学校生活

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商業科商品開発「ミニタルト(創作スウィーツ)」検討会

2月21日(水)は、定時制商業科の商品開発「ミニタルト(創作スウィーツ)検討会」が実施されました。

このミニタルト開発計画は、昨年度の3年生(既卒生を除く一部は今年度の4年生)より昨年度2学期にプレゼンされた「バラパフェ」開発案(現在のバラのときめき♡ふわりんごパフェ)とセットで提案されていた「ミニプリンタルト」を現2年生が引き継ぎ、より具体的な形として提案したものです。

共同開発としてご協力いただく、道の駅みなまた・Shop&Cafeミナマータの館長様とシェフの方を講師としてお招きしました。

はじめに、生徒たちの提案を聴いていただきます。

まずは1班の提案からです。1班はタルトを横から見た場合、最上部から生クリーム、次の層がイチゴソース、そして下段にプリンを置くタイプのタルトです。タルトの生地はやわらかめにします。

 

次に2班の提案です。2班は水俣茶を使った水俣茶タルトを提案します。水俣茶は、安心・安全の無化学農薬、無化学肥料での栽培が特徴で、生産者自らが栽培から製造、販売まで一貫させているので、トレースアビリティ(生産履歴)も確かです。他の材料は無塩バター・ビスケット・生クリーム・ホワイトチョコ入れ、ミキサーで粉状にした水俣茶に金箔・黒豆を飾ってしっとりめのタルトに仕上げます。

続けて、講師の先生方からのアドバイスです。

1班の案については、最初の提案を忠実に引き継いだプリンを使用している点が評価されましたが、生地の性質上、歯が弱い人にはつらい点、材料の組み合わせが甘すぎる点が課題点として指摘されました。

2班の案については、水俣のアピールにもなるため、和紅茶と合う水俣茶を選定したことが評価されましたが、ビスケットを砕いた部分は割れていく点、抹茶は好みが分かれる点が課題点として指摘されました。

 そこで講師の先生方より、型崩れを考慮して「タルトカップ」というものがあること、ミナマータではコストも下がる煎茶を使っている点、暖色系で「映え」が良い事等のアドバイスをいただきました。

ここから先は、座談会形式からタブレット端末を用いた調べ学習へ移行します。これまでいただいたアドバイスを参考にしながら、せっかくの機会ですので、道の駅の講師の先生方に質問をしながらより深い学習を進めます。

プレゼンをした2・3年生はもちろんよく質問しますが、今回、プレゼンを一緒に聴く立場だった、商品開発初参加の1年生も積極的にいろいろと質問する姿が見られます。

 

 

最後は、新生徒会長より、生徒会長としての公の仕事としては初の生徒代表謝辞が行われました。

上級生が抜けて少人数になりましたが、提案や調べ学習を通して、何事にも当事者意識を持ち、夢の実現に向けて挑戦する生徒として、とても良い新体制でのスタートとなりました。

今回の講師招へい事業は、受講・提案した生徒たち、そしてその案に基づいて試作品の考案・準備をしてくださる道の駅の講師の先生方の双方が、新たな「宿題」を持ち帰る形となった、共同開発ならではの、次につながる検討会でした。

大変お忙しい中、私たちのためにご来校いただきました、道の駅みなまた・Shop&Cafeミナマータの皆様、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

JR熊本駅販売実習(2日目)

2月10日(土)は、4年生によるJR熊本駅販売実習2日目(最終日)でした。

まずは開店準備からですが、昨日の要領を覚えているので、わりとスムーズです。昨日から掲げている本校の屋号とJR熊本駅シティ様からのお気遣いで作ってくださった「明日も開催」を示す告知PRも残してくださっており、閉店中も十分なPRができていました。ありがとうございます。

 

 今朝入荷した、本日販売分シンPITAパンのシール貼り作業です。昨日はおかげさまで完売しましたが、本日は土曜日とあって、昨日の2倍の発注量です。全員がかりで作業にあたります。

ちなみに、水定どら焼きの方は、甘夏あん・お茶あん併せて両日で500個仕入れましたが、その約半分は昨日売れましたので、もう半分を売り切れるよう頑張らなければなりません。

