では一番南にある最高峰の山みたいです(一つ北よりの市房山は1721m)。

地元で愛飲されている米焼酎「白岳」(高橋酒造)の名前の由来について、この白髪岳から「我」をはらぬよう「が(=我)」を取り除き、『白岳(はくたけ)』と呼ぶようにしたと、蔵巡りで球磨焼酎ミュージアム白岳伝承蔵を訪れたときに説明を受けました。

*2  水をまいて湿度を高めると物体表面の水分を通して静電気が逃げ、静電気が蓄積しません。

「静電気は乾燥した季節や場所に発生しやすく蓄積されやすい」「夏季、人体に帯電しにくいのは、汗や湿気を通して静電気が地面等に漏れているからである」と危険物取扱者受検教本に書いてありました。

気温が氷点下40 度でも気化するガソリン、それを日々大量に扱うスタンドは給油口などから気化したガソリンが高濃度で漂っている環境にあり、静電気による火花放電が発生すると、それが着火源となり火災や爆発事故が発生することがあります。実際、つい最近も他県でしたが、女性ドライバーがセルフ式のガソリンスタンドで給油しようと給油キャップを開けた瞬間に給油口から突然発火して、髪が焼け顔に火傷(やけど)を負ったというニュースを耳にしました。

「静電気除去パッド(右写真)に触れてからキャップを開けてください」との音声ガイダンスに従ってなかったのかもしれません。静電気がたまりにくい帯電防止用の制服を着用している店員さんは別として、きちんと手順に従わなければならないと肝に銘じたところでした。

しかし、今思えば、セルフのガソリンスタンドは水まきをしている光景を見たことがないような気がします。それは「静電気除去パッド」を設置し、ドライバー自身にそれに触れる努力義務を負わせているからかな・・・と思ったところです。

*3  ガソリンが凄く膨張することに改めて驚かされます。実際、ガソリンの体膨張率は水の16倍もあります。

4  ガソリン等を容器に収納するとき、上部に空間容積を必要する理由は、収納されている液体の体膨張による体積の増加で容器が破損するのを防ぐためです。


 

生徒、よくやってる!

厳しい冷え込みが続いています。

今朝の花壇、8cmほどの高さで立つ霜柱に「こんなに長いのは初めて見た」と感激しました。ところが、校舎の陰にあるからでしょうか、日が傾き夕方4時半を過ぎてもご覧の通りほとんど解けておらず、改めて人吉の寒さを実感しました。


そのような折り、建築科の実習棟からトントントンと聞こえましたので、何を作っているんだろうと寄ってみました。

2月10日に実施される技能検定(建築大工)に向けての練習なんだそうです。

 
  これまた初めて見る迫力ある光景でした。今までものづくりコンテストなどで10人位が一つの部屋で競っているのは何度も見てきましたが、これほど多くの生徒たちが一斉に練習をしているとは・・・。

ノミに向かって一心不乱に槌をふるう光景、校歌に「勤労の槌をふりつつ ふきあぐる汗を誇らん♪」を想起させ、ものづくりに対する真剣な眼差しも相まって圧倒されました。

担当の先生によると、建築科の生徒、専攻科の学生が3級に計27人、2級に計17人が受検するとか。

凍てつく寒さの中ですが、手元が狂ってげんのうで手を打たないように注意して頑張ってください。

【校長】

大〆の授業

   3年生は明日1月26日から学年末考査に入りますので、今日が高校最後の授業日になりました。先生・生徒共々、きっと感慨深いものがあるはずです。

 

私自身、花束贈呈などセレモニー的に行われていた大学教官の「最終講義」は別として、高校の最後の授業はほとんど記憶がありません。しかし、今でもその日の天気まで思い起こせるのが一つだけあります。それは国語の授業です。まだ若い先生でしたが、人生についてしんみりと考えさせられる内容を最後の授業の教材にしてくださいました。伊勢物語の最終段(125段:ついに行く道)です。この中に出てくる

 

つひに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思わざりしを

 

を紹介して解説と鑑賞をされたのです。

これは「ちはやふる・・・」の百人一首で有名な在原業平(825880)が、病気で伏せたときに詠んだ歌とされています。

 

人は皆死ぬということは誰でも知っているわけですが、それがいよいよ自分の身になっての驚きと嘆きを詠んでいます。人が必ず行かねばならない道(死)なのだとは聞いて知っていたのだが、こんなにも突然その時がこようとは思いもよらなかったなぁ。人の明日はわからないものであり、そうしたことがあると分かっていたなら、また別の生き方もあっただろうに・・・といったところでしょうか。

 

特に技巧がないので、今を生きる私たちが普通に読んでも分かりやすく、源氏物語の主人公、光源氏のモデルともされる華やかな生涯を送った業平の生涯を考え合わせると、より強いインパクトを感じます。

 

古典の文法を覚えるのが苦手で、いつの間にかなるべく関わらないようなっていた古典の授業の受け方を「もっと真面目にやっておけばよかった、時既に遅し・・・」と暗澹たる気持ちになり、この時ほど悔いたことはありませんでした。

 

そんな私も教職に就き、「やはり教師としては、最後の授業や最後の課外というのは、生徒たちにとって後で思い出してもらえるくらい印象的であって欲しいものだ」と常々考えていました。どんな展開になるのだろうかと、いつもより緊張しながら職員室を出ていたことを思い出します。


 

 

左の写真は、機械科3年A組の最後の最後、6限目の大〆の授業の様子です。テスト前ということで、自習をしていました。高校最後の定期考査、頑張ってください。

 

 


 

そして、保護者の皆様方にとってはお弁当作り、本日が実質的に最後になりました。生徒たちはいつも以上に味わって食べたはずで、親子共々感慨深いものがあることでしょう。(右の写真は建築科3年のお昼ご飯の様子です)

生徒たちは帰ってから感謝の言葉を口にしたでしょうか?3年間大変お世話になりました。                        

 

【校長】

課題研究発表会を見学して 

3年生の課題研究の発表会、全科とも少しずつ見学させていただきました。1年間の取組を、わずか10分程度の中で後輩たちにも分かりやすくプレゼン(発表)することはとても難しかったことと思います。課題設定の理由、取組経過、苦労した点、感想を上手に盛り込み堂々と発表している班が思いのほか多いように見受けました。2年生の聴く態度も総じて立派でした。

御指導いただいた先生方には大変お世話になりました。

 

3年生の皆さん。機械科と電気科では挨拶でも触れたことですが、進学にしても就職にしても今後プレゼンをする機会は多いはずです。中には、会社の命運をかけたプレゼンをすることになる人もきっといることでしょう。今後目にする他人のプレゼンの良い点はどんどん取り入れ、磨きをかけていってほしいと思います。

 

ところで、どういう文脈だったか覚えていませんが、幸福論を扱ったある本に「日本人は課題を見つけそれを解決するための取組を行うことに、幸せを見いだす民族である・・・」との一文を読み、思わず「そうだよね!」って頷(うなず)いたことがあります。

その一文を念頭において、平成12年度から段階的に始まった学習指導要領で小・中・高校に入ってきた「総合的な学習の時間」(専門高校では「課題研究」で代替)の「ねらい」を改めて読み直してみます。

 

横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに,学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的,協同的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにする。

 

何と小・中・高校同一文言です!そして、課題を解決する中で身に付けた能力を、自己の生き方を考える態度の育成に繋ぐことを求めています!!

