校長ブログ

24/01/10(41)3学期始業式でお話ししたこと

 みなさん、あけましておめでとうございます。元日は穏やかな時間を過ごしていましが、夕暮れ時を迎えた時、能登半島地震のニュースが入ってきました。被災された方々の気持ちを考えると、とても正月を祝う気にはなりませんでした。一刻も早い復興を心からお祈りいたします。
さて、3学期の目標を「楽しく、明るい3学期 令和6年度はもうはじまっている」としました。3学期は1年間を振り返り、成長した点や改善が必要な点を整理したうえで、次のステージの目標を決め、行動に移す学期です。ぜひ、3学期を大切にしてください。

 ここである文章を読んでみます。

 グローバル社会はグローバルエリートを生み、世界全体の富をわずか1%の富裕層が占め、今後は中流階層がなくなり、上流階層と下流階層に分かれるという見方もあります。
 また、今の世界情勢をちょっと思い浮かべてください。アメリカと中国の対立、ロシア・ウクライナ情勢、中東問題、中国・朝鮮半島・台湾を中心とした東アジア問題など、緊張状態にある地域や国々をすぐにあげることができます。
 さらに、そうした政情不安や経済格差によってヨーロッパやアメリカへの移民が増加し、その結果、超保守化する国々が増え、自国第一主義の考え方が台頭しています。
 加えて、地球の気候変動は水や食料、資源の争奪をもたらし、新たな紛争を生み出していますが、各国の思惑でその対策はほとんど進んでいません。もはや現代は、グローバル世界ではなく、反グローバルあるいは自国第一主義の世界ではないかとも言われています。
 私たちが生きている世界では、こうした様々な要素が作用・反作用しながら未来を形作っていくのです。

 2年前、前任校も2学期の終業式でお話しした内容です。この中で、解決した課題はありますか? 私たちは、こうした課題を「自分の力ではどうにもならない」とか、「自分には関係ない」とか思いがちです。しかし、今や、世界、日本、地域で起きている事象は全てが自分につながっていることを意識する必要があります。グローバル化と感染症の拡大、超高齢社会と少子化、気候変動とエネルギーの大転換、情報の集中と格差問題、円高や物価高と経済格差、これらは、すべて自分に深く関係する問題であり、現実の生活の中で痛みを感じたこともあるはずです。
 昨年の11月17日の新聞にある投書が掲載されていました。そこには、「ある会合で初対面の方から「どちらからお越しですか」と尋ねられ、「熊本です」と答えると、「あら、お気の毒に」と返ってきて、さらに「大きな地震はあったし、水害もあったし、熊本城だってまだ壊れたままなのでしょう」と続けられ、その「他人事」感に反発を覚えた」と書いてありました。自分が感じないものは何も起きていないことと同じ。それが「他人事」です。先ほどの地球規模の課題に対しての「他人事」感と根は同じような気がします。
 私たちはどこに住んでいても世界とつながっています。そして自分や地域の課題と世界の課題はつながっています。その課題を解決できるのは「自分は誰かと、何かとつながっている」という意識を研ぎ澄まし、課題を自分のこととして考え、小さくてもいいから、何か一歩踏み出し、行動することではないでしょうか。皆さんにとっての「何か」は以外に近くにあるかもしれません。
 2024年が皆さんにとって素敵な年となることを祈り、3学期始業式のお話とします。

3学期始業式 晴れました

 ▲ 3学期始業式 晴れました

事務室横 ムスカリの球根から芽が!
 ▲ 事務室横 ムスカリの球根から芽が!