平成25年度 学校長より

平成25年度 校長室便り

校長室からNo.12

 本日をもって高森高校を最後に熊本県の教員を退職することになりました。 この3年間高森高校に勤務できて本当に良かったと感謝しております。皆さまのおかげで、社会で必要とされるあいさつや掃除などがいつでも気持ちよくできる生徒たちが育ってると感じています。
 3月1日の卒業式では、3つの校訓に沿って卒業生の頑張りを称えることができました。また、3月20日の終業式では在校生に本年度よかった2つのことをを褒めました。1つ目は、1年間生徒の問題行動がなかったこと。2つ目は、生徒の約半分が1年間皆勤であったことです。
 来年度以降も本校に対するご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

校長室からNo.11

  卒業式を来月1日控え、校内では生徒会誌「山濤」第56号の発行の準備が進んでいます。山濤の創刊は昭和33年3月1日に遡り、校長室には創刊号からの冊子が残されています。創刊号には、「山濤」の発刊に際して、と題して当時の續辰平校長が次のような文章を寄せられています。
 「山濤」の発刊に際して一言所感を述べて祝詞に代えたいと思います。・・・(途中略)・・
 今や我等はこの新興の気運に際会して一歩一歩発展向上の努力を続けております。先に本校が阿蘇南郷八ケ町村の切なる願いによって誕生しその興望を荷つて立つ以上、この学校はあくまで蘇南地区の文化、学問の中心殿堂として発展せねばならぬ義務があります。独立後日尚浅く、その理想にはまだなかなか遠いものがありますが、施設設備の充実に地元各方面のご支援を仰がねばならぬことは勿論ながら、われら教職員生徒は一丸となって、先づ知育に体育に、その全力を傾注すべきでありましょう。かくてわれらが目指す校歌の理想精神は実現されようし、学園の立派な伝統もその基礎を打ち立てることができるものと信じます。私は諸君がたゆまぬ日々の勉強と、鍛え抜くスポーツの練磨とを一日も怠らず続けていくことを切望し、「山濤」第一号発刊の祝辞に代えることといたします。 
 
續校長先生の文章を読むと、独立校になって日は浅い本校ではあるが地域の期待に応え、新たな伝統を確立していきたいという意気込みが伝わってきます。昭和33年以来、歴代の生徒会を中心として発行し続けられた「山濤」を読むと、本校の歴史の一端を垣間見ることができます。創刊号には生徒の論説「科学の進歩に思う」や読書感想文、随想、詩、短歌、俳句、生徒の読書実態、高森町の工場についてのレポート、各クラブ便りなどが記載されていました。
 
今後も歴代の校長先生を始め職員と生徒が創りあげてきた本校の歴史をさらに発展させるべく、頑張っていきたいと決意を新たにしました。

休校のお知らせ

 本日、2月14日(金)は大雪のため休校といたします。
 生徒の皆さんは、家庭学習をお願いします。

校長室からNo10

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年は、例年になく穏やかな新年を迎えました。

 さて、学校では、6日の仕事始めに続いて、14日に始業式を行い、3学期がスタートしました。式辞の中では、最初に町の成人式で本校卒業生が意見発表したことを紹介しました。地元に残り消防団活動に参加すると共に地域のイベントにも参加し、地域の活性化を図っている卒業生です。次に箱根駅伝の結果から日々の努力の積み重ねの大切さを話しました。最後に「わたしはマララ」という本を紹介し、いじめや差別をなくすためには正しい情報や知識を身に付けることが大事であり、ここに教育の必要性があることを話しました。

21日(火)から24日(金)まで3年生にとっては最後の学年末考査が実施されました。昨日は3年生全員を対象に就職内定者セミナーを実施し、外部講師から新社会人としての心構えや電話での対応などを実技を交えて講習していただきました。

現在学校では新校舎の建設に向けて、校舎や管理等周辺で浄化槽や水道の配管工事が行われています。南校舎西壁面にありました校章と校名も管理棟二階の南側壁面に移設されています。来年秋の新校舎の完成を生徒と職員は心待ちしています。

最後に、3学期は3か月と短い学期ですが、卒業、進級と生徒にとっては大事な時期です。対外的にも高校入試や卒業式を控えており、日々緊張感をもって業務を遂行していきたいと思います。今年も高森高校へのご理解とご支援をよろしくお願いします。

