令和5(2023)年度
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男子棟 ⑨ サークル紹介「千利休」

写真:2枚 更新:12/20 作成:12/20 学校サイト管理者
寄宿舎では、余暇活動や趣味の幅を広げるためにサークル活動を行っています。
先日、お茶サークル「千利休」を開き、お客様にお茶を振る舞いました。部員のO君は、月に1~2回のペースでお茶の作法の意味を学んだり、実践を積み上げたりしてきました。今回は、琴の浦高等特別支援学校(鳥取県)から来られた先生と友人であるK君を招き、その成果を発表しました。O君は慣れた手つきで椀に湯を注ぎ、茶筅でしっかりと泡立てたお茶を淹れることができました。飲まれた二人は口々に「とても、おいしい。ありがとう」と言われ、O君も満足そうでした。筆者もいただいたことがありますが、上手に淹れたお茶は本当にまろやかで、大変癒されました。
茶道を確立した千利休は、その精神性を「和敬清寂(わけいせいじゃく)」という言葉で表現しています。この言葉の中の「和」は、互いに調和を保ち、場を心地よい雰囲気で満たすことの大切さを意味しています。つまり、茶の席というのは一定の作法を共有しながらも、亭主とお客が力を合わせて作り上げる憩いの場であると千利休は唱えたのです。
考えてみれば、普段の生活もそうあるべきかもしれません。例えばチームで仕事をする時、互いの人格を尊重し、建設的な意見を交わしあうことで良い集団が築かれ、個人の成長も図られるわけですから。
千利休は戦国時代を生きた茶人です。そういう時代であったからこそ、美しい秩序(作法)を尊重しながらも、人間が根源的に求める安らぎの場(和)の大切さを訴えたかったのかもしれませんね。