平成28年度 学校長より

2学期始業式 式辞

                              2学期始業式式辞
                                                  

 2学期始業式にあたり、私から話をさせていただきます。

 さて、23日という短い夏休みとなりましたが、皆さんはいかがだったでしょうか。この夏休み期間中も本校生徒がいろいろな活躍をしました。いくつか紹介をしたいと思います。
 まずは1年生の甲斐信一君がモンタナ大学高校派遣事業への参加しました。本校からは2年の野尻岬さんに続いて2年連続で選ばれました。帰国後に本人と話をしてみましたが、とても貴重な経験をしてきたということでした。また、改めて自分の考え方を表現することの大事さと難しさを痛感したということでした。表現力というのはこれからとても大切になる学力の一つです。甲斐君にはこれからの学校生活での活躍にも期待すると同時に、他の皆さんも表現力ということには意識して学習活動をしていって欲しいところです。
 次に8月8日に熊本大学理学部との連携で「南郷塾寺子屋」が開催されました。新聞でも紹介されましたが、今年は南阿蘇村の小中学生も参加する今まで以上に規模が大きいものとなりました。本校からも多くの皆さんが参加し、自分たちの学習に、大学生活の話を聞いたり、小中学生の学習のお手伝いにと、終日大変活躍してくれました。
 それから先程表彰を行いました吹奏楽部です。8月1日の県吹奏楽コンクールで高校Bパートの部で金賞並びに最優秀賞を獲得しました。そして県代表として8月11日に沖縄で行われた南九州大会に出場し、そこでもトップクラスの成績で金賞を受賞しました。8人という最少人数での成果で、こちらも新聞紙上で紹介され、学校だけでなく、地域としても喜ばしいことであったと評価を受けているところです。
 そして、高森町の夏の風物詩「風鎮祭」です。ここでも本校から、吹奏楽部の演奏、総合文化部の書道パフォーマンス、放送部の司会進行、有志による清掃ボランティア、南阿蘇鉄道復興グッズのデザインや販売ボランティアなど、本校生が地域になくてはならない存在として活躍しました。実行委員会の方々から君たちの活躍とその行動する姿、挨拶など、お褒めの言葉を頂き嬉しく思った次第です。
 また、課外授業、3年生の就職、進学へ向けての対策など、短い夏休みもみっちりとした充実した時間を過ごしたのではないかと思います。その努力が成果として実ることを期待しています。   

 さて、この夏休みは4年に一度の夏季オリンピック大会、2016リオデジャネイロ大会が開催されました。日本代表の多くのアスリートが、このオリンピックを通じて世界を相手にスポーツで大きな活躍をし、感動を私たちに与えてくれました。大会が始まる前は、準備が間に合うかどうか、選手村の設備の不備、治安の問題など、オリンピック開催には不安があり、また2020年東京オリンピックの準備活動に関する批判も多く、少々しらけムードさえ漂う雰囲気でしたが、いざ開幕すると、一試合一試合、あるいは選手の一つ一つのプレーに感動をもらい、やはりオリンピックはいいなあ、と思わざるを得なかったのは私だけではないと思います。成績も今日現在、41個という過去最高の獲得メダル数を記録しています。52年前の東京オリンピックの時にメダルレースで3位に輝いた日本でしたが、その後順位は下がり、20年前のアトランタオリンピックの時には金メダル3個でメダル順位も戦後最低の23位まで後退しました。現在は6位と健闘しています。
 また今回のオリンピックでは逆転勝ちが多いとも言われています。追い込まれたところから諦めずに、極限状態に追い込まれても、ものすごい集中力で勝利を掴み取っています。2,30年前のオリンピックでは、日本選手のメンタル的な弱さが論じられていましたが、今回はその強さが讃えられています。その他、この大会に向けて、パワーやスタミナの点で劣る部分を、技術を磨くことで克服したり、新しい発想による作戦、または膨大な資料によって審判の癖まで研究するなど、各競技の選手、コーチングスタッフによる相当な努力が実ったことにもスポットが当てられています。
 4月の始業式で、2,3年生に伝えましたが、私は君たちに思考することの大切さを訴え、是非そういう学校生活を送って欲しいと言いました。このリオデジャネイロオリンピックでは、メダルの獲得に関係なく、どの競技でも、日本人のよく分析し、思考し、実行し、堪える強さを世界に大きく発信できたのではないか思う次第です。
 この2学期は学習に限らず、学校行事、部活の新人戦、3年生においては大学入試や就職試験に向けての対策や本番での思考する行動、考えに考え抜かなければならない状況が多々起こってくると思います。一人一人が輝くために、自ら輝こうという積極的な思いとともに、是非脳に汗をかくくらい思考を伴う生活を送って欲しいと思う次第です。

 ところで、2学期に学校としても、分析や思考を行った結果、大きな変更を行うことにしました。体育祭後に1年生を2クラスに分けることにしました。年度途中に行うのは異例のことですが、現在1年生35名となり、教室の収容としては厳しくなりました。また、2クラスに分けることによって、学習効果を上げるという期待もあります。9月6日にクラス名簿と新担任を発表します。また、来年度の入学生から教育課程、つまり授業をする科目や週の時間数を変更します。今の1年生も2年次以降、少し変更します。これらについて、1年生には改めて説明を行います。

 さて、2学期は、体育祭、文化祭、チャレンジ大会と大きな学校行事が続きます。新生徒会執行部を中心に、深い思考活動を通して高校生ならではのものを目指してください。3年生にとっては大事な日が続きます。自分の一生のことです。オリンピックで金メダルを取りにいくぐらいの覚悟で頑張ってください。