感謝・恋・友情・自立… ~ 三十一文字に込めた思い ~ 

現代文の授業で「短歌」について学んだ3年生のあるクラス。

先人にならい、思いを三十一文字で表現してみようと各自が創作活動に取り組んだ結果

実に個性あふれる作品が出そろったのだそうです。

以下に紹介するのは、そのほんの一例です。

 

 ・おべんとう 毎日作って くれました おふくろの味は 焦(こ)げたたまご焼き

 

 ・祖母の背に ゆられし覚ゆ 夢心地(ゆめごこち) いつの間にやら われが手をひく

 

 ・満月に 照らされ見ゆる 君の顔 口から洩(も)れる 月うつくしと

 

 ・宵闇(よいやみ)に 恋しく想う 月見れば はやる想いは 輝き続ける

 

 ・休み時間 一つの机に 毎時間 なぜか集まる 幸せ感じる

 

 ・両親に 感謝の気持ちが 溢(あふ)れ出す 金額を見た 入学手続き

 

十代の若者のリアルな感情が素直に詠まれていて、心動かされます。

巣立ちの時を控えた今だからこそ詠めた作品なのかもしれませんね。

 

 

いつまでも もの学びたきに 卒業の 日は近づきぬ 三月きたりて  

                      三ケ島葭子(みかじまよしこ)