令和5(2023)年度
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男子棟 点呼シリーズ2024③ 「アルバイトについて」

写真:1枚 更新:08/21 作成:08/21 学校サイト管理者
本校では、生徒と保護者から要望があった場合に限り、一定の条件を定めてアルバイトを許可しています。私もアルバイトについては前向きに考えており、自分の体験談を点呼で話しています。理由は、社会生活への移行がよりスムーズになると考えるからです。
生徒は学校で現場実習という貴重な体験しますが、アルバイトは実習では得ることができないものを与えてくれます。それは、「1円を稼ぐことの大変さを知る」ことです。
数年前に、スマホゲームをしている生徒に、月の通信料はいくらの契約になっているのかを聞いたことがあります。すると、「知りません。使った分だけ料金は増えますから。」と平然と返してきました。また、別の生徒は当時の最上位機種のスマホ(約30万円!)を買ってもらっていました。ゲームのために親に高額な費用を払わせているという意識が全くない態度に唖然としたことを覚えています。すべての生徒がそうだとは思いませんが、経済観念が非常に乏しい生徒が一定数いることは事実のようです。いずれ親の庇護から抜け出し、経済的に自立するために、少しずつ現実の経済生活を体験することの必要性を強く感じます。そのために今できる効果的な手段の一つがアルバイトだと思うのです。
アルバイトをすれば、お金を稼ぐためには時間と労力が必要だということを体験的に学ぶことができます。欲しい物が簡単に手に入らないことも学びます。世の中はお金が全てではないにしても、お金がないと生きていけないことにいち早く気づくことができるかもしれません。保護者が毎月給料を持ってくることの偉大さに気づくこともあるでしょう。苦労して得たお金は尊いものです。お金の価値を理解し、使い方を考え直すことも期待できます。
現在、男子棟には継続的にアルバイトをしている生徒がいます。給料で欲しい物や学用品、家族へのプレゼント等を買っているようです。また、家計の足しになればという思いでバイトを始めようとしている生徒もいます。どの生徒も自分でお金を稼ぎ出す経験を積むことで自尊感情が高まっているように感じます。そして、卒業後の社会生活への移行が円滑になるものと期待しています。
※ 本校ではアルバイトの斡旋はしておりません。生徒・保護者より書面での希望申請があり、学校長が認めた場合に限り許可をしています。