平成29年度 学校長より

3学期始業式 校長式辞

月12日3学期始業式式辞

                                            H30.1.12 光 永 幸 生

 皆さん新年おめでとうございます。3学期の始業式にあたり、私から話をさせていただきます。

 いよいよ3年生は卒業を控え、高校時代を有終の美で飾れるよう、日々充実した時間を過ごして欲しいと思います。2年生、1年生は、大きな学校行事がない3学期に、自分の将来を見据えて、特に学習面に大きなエネルギーを費やして欲しいと思います。

 さて、皆さんはどのように年末年始を過ごしたでしょうか。

 私は毎年教え子の同窓会に呼ばれる機会があるのですが、今年も初任の学校の同窓会で、高森高校の新校舎建設に関わったという教え子に出会うことができました。いろいろな人たちが本校を支えてくれているのだな、という思いとこの偶然の縁に何か嬉しい気持ちになりました。

 年末年始はいろいろなテレビ番組をよく見ました。昨年もお話ししましたが箱根駅伝は必ず観ます。今年、4連覇を果たした青山学院大学のスローガンが「ハーモニー大作戦」、本校と被ってないかな、と思った次第です。

 さて、丁度観た報道系の番組で、ショッキングなことが話題になっていました。日本は今まで例のない「少子高齢化社会」に突入するという話は皆さんも聞いたことがあると思いますが、実際にどういうことが起こると想定されているのかという話でした。「未来の年表」という話でしたが、ここでこれから100年、今まで通りの生活や社会の制度が変わらなければ、どんなことが起こるか、皆さんもちょっと想像してみてください。主なことだけ紹介しますと

 2022年 一人暮らし社会が本格化する。

 2023年 企業の人件費がピークを迎える。

 2024年 社会保障費が大きくふくらみ始める。

 2026年 高齢者の5人に1人が認知症患者になる。

 2027年 献血必要量の不足により、手術等に大きな影響が出る。

 2030年 ITを担う人材が不足し、社会基盤が混乱する。

 2033年 3戸に1戸が空き家になる。

 2039年 死亡者数がピークとなり、火葬場不足が深刻になる。

 2040年 全国の自治体の半数近くが消滅の危機に陥る。

 2050年 世界人口が97億3000万人になり、日本も世界的な食料争奪戦に
       巻き込まれる。日本の社会保障制度の破綻懸念が強まる。

 2053年 日本の総人口が1億を割り込む(9924万人)。

 2059年 5人に1人が80歳以上になる。

 2076年 年間出生数が50万人を割り込む。

 2115年 日本の総人口が5055万5000人になる。

 とてもショッキングな話です。もちろん何もしなければ、なのですが。

 では今から100年前はどんなことがあっていたでしょうか。そこから想像するに当時の人たちは、そこから100年後の世界、つまり現代はどうなるだろうと想像していたでしょうか。

 1917年にロシア革命が起こっていますね。丁度100年前の1918年に第1次世界大戦が終結しました。新しい兵器が導入され、900万人の人が命を落としたとされています。その後の第2次世界大戦では6000万人の人が亡くなったと考えると、本当に争いに明け暮れていた時代でしたが、それがたかだかこの100年に起こっています。日本も第1次世界大戦に参戦していますが、国内では米騒動が起こっていますね。

 この年に今のパナソニックである松下電器が創業されました。創業者の松下幸之助は「これからは電気の時代だ」ということを見通していたようです。

 松下幸之助の言葉に次のようなものもあります。「逆境、それはその人たちに与えられた尊い試練であり、この境涯に鍛えられてきた人は誠に強靱である」

100年前は世界的にも逆境の時代であったといえます。それを科学技術的にも、社会思想的にも、豊かな社会、平和な世界を目指して当時の人々は苦しみながらも相当な努力をして成果を残してきました。もちろん、終着点はなく新たな問題が生じ、また努力を続ける歴史が繰り返されているわけです。

 高森高校の今年の一文字を選ぶならば「進」です。これからの大変な時代を生き抜かなければならない皆さんに、どういう教育活動をすればよいか、いろいろ考えてきましたが、これからも更に立ち止まらず、前進あるのみと思っています。
 

 高森高校は、4月から新しい学習指導体制、進路指導体制を開始します。そのためには、皆さんがSNSの使い方、マナーを始めとした生活面のルールをしっかりと守り、配慮ができ、優しさをもった生徒であることが前提です。詳しくは改めてお話しをしますが、まずは自分をしっかり磨いておいて欲しいと思います。皆さんには将来の悲観的なことを打破して、知恵を絞って、人のために社会のために貢献できる人間になって欲しいと思っています。それぞれのできることは小さなことでも、みんなが少しでも豊かな心を持てるように頑張って欲しいと思っています。これで私の話を終わります。