専門学科だより

2026年9月の記事一覧

【工芸科】バインダー・おぼんの木取り作業の風景です。

工芸科では、バインダーやおぼんをひのき材を使って製作しています。そのひのき材というのも、建築資材として使われる野地板を使っています。野地板とは、屋根の下地に使う木材で、上棟式で見かける瓦をのせる前の屋根に貼ってある板材といえば、「あーあれね。」と想像のつく方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

 この野地板、一枚一枚、節など模様が違います。バインダーやおぼんの底板は無節で作るので、無駄なく効率的に一枚の野地板から、材料を取っていく作業が木取り作業になります。この作業で付けたい力は、状況を判断し、決められた優先順位を元に効率的に判断する力です。

 

生徒達は 優先順位と寸法が書かれた木取り表を元に、木取り作業を行っていきます。使うのは、差し矩(さしがね)とスコヤです。どちらとも長さを測ったり木材に正確に引掛けて、直角の線を引く道具です。

 手に取った木材(野地板)は、一枚一枚状況がが違い、同じものはありません。節、割れ、腐れ、入皮と、木材の欠点を避けながら印をつけていきます。肝心なのは状況を判断する力です。最初は慣れるまで、時間がかかりますが、木材と向き合い「おぼんの底板が一番条件が厳しいので第一優先…」「節があるけど、バインダーは…枠はとれるか…」とブツブツと生徒達のつぶやく声が聞こえるようです。

 すぐに慣れて、木取りができる人もいれば、木取り作業が進まない人もいます。この差はなんでしょう。原因の一つに…

生活の中で、いかに自分で判断して生活をしているかの差だと感じます。

例えば…前日の登校の準備自分でしているか? ふだん着る洋服、気候や状況を考えて自分で決めているか? 学校とお名前を教えてくださいと言われて、自分ではっきり言えるか?など。日頃から自分で判断すること、自分でできることは自分ですることを心掛けることで、生活すること、働くことへの基礎が養われていきます。

工芸科2年生は、優先順位のルールに沿って木取りをこなしていきます。生活の中で自分で判断することを心掛けているからでしょう。優先順位を意識した考えは、仕事を進める上で必要な力になります。先生や親からの配慮は、過剰になれば、子供たちの成長を止めてしまいます。工芸科では、生徒との距離感を意識して、本人へ判断を促す指導支援を行っています。

 ものづくりは人づくりです。ものづくりで学ぶ考え方は生活の中で必ず活きてきます。授業も終わり木取りを担当した生徒達は、よく考え集中し、スッキリと充実した表情をしていました。よく頑張りました。