平成25年度 学校長より

平成25年度 校長室便り

校長室からNo.8

本校では、先月10月27日(日)文化フォーラムを開催しました。一昨年まで別々に開催していました教育フォーラムと文化祭を1日にまとめて開催したものです。

公開授業では、学年ごとに町内の有識者を外部講師としてお招きし、本校職員とのTT授業を行いました。

1年生では、高森町農林政策課の藤原厚作様を講師に「身近な昆虫の多様性」というテーマで古閑先生とのTT授業(生物基礎)を行いました。藤原さんはクワガタなどの昆虫に小さいころから興味を持たれていたそうです。トゲナシトゲトゲなど面白い名前の様々な昆虫の写真をスライドに示しながら、阿蘇の生態系の成り立ちや昆虫の多様性について話されました。生徒も楽しい話に引き込まれながらの1時間でした。

2年生では、法テラス高森支所の浅川剛志弁護士にご協力いただき「裁判員制度の意義」というテーマで木田先生とのTT授業(現代社会)を行いました。2009年に導入された裁判員制度では、裁判員が有権者から無作為に選ばれるため生徒も将来的には選ばれる可能性が十分あります。そこで、通常の裁判と裁判員裁判の違いを浅川弁護士に説明してもらい、裁判員裁判についての理解を深めました。

3年生では、本校の学校評議員でもある豊前屋本店社長の吉良充展様を講師に「食を通じて高森高校生に伝えたいこと」というテーマで堀内先生とのTT授業(フードデザイン)を行いました。日本の伝統的な食文化に欠かせない「味噌」と「醤油」の醸造元である吉良様に「味噌」と「醤油」の原料や種類その作り方、並びにその歴史を話していただきました。また、地域の企業と連携することで食育の推進につなげる視点から、地産地消の大切さや郷土愛、正しい職業観の育成についても熱く語っていただきました。   講演会では、阿蘇花野協会理事瀬井純雄先生をお招きして「阿蘇の野の花を未来に~生物多様性豊かな草原「花野」の再生をめざして~」の演題で、ハナシノブやヒゴタイなど阿蘇の草原に自生する希少野生植物の保護に関して貴重な講演をしていただきました。

  今後も公開授業や講演会を通して、将来地域の担い手となる生徒に、阿蘇の自然や文化等の魅力を啓発していきたいと考えています。文化フォーラムの開催に当たりご協力いただきました保護者・地域住民の方々・教育関係者など、多くの皆様に感謝申し上げます。

校内では、先週からの冷え込みで玄関前のもみじが色鮮やかに紅葉しています。また、来年度からの校舎改築工事に先立ち浄化槽設置の工事が進んでいます。工事に伴い北側校舎前の桜や銀杏が伐採され、いつもと違った景観となっています。平成27年9月には新校舎が完成する予定です。中学生の皆さん、立派な校舎で自分の可能性にチャレンジしませんか。


 

 

校長室からNo.7


平成25年度熊本県人権子ども集会が10月12日(土)午前10時からパークドーム熊本で開催されました。体験・活動報告では小学校、中学校、高校からの発表がありました。高校の発表を本校の生徒が行い、7000人以上の参加者を前に堂々と自分の活動・体験を述べました。内容は中学校時代に参加した解放学習会で学んだことや部落差別に関する人権劇についてと中学時代の水俣交流人権学習と今年5月に本校で実施した胎児性水俣病患者の方の講演会についてでした。「心の握手」という言葉をキーワードに、『自分の経験から思い込みや決めつけが差別の第一歩である。これはいじめにもつながることである。「心の握手」とは、相手に対する思いや心の温もりを持って、心と心のつながりがなければできないものである。「心の握手」を行うためには、相手の話をよく聞き事実を正しく見ていくことが大事だ。「心の握手」ができている仲間とは、正直に自分の思いや考え方を言い合い、指摘し合うことができている。これから先、自分が間違った道に進みそうなときは「心の握手」を交わした仲間が正してくれるだろうし、自分も仲間や学校の友だちを支えていけるような人になりたい。』というものでした。子ども実行委員にも本校生が加わり集会の運営に当たっていました。開会前に声をかけると「大丈夫です。」という元気な声が返ってきました。集会の終了後、ステージの後方に出向き参加生徒にねぎらいの言葉をかけました。生徒たちは大きな仕事をやり終えた達成感に笑顔でした。