次は、お釣りの確認です。電卓を使って確実に確認していきます。あらかじめ準備されたお釣りの答えの金額と一致しました。正解です。

開店を待ちわびてくださっているお客様もいらっしゃったり、新幹線の発車時刻を気にされながら開店時刻を尋ねて来られたりと、本当にありがたいかぎりです。

 開店直後に来てくださるお客様の中には、「新聞を見て来ました」「早く来ないと売り切れると思って」とおっしゃってくださる方も多数おられて、ありがたいことに注目度の高さがうかがえます。ごっそり無くなったら、協力して補充します。常にボリュームのある陳列状態にしなければなりません。

連休初日とあって、ご家族連れや和菓子を大変好まれる老夫婦の方々もたくさんお見えになりました。

大きな荷物を抱えて、移動のちょっとした隙間に購入してくださるお客様がいらっしゃったり、「高校生が頑張っている姿に弱いんだよね」と励ましながら購入してくだるお客様がいらっしゃたり、本当に地域に支えられながら活動できていることをしみじみと実感しました。

生徒が作成した水定どら焼きのPOPとシンPITAパンのブラックボードに興味を持ってくださり、カメラに収める方々もいらっしゃいました。生徒が積み重ねた努力の結晶を高く評価してくださり、本当にありがたいです。

 JR熊本駅勤務の関係者の方々も励ましに来てくださり、ご購入いただきました。また、昨日買いに来てくださったお客様も「おいしかった」と再来店して購入してくださいました。

本校の先生も来てくれ、差し入れまでいただきました。また、2日目とあって、簡単な道案内もできるようになりました。

 

校長先生もお忙しい合間を縫って、激励に来てくださいました。

同じ県内の高校生も来店してくれました。また、海外のお客様も、和菓子を気に入ってくださったようです。

 

お客様の中には、購入後「自分も工業科の定時制出身なので」と励ましの言葉を言い残され、急がれていたのでしょう、足早に去って行かれる高齢のお客様の姿もありました。その後ろ姿は、働きながら学ぶという大変さを身をもって知っておられる、まさにこの生徒たちにとっての「苦学した先輩」としての心に響く励ましでした。

 教頭先生及び養護の先生も駆けつけてくれました。

定刻になり、片付けです。

最後は駆けつけてくれた先生も手伝ってくださり、荷物を詰め込みました。そして終了後のミーティングです。後輩に対する引き継ぎ事項等が話し合われました。

今回は、これまで後輩たちを引っ張てくれた4年生の「卒業販売実習」でした。これで引退です。4年生が残してくれた功績は多大なものがあります。何事にも当事者意識を持ち、夢の実現に向けて挑戦する生徒のあるべき姿を体現してくれました。卒業後もこの経験を生かしながら、頑張ってほしいです。

今回の販売実習のために貴重な機会を与えてくださったJR熊本シティの皆様、差し入れをしてくださったテナントの方々、共同開発でお世話になっているONITSUKA日昭堂様、Pan工房ベーグル様、取材をしてくださり、告知も兼ねて本校定時制の取り組みを紹介してくださった熊本日日新聞様をはじめ、多くの関係各位の皆様、本当にありがとうございました。

次は、今月23日(金・祝)に、県立あしきた青少年の家25周年記念イベントで販売実習をさせていただくことになっています。2年生を中心に、1年生も数名参加します。たくさんのご来店をお待ちしております。今後とも水俣高校定時制をよろしくお願いいたします。

JR熊本駅販売実習準備

水俣高校定時制商業科では、いよいよ明日から始まるJR熊本駅販売実習の準備が着々と進んでいます。

JR熊本駅の関係者の皆様、2日間、大変お世話になります。貴重な機会を作ってくださり、ありがとうございます。

今回は、新開発商品「シンPITAパン」がいよいよ満を持しての新発売となりますので、その目玉商品のPRのため、準備にも一層気合が入ります。

学年別に分担して作業を進めます。まずは、3・4年生の活動風景からです。

ブラックボードの作成風景です。タブレット端末のドキュメント機能を使って、ボードに記入する文言をみんなで一つひとつチェックしながら、記入します。

若い人のセンスで、シックなボードの中にも、きらびやかな色使いをしながら丁寧に記入します。

こちらは、タブレット端末のスライド機能を使って、商品PR用のPOPを作成している様子です。

様々なアプリケーションソフトウェアの機能を駆使して、巧みに表現していきます。

交代で、各々の得意分野を生かしながら作成します。

画用紙に手書きで補足PR事項を記入しています。デジタルのハイテク機能と、アナログの手作り感を融合させながら、高校生ならではのPR手法でもって工夫して作成しています。

