職員ブログ

3月11日

3月11日金曜日の午後。図書室の窓を開けていましたら、天草市内の防災無線で黙祷(もくとう)の呼びかけがなされていました。

その放送が終わって、午後2時46分。低く大きなサイレンが鳴り響きました。11年前の天災は深い傷跡を残したわけですが、少しずつ復興が進んでおり、人がたくさん住んでいる都市はもとの様子を取り戻しています。

さて、図書室の詩集が収められている棚に『原発難民の詩』(佐藤紫華子著 朝日新聞出版)という本がありました。その中から、「原発難民」と題された詩をご紹介します。

  仕事が ありますよ

  お金を 澤山あげますよ

  

  甘い言葉にのせられて

  自分の墓穴を掘るために

  夢中になって働いてきて

  原発景気をつくった

  あの頃……

  

  人間が年を取ると同じように

  機械も年を取るということを

  考えもしなかった

  技術者たち!

  ましてや

  大地震、大津波に

  襲われるとは……

 

  地震国であり

  火山国であるという

  基本的なことを

  忘れてしまった国の末路か……

 

  私たちは

  どこまで逃げれば

  いゝのだろうか

  追いかけてくる放射能

  行く手を阻む線量

 

  見えない恐怖!

  匂わないもどかしさ!

  聞こえない焦立たしさ!

 

  私たちは安住の地を求めて

  どこまで

  いつまでさすらうのだろう

 

 津波がもたらした害は、さまざまなかたちとなって今もなお人々を苦しめています。

 天草ではなかなか知らされない東北の情報。事実。この時期ばかりは津波のこと。原発のこと。東北の農業や商工業のことに思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。