平成28年度 学校長より

3学期始業式式辞

3学期始業式式辞

                                           

 皆さんあけましておめでとうございます。3学期の始業式にあたり、私から話をさせていただきます。

 さて、皆さんはどのように年末年始を過ごしたでしょうか。私も年末年始に必ずやることがいくつかあるのですが、そのうちの一つに、1月2日、3日に行われる箱根駅伝のテレビ観戦があります。毎年繰り広げられる競技に感動しながら、どんなドラマが繰り広げられるか本当に楽しみにしています。今年は青山学院大学の3連覇の達成で幕が下りましたが、学生の皆さんが一生懸命に走る姿はとても美しいと思っています。

それと併せて近年楽しみなことに、スポンサーであるビール会社のCMがあります。これは「大人エレベーター」というタイトルでシリーズものになっているものです。今年のゲストは所ジョージさんでした。テレビ画面に登場した所ジョージさんの、還暦を超えているのに妙に愛らしい笑顔はとても印象的でした。また、何を語るのかとても期待をさせるものでした。

「夢は持っていた方がいいですか?」「反省しますか?」等の妻夫木聡さんの質問に、所ジョージさんらしい世界が、しかもテンポよく展開され、私としては期待通りのものでした。ところで大人でない皆さんは何と答えますか?またその理由は何ですか?

(この答えについて生徒の皆さんとやりとりしました。

ちょっとしたアクティブ・ラーンニングのつもりで・・・)

さて、私が一番印象に残った質問について話をします。その質問は「運命とは?」でした。

国語辞典で「運命」を調べると、「人間の意志を越えて、人間に幸福や不幸を与える力のこと。あるいは、そうした力によってやってくる幸福や不幸、その巡り合わせのこと」とか「人生は天の命によって定められているとする思想に基づいて考えられている、人の意思を越えてもの上に起きる禍福」とあります。これは「運命とは?」という質問に対して、知っておくべき知識ですが、これを答えとして求めているわけではありません。それを踏まえて、更に自分の今まで生きてきた人生に照らし合わせて、自分にとっての「運命」とは何かを語るのです。

さて、そのときに、所ジョージさんは何と答えたでしょうか。それは「答えが見当たらなかったときに使う言葉だね。本当は一生懸命考えれば答えってわかるのに、一生懸命考えるのをやめたときに、「運命」って言っちゃうね。」でした。

これを聞いたとき、今まで自分が諦めてしまったことや、投げ出したことを思い出して、逆に考えさせられました。

皆さんには昨年4月より「思考する」ことの大事さを訴えてきました。つまり考えることの大事さです。所ジョージさんにとって「運命」という言葉は「逃げの言葉」ということになるのではないでしょうか。

皆さんは今年も、それ以降も越えなければならない、いろいろなハードルや壁を目の前にすることがあるでしょう。その際に「運命」という言葉で物事を済ませず、最後の最後まで粘って、目標を達成して欲しいと思っています。そして自由な発想で物事を解決できる人間として成長して欲しいと思っています。

さて、今年度もこれからの3学期を残すのみとなりました。3年生にとって残り少ない高校生活を、次の進路へのステップとして、2年生、1年生はそれぞれ3年生、2年生の準備期間であるゼロ学期として、十分にエネルギーを蓄えて欲しいと思います。頑張っていきましょう。