続いて、1・2年生の準備風景です。おなじみ「水定どら焼き」のシール貼りの様子です。

2年生がリーダーシップを発揮し、1年生に役割を割り振っていきます。

1年生のシール貼りも、上達してきました。

シンPITAパンの写真です。どちらも角度を変えた同じ写真なのですが、皿上部の写真が「むね肉」、皿下部の写真が「照り焼き」です。

シンPITAパンの販売単価及び販売数量は次の通りです。水定どら焼きの数量とともにお知らせします。
(1)シンPITAパン売価は、各1個300円、水定どら焼きは各1個220円
(2)2月9日(金)シンPITAパン(むね肉)50個、(照り焼き)50個
(3)2月10日(土)シンPITAパン(むね肉)100個、(照り焼き)100個
(4)両日で水定どら焼き(甘夏あん)250個、(お茶あん)250個

また、シンPITAパンの試作実習時の様子を取材に来てくださった熊本日日新聞様より、本日の朝刊に掲載していただきました。ありがとうございます。

 当日は、本校のスクールカラー「もえぎ色」がはためく幟旗と法被が目印です。

2月9日(金)と10日(土)の販売場所は、JR熊本駅の正面入り口から建物の中に入り、「肥後よかモン市場」の入り口付近で、総合観光案内所の右側付近になる予定です。販売時間は、両日とも午前11時~午後4時です。

2日間、何事にも当事者意識を持ち、夢の実現に向けて挑戦する生徒たちによる精一杯の接客でお出迎えする予定です。

たくさんのご来店を心よりお待ちしております。

生徒会新旧役員交代式 主権者教育

〇生徒会新旧役員交代式

1月26日(金)3限目は、生徒会新旧役員交代式が行われました。

 

新会長・新副会長2名・新書記の3役に、任命状が授与されました。

就任した新メンバーからは、行事などにおいてしっかりとみんなを引っ張っていきたい、自分に与えられた役割をしっかりと全うしたいといった決意表明が述べられました。協力して頑張ってほしいですね。

また、前生徒会長からも退任のあいさつがあり、色々と大変だったけど、各種委員会の委員長たちの支えがあり、任期を全うできましたという、感謝の気持ちが述べられました。お疲れさまでした。卒業後の活躍に期待しています。

 

〇主権者教育

4限目は、主権者教育が行われました。

 主権者教育といえば選挙ですが、例えば今回実施された生徒会役員選挙も、太平洋戦争開戦前まではこのような選挙はありませんでした。昭和24年(1949年)に「生徒会」という言葉が散見されるようになりました。それまでは、級長(現在の学級委員長/室長)は、先生が指名し、先生の指示をみんなに伝える、どちらかというと先生側寄りの生徒代表といった位置づけでした。それが戦後、GHQが日本に民主化教育を施すことになっていきます。

今年は、熊本県と鹿児島県で県知事選挙が実施されます。だからこそ我々有権者にも責任が出てきます。県全体に関わることとして、少子化対策、雇用、限界集落問題といった課題があります。また、本県は農業県として、農業で稼いでいる額が、全国で5位の地位にあります。(ちなみに1位は北海道、2位は鹿児島県。)これを生かさない手はありません。今年か来年にも「主権者」の仲間入り、またはすでに仲間入りしている生徒もいるかと思いますが、今回、上に掲げたヒントを基にして、何事にも当事者意識を持ち、自分の夢の実現に向けて挑戦できる制度が整うよう考えていくことが必要です。

講義の後は、18歳から成人になるにあたって、「契約」に関する動画を視聴しました。生徒の感想の中には「『お試し期間』などといった広告には今後注意したい」、「大丈夫と思っている人ほど危ないということがわかった」、「同居者に年寄りがいるので、家族全体として気を付けたい」といった感想が寄せられました。