なるほど、それがうまくいけば、人は(日本人は?)喜びや幸せを感じるんだろうな・・・、と漠然と納得してしまいます。

 

話は変わりますが、多くの皆さんが就職する製造業の生産現場では、「カイゼン」活動が活発に行われていることをテレビ等で見聞きしている人も多いはずです。いわゆる「改善」のことで、作業効率の向上や安全性の確保などに関して、現場の作業者が中心となって生産ライン等の問題点を見つけ、知恵を出し合いその解決をはかっていくものです。

この概念は海外にも「kaizen」という英単語で広く普及し、とくにトヨタ自動車のカイゼンは有名で高く評価されています。活動内容としては、3年生の皆さん方が1年間取り組んできた課題研究のイメージで捉えてもらっていいのですが、課題研究ではそれほど強く言われなかったかもしれないことが一つだけあります。それは、どれだけのコスト削減に繋がったか、即ち結果を数字で表現するなど定量的であることが求められることです。

 

私自身昔、ものづくり企業に勤めていたことがあります。当時の資料は退社時に返却していますが、研修時にとったノートにカイゼンの進め方をメモしたものが出てきましたので、改めて読み直してみました。入社を控えている3年生の皆さん方のために参考までに載せておきます。ある意味、普遍的なものであり、課題研究でも同様なプロセスを踏んでいると思いましたので。

 

問題提起(違和感即ち問題意識を感じる)

 ↓

問題確認(問題を具体化・定量化し解決すべき問題を明確化する)

 ↓

目標設定(問題が解決された状態を暫定的に決め、その測定手段を明確化する)

 ↓

原因分析(問題の原因を特定)

 ↓

改善策立案(原因を除去する解決策を複数立案)

 ↓

改善策評価(複数の解決策から1つの解決策を決定)

 ↓

実行計画作成(解決への段取りを考える)

 ↓

実行(解決策を段取りに沿って進める)

 ↓

評価(解決状況を評価し数値化する)

 

いかがでしょうか、イメージが湧きますか?

脅(おど)すつもりはありませんが、企業に入ったら勤務時間の内外を問わずこの「カイゼン」活動にかなりの時間を割かざるを得ないことが多いにありえます。特にプレゼン(発表会)の前は、遅くまで残って練習をすることもあるはずです。職場の班単位で競う時は、指導役の班長さんがハッスルして若い社員を鍛えます。社長賞とか部長賞とか懸っていることも多く、報奨金まで出るので熱が入るのです。ブ●ックなんて言っていたら務まらないかも?

 

企業在職中のカイゼン活動の経験があるからでしょうか、課題研究の発表会のシーズンになると、つい次のような思いが頭をよぎってしまいます。

それは・・・、加工貿易(原料や半製品を他国から輸入し、それを加工してできた製品等を輸出する貿易の形態)で立国することが宿命づけられた我が国の産業界(製造業の経営者たち)の要請で、カイゼン活動のための経験値獲得を期待されて、「総合的な学習の時間」などが学校に導入されたのではないかという思いです。深読みし過ぎでしょうか? 

        【校長】

校長室の新しい絵

   昨年11月の初めに校長室の絵を掛け替え、心なしか校長室が明るい雰囲気になりました。

それまでの絵は、寒村にポツンと立つ茅葺きの民家を描いたもので、晩秋の侘しい風情も相まって、寂しさが一層募るような風景画(油絵)でした。

今度の絵は、赤い薔薇など色とりどりの花が咲き乱れる中を2匹の蝶が舞うもので、真ん中に置かれた金色の懐中時計との取り合わせが奇抜なB1サイズの水彩画です。

画題は「縛りの中で」。美術部の河野堅君(機械科2年A組:湯前中出身)の作品です。河野君は美術部に所属し、県風景画コンクールで特選になるなどめきめきと力をつけており、将来が楽しみな生徒です。河野君によると、「限られた時間の中で懸命に咲く花の美しさを懐中時計と多くの植物で表現した」ということでした。

  花と蝶までは分かりますが、懐中時計がなぜ出てくるのか私には今ひとつ分かりませんでした。スペインの抽象画家サルバドール・ダリが懐中時計をモチーフにした絵を沢山残していることを思い出しながら、「どういう発想でそういうことになったか」と河野君に聞いてみました。しかし、本人も分からないということでした。まさに抽象的で変幻自在なシュルレアリスム(超現実世界)???


  「絵を描くことで、心の中が整理できる」と聞いたことがあります。「描く」ということは、心の中に澱(おり)のように溜まった感情を一つ一つかみ砕くように整理し、絵として外に出し、再び自分の中に取り込むという作業に他ならないということでしょうか?鏡に映った自分を見るように、客観的に絵の中の自分の内面を見つめることができるということかもしれません。きっと河野君の心象風景に懐中時計があったのかな・・・と勝手な想像をしました。

私自身は列車など乗り物や工作機械などをスケッチするのは苦になりませんが、絵心はなく、小中高を通して絵が上手な人が羨ましかったです。

だからでしょうか、生徒の入選作を鑑賞するために美術展に足を運ぶことはあっても、日展をはじめ有名な画家の展覧会に足を運ぶことは滅多にありませんでした。

また、天皇の前で二手に分かれて、交互に見事な絵を披露して勝敗を競う絵合(えあわせ)など、そういうバトルが古く平安時代から行われていたことを「知識」として知ったのも40代になって源氏物語を読んでからでした。

さらに、前任校の美術の先生から、「描いている画面に対して集中するので瞑想をしている時のような無我の境地に入ることがある」とか聞いて驚いたこともあります。絵心が欲しかったな・・・と今改めて思います。


  色々書き連ねましたが、校長室にしょっちゅう来られるお客さんの中の何人かが「ひょっとして絵が替わりましたか?明るくなりましたね」と気付いてくださいました。私たち人間は、本能的にこういう想像的な芸術の世界を必要とする生き物であるということを実感し、嬉しく思う瞬間です。

【校長】

今年度の就職試験を振り返る

  先日のセンター試験では、地理Bで出題された人気キャラクターのムーミンを取り上げた問題1について、菅官房長官が記者会見で言及するほど波紋を呼んでいます。

私も本校教育の総決算ともいえる就職試験で、どのような問題が出題され、面接で何が問われたのかを知っておくことは大事なことであると思い、3年生の皆さん方が提出してくれた全ての受検報告書に目を通してみました。

社会の出来事を反映した時事問題や面白いお題の作文、唸るような内容のグループワーク、思わず首をひねりたくなるような問題を見つけましたのでご紹介します。(【 】内に地区と業種を示しました。3社以上で出題があった問題は【多数】と表記しています)

1,2年生の皆さん方は、このような問題に近い将来相対しないといけません。特に時事問題は、日頃から新聞を読むなどアンテナを高く張って生活しておく必要があると痛感したところです。今の実力でどのくらい対応できますか?

