◆上天草高校の『いま』◆

上天草高校の植物 夏編(1)

 春に比べると、この時期は草丈が高くなった植物が目立ってきます。それらは生存競争で生き残った植物で、光合成に必要な光を独占することができます。ところが人間が管理した場所では、大型の植物が排除されるので、ネジバナのような背丈の小さな植物でも生き残ることができ、多種多様な植物が見られるようになります。   (文責 田代周史)

ネジバナ(ラン科)

阿蘇の草原でよく見られる。花期は4月~10月で、個体によって春型と秋型があるらしい。名前の由来は、茎の先端に多数の花をねじれた穂状につけることから。

モッコク(ツバキ科)

10m程度になる小高木。径2cm程度の小さな花をたくさんつける。早朝、この蜜を吸いにたくさんの数のマルハナバチ(益虫、刺さない)がやってきている。

ガマ(ガマ科)

水湿地性の植物で本校の休耕田にたくさん生えている。ソーセージ状の形をしたものが雌花、その上に雄花が付いている。因幡の白ウサギに登場する植物でもある。

ナンキンハゼ(トウダイグサ科)

春の新緑、秋の紅葉が美しく、冬は白みがかった実を枝いっぱいにつけることから、公園等でよく植えられている。

ココスヤシ(ヤシ科)

食用になるココヤシとは違う。天草の海岸沿いの道等でもよく植えられていて、南国をイメージさせる植物である。

ヤマモモ(ヤマモモ科)

花は3~4月、実は球形で径2cm程度のものが6月に紅熟する(甘い)。九州の照葉樹林を代表する木の一つである。

ツユクサ(ツユクサ科)

花の構造がおもしろい。生命力が旺盛で、抜いても抜いてもなくならない、除草作業でいちばん骨の折れる雑草の一つでもある。

アレチハナガサ(クマツヅラ科)

近年、急増中の帰化植物。国道沿いや空き地等に見られる。近縁種に、ヤナギハナガサがあり、これも帰化植物である。

ノブドウ(ブドウ科)

蔓植物。実は淡紫色から空色に熟す。ヤマブドウと間違えられ、口に入れられることがあるが、こちらは食べられない。