校長室からNo.9

  12月20日(金)2学期の終業式を行い、式辞の中で3つの話をしました。
  1つ目は、生徒の頑張りを褒めました。
 先週の金曜日は校内チャレンジ大会でした。役場をスタートするときは気にならなかった雨ですが、鍋の平の第1チェックポイントでは大粒の雨となりました。チェックにやってくる生徒は半そで短パン姿で見るからに寒そうでした。残り4
/5の行程走らなければならないのに大丈夫だろうかと心配しました。しかし、さすがは高森高校生、みんな自分の限界に向かって挑戦してくれました。体育の授業で走り込んでいるので、冷たい風をものともせずに、制限時間(午後3時)前の午後2時半には全員がゴールしました。遅かった人ほど達成感は大きかったと思います。中には昨年よりも1時間もタイムを縮めた生徒もいました。それぞれチャレンジ大会を経験して自分自身に自信が持てた人も多いと思います。また、きついことに打ち勝つ克己心や忍耐力も養うことができたことでしょう。
 体育大会の時は、自分たちで考えて組体操や集団演技を実施し、昨年までに劣らない素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。生徒自らが主体的に行うことで生徒の生き生きとした動きが見られました。予行演習のフォークダンスの時、1年生があまり踊りを知らずに踊れなかったので、3年生男子が1年生の輪に出向き、踊りを教えていた光景がとても印象に残っています。先輩が後輩に自主的に教えていくことが今後の伝統となって続いていくといいなあと思っています。
 本校は、今年も県教育委員会から体力向上優良校して表彰されました。これは一人一人の日々の体力向上に対する取り組みが評価されたものです。まさに、校訓にある心身を鍛えて困難を克服する。を実践したものです。
 2つ目は、いじめ問題です。今年「いじめ防止対策推進法」が制定されました。そういう中で、皆さんの人権作文を読んで感心しました。1年生の松本琴美さんの人権メッセージ「その一言で傷つける。その一言で、救われる。声かけ前にひと呼吸」自分の経験をもとに作られた言葉です。また、高森町のスマイルフェスタでは1年生の佐伯さんが「言葉の力」という題で中学校時代のいじめの体験をもとに、「言葉は人と人とのコミュニケーションをとる大切な手段であり、相手のことを思いやって言葉を使い、これからの高校生活をみんなで安心して楽しく過ごしていきたい。」と発表しました。また、2年生の岩下亜耶さんは「小さな気持から大きな行動へ」という題で、5月本校で実施した胎児性水俣病患者の方の講演会を聞いて、人を外見で判断してしまうことが差別につながると学んだことを発表してくれました。このように、生徒の皆さんが相手を思いやる気持ちを大切にしてくれると、高森高校ではいじめに関する問題は起こらないと思います。体育の授業でグランドを走っているときにお互いに交差するときに「頑張れ」「ファイト」と友達同士声を掛け合っている光景を目にしました。ほのぼのと心温まる情景です。きつい時に仲間を思いやる気持ちはとても大切です。
 中国の故事にも「己の欲せざる所は、人に施す勿れ」という言葉があります。これからも、みんなで明るく楽しい学校を創っていきましょう。
 3つ目は、夢や目標を持つことです。「笑ってこらえて」というテレビ番組のなかで「吹奏楽の旅」というコーナーがあります。12月4日(水)の番組では、名古屋で開催された全国吹奏楽コンクールを特集していました。今年は、大阪桐蔭高校など3校を春から密着取材していました。大阪桐蔭は野球も強いですが、吹奏楽部も専用ホールを持って練習する強豪校で、初めてもらった楽譜を2時間後には演奏する集団でした。それでも全国大会では目標の金賞には届かず銀賞に終わる結果でした。3校の生徒は、それぞれに一生懸命努力しても結果に表れないことがあることを、身をもって体験していました。このことは本校の生徒の皆さんにも言えることかもしれません。しかし、若いときに目標に向かって一生懸命努力することの素晴らしさを感じ取っていました。

 様々な分野で、高校生が自分の目標達成に向けて努力する姿は多くの感動を呼びます。本校でも、自分の夢の実現に向けて毎日コツコツと努力を重ねている生徒がいます。生徒の皆さん全員が、早く目標を見つけ自分の夢の実現に向けて努力してください。
 いよいよ年が明けると、3年生は3月1日には卒業式を迎え、それぞれの進路へ巣立っていきます。残り2か月余りを充実した日々にしてください。特に南阿蘇から離れる人は、しっかりと故郷阿蘇を満喫して欲しいと思います。1,2年生は、3学期が学年最後の学期です。休み中に、家族の人達とゆっくり自分の進路について話し合う時間を持って、それぞれの進路目標を確立してください。すでに確立している人は、毎日目標達成に向けて努力を続けて下さい。2年生で就職や公務員を希望する人は、残り10ケ月足らずで本番を迎えます。
 最後になりますが、1学期の終業式で話したように「誰一人として休み中、事故やけがで欠けることなく、来年1月14日の3学期始業式に元気な姿を見せて下さい。」と結びました。
 今年1年、生徒、保護者、地域の方々など多くの皆様の御支援、御協力の下本校の教育活動を実践して参りました。来年も御支援、御協力をよろしくお願いします。