自分なりの視点
「自分なりの視点」
2学期も、先生方のいろんなアイデアで、教室での授業や校外での体験学習等、様々な学習に主体的に取り組み、そして何より楽しく学ぶことができたように思います。
幼稚部では音楽会をはじめ、松橋幼稚園や老人会との交流もありました。同世代のお友だちやお年寄りの方々にも喜んでいただきましたね。
小学部では、豊福小学校や当尾小学校との交流及び共同学習や、イオンモール熊本での買い物学習等がありました。いつも来ていただく豊福小学校や当尾小学校に訪問することができました。どんな学校から来てくれていたのか、どんな学校生活を過ごしているのか分かってよかったですね。お互いを知るのはとても大切なことです。訪問教育を受けている二人も今日はスクーリングという形で参加してくれました。付き添いの看護師長さんもおいでくださり感謝いたします。2学期は紙を丸めたり、「もう一回お願いします」を伝えたり、それぞれの学習に頑張りましたね。また、学習発表会では立派に発表することができました。
中学部では、広島方面への修学旅行や、職場見学等がありました。教室での学習内容に関連付けて深めることができたと思います。修学旅行では、遠く学校を離れて、平安時代に造られた厳島神社を見学したり、平和公園や原爆資料館を訪れて戦争や原爆について学んだりすることができました。かけがえのない平和への祈りとともに、松東のお友だちや先生と折った千羽鶴を捧げてくれました。
また、皆で取り組んだジャムジャムタイムでの制作活動、季節を感じる学習も楽しかったですね。幼稚部と小学部では、野菜や木の実を使った工作や飾り付け、小学部と中学部では豊福神社周辺での写生大会や、調理学習等もありました。
希望ヶ丘教室とこころの医療センター教室の皆さんは、2学期も治療を受けながら授業等によく取り組みましたね。制作活動や教科等に関連付けた授業に、主体的に取り組んで課題を考えたり、自力で解こうとしたりするときの皆さんの表情は実に輝いていましたよ。
希望ヶ丘病院の行事として日本一長い石段登りや、こころの医療センター教室では皆さんの発案による英語劇にもチャレンジしました。中には、前籍校への試験登校に出かけた人もいますね。
先日、ガンの治療に対する免疫療法に道を開いた功績が評価され、京都大学の本庶(ほんじょ)教授がノーベル医学・生理学賞を受賞されました。教授は、科学を志す小中学生に次のことを話しています。「何か知りたいと思う、不思議だなと思う心を大切にすること」「教科書に書いてあることを信じない→鵜呑みにしない。本当はどうなっているのか」「自分の目でものを見る」「納得する、そこまで諦めない」と。
いろんな事象に対して私たちが不思議に思う心や感性を大切にし、自分で確認して納得するまで諦めない姿勢を持つことが、多くの人々の幸せにつながる発見や仕事につながるものです。私たちは生涯学び続けることになります。拠り所になるもの(基礎)を大切にしながら、自分の感性を大事にして主体的に学び、自分なりの視点で物事を考えるようにしたいですね。
さて、今年も残り十日となりました。年末年始も元気に過ごしましょう。一年を振り返り、新しい年を迎える準備と、一年の計を立てるようにしてください。3学期は、新しい学校や学部、学年に上がる準備をする学期にもなりますよ。
結びに、病院のスタッフの皆様、並びに保護者の皆様には本校教育に対していつもご理解とご協力をいただき感謝申し上げます。どうぞよいお年をお迎えください。
平成30年12月21日 熊本県立松橋東支援学校長 松田 満