本日は講義も動画視聴も、自分の事として高い当事者意識を持って取り組んでくれました。若い人が担う将来に期待しています。

シンPITAパン検討会

1月19日(金)は、いつもお世話になっているPan工房ベーグル様のご協力のもと、商業科の開発商品「シンPITAパン」の検討会が行われました。参加生徒は、総合実践及び課題研究班の2~4年生の生徒です。

 

今回の企画は、かねてよりご好評いただいていた、もち麦&トマトソース味のオリジナルPITAパンを改良し、さらにおいしい商品にするべく、生徒たちから提案があり、共同開発元であるPan工房ベーグル様のご協力を得て実現したものです。

そのうえで、再開発にあたり留意する点として、次の2点を共通の課題としました。

(1)コンセプト「水俣の食材を使ったもち麦生地の健康志向惣菜パン」

(2)ターゲット「小さい子から大人までどの世代でも食べられる」

以上の2点は、最初にオリジナルPITAパンを開発した際のおおまかな理念です。この2点がブレることがないようにしたうえで、まずは各生徒より、研究発表からのスタートです。

4年生から順に、研究したこと及びそれに基づいたシンPITAパン案の発表をしていきます。

店主様が近くで見守るように聴いてくださっています。

若い生徒諸君からの柔軟な発想にも大変感心してくださっています。

一通り発表が終わったら、今度はベーグル様より生徒案に対する講評がありました。その中で、食品製造・販売をしていくには所轄の保健所への申請が必要なこと、及び保健所からの食品衛生に関する指導内容にも触れていただき、生もの等の日持ちしない食品は避けることといったお話もしていただきました。

生徒は真剣にメモを取ります。

講義の後は、いよいよ試作実習です。その前に、入念に手を洗います。

この日はベーグル様が朝からたくさんの食材を下ごしらえして、持参していただきました。

あらかじめ生徒からの提案シートをお渡ししておりましたので、それに基づき可能な限り準備をしてくださっていました。もち麦生地のパンに挟み込む食材の候補としては、チーズ、鶏のむね肉・照り焼き、レタス、コーン、コールスロー、サラダ玉ねぎ、ハム、ポテトサラダ、キクイモといった食材です。

ベーグル様より説明をしていただきながら、パンへの食材の詰め方ポイントを教わります。

主に自分たちが提案した具材を用いながらパンに挟み込んでいき、プレゼンで説明した時の図面に近づくように丁寧に作り上げていきます。

レタス、ポテトサラダ、コールスロー、鶏むね肉、キクイモチップス、サラ玉を詰め込んだボリューム感がある状態ものと、レタス、スライスチーズ、ポテトサラダ、キクイモチップスを入れ込んだシンプルなバージョンです。

 さきほどの、ボリューム感がある方のサンプル品の具材の中で、鶏のむね肉を照り焼きに変えた状態のものです。

先生にも手伝ってもらいながらサンプル品を切り分けていき、試食をします。

そして、挿入した具材を付箋紙に書き出したメモを掲示するとともに、試食後の所感を出し合い、板書にまとめていきます。

たくさんの試作品を作りましたが、最終的には、レタス、ポテトサラダ、コールスロー、キクイモチップス、サラ玉を詰め込んだものに、メインの鶏肉は、むね肉バージョンと、照り焼きバージョンの2種類を商品化することにしました。売価は、それぞれ1個税込み300円で販売することとしました。

最後は、4年生から立派な謝辞がありました。その後、取材に来てくださっていた熊本日日新聞水俣芦北総局の記者様より、4年生がインタビューを受けさせていただきました。

高校生活としては、残された時間がわずかな4年生諸君及び卒業予定の3年生諸君の「最後の」と形容される行事がまたひとつ終わっていく中で、今回も抜群のリーダーシップを発揮してくれました。そして今回は、それを引き継いでいく2年生諸君の、4月から最上級生になる自覚も垣間見える、頼もしくも感じる試作実習会でした。

考案から考察、そして事柄を決定していくその過程において、何事にも当事者意識を持ち、学んだことを生かし自信をつけていくことで、夢の実現に向けて挑戦するその姿をいつまでも大事にしてほしいと願います。

朝早くから本校定時制生徒のために準備して協力してくださったPan工房ベーグル様、取材に来校してくださった熊本日日新聞水俣芦北総局様、本当にありがとうございました。

