校長室からの風(メッセージ)

あの日から1年 ~ 熊本地震発災1周年

あの日から1年

~ 熊本地震発災1周年 ~

 4月14日です。最大震度7を記録した熊本地震の発生からちょうど1年となります。夜の静寂を破る携帯電話からの緊急警報とほぼ同時に襲った激震の記憶はいまだ生々しいものがあります。熊本地震は未曽有の被害をもたらし、多くのかけがえのない命が失われました。依然、4万7千人余りの人々が県内外の仮設住宅等で仮住まいの不自由な暮らしをされており、道路や鉄道等のインフラ(社会基盤)の修復も道半ばです。熊本地震の前より良い状態をつくる創造的復興(Build  Buck  Better)を熊本県は目指し、国をはじめ多くの支援を受けて復旧、復興に取り組んでいるところです。

 今日、発災から1年という節目に際し、亡くなられた方々のご冥福を祈り、午前10時、県主催追悼式に合わせて生徒及び職員の全員で黙とうを捧げました。顧みると、熊本地震が発生するまで、私たち県民の間では「熊本で大きな地震が起きることはない」という根拠のない楽観があったと思います。従って、「まさか」の災害となってしまったのです。今生きている私たちが大地震を体験していないというだけで、「熊本に震災はない」という思い込みと油断に陥っていたのでしょう。6年前の東日本大震災の教訓も生かすことができなかったことは残念でなりません。

 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。私たちは歴史に学ぶことができませんでした。1889年(明治22年)には、金峰山地震と呼ばれる熊本市直下型地震が発生して甚大な被害を受けています。また、このたびの熊本地震の発生源は布田川・日奈久断層帯でしたが、この球磨人吉地域にも人吉盆地南縁断層帯があり、湯前町、多良木町、あさぎり町、錦町、人吉市に広がっています。1968年(昭和43年)には宮崎県えびの市が震源の「えびの地震」が発生し、人吉市周辺で大きな被害が出ています。

 豊かな恵みを与えてくれる一方、時に脅威の存在となる自然と私たちは共存するしかありません。歴史から謙虚に学び、知識を持ち、災害を正しく恐れる態度が求められています。


               弔意を表す半旗