作文

・あなたは日本昔話の登場人物で誰になりたいか。【中国・電機】

・次の4つの中からあなたが修理できるものを選び、今まで学んだことを活かして修理の手順や必要な道具を詳しく書きなさい。【関東・技術サービス】

①テレビがつかない ②PCでメールが送れない 

③自分の家だけ停電 ④充電用掃除機が使えない 

・入社3年後の目標を書きなさい。(「20年後の自分について」「どういう社会人になりたいか」等も)【多数】


    集団討論

・本校の野球部が全国大会に出場するにあたり、生徒会としてできることは何か。【関東・技術サービス】

・新しく祝日を2日追加するならどの日にどのような名前の祝日を追加するか。また、今ある祝日の中で1日廃止するならどの日を廃止するか。【中部・鉄鋼】

・現代におけるドラえもんの道具を答えよ。【中部・製造】

・無人島へ物を5つ持っていけるとしたら何を持っていくか。【関東・鉄鋼】

・社会人として大切なこと。【九州・電力】


    筆記試験(時事問題系の一般常識)

・桐生選手が陸上100mで記録を更新し日本人初の記録を出したが、そのタイムは。【中部・鉄鋼】

・選挙権は満何歳からか。【関東・電力】

・今の内閣総理大臣の名前をフルネームで漢字で書け。【多数】

・平成何年から次の年号に変わるか。【関東・電力】

・隈 研吾氏について何を知っているか。【九州・建設】

・政府や経済界が推奨しているキャンペーンで、毎月末金曜日の夕方に買い物や旅行などに充てることを何というか。【関東・電気】

・最年少プロ棋士の名前は。【関東・電気】

・2016年に国民全員に番号を与える制度が始まったが、その制度の名称は。またそれは何桁か。【多数】

・東京オリンピックがあるのは何年か。【多数】

・今年の甲子園の優勝校はどこか。【関東・建設】

・2017年のアメリカ大統領選で当選し、第45代アメリカ大統領になったのは誰か。【多数】

・今年、人間国宝になった方4人の中から1人の名前を答えよ。【関西・建設】


  面接

・ドラえもんとクレヨンしんちゃん、どっちと友達になりたいか。その理由は。

【関東・自動車】

・弊社のHPを見て思ったことは何か。【九州・サービス】

・ジュニア・マイスターとは何か。【多数】

・年代がバラバラの人と一緒に仕事をやっていく自信があるか。その根拠は。(その他「めんどくさいおじさんばかりだけど意見が違ったらどう対処するか」「人との価値観の違いをどう乗り越えるか」等も)【多数】

・運は良いほうか、それとも悪いほうか。【関西・技術サービス】

・英語は話せますか。【関西・建設】

・昨年弊社に入社したあなたの高校の先輩とあなたはどういう関係か。その先輩はあなたの入社をどう考えていると思うか。【中部・鉄鋼】

・原子力発電についてどう考えるか。【九州・電力】

・あなたの学校の教育理念は。【関西・建設】

・人吉はどんな所か。【中国・鉄鋼】


  集団工作等

・マシュマロタワーにチャレンジ!!2【関東・電力】

パスタの乾麺20本、テープ90cm、たこひも90cm、マシュマロ1個(頂上につける) これらを使ってより高いタワーを4人で作りあげる。(説明、個人ワーク、作戦タイム、実際の作業[17分]、反省等を合わせて70分)

・輪投げで高得点を出して勝とう。【中部・鉄鋼】

   班で協議後、競技者と応援する人に分かれて実際に対戦競技した後、手順や良かった点や悪かった点を再度話し合う。


  その他

・1+2+3+・・・・・・・・+98+99=【  】【多数】

・(5□4)×3□2=1 【多数】

(□に+,-,÷,×を入れて式を完成させる問題を短時間にできるだけ沢山解くもの)

 このような算数系の問題は、普段から私のサイトを見て数に関する感覚を磨いておくと得意になるかもしれません。

数学系では前任校の就職試験報告書で思ったことですが・・・、企業によっては次のような三角関数の加法定理を使った計算で導かれることも数学的常識として当然暗記しておくべき事項と捉えているんだと驚いたことがあります。

cos15°=(√□+√2)/

何とこの問題、本校の受験報告書でも出題の報告があっていました!【関東・電力】

驚いたといえば、国語で「三大和歌集」【中部・電気】を問う問題位なら常識かもしれません。しかし、これも前任校の就職試験報告書の話になりますが、大学の国文科の入試ではないのに、これは一体何?、よほど古典が好きな人事課の社員が作問したの?と思った問題がありました。源氏物語の順序を並べるもので、確か次のような選択問題で出題されていました。

桐壷→帚木→【  】→夕顔→若紫→【  】→紅葉賀→花宴→・・・

ア:葵 イ:末摘花 ウ:空蝉 エ:須磨

  全体としては、コミュニケーション能力があるかどうかをみる質問や問題が増えていることをすごく実感しますが、それについてはまたいつか触れます。

【校長】

*1 ノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーションとして、「ムーミン」と「小さなバイキングビッケ」を挙げ、例示した両国の言語との正しい組み合わせを選ぶ問題です。

この問題について、大阪大学大学院のスウェーデン語研究室は、1月15日に、ムーミン谷がどこにあるかは原作に明示されていないとして「舞台がフィンランドだとは断定できない」という見解を明らかにして、説明を求める意見書を近く大学入試センター試験に提出するとしたと報じられました。



*2  アメリカ発のこのグループワーク、実際に行った様子を特集したあるサイトによると、全体の平均が50cm位の中、最高は92cmだったとか。

別のサイトでは一番高い塔を建てられたのは、建築家のチームだったそうです。本校の建築科が崇城大学主催の爪楊枝タワーコンテストに参加しており、その実績に照らし合わせても、また専門性から考えても当たり前かもしれません。しかし、数多くの大人が参加したこのゲームで、多くの大人より好成績を収めたのが、何と幼稚園の新卒者たちで、一番ひどかったのがビジネススクールの新卒者たちだったとあり、とても意外でした。実際の競技の場面を見てみたいと思いました。盛り上がるんでしょうね?

