日誌

今、熊聾では・・・(その258)

 6月2日、熊本日日新聞朝刊「若者コーナー」に本校中学部の田上君の投稿記事が掲載されました。学校名が出ていなかったので見落とされた方もいらっしゃるかと思います。以下、彼の作文です。 


 水俣の実家に帰る途中、海沿いを通ると、水俣の海は、光が反射してとても美しい。この水俣の映画をアメリカのジョニー・ディップさんが作ったと聞きました。

 水俣病と聞くと、いろいろな思いが浮かんできます。環境学習の中で、有機水銀のため体中がまひし、自分の思うように動かせない人がいること、尊い命をたくさん奪ったことを知りました。そして二年前、水俣病資料館の学習で、患者さんが一年間に飲む大量の薬に驚きを感じました。

 ユージン・スミスさんの写真集「水俣」を見ました。苦しみながら死んでいった人々。それでも、工場は水銀を流しつづけました。僕はその写真集をあまり見たくありませんでした。苦しみながら生きてきた人のことを考え、もし自分が水俣病だったらと考えるとつらいからです。だけど、ジョニー・ディップさんが水俣病を題材に映画を作りました。デップさんが、スミスさん役で水俣を伝えてくれます。ぜひ映画を見てみたいです。 


令和3年6月15日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