なお、この新商品の発売日についてですが、2月9日(金)・10日(土)11時~16時までの間、JR熊本駅様のご協力をいただき、熊本駅の正面入り口から建物の中に入り、「肥後よかモン市場」の入り口付近で、総合観光案内所の右側付近のスペースをお借りして販売実習会を行いますので、その際に、おなじみ「水定どら焼き」とともに販売する予定です。当日はご近所お誘いあわせのうえ、もえぎ色の「水俣高校定時制」と記されたのぼり旗を目印にお越しいただければ嬉しく思います。生徒たちの活躍にご期待ください。精一杯の接客でおもてなしする予定です。

3学期進路講話

1月18日(木)は、進路講話が行われました。

今回は、水俣公共職業安定所の統括職業指導官の方をお迎えして、雇用と労働法規関係についての講話をしていただきました。

ハローワークは、厚生労働省が所管する機関で、全国に約500か所あり、熊本県は10か所あります。

主な業務は、求職者の斡旋、企業からの求人受付、雇用(失業)保険の加入に関すること、職業訓練(スキルアップ)の斡旋等、多岐にわたります。

そこで、今回はまず、闇バイトについてのお話がありました。

オレオレ詐欺や、記憶に新しい銀座の覆面強盗事件も、この闇バイトによるものでした。かつて、間近でハローワークを利用している人が、このような闇バイトに関する事件で警察に逮捕され新聞に載るといった衝撃的なできごともあったそうです。

闇バイトの厄介なところとしては、募集の際、闇バイトとは気づかないように誘ってくるところが特徴です。X(旧Twitter)やインスタグラムで「お金が無い」などと書き込むと、どこからともなくこの種の紹介が来ます。同級生等にも「お前は親友だから、特別に教えてやる」などと特別感を漂わせ、対人関係が悪くなるといけないと思い、また、借金も返済しないといけないので、やむなく手を染めてしまうといったことが後を絶たないそうです。またその際、テレグラムやシグナルといったインスタントメッセンジャーアプリケーションをインストールするよう指示し、「身分証明書が必要」などど言って、免許証やマイナンバーカードや保険証の写真を送らせ、巧妙に家族構成や交際相手の事を聞き出し、「おかしい」と気づいたとしても、入手した情報をもとに脅し、別の男性が殴られている動画を見せる等して外堀から埋めていき、退会できないようにしたうえ、警察に捕まるまでその人を使い続け、捕まったら使い捨てます。特にこの手の闇バイトは、多くの人が通常の仕事を急に失ったコロナ禍に増加し、ある日初めて顔を合わせることになった5人が、指示された民家に強盗に行く車中で、「せめてその家に誰も居ませんように」と願いながら行ったという話や、犯行後、いつ警察が来るかとドキドキしていたなかで、自宅に警察が来て「ついに来たか」と思った一方、捕まってホッとしたといった、悲しい実話も話してくださいました。簡単にお金が入るなんてことはないのです。

次は、冊子の労働に関する漫画やクイズ形式のプリントを使った学習です。

一般に、「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」をまとめて「労働三法」と呼ばれています。以下は、主なきまりに関する確認事項をまとめたものです。

(1)労働契約はしっかりと確認する必要があります。諸手当や賃金等が記された「労働条件通知書」を出す良い会社も中にはあります。

(2)期間・更新基準・時間・休日・退職等書面で示すことが義務づけられています。

(3)一部の不可抗力的な例外を除き、会社側からの内定取り消しは認められていません。

(4)最低賃金<熊本県898円・鹿児島県897円>(※2023年10月現在)以上は必ずどんな人にも払わなければなりません。「試用期間は800円」と言われるのはアウトです。なお、日給制・月給制には注意が必要です。時給換算してきちんと条件を満たしているかチェックが必要です。

(5)約束した賃金は必ず払わなければなりません。業績悪化で下げられることがあってはなりません。黙っていてしまうと「同意した」と認められてしまうおそれがあるので、すぐに労働基準監督署へ相談をする。賃金は必ず本人へ(未成年でも)月1回以上、決まった日にちに支給する必要があります。現金支給が原則ですが、受給者本人が承認すれば、銀行振り込みも可能です。電子マネーによる支給も現在議論中であるといわれています。

(6)残業の強制は不可です。残業する場合でも割増賃金を払わなければなりません。勤務時間は1日8時間以内、1週間40時間以内ですが、三六協定を締結すれば週40時間以上も可能です。その際、週15時間以内、月45時間以内です。

