『子供たちの多様な学びの場がある地域の学校として』

 今年度、熊本支援学校は創立52年目を迎え、小学部に29人、中学部に24人の新入生を迎え、全校児童生徒194人でスタートしました。
 本校では、入学式を4月9日に行いました。新1年生に加わって、昨年度入学直前に病気が分かり、1年間、入院と家庭での療養を頑張ってきた児童も入学式を経験するために参加しました。入学式に参加した子供たちの姿を前にして、これまでの育ちのなかでの保護者様やかかわりのあった方々の思いが一層深く感じられた入学式となりました。
 
 そして、その後、近隣校の入学式が続きました。ゆうあい中学校(夜間中学)では、国籍やこれまでの経験、年齢等が 様々な新入生が「今、学びたい」という強い気持ちを持って入学していました。そして、湧心館高等学校では全日、定時、通信という3つの課程で生徒が選んだ学び方をする新入生がいました。交流が45年目となる出水南小学校では、在校生が出水南小学校のよいところとして、「木々や花々にあふれ緑豊かな学校」と「交流集会(本校との交流)があること」と新1年生に語り掛けていました。出水中学校には、そうして交流を行ってきた友達がたくさん入学しました。
 
 入学式はそれぞれの学校の儀式的行事ではありますが、様々な学校に入学する新入生の姿を拝見したときに、この地域一帯が一つの学校、学びの場のような感覚を覚えました。本校で学ぶ子供たちもその一体となった学びの場のなかに存在しているのだなと改めて思ったのです。一人一人の存在がかけがえのないもので、それぞれの学びは根っこのところでつながっているということを、各校の新入生の姿や眼差しが私に教えてくれました。このことは、今後ずっと大事にしていきたい思いとなりました。
 
 さて、今年度も学校づくりを行うにあたっては、以下の三つのことを学校経営方針としていきます。
◆児童生徒のかけがえのない命、人権を大切にし、児童生徒を中心とする
◆児童生徒一人一人の持てる力や障がい特性等を踏まえ、全職員が特別支援教育の基礎・基本を押さえた根拠のある教育、今・将来を見据えた創造性のある教育を実践する
◆地域になくてはならない児童生徒、学校となっていることに感謝し、保護者や地域とともにある学校づくりを行う

 一人一人の存在がかけがえのないものとなり、この地域で学びが共鳴するよう取り組んで参ります。皆様のご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。
 
令和7年4月 校長 上村美紀 
 
校長室より

校長だより