センター試験に出た約数の個数

「校長室より」のサイトでは、HPの総アクセス数が節目の数を迎えるたびに、その数を素因数分解するなどして、その数に関する話を深めてきました。

例えば1月10日の900000を取り扱った記事では、

 

90000025×32×55

 

従ってその約数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10, 12, 15, 16, 18, 20, 24, 25, 30, 32, 36,40, 45, 48, 50, 60, 72, 75, 80, 90, 96, 100, 120, 125, 144, 150, 160, 180, 200,225, 240, 250, ・・・(途中略)・・・, 30000, 36000, 37500, 45000,50000, 56250, 60000, 75000, 90000, 100000, 112500, 150000, 180000, 225000,300000, 450000, 900000 

108個です。

 

と書いていました。しかし、これまでこの記事の中で約数の個数の求め方について触れたことはありません。中学校の数学で学習して当然知っているものとばかり思っていましたので。

ですから、1月14日行われた大学入試センター試験の「数学・数学A」の第4問の(1)に次のような問題を見つけて驚いたところです。

 

144を素因数分解すると

     144=2×  

であり、144の正の約数の個数はエオ個である。

 

慌てて数学の先生に確認したら、「約数の個数については高校の数学Aで学習している」ということでした。私は以前、中学入試で関連問題が出題されているのを見たことがあり、小学生でも知っていることかと誤認識していました。

生徒の皆さんは、「素因数分解して指数を見れば約数の個数が分かる」ということを知っていましたか?公式風にまとめると次のとおりです。

 

正の整数nが n pa 1pa 2・・・pa

と素因数分解できるとき、

nの約数の個数は (a11)(a21)・・・(ak1) 個である。

 

例えば、12 ×と素因数分解できるので、約数の個数は

(2+1)×(1+1)=3×2=6

で6個となります。

センター試験の問題なら、144を素因数分解すると

144=2×3

ですから、約数の個数は、

(+)×(+)=5×3=15

 で15個となります。

従って、正解は、ア:4、イ:3、ウ:2、エオ:15 です。簡単な問題で、ほとんどサービス問題といってもいいかもしれません。

ところが、この問題を通して面白い議論をすることができます。

 

前回の記事の中で、「過去の記事を引っ張り出し、これまでこのサイトで扱った数について約数の個数を確認しました」とあり、次のように取り上げました。

 

555555→ 54個(H29.4.3)、 60000084個(H29.5.20

666666→ 96個(H29.7.10)、70000072個(H29.8.2

777777→ 48個(H29.10.4)、80000054個(H29.10.22

888888128個(H30.1.2

 

皆さん、この約数の個数を見て、ある特徴に気付きませんか?

そうです・・・。全部偶数個なんです。

では、約数の個数が奇数になるのはどんなときでしょう。実は・・・

正の整数nについて、

 

nが平方数 nの約数の個数は奇数

 

が成立します。」の記号は、論理学で同値を意味し、「pならばq」と「qならばp」が同時に成り立つとき、pqは「同値」といい、pqと表します。詳しいことは数学で学習しますので証明等は割愛しますが、「平方数のときに、約数の個数が奇数になる」ことは知っておくべきことだと思います。

センター試験で出題されていた144は12で平方数です。そういえば、平方数である4(2)は、1,2,4の3つ(奇数個)の約数を持っています。

 

センター試験が終わって、いよいよ二次試験です。現役生にとっては、人生で初めての体験をしているわけで、不安やプレッシャーは大きいことでしょう。どこかの予備校のCMではありませんが、「苦しいときが伸びるとき」これは確かに言えています。本校にもセンター試験を受けた生徒がいます。

「最後の一日まで伸びる」、この言葉を信じて頑張ってください。

【校長】

総アクセス数 900000 → 煩悩を内包する数字?

昨日の始業式、在籍する544人の生徒全員が揃って始業式を執り行うことができればいいな・・・と願いつつ、1週間ほど前から一部の部活動の中で出てきたインフルエンザの広がり具合を心配していました。結局、8人が発熱や体調不良で欠席だったと教務主任から報告を受けました。3学期の第1日目に登校できずに残念だったかもしれませんが、早く平癒するようお祈りします。

さて、00000とは、本日1月10日9時57分現在の本校のHPの総アクセス件数です。

いよいよ0万台に到達しました。現在1日平均1,200件ほどのアクセスをいただいていますので、4月3日前後に予想される100万の大台に乗るまでの3ヶ月ほど「*****」の数字が続くことになります。


  ところで、生徒の皆さん、この
0万という数字を見て、何か感じるところはありませんか?私はこういう綺麗な数字を見ると、無性に素因数分解をしてみたくなります。


        9
0000025×32×55

 

従ってその約数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10, 12, 15, 16, 18, 20, 24, 25, 30, 32, 36, 40, 45, 48, 50, 60, 72, 75, 80, 90, 96, 100, 120, 125, 144, 150, 160, 180, 200, 225, 240, 250, ・・・(途中略)・・・, 30000, 36000, 37500, 45000, 50000, 56250, 60000, 75000, 90000, 100000, 112500, 150000, 180000, 225000, 300000, 450000, 900000 

の108個です。


  それぞれの約数を眺めてみると「当然ありえるよね」という数字ばかりなのですが、約数の個数108に「
」との関連で背筋が寒くなる思いがしました。

「ひょっとして約数108個って初めてじゃない?」と気になり、早速過去の記事を引っ張り出し、これまでこのサイトで扱った数について約数の個数を確認しました。

555555→ 54個(H29.4.3)、 60000084個(H29.5.20

666666→ 96個(H29.7.10)、70000072個(H29.8.2

777777→ 48個(H29.10.4)、80000054個(H29.10.22

888888128個(H30.1.2

やはり、初めてでした。

108とは除夜の鐘で衝く回数で、人が持つ煩悩の数1とされています。

また、数字のと同音で、死を連想させる4と同様、不吉であるということで漢字文化圏では忌数(いみすう)とされています。各種施設の靴箱の番は、人気がないのかいつも空いていたり、コインロッカーや病院では4番や4号室が欠番になっていたりするのは、皆さん方も日頃から気付いているはずです。

ということで、「に満ちた0万という数字は108個の煩悩を内包する数字では?」というとんでもないことを考えてしまったわけです。

早々、「煩悩」とは何か、なぜ108個あるとされるのか・・・、調べてみました。分かりやすくいうと、「煩悩」とは「嫉妬」や「強欲」みたいなもので、それに囚(とら)われると自分がしむことになるということのようです。でも、なぜ108個なのか、仏教の奥義に関係することで今一つ分かりませんでした。凡人は高尚なことに興味を持たないほうがいいということかもしれません。


  気を取り直して、いつものように数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて今日にちなんだ式を作ってみます。本日1月10日は110番の適切な利用を啓発する「110番の日」
2なんだそうです。そのことに思いを致しながら110になる式を作ってみることにします。


          9!!!!!!!×(0!+0!+0!)!+0!+0!=110

暫く考えて末、仰々しい式ができあがりました。

【注】 中学生の皆さんへ。”!”は「階乗」または「ファクトリアル」と読みます。例えば5!なら、5×4×3×2×1を計算して120になります。そして、0!=1は定義(決めごと)です。”!”が2つ以上つく「多重階乗」については、高校の学習範囲も超えてしまいます。しかし、そんなに難しくはないので、興味ある方は10月22日の記事「祝 総アクセス数800000件達成」をご覧ください。校長室>徒然雑記帖から入ることができます。

ちなみに9!!!!!!!は6つ飛ばしの階乗ですから、9×2で18になります。


最後に、9を話題にした楽しい計算です。

これは私が中学2年の時に気付いた式です。当時、お年玉で初めてシャープの電卓3(蛍光管式)を買いました。楽しくて1日中色々な計算をしているうちにこのことに気付きました。


      1
÷90.111・・・

12÷990.121212・・・

123÷9990.123123123・・・

1234÷99990.123412341234・・・

12345÷999990.123451234512345・・・

123456÷9999990.123456123456123456・・・

さて、このパターンはどこまで続くでしょう?