 (7)有給休暇の不当な却下は、正常な運営を妨げる場合を除いて認められていません。半年以上勤めたら最低10日は取れます。なお、通常の休日は週1回以上、月4回以上与えなければなりません。また、休憩時間は6時間以上は45分以上、8時間以上は60分以上与えなけらばなりません。その時間の賃金は発生しません。

(8)仕事が原因のケガは労災がおります。通勤中も含みます。労災保険は会社負担、雇用保険は育休、失業(12か月以上勤務した場合)などのセーフティーネット労保があります。健康保険は仕事以外の病気は3割負担になります。厚生年金は65歳以上から支給されるものと、障害年金といった社会保険があります。これは、会社と本人の折半になります。会社も入りたがらないところがあるので、ブラックかどうかを見極めるのはこの社会保険です。

(9)辞めたくても辞めさせてもらえないということは、あってはなりません。退職を申し出て2週間で認められます。その範囲の中で就業規則に従うことになります。「次の人が見つかるまで」は違法です。「誰か連れて来て」などと言われたらすぐ相談しましょう。

 最後は、卒業間近の4年生から立派な謝辞が述べられました。

自分の権利は自分で守れるようになるためにも、知識は必要です。何事にも当事者意識を持ち、各人が自分らしく輝ける場所で働けるよう、夢の実現に向けて挑戦してほしいと願います。

水俣公共職業安定所の皆様、本日は大変お忙しい中、本校定時制生徒のための貴重な御講話をいただき、ありがとうございました。

人権教育Ⅲ、及び生徒会役員改選

○人権教育

1月12日(金)3限目は、人権教育が行われました。

今回は人権啓発動画「ハンセン病問題を知る~元患者と家族の思い~」(法務省人権擁護局 企画)を視聴しました。ハンセンとは、らい菌を発見したノルウェーの医師、アルマウェル・ハンセンに由来します。昔は「らい病」と呼ばれていて、感染すると手足のまひ等が起こりますが、正しく治療すればほぼ後遺症もなく治り、感染力があるものではありません。

香川県大島のある人のエピソードです。

症状が軽かった頃は少年舎・少女舎にいました。中学までは患者作業(生きていくために必要なこと)はありませんが、卒業後はあります。治療に来ているのに作業をさせられていました。包帯の洗濯などです。手足の感覚がないため、ケガに気付かず悪化するケースもありました。偏見や差別を恐れた家族が身内の遺骨引き取りを拒否することもありました。就職しても精神的に苦しむこともあり、大島に帰らざるを得ませんでした。

 

 

無知こそ差別のはじまりです。これは遺族の言葉です。正しい知識をもち、その人の思いに寄り添ってみることが大事です。

ハンセン病患者の施設収容数を競ったり、警察が立ち会ったりする流れもありました。

法律の廃止が問題解決にはなりません。入所者の多くは高齢者で、すぐに社会との関係を断ち切られている人々ばかりだから、身寄りもなく、施設で暮らすしかないのです。

施設は全国に14か所あります。山の中や離島に多いですが、交流会が開かれたりしています。

今でも入所者がいるのはなぜか。差別・偏見はまだ残っているからです。

当時小6の男性のエピソードです。

父が施設に入所することになりましたが、悲しさや色々な思いがあり、見送ることもしませんでしたが、これを生涯悔やむことになりました。数日後には家に消毒作業者が来ました。夏休みのできごとでしたが、新学期が始まったとき、突然いじめが始まりました。東京に出て行きましたが、父を”死んだ”ことにして生きてきました。教員になってから久しぶりに父に会いに行きましたが、予防服を着せられました。「父ちゃんのことは世間に知られないようにね。」父が別れ際に言った一言です。その後、部落差別問題を扱うことになったとき、初めて父のことを世間に公表しました。同じ苦しみを抱える人が同じように身内のことを話せるようになってほしいからです。

