徒然雑記帖

くま川鉄道の記念日をお祝いしましょう!

 まだ卒業式の余韻が残る今日3月2日は、多くの生徒の皆さんが通学の足として利用している「くま川鉄道」にとって、ある意味記念すべき日です。

 何のことか分かりますか?

 

 ヒントです。くま川鉄道は、平成元年(1989年)10月1日運行を開始しました。今日が運行開始何日目になると思いますか。四択です。

 

①10000 ②11111 ③12345 ④20000

 

 難しいですか?

 昨年、開通30周年をお祝いするヘッドマークを付けた列車が走るなど、様々なイベントが開催されたことを思い出せば簡単です。

 概算で365×30を計算してみると10950日になります。3月というと、それからさらに5カ月後ですから、150日(30×5)を加えて11100というおおよその数字は出てきます。

 ②の11111が正解です。

 

 「今日は何日目?」を調べる携帯アプリで調べた画面のスクリーンショットを参考までに示します。

 私が思うに、くま川鉄道は日付の数字の並びに人一番敏感な社員さんがいらっしゃるようで、これまで数々の記念切符を発行しておられます。

例えば・・・

平成9年9月9日 → スリーナイン記念乗車券

平成10年10月10日 → 満願成就記念きっぷ

平成11年11月11日 → イレブン記念きっぷ

平成12年12月12日 → ワンツー幸福きっぷ

平成13年(2001年)1月1日 → ニューセンチュリーきっぷ

令和1年11月11日 → 伍福切符(右写真)

 

 

 日付数字の並びの縁起を切符に託して、売り上げに繋げるとは、本当に逞しい商魂を感じます。

 ひょっとして、今日3月2日に達成する11111日目を記念したイベントをする計画がないのか、少し前にくま川鉄道の総務部の方に尋ねてみました。

 残念ながら「ない」ということでした。

 

 そこで、開業記念日である10月1日の数字をそのまま並べた101、3月2日の数字をそのまま並べた32、それらと11111を関係づけながら、今日の記念日を勝手に(without permission)お祝いしたいと思います。

 

まず、11111に加減乗除等を施して101を作ってみます。

(sin-111)×=101 → 10月1日

(sin-1+{()!}!!!!-=101 → 10月1日

 

同様に、32を作ってみます。

[{()!!}!!!!]×=32 → 3月2日

 

 くま川鉄道は、人吉温泉駅から人吉盆地の東端に所在する湯前駅まで、約24.8kmを結ぶ人吉・球磨地域にはなくてはならない公共交通機関です。平成元年(1989年)から人吉球磨地域の市町村と民間会社の出資による第3セクター方式で運営されていますが、もともとは旧鉄道省・国鉄の湯前線で、1924年(大正13年)に開通していますから、そこまで入れると今年で96年目になります。

 その意味で、本当に歴史ある路線で、文化庁の登録有形文化財に駅舎や鉄橋等が19箇所も登録されており、特に湯前駅は、大正13年の開業以来、変わらぬ佇まいを見せています。

 

 湯前駅を話題にしたついでに、このことも。

 くま鉄検定上級の試験が2月2日(日)に、湯前駅に隣接するふれあい交流センター「湯~とぴあ」で行われました。「試験にはできるだけくま川鉄道を使って来てほしい」と受験票に書かれていたこともあり、売り上げに協力しようと、列車で向かいました。駅に着いてビックリ!

 待合室にピアノが置いてあったのです。前回、11月頃試験勉強を兼ねて各駅を見学して回ったときは、なかったはずです。

 音楽を通じて人と人とのつながりを生み出すという願いを込めて、街角などの公共の場所に設置が進んでいるのがストリートピアノです。駅の待合所では、大分県玖珠(くす)町のJR久大線豊後森駅や奈良市のJR桜井線京終(きょうばて)駅の待合室等に置かれていて、時折利用客が弾いていることはYouTubeを見て知っていました。また、JR品川駅構内のピアノが想定よりも多くの客が来て、駅を利用する乗降客の安全確保が担保できないとの理由で、設置からわずか10日余りで撤去されたとニュースで知り、残念に思っていた折、まさかまさか、くま川鉄道の湯前駅にピアノがあるとは!

 ピアノ好きの私としては、この光景を見てとても幸せな気分になりました。このピアノの設置の経緯について色々調べていたら、湯前町の広報誌「広報ゆのまえ2月号」に関連記事を見つけました。それによると、湯前駅近くの賑わいをつくろうと、くま川鉄道の許可を得て設置。ピアノはアップライト型で、昭和55年から数年前まで湯前中学校で使用し、保管されていたものだそうです。ピアノの気持ちになれば、再びたくさんの人の手に触れられることを待ち望んでいることでしょう。「湯~とぴあ」の方に電話で尋ねてみたところ、昨年12月末に設置されて以来、結構な人が弾かれているとのこと。列車を待つ間、名もないピアニストが素敵な曲を奏でているのを私も聞いてみたいものです。

 

 くま川鉄道の乗客は、約8割が高校生であり、実際、人吉・球磨地域にある4つの県立高校はいずれも最寄り駅から徒歩10分以内に位置しています。本校生の場合も、昨日卒業した3年生まで含めると全校生徒の約4割に当たる208人が利用しており、安定した鉄道運行が通学に大きな役割を果たしていると思っています。

 これから沿線は春爛漫を迎えます。ピンクの桜、黄色の菜の花、薄紫のレンゲソウ・・・列車通学生以外の方もたまにはこの列車に乗って、心地よい揺れに身を任せながら故郷の田園の彩りを楽しんでみませんか。

            【校長】