人権子ども集会に参加して、これからも一人一人の生徒が、差別やいじめがない居心地のよい学校生活を過ごせるように学校の教育活動を充実させていきたいという思いを強くしました。

校長室便り No.6

 稲刈りの季節となり、刈取りが終わった田んぼの土手には真っ赤な彼岸花が見られるようになりました。

先日8日(日)は、心配した雨も上がり、平成25年度第59回高森高校体育大会を無事開催することができました。早朝から多くの来賓、保護者、地域の皆様方にお出でいただきましたことに感謝申し上げます。今年の体育大会は準備の期間前半が台風の影響で室内での練習しかできず集団行動やマスゲームの出来が心配されましたが、最後の4日間が天気に恵まれたことと、生徒が主体的に動いてくれたことで、例年に勝るとも劣らない体育大会となりました。4回目を迎えた高森保育園の園児の皆さんのお遊戯やかけっこは見ている観衆をほのぼのとした気持ちにしてくれました。11月には保育実習で本校生徒が保育園に出向きます。今後も保育園をはじめ幼保小中学校との連携を深めていきたいと考えています。得点種目の合計では3年生が少ない人数にもかかわらず頑張り初優勝を果たしました。閉会式の講評でも述べましたが、予行演習の時3年生がフォークダンスをよく知らない1年生のところに行って踊りを教えている姿には感心しました。きっと1,2年生に新たな伝統として引き継がれていくものと思いました。また、例年感心することがもう一つあります。それは後片付けの協力体制です。全員が椅子・テーブル運び、テントの解体、骨組みの運搬に当たり45分でグランドには何一つ残らない状態になっています。男女を問わず黙々とテントの骨組みを運ぶ姿には、ただただ敬服するばかりです。

この日は、2020年東京でのオリンピック開催が決定した記念すべき日でもあり、思い出に残る1日でした。開催地の決定の瞬間をテレビ放送で見られた人も多かったと思います。