以下、生徒感想文の一部抜粋です。

「林力さんが無知から差別は始まるとおっしゃっていて、確かにそうだなと思いました。知識があればハンセン病はほぼ感染することはないし、発症の確率が低いというのもわかり、差別は減っていたと思います。調べる手段が少ないとはいえ、”ハンセン病”というものが家族のだれかにでもいるというだけで差別になるのはおかしなことだと思いました。いくつかの裁判で勝訴していましたが、まだ差別をしてくる人は残っているのがなんだか悲しく感じました。昔に比べハンセン病で差別する人はだいぶ減少したと思いますが、ハンセン病だけでなく、差別自体がこの世界からなくなったらいいなと思います。自分も正しい知識をもっていこうと思いました。」

「偏見や差別は、ハンセン病にかかった方だけじゃなく色々な事で行われていることを改めて感じました。療養所であった場所がいつしか隔離される所に変わり、強制的に隔離された方々が居たと知って、その方々の声は心が痛みました。また、私はハンセン病という名前は知っていたけれど、どのような病気でどのような症状が出るのか全く知りませんでした。この学習を通してハンセン病のことや今までの日本がしてきたことを、これから勉強する子たちや生まれてくる子たちに正しく伝えていこうと思いました。そして自分もハンセン病についてもっと知るべき、調べてみようと思うきっかけになりました。」

”人権”とはまず自分の人権について考えることからのスタートなので、卒業後も自分にも関わりのあることとして、何事にも当事者意識を持ち、夢の実現に向けて挑戦するその姿勢を大切にしてほしいと思います。

 

○生徒会役員改選

続けて、4限目は令和6年度の生徒会役員改選が行われました。

現会長が司会進行と投票用紙の説明をして、立候補者が演説し、各教室で記入という流れでした。

 

今回は、信任投票となりますので、得票数が一定数を超えた場合は当選の可能性があります。

「生徒会」とは生徒の組織ですので、広い意味では生徒全員が「生徒会」のメンバーということになります。今回は、その「生徒会」の代表者(執行部)を決める改選ですので、自分にも大いに関わりのあることとして、何事にも当事者意識を持ち、どのようにしたら良い学校になり、どのようにしたら自分たちの夢の実現に向けて挑戦できる環境になるかをよく考え、その前向きな姿勢を大切にしてほしいと思います。

3学期始業式

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

1月9日(火)は、3学期始業式が行われました。

式に先立ち、令和6年能登半島地震において犠牲になられた方々の冥福を祈るため1分間の黙祷を行い、哀悼の誠を捧げました。

校長講話の要旨は次のとおりです。

明けて1月1日夕方。TVを観ながら衝撃が走りました。改めて、災害は時を選ばないのだと。亡くなった方々のご冥福をお祈りしたいと思います。熊本地震を経験したからこその当事者意識を持つこと。いつ、なんどき熊本で起こるか。心の備えと具体的な備えをしておくようにしてください。

今回の講話は、いつも話していることを、切り口を変えながら話します。

目標を持つことの大切さと、より高い目標設定をしてほしいということです。「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。大きな目標を達成するためには、しっかりとした計画を立てなければなりません。元旦は過ぎましたが、まだ一年は始まったばかりですので、まだの人は立ててほしいと思います。

この言葉の由来は、毛利元就が息子の隆元に送った書状の「一年の計は春にあり、一月の計は朔にあり、一日の計は鶏鳴にあり」にあると言われています。
朔は「ついたち」と読み、月初めの日のことです。また鶏鳴は「けいめい」と読み、鶏の鳴き声のことから一番鶏が鳴く早朝のことを指す言葉です。
毛利元就の言葉は、一年、一月、一日それぞれの最初のときこそが計画を立てるべきときであるということを言ったもので、何事も最初が肝心であるという戒めを意味しています。

これからでも遅くないので、計画を立てること。大きな目標とは、設定するだけではだめで、積み重ねていくこと。自分に向き合いながら、それができなかったら修正していく。これを繰り返す。

オリンピックのメダリストや起業をして成功した人などは、毎日日誌をつけていたそうです。明確に文字にしていくこと。高い目標に対して現状はどの位置か把握すること。

ノミの体長は2ミリメートル程度ですが、その150倍の跳躍ができるそうです。20センチメートルの瓶に入れても蓋が無ければ30センチメートル跳べますが、蓋をしたら当然、20センチメートルしか跳べません。その後、その蓋を外しても、30センチメートル跳べていたのが20センチメートルしか跳べなくったそうです。自分で限界を作ってしまっているのです。