ちなみに、123456789÷999999999の次は?

手元の電卓で確かめてください。といっても表示可能桁数の関係で無理かもしれません・・・。9(苦)が一杯で滅入るかもしれませんが、なぜこんなことになるのか秘密に迫ってみるのも一興です。

このような循環小数(repeating decimal)を分数に変換する方法を高校の数学で学んで「なぁ~んだ」と思ったのですが、被除数(割られる数)と同じ桁数の9の連続数で割るとこういう現象が起こることに気付いた時の驚きを今でも懐かしく思い出します。

【校長】


1  煩悩の内容について、次のような説明を読んだことがあります。

まず、般若心経にも出てくるように、人間には迷いを起こさせる6根と呼ばれる感覚がある。すなわち眼・耳・鼻・舌・身・意。これがそのまま6つの煩悩になる。さらにその6つの煩悩にそれぞれ「好(気持ちがよい)」「悪(不快)」「平(どちらでもない)」の3つの状態がある。6×318で、この18の煩悩にさらに「浄(綺麗)」と「不浄(汚い)」という状態が加わる。18×236さらに36の煩悩に「過去」「現在」「未来」の3つの時間の状態がある36×3108これで煩悩108個、ということらしい。分かったような、分からないような??

その他、お釈迦様が説く「四苦八苦」という言葉から、四苦(4×936)と八苦(8×972)を足して108の煩悩があるという説、1年における月の数(12)と二十四節気(24)と七十二候(72)を足した数という説、色々あるようです。

さらには、そもそも108の数そのものに深い意味はないということでしょうか、次のような説もあるようです。昔から日本では「たくさんの」という意味で8を使っていました。例えば、八百万神(やおろずのかみ)も実際に八百万の神様がいるわけではなく、それくらい無限にいるという意味です。このことから、煩悩の数が108といわれるのも、本当に108個あるわけではなく、たくさんの数という意味で実際、除夜の鐘を200回近く衝くお寺もあるそうです。

ところで、源氏物語は全部で54のストーリーからなることは国語で習ったとおりです。愛執ゆえの嫉妬こそ煩悩の源であることを描き尽くしたこの物語が、108の丁度半分の54帖で終わっていることに何かしら意図的なものを感じます。そういえば、私の持っている数珠(じゅず)は54玉です。


2 全国の警察で110番の適切な利用を呼びかけるキャンペーンが行われているようです。朝からのテレビで「携帯なくしたから一緒に探して」とか「ファミレスの店員さんが帽子をかぶってなく不潔だから注意して」など、不適切な通報や無言電話などのいたずらが全部で4割近くもあると耳にし、とても驚きました。


3 当時、こんな楽しいCMがテレビでよく流れていました。

「とかくこの世は計算さ 数と数とのからみあい、足してもダメなら引いてミニかけてもダメなら割ってミニ、こたぁーえいっぱぁつう! カシオミニ♪」

総アクセス数888888 → 元旦早々末広がりのぞろ目

生徒の皆さん、昨日の元旦の日、いかがお過ごしでしたか?

開運を招くお正月の過ごし方は、家で家族などと「ゆっくりと過ごす」ことなんだそうです。また、今では小学校の宿題でしかやらなさそうな「書き初め」も、新年の抱負や目標を墨でしたためることそのものが神様への誓いでもあり、立派な開運行動だとお参りに向かったクルマの中のラジオで聞きました。

私もこたつの中でゆっくり過ごしています。昨日、
何気にスマホで本校のHP
をあけてみました。888888とは、昨日1月1日19時17分現在の本校のHPの総アクセス件数です。

元旦早々、末広がりの8のぞろ目1で何と縁起がいいんだろうと驚いたところでした。

こういう綺麗な数字を見ると、皆さんはどういう心境になりますか?

電子回路に強い人だったら、7セグメントLED(右写真)で8を6つ点灯させる回路図をパッと思い浮かべるかもしれません。

私はというと、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなります。本校が恙(つつが)ない平穏な1年であってほしいという願いを込めて、昨日の日付である11を作ってみることにします。

8×(8-8)+88÷8=11

シンプルな式があっという間にできあがりました。加減乗除全ての演算記号を1回ずつ入っていて何となく気分がいいです。8882

ところで、888888を素因数分解すると、23×3×7×11×13×37ですから、約数は、1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 11, 12, 13, 14, 21, 22, 24, 26, 28, 33, 37, 39, 42, 44, 52, 56, 66, 74, 77, 78, 84, 88, 91, 104, 111, 132, 143, 148, 154, 156, 168, 182, 222, 231, 259, 264, 273, 286, 296, 308, 312, 364, 407, 429, 444, 462, 481, 518, 546, 572, 616, 728, 777, 814, 858, 888, 924,・・・(途中略)・・・, 31746, 34188, 37037, 40404, 42328, 63492, 68376, 74074, 80808, 111111, 126984, 148148, 222222, 296296, 444444, 888888の128個です。

8のぞろ目の6桁の整数ですから、88888で割り切れることは一目瞭然ですが、一見割れそうに見えない77777で割り切れることは素因数分解するまで見破れず、とても意外な感じがしたところでした。

最後に、8のぞろ目を話題にした楽しい計算を2つご紹介します。

まず、これを計算して規則性をみつけてください。

(8×8)13

(8×88)13

(8×888)13

(8×8888)13

(8×88888)13

(8×888888)13

(8×8888888)13

さて、このパターンはどこまで続くでしょう?手元の電卓で確かめてください。といっても最大10桁表示でしょうからあと2つしか試し算できないのかもしれませんが・・・。なぜこんなことになるのか秘密に迫ってみるのも一興です。

次の式も超有名で、第172回数学検定準2級でも出題されています。

9×9788

98×96888

987×958888

9876×9488888

98765×93888888

987654×928888888

9876543×9188888888

98765432×90888888888
 
この次に来る数式を書きなさい。

 
ちなみに準2級は高校1年程度です。数学検定は、本校では受検の実績がないようですが、前任校では数学科が受検希望者に指導をしていました。

1級(大学・一般程度)・準1級(高3程度)・2級(高2程度)のいずれかに合格すると、この検定の問題を作成でき、採用された場合は作成料が作問者に支払われます。全国規模の検定試験の出題者になれるというのは凄い経験だと思います。また、高等学校卒業程度認定試験の必修科目「数学」が免除されますが、これは直接関係ないかもしれません。皆さん、受検してみませんか?