体育大会も終わり、16日からは就職試験が開始となります。3年生にとって人生を左右する時期がやって来ます。3年生全員にとって実り多き秋となることを願っています。

校長室の北側の金木犀は早くも花をつけています。まだまだ残暑は厳しいですが、確実に秋が近づいてきていることを実感しています。

校長室便り No.5

 26日から二学期が始まり、午前中大掃除や始業式を行い、その後実力考査を実施しました。前日から大雨警報が発令されていたので生徒の登校が心配でしたが、全員元気で登校していたので安心しました。昼ごろには雨も止み、夕方には綺麗な夕日が見られ、空は秋の雲に代わっていました。今朝(27日)は雲一つない澄み切った青空でした。少し冷え秋の気配が漂い、空気がひんやりしていました。阿蘇山上では初めて15℃を切ったそうです。秋が確実に近づいてきていると感じました。
 ところで、8月23日高森町教育研究会全員研修会(第2回)に参加しました。この会は町内の小・中学校の教職員と教育委員会関係職員の研修会で、当日はさら町長、教育長、文教厚生常任委員会委員の町議さんや教育委員さんも参加されていました。研修Ⅰでは熊本県から高森町に人事交流でおいでになり、現在政策推進課審議員服部信一郎さんの「マラソンブームについて」の話がありました。中学校までは長距離を走っていたがしばらく中断し、県庁に入庁後再びランニングを再開され、2004年福岡国際マラソンでは、2時間32分台で完走された記録をお持ちでした。その記録のすごさに一同皆感心しました。研修Ⅱでは、人事交流で農林水産省から高森町役場においでになっている、農林政策課主査藤原厚作さんの「公務員試験と農林水産省」の話でした。ユーモア溢れる藤原さんの話に会場は笑いの渦で、子どもの頃から昆虫博士を目指していたといわれる藤原さんの温かい人柄がにじみ出ていました。国や県と人事交流がなされていることに敬服しました。研修Ⅲでは、高森高校の紹介をさせていただきました。「小さな学校だからできる大きな教育」をスローガンに掲げ、生徒と教職員が共に教育実践を積み重ねている姿をご覧いただきたいと思い、昨年の体育大会の集団行動とマスゲームの様子をDVDで上映しました。その後、学校の沿革や学校生活、進路状況をパワーポイントで説明いたしました。研修後、参加者の先生から高森高校の様子がよく分かりましたという声をいただき、こういう機会を作っていただいた事務局に感謝した次第です。
 2学期は9月8日(日)の体育大会、10月27日(日)の文化フォーラム、12月13日(金)チャレンジ大会(長距離走大会)など学校行事がたくさんあります。保護者並びに地域の皆さまのご支援をよろしくお願いします。

校長室便り No.4

7月19日は終業式でした。式では3つの話をしました。

1つ目は、「本気度」です。史上最高齢となる80歳で世界最高峰エベレスト登頂に成功された三浦雄一郎さん(80)と高校野球の対戦校であった文徳高校を例に挙げました。何かを成すためには「本気」になって取り組むことが必要です。3年生で就職を希望する人は、916日以降入社試験が実施されます。自分の一生を左右する大事な試験です。いい結果を得るためには、やはり人一倍の努力が必要になります。同じことは、専門学校や大学への進学を考えている人にも言えます。悔いを残さないためにも、しっかりとした準備をして試験に臨んでください。みんなの「本気度」が試される時が来ています。

 

2つ目は、「思いやりの心」です。一ヶ月前、テレビ番組で海上自衛隊の教育隊の訓練の様子を見ました。ここでは、制服の着こなしや寝具のたたみ方のチェックの他に歯磨きのチェックがありました。海上自衛隊では航海に出ると数か月間洋上での生活となります。途中で歯が痛くなってもすぐには虫歯の治療ができず、緊急の場合はヘリコプターでの搬送だそうです。そうなると部隊全員に大きな迷惑をかけることになります。限られた艦内のスペースで集団生活を行う上では、日頃から協力して健康の維持やお互いに「思いやりの心」をもって生活することが大事になります。その一環として、トイレの紙が常にきちんと三つ折りにされていました。次の人が気持ちよく使うために三つ折りにすることが習慣化されていました。これを見て、お互いに少し気をつけることで、集団での生活がスムーズにいくのは、高校での生活にも言えることです。お互いが次の人への「思いやりの心」を持ってほしいと思います。81718日には高森町で一番大きな祭り、風鎮祭が開催されます。地元の祭りですから一緒に盛り上げていきましょう。花火の後片付けの早朝ボランティアもよろしくお願いします。

 

3つ目は、「命を大切にする」です。私が高校1年生の時、年配の数学の先生が「夏休みは誰も死ぬことなく、元気にまた2学期会いましょう。」と夏休み前の最後の時間に言われました。当時私達は誰も自分たちが死ぬことなど思いもしないので、「なんば言いなっとだろか。」としか思いませんでした。しかし、教師になってこの立場になれば、あの時先生が言われた意味がよくわかります。「誰一人として休み中事故やけがで欠けることなく、826日の2学期始業式に元気な姿を見せて下さい。」と、私も言いました。

 

夏休み期間中、家庭訪問、課外授業、部活動、各種ボランティア活動、アルバイト、家庭での手伝いなど様々な活動を通して、生徒が一回り逞しく成長してくれることを期待しています。