校長挨拶

 毎日、早朝から本校剣士の鍛錬の声が気持ちよく響き渡り一日が始まります。普通科類型の生徒は塾に通うことなく最新のオンライン講座を受講した進路対策に励んでいます。商業・福祉系の生徒たちは地域産業を支える学習を、農業・土木・林業系は岳(やま)に学びながら、皆が横断的・探究的な学習に取り組んでいます。そして、うららかな日和には¨あか牛¨が日向ぼっこをしている。阿蘇中央高等学校はそんな学校です。

 世界的に有名な阿蘇カルデラの中、熊本県阿蘇市(2万4千人弱)一の宮町に本校は位置しています。現在8学科(うち3学科は今年度学科改編)を有する二校舎制高等学校で全校生徒は317名になります。

 今年度入学生からは学科改編により、阿蘇校舎では普通科、総合ビジネス科に加え、新たに「探究科」を創設しました。阿蘇清峰校舎では農業食品科をベースとした「農と食の科学科」、グリーン環境科をベースとした「緑と水の科学科」の学科改編、社会福祉科を加えた6学科二校舎制(108名)でスタートしました。 本校は、大正11年3月阿蘇高等女学校(後の阿蘇高等学校)、明治32年8月熊本県第二農業学校(後の阿蘇農業・阿蘇清峰高等学校)として産声を上げた両校の流れを汲み平成21年に阿蘇中央高等学校が新設されました。総計3万人を超える社会・地域に有用な人財を輩出して参りました。また、本校校訓「岳(やま)を仰ぎ 大志を抱き 未来を拓かん」は、熊本県立阿蘇農業学校第2代校長の百瀬葉千助校長(明40~:褐色和牛の品種改良で「肥後のあか牛」と称される種牛を生み出す)が札幌農学校時代に薫陶を受けたクラーク博士の「少年よ大志を抱け」に由来し設定されたものです。

 本校魅力化の一つとしては、阿蘇市をはじめ行政・大学・関係企業・団体地域企業等と協力体制を築いているところです。地域の人口減は、教育のみならず、産業にも大きな歪を生じさせています。その危機感を産学官で共有、課題を解決し、好循環をもたらす為に連携体制を強化し、主体的・横断的な学習環境を構築しているところです。時代と地域のニーズに対応し、創造と工夫を重ねながら学校運営に取り組んでいます。6学科(8学科)の特色をさらに色濃くしながら学習活動につなげていきます。

 春の訪れを告げる野焼きが終わり、新しい命が新緑とともに芽吹き、岳々(やまやま)に囲まれたこの阿蘇の地は何とも言えない素晴らしいロケーション(景色)です。現在、阿蘇各地が田植えの準備に入り、各々のペースでそれぞれの時間の流れを感じているところです。併せて、本校にはこの阿蘇特有の教育資源や教育環境があり、それを運用する優秀かつ前向き、自慢できる教職員がたくさんいます。HPをご覧になり、気になった中学生や保護者、先生方等の皆様、この雄大な阿蘇の地に一度足を運んでみてはいかがでしょうか?そして、一緒に学んでみませんか?男女ともに寮もございます。色々とお気軽にお尋ねください。 お会いできる機会を心から、お待ちしております。

 このたびは、本校のホームページにアクセスしていただき、ありがとうございました。

令和7年4月吉日

 熊本県立阿蘇中央高等学校長

梶原 哲