思い込みで限界を作らず、あらゆる可能性にトライすること。視野を広げること。精進する1年としてください。

卒業予定者の3学期は何事にも「高校最後の」と形容されます。悔いがないよう励むこと。在校生の3学期は新年度の0学期といわれます。1年のまとめと新学期の準備をして、実り多き令和6年にしてください。

校長講話の後には、教務部・生徒指導部・進路指導部からそれぞれ諸連絡がありました。

 令和6年も水俣高校定時制をよろしくお願いします。

2学期終業式

12月22日(金)は、2学期終業式の日でした。

終業式に先立ち、表彰式が行われました。

2学期もよく頑張りました。

熊本県高等学校定時制通信制生活体験発表大会優秀賞、全国商業高等学校協会第71回ビジネス文書実務検定第1級、及び第3級(速度部門)、同協会第147回ビジネス計算実務検定第3級、第56回蘇峰筆塚顕彰書道展銀賞、2学期皆勤賞、2学期無欠席賞。表彰は以上になります。

それぞれの生徒が、いろんなところで活躍し、こんなにたくさんの賞状及び合格証書をもらうことができました。

引き続き、終業式です。

校長講話では、行事が目白押しであった2学期を振り返り、定通文化大会、校外研修、文化祭、販売実習といった諸活動を進めていくなかで、それぞれ準備や声出しによく頑張ったことをほめてくださいました。併せて、各行事の成功のために準備・運営に携わってくれた各校の先生方や、協力してくださった地域の皆様への感謝の気持ちも忘れないでほしいといったお話がありました。

続けて、校長先生からは、2学期中の校長講話の中でお話をされた「多様性の尊重」というキーワードでのお話について触れられ、現在求められている資質として、個人の違いを認めていくこと、いろんな個性や考え方を受け入れていくことの大切さについてお話をしてくださいました。

先入観・外見・初対面での印象で決めつけないこと、「寛容さ」と「受け入れる精神」を持って人と接することも教えてくださり、「会話のキャッチボール」をしていくなかで、相手も同じように返してくれるので、自分の考えもしっかりと伝えていくことの大切さも教えてくださいました。

校歌斉唱の後は、各部からの連絡です。

教務部からは、急激な気温の変化による体調不良もあり、欠課・欠席が多くなってきていることに対する心配もありますが、成績・学習面では、普段の授業をよく受けている成果が出て、とても良好であるというお話がありました。また、こういう式典の場においても、頭が動いたりせず聞く姿勢が立派で、それぞれの生徒が自分自身を成長させていることがうかがえるといったお話がありました。

生徒指導部からは、各種イベントにとてもよく取り組んでいたことをほめていただきました。

また、冬休みの心得はすぐーるで配信するので、よく読んでおくようにとの連絡もありました。

今、全国的な問題として、警察の方からぜひ高校生に伝えてほしいということで、「薬物乱用」が身近な問題であるというお話がありました。インターネットでの薬物の売買もさることながら、最近では、「オーバードーズ」といった市販薬の過剰摂取をする若者がおり、社会問題となっています。非常に危険な行為なので絶対にしないようにという注意喚起がありました。自分の体と将来を大切にし、17日間の冬休みを有意義に過ごし、3学期に元気な姿をみせてほしいということでした。

進路指導部からは、今日の表彰式で表彰された生徒たちの成果をほめてもらいました。賞や資格は、キャリアパスポート等にも書けるので、年10回はある商業科の検定や漢字検定などの各種検定試験にも、まだ受けていない人はチャレンジしてほしいとのお話でした。

また、進路活動をしてくなかで、自分が動くということは、その何倍もの人数の周囲の大人(受験先・保護者・先生等)が動くということなので、しっかりと感謝の気持ちを持って取り組んでほしいというお話もありました。併せて、予定等は手帳に書き込む等、見通しを持って取り組んでいくようにという指導がありました。

校長先生をはじめ、各先生方からのお話は、すべて自分自身に関わりのあるお話ばかりなので、ぜひ来年も、何事にも当事者意識を持ち、夢の実現に向けて挑戦する生徒であってほしいと願います。

今年1年間、水俣高校定時制はたくさんの方々から応援していただき、支えていただきました。感謝しております。

令和6年も、水俣高校定時制をどうぞよろしくお願いいたします。