話が横道に逸れましたが、答は勿論大丈夫ですよね。正解は、

987654321×918888888888 です。

工業高校に学ぶ生徒の皆さん方にとって、数学は将来道具として使いこなしていかない大事な科目です。その意味で数字とはこの先も縁が切れないはずです。そのような皆さん方に、数字を見る目や数的処理のセンスが高まるようにとの願いを込めて、今年もこのサイトを充実していくつもりです。どうぞ宜しくお願いします。

【校長】

18のぞろ目といえば・・・こんなナンバーのクルマが初詣に行った先の駐車場で、私のクルマの前に駐車していました。桁数が3分の2とはいえ、今日の話題との偶然の一致に一瞬おののきました。

2888は、ネットの世界でパチパチパチ(拍手)を意味すると聞いたことがあります。自画自賛?



 

何かしらワクワクする「2018」

明けましておめでとうございます。

今年も本校のHPをどうぞ宜しくお願いします。

 

皆様には希望に満ちたいい新年をお迎えになっておられることと思います。

私はというと、学校に通う子がいた頃は、元日の朝は(子どもたちの手前)それなりの緊張感があったように記憶しています。でも、みんな巣立ってしまった今、特に大きな感慨もなく8日後に迫った始業式で何を語りかけようかと、こたつの中でとりとめもなく考えています。

 

とはいうものの、これから1年間お世話になる新年号の2018という数字には何かしらワクワクするものがあります。

2018は、昨年の2017と違い素数1ではありません。とりあえず素因数分解してみます。偶数ですから2で割れます。

2018 2×1009

いきなり、1009という見慣れない数字が出てきました。各位の和は10なので3では割れませんし、暗算すれば7や9でも割れないことに気付きます。素数っぽい香りがプンプンします。しかし、これが素数とすぐに見破ることができる人は少ないと思います。でも実は1009は素数です。ということで、

2018 2×1009

でおしまい。従って、約数は1210092018の4つしかありません。数学の世界では、つしか約数がないもの、つまり素因数分解して素数が2個しか出てこない数は、ちょっと特殊な数の仲間に入ります。

調べてみると、一つ前は2005(=5×401)で13年ぶり、一つ後は何と来年2019(=3×673)です。

 

話は変わりますが、2018は面白い性質を持っていることが、整数論の世界では知られています。それは2つの素数の乗の和になるということです。分かりやすく表現すると

 

2018=□2+△2

 

と書けるということです。是非、□と△に入る数2を探してみてください。試行錯誤しつつ、ワクワクしながら結構楽しめるはずです。

ちなみに、この一つ前は1970

1970112432  又は 1970172412

であり、一つ後は

2042192412

となります。従って、2018年は2つの素数の乗の和であり、このような年は70年間で今年だけ!レアな年という意味で何となくワクワクします。

 

暇つぶしのついでに、今年の素数日も調べてみました。

素数日とは、2018年1月23日を20180123のように桁で表すと素数になる日です。ネット上の「素数一覧」のサイトから拾い出した今年の素数日は次の18日ありました。

 

2018012320180213201802212018031120180327

2018050920180609201806212018062720180707

2018073120180801201808072018101920181121

201812092018122320181229

 

よく見ると、7月31日と8月1日は連続素数日になっています!

連続素数日の出現頻度について、素数愛好家の研究によると、18世紀から22世紀まで、すなわち1801年から2200年までの400年で52組あるのだそうです。400年間で52組だから、平均すれば7.7年に回起きる計算になります。それが今年起きるということで、半年以上先のことですが、なんだかワクワクします。

じゃ~和暦(平成30年)ではどうなんだ?と、考えるのは自然なことです。30****のような6桁表示の素数日は次のとおりでした。

 

300109300119300221300301300317300319

300323300331300413300427300511300623

300719300721300809300821300823300929

301013301027301123301127301211301219

 

こちらも全部で24日あります。ただ、2月21日は、何の因縁か西暦、和暦共に素数日です。連続素数日こそありませんでしたが、ますますワクワクしてきました。

 

ワクワクすると言えば、今年最初の満月が明日日で、2018年中では最も大きく見える「スーパームーン」とニュースで報じていました。

それによると、「月の軌道は楕円で、そのため月と地球の距離が変化する。最も近いときと遠いときの差は最大で約4万8000kmある。月が地球に最も近づくのが近地点で、最も遠ざかるのが遠地点。近地点のタイミングで満月や新月を迎えると『スーパームーン』と呼ばれる」のだとか。

日没の頃、東の空を仰いで、今年初の満月に新年の願いを託してみてはいかがでしょうか。

最後に、本原稿は下の注釈文も合わせて全部で2018文字です。

【校長】

 

 

*1 もう何度も素数について取り上げていますが、年の初めですので、その定義をおさらいしておきます。素数とは23571113、・・・のように1と自分自身以外では割り切れない数です。

最近、「世界は素数でできている」(角川新書 小島寛之著)という本を読みました。その本の序文にうまい説明があったので引用してご紹介します。

 

   素数とは、「割り切れない」数です。どのくらい割り切れないかというと、1と自分自身以外では割り切れないのです。だから、ある意味では、うとましい数です。例えば、37個のチョコがあるとしましょう。このチョコを同数で分け合うためには、37人で1個ずつ分け合うか、あるいは、1人で全部食べるしかありません。37が素数だからです。まったく融通がききません。チョコの個数が36個であれば、たくさんの柔軟性が生まれます。2人でも3人でも4人でも6人でも、あるいは12人でも18人でも等分に分け合うことができるからです。

 

2 答 ○=13、△=43 又は○=43、△=13 


今年もあと10日、2017を振り返る2話

3年生のあるクラス、2学期最後の数学の授業でa+biの計算をやっているのが廊下の窓越しに見えました。「想像上の数」を意味するimaginary number の頭文字iをとった虚数1、まさにこの世に存在しない数です。高校の時にこの数に初めて触れた時のことを思い出しました。

そこで、今日、今年最後の掃除で校長室に来た機械科3年の生徒たちに、虚数についてのイメージや何のために複素数2を学ぶと思うか尋ねてみました。「実在しない数をなんで勉強するの?」とか「どうせ将来使わないでしょ?」といった回答を期待して、話を深めていきたかったからです。

しかし、うまく真意が伝わらなかったのか、それとも突然ヘンな話題を振られてドギマギしたのか分かりませんが、虚数がこの世に存在しない数だということを理解していた人は確かにいたものの、今ひとつパッとしない感じの回答でした。あまりしつこく聞くと、最近はやりのマスハラ(mathematical harassment :数学の証明を強要するなどして精神的な苦痛を与えること。たぶん)と言われかねませんので、クリスマスの楽しい話題3に変えました。

前任校で数学の初任者研修会が開催されたことがあります。研究授業後の合評会で、多くの先生方が「数学の良さや楽しさ、数学が日常生活でどのように役立つのかを実感させることを心がけています」と仰っていました。しかし、学力差が激しいとされる数学の実際の授業の中では、「虚数単位『i』は、2乗すると-1になるという独特の計算ルールがあるだけで、それ以外はa,b,cのような普通の文字と同じように計算をすればいいですよ・・・」と指導するのが精一杯で、その数学的意義まで実感できるように指導することは難しいのではないかと思います。

よく、「交流回路の計算で使われる」という話が紹介されますが、具体的に計算式を示すには、まず電気についての説明が必要になります。改めてこの数を高校数学で取り扱うことの難しさを感じたところでした。

 

私自身は、高校1年の時に初めて虚数に出会いました。どういうストーリーの中でこの数が出てきたのかはっきり覚えていませんが、多分「2次方程式は、解を持つ場合と持たない場合がある。この2次方程式は実数解を持たない。でも、『解なし』じゃ困る。どうしても解がほしい。という中で、無理矢理『2乗すると-1になる数』を考えて解いてみましょう・・・」といった流れで学んだはずです。「何なのそれは?」と反応したかどうかも今では思い出せません。当時は今ほど数字に関する感性はなかったのだと思います。


  数学史の本によると、虚数という言葉を初めて書物に書いたのは、「我思う、故に我あり」で有名なデカルト(15961650:フランスの哲学者・数学者)とされています。虚数が発見されてから数百年間は「詭弁(きべん)的な数字であり、実用性はない」「ただの想像上の数に過ぎない」と否定的に評価されていたそうです。ですが、オイラーの等式
4で有名なレオンハルト・オイラー(17071783:ロシアで活躍したスイス生まれの数学者・物理学者)が虚数のもつ重要性を解き明かした後、その評価は一変したようです。さらに研究が進むにつれ、その存在を仮定して計算に使ってみたら非常に便利であることが分かり、数学者の間で広く使われるようになったとありました。

ということで、数学者の方々にとっては非常に便利な数なんだそうです。でも、虚数が文字通り「虚(むな)しい数」にならないためにも、高校生の皆さん方にどのように有意義なのかということを示さなければならないとやはり思うのです。

そういう思いで、数学は何のために学ぶのかということをテーマにした様々な本に私自身目を通しているわけですが、ある本に次のようなとても興味深い記述があるのを見つけました。


  「東に3
im進むということは北に3m進むということ? ~ iをかけると90度回転 ~」というタイトルの下、ざっと次のようなことが書いてありました。

私たちは中学校の数学で負の数(マイナス)を導入することにより、「西に3m進む」ことを「東に-3m進む」と表現することができるようになりました。

では、北に進むことを東に進むことを使って表現できないものでしょうか。

今、横軸が実数部分、縦軸が虚数部分を表す「複素平面」と呼ばれる平面を考えてみましょう。その平面上で「4+2i」の表す座標と、「4+2i」にiをかけた (4+2i)×i =-2+4i 即ち「-2+4i」が表す座標を比べてみましょう。

iをかけた後の点Bは、iをかける前の点Aを「原点を中心に反時計回りに90度回転させた」座標にあることがお分かりだと思います。

・・・・・・略・・・・・・

そういうことで、虚数iを導入することにより、「北に3m進む」ことを「東に3im進む」と表現することができるようになります。

このような説明を虚数について初めて学んだ高校1年の時に受けていれば、幽霊みたいなこの数もきちんと居場所ができて、よりとっつきやすく楽しく学べたのではないかと思っています。

 前置きが随分長くなりました。それでは本題です。

「2017を振り返る」 第1話

3年生の皆さん、習ったばっかりの複素数の計算です。長い前置きもそのためのものだったわけですが、次の計算をしてみてください。


  (44+9
i)(449i)=【   】


  2017になれば正解です。

ちなみに掃除に来ていた生徒たちにもこの計算に挑戦してもらいました。6人全員ができてホッとしました。

2017は素数であり、素因数分解はできませんが、このように複素数の範囲まで拡張すれば「素元分解」ができます。ちなみに、和暦の平成29年も次のように

 29(5+2i)(52i)

分解できます。

今年は、西暦も和暦も素数で、6年ぶりのダブル素数ということで、年明け頃、素数ファンは大いに盛り上がっていましたが、「素数は素因数分解できないからつまんない・・・」なんていう声もチラホラ聞こえていました。しかし、4k+1型の素数はこのような形に分解できるのです。

このことについては、5月11日の徒然雑記帳でも既に紹介していますが、あえて複素数の計算を習った直後の皆さん方に、この式を計算してもらい、行く年2017を偲んで欲しいと思い、再び話題にしました。


「2017を振り返る」 第2話

 右の年賀状は、今年の初め、日本数学検定協会から前任校に届いていたものです。2017をテーマとした面白い作問です。当時の生徒たちとかなり盛り上った思い出があります。


 皆さん、答は分かりますか?


  「1つとって」と指示してありますが、それを無視してとりあえず全部の和を計算してみましょう。


  1++++++++

=1+8+27+64+125+216+343+512+729

2025 ・・・①

 総和を2017にしたいわけですから、

2025201782

よって、とり除くのは2です。


 簡単な問題ですが、これは足し算が全部で9項しかないのでこのように実際に計算しても手間はたいしてかかりませんが、項数が多くなると大変です。

 

そこで数列の和を求める公式の登場です。

シラバスによると、本校では数列は習っていないようですが、右のように代表的な3つの公式はそんなに難しい形をしていません。3乗和の公式(上から3つめの公式)を使えば、第9項目までの和ですから、nに9を代入して、①の2025は次のように一発で出ます。


  {(1/2)
×9×(9+1)}24522025

  

それでは皆様、Merry Christmas

【校長】


1,※2 この記事をお読みの中学生の皆さん方は、「虚数」とか「複素数」は初めて耳にする用語かもしれません。複素数は、皆さんが普段使っている「1」や「3」といった実数と「i」や「5i」といった虚数を組み合わせたもので、「-4+6i」や「512i」のように「〇+△i」で表すことができる数を指します。虚数が現実に存在しない数なので、虚数を含んでいる複素数も現実には存在しない数です。

3 思い出のクリスマスプレゼントを聞きました。朝起きたら、綺麗にラッピングされた算数の問題集が枕元に置いてあったと・・・某君が。驚きました。毒サンタですね。

4  オイラーの公式とは次の公式です。 ei xcos+ isinx 

実数の世界では全くの無関係のように思われていた指数関数と三角関数が、複素数の世界では親戚どころか兄弟であったことを意味する重要な式です。大学の工学部や理学部等に進学すると数学で学びます。今の段階ではこんな式があるんだ・・・という理解で十分です。

電気、電波そして物質を構成する電子なども含めて、自然界は波や振動で溢れています。この波や振動現象を調べるためには、三角関数が必要不可欠です。オイラーの公式は、三角関数と指数関数が、虚数・複素数を通じて表裏一体の関係にあることを示しており、この公式を使用すれば、波動・振動現象に関して明確な答えを出すことができます。ちなみに、eはネイピアの数と呼ばれ、e = 2.718281828・・・の値を持ちます。

多くの数学者がこの公式を「人類の至宝」「人類史に残る不朽の名作」となどと表現しています。ちなみに、2004年に第1回本屋大賞を受賞した小川洋子著の小説「博士の愛した数式」(映画化もされました。本校の図書館にあります)の中では、θ=πのときのe = 1、即ちe +1= 0という形で、博士が数学の中で最も美しい公式として愛していたという設定で登場します。

確かに、解析学・代数学・幾何学という異なる分野において定義された全く起源の異なる3つの数「e, i ,π」が、「1」と「0」という数学の基礎となる数とシンプルな1つの式で結び付けられており、式の意味はよく分からなくてもその美しさに感動します。

 

総アクセス数 874123 → 電卓のミステリー

今日はクラスマッチが行われました。3年生にとっては、高校生活最後のクラスマッチです。その思いがプレーに表れていたのか、懸命にボールを追いかける姿が印象的でした。

1,2年生は、今回のクラスマッチでさらに絆を強めた各学級の力を今後の授業や学校行事に生かし、さらに学年、学校全体の団結力へと高めてほしいと思います。


さて、いくつかの試合を応援後、校長室に戻り、HPを開いたら午前10時58分現在の総アクセス数が874123。

この数字って、何か見覚えがある数字だな・・・!?、何だったかな・・・??と考えていたら、思い出しました。

生徒の皆さんは分かりますか?

ヒントは、電卓で数字を入力するキー(テンキー)です。計算技術検定は勿論、専門の授業でいつもお世話になっている電卓ですが、その配列をさっと頭にイメージできますか?

  実は、874123とは、右の写真のように5を中心として8から反時計回りに回ったキーの配列です。

なぜこの数字に閃くものがあったかというと、テンキーの配列を使って面白い計算があったこと思いだしたからです。

私は教壇に立っていた頃、授業が早く終わって時間を持て余したときなど、電卓を出してごらんとか言いながら、次のように語りかけて計算をさせていました。


  電卓のキーは5を中心に8個の数字が正方形の四辺の形状に並んでいます。

これを左右どちら回りでも、どこから始めてもかまいません。

3桁ずつしりとり式に足し算してください。

答えは全部2220です。

123+369+987+741=2220

896+632+214+478=2220

412+236+698+874=2220

生徒「わぁ!」

では、辺の角の数(7、1、3、9)を3桁ずつ足し算してみましょう。

結果は2220です。

777+111+333+999=2220

生徒「え?」


  では、辺の真ん中の数(2、6、8、4)を3桁ずつ足し算してみましょう。

結果はやはり2220です。

222+666+888+444=2220

生徒「何で~?」


  じゃあ、対角線の3つの数字を3桁の数として、4つの数を足し算してみてください。どうでしょうか。またもや2220になりました。

159+357+951+753=2220

生徒「すげ!!」


  こういうこともしてみましょう。十字の3つの数字を3桁の数として、4つの数を足し算します。なんとこれも2220です。

258+654+852+456=2220

生徒「わ!」


  どうやら電卓のテンキーの配列には
ミステリーがあるみたいですね。

最後に、次の計算をしてみましょう。今度も始点、時計回り、反時計回りは問いませんので、5を中心にしてまわりの数を3つずつ数えていき、しりとり式で

(3つの数)(3つの数)(3つの数)(3つの数)

という式の中に数を入れてみてください。この計算すると今度は、必ず0になります。

874-412+236-698=0

147-789+963-321=0

生徒:「うそ!すげ!!」


  今、この記事をお読みの生徒の皆さんはこの
ミステリーを知っていましたか?ぜひ、電卓を片手に「ぐるっと一回り」・「角」・「辺の真ん中」・「対角線」・「十字」の足し算、そして(3つの数)(3つの数)(3つの数)(3つの数)を実際にして確かめてみてください。

できれば、式を紙に書いてこのミステリーに迫りましょう。これらの証明は中学生の皆さんでもできるはずです。

【校長】


 まず全ての足し算が2220になる理由です。紙に書いた計算をもとに、そのミステリーに迫ってみます。

略証

よ~く足し算の内容を見てみましょう。

集約すると

(1+3+7+9)×100+(2+4+6+8)×10+(1+3+7+9)

    と

(2+4+6+8)×100+(1+3+7+9)×10+(2+4+6+8)

の2パターンしかないことに気付くはずです。

で、(1+3+7+9)(2+4+6+8)も「=20」ですから、

結局、

20×100+20×10+20=20(100+10+1)=20×111=2220

となります。



 次に(3つの数)(3つの数)(3つの数)(3つの数)が0になる理由です。これも紙に書いた計算をもとに、その謎に迫りましょう。

略証

何でもいいですが、例えば 963-321+147-789 という数で考えてみましょう。

ここで注目するのは、百の位の数、十の位の数、そして一の位の数です。

百の位の数、十の位の数、一の位の数に注目して計算していくと、

900-300+100-7000

60-20+40-800

3-1+7-90

となり、それぞれの数を足すとどれも0になります。

では、412-236+698-874という数でもそれぞれの位に注目して確かめます。

400-200+600-8000

10-30+90-700

2-6+8-40

となり、やはりどの位の計算も0となります。

つまり、5を中心にして3つずつ数を選んでいき、

(3つの数)-(3つの数)+(3つの数)-(3つの数)

という式の中に入れると、百の位、十の位、一の位ともすべて0となる組み合わせに自動的になるのです。


  まだ納得できない!という方もいるかもしれません。では、もっときちんと証明してみます。計算は中学校の数学程度ですから中学生の皆さんもついてこれるはずです。

電卓のどこの数をxにしてもいいですが、例えば2xと置きます。そうすると、他のキーの数はそれぞれ右の写真に示すように表すことができます。

123-369+987-741を例にやってみます。

x-1を始点に3つずつ数を数えていくと、

{100(x-1)+10x+x+1}-{100(x+1)+10(x+4)+x+7}+

100(x+7)+10(x+6)+x+5-{100(x+5)+10(x+2)+(x-1)}

100x-100+10x+x+1-100x-100-10x-40-x-7+100x+700+10x+60+x+5-100x-500-10x-20-x+1

-100+x+1-100-40-x-7+700+60+x+5-500-20-x+1

-100+1-100-40-7+700+60+5-500-20+1

-200+700-500

0

となり、めでたく0になりました!