お祝い 第72回 卒業証書授与式 挙行!

3月1日(日)
 第72回卒業証書授与式を挙行いたしました。
 世界的に困難な状況の中、関係各位のご理解を賜り
 門出を祝う式を挙行させていただけたことに感謝申し上げます。
 会場の天窓から、外気との換気をしながらの式でした。
 今後も体調にはご留意くださいますようにお願い申し上げます。
 
 宇土高での3年間
 卒業生は本当に様々なことを体験し、笑い、泣き、乗り越えて
 今日の佳き日を迎えました。
 卒業生たちは、ご家庭や教職員に伝えたい企画も考えていたようですが
 簡素短縮の限られた式の中で、智恵を絞り、静粛な態度
 名残惜しくも清々しい校歌、退場の際の様子で伝えてくれました。
 
 保護者の皆様からも本校への身に余る謝辞をいただき感謝の気持ちで一杯です。
 ご参列かなわない、各方面から祝詞祝電も頂戴し、おかげさまで心温まる式典となりました。

3月1日(日)
 
 卒業生入場 
 学年主任、担任の先生方に導かれての入場。
 このような入場をするのは、最後かもしれませんね。
 これからは自分の席は自分で見つけるのです。
 様々な力をつけた高校時代
 羽ばたく先で、また新しい力をつけていくことでしょう。

3月1日(日)

 名前を毎日呼び合う日々もいよいよ終わります。
 4月にクラスで出会い何度もよんだ名前です。
 宇土高校は卒業生全員の名前をよぶのです。
 幸多かれとの思いを込めて

送辞

 冬の寒さも和らぎ始め、陽の光や吹く風の暖かさに春の気配が感じられる今日の佳き日。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。在校生一同、心よりお祝い申し上げます。

 先輩方が宇土高校に入学されてから3年が経ちました。この3年間の高校生活は、あっという間に過ぎ去ったと感じておられる方もいらっしゃるかと思いますが、思い返してみると、そこには数々の思い出があり、一日一日を大切に、充実した学校生活を過ごされた3年間ではなかったかと思います。

 体育祭では、実行委員長の田口先輩と生徒会長の平井先輩を中心に、「紫電一閃」のテーマのもと、心に残る体育祭にするために、私たちを熱心にリードしていただき、大成功を収めることができました。あのとき集結した宇土中高生のパワーは、まさに、新しい「令和」の時代へと突き進むパワーになったと感じました。赤団松藤先輩、青団荒木先輩、黄団金山先輩を中心に行われた応援演舞。各団の一糸乱れぬ迫力に圧倒されました。また、クラスや学年の垣根を越えて、短時間で取り組んだマスゲームでは、先輩方の気合いの入った掛け声のお陰で、全校生徒が一丸となり、熱く盛り上がることができました。そして、何より、先輩方の真剣にかつ大いに楽しんで競技に挑む姿は、とてもキラキラしていて、私たちを大きく感動させるものでした。

 また、部活動やSSHの課題研究など、全国に活躍の場を広げられた先輩方の姿は、私たち後輩にとっての憧れであり、質実剛健の精神のもと、文武両道を目指している私たち宇土高生の誇りでもありました。

 そんな先輩方も、これから、それぞれの夢へと続く道の第一歩を踏み出して行かれます。その道は決して平坦なものではないことでしょう。今、日本そして世界は、新たな社会の姿へ大きく変革する時期にあります。経済のグローバル化による国際的な競争の激化、地球温暖化や少子高齢化社会など、これらに伴う問題の解決は非常に困難なものになってきています。そのような中で経済発展と社会的課題の解決を両立する社会「Society5.0」が提唱されています。希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合える社会、一人ひとりが快適で活躍できる社会の実現に向け、私たちの世代がリードしていかなければなりません。そして、それは、みんなにとって新しく、未知の社会となります。しかし、先輩方は、宇土高校で培った「ロジックの力」を糧にし、ここで巡りあった先生方や仲間との絆を味方にし、どんな困難をも乗り越えて、輝かしい未来を切り開いて行かれることと信じています。

 本日は、新型コロナウイルス対策のため、在校生は私ひとりではありますが、在校生一同、先輩方が大切にしてこられた伝統をしっかりと受け継ぎ、来たる百周年に向けて、さらに躍進していくことをここに約束します。

 いよいよお別れの時が参りました。最後になりましたが、先輩方のご健康と今後のますますのご活躍を心からお祈りし、送辞とさせていただきます。

 

令和二年三月一日 

熊本県立宇土中学校・宇土高等学校 在校生総代 野村

 

答辞

  校庭の桜の蕾も日差しの中で次第に色づき始め、開花を待つ命の鼓動を感じる今日の良き日に、このように厳粛な卒業式を挙行していただき、卒業生を代表して心より御礼申し上げます。

 つい先日のように思い出される三年前の春。真新しい制服に身を包み、不安と期待でいっぱいの高校生活がスタートしました。入学当初は、新しく増える仲間と仲良くできるか不安でたまりませんでした。しかし、体育や選択教科、部活動などを通して触れあう中で自然と会話も弾むようになり、今ではかけがえのない友情を築き上げることができています。

 あっという間に一年が過ぎ二年生。学校の中心的な役割を担うようになった中での文化祭は、一年生の時よりも一層積極的に取り組みました。私は生徒会長として、限られた準備期間の中でどのように運営を進めていけば宇土校生全員が思いを共有し活動できるのか悩みました。そんな私を励ましてくれたり、協力してくれたりする宇土校生の存在に元気づけられ、文化祭直前まで粛々と準備を行いました。当日は、多くの方に来校していただき、宇土校生だけでなく保護者の方や地域の方々もステージ発表を楽しそうに見ていらっしゃり、苦労が一気に吹き飛びました。食品バザーも大盛況で、宇土校生全員で文化祭を成功に導いたという達成感を味わうことができました。そして高校生活で最も思い出深い修学旅行。福島での研修やみんなで行った国会議事堂、スカイツリー。どれも貴重な経験でしたが、バスでの移動中やホテルでの食事中にかわされる何気ない会話の中で、友だちの新たな一面を発見し、親睦を深めることができたことが何よりの思い出です。

 高校生活最後の年、三年生。自分たちが主体となる最後の学校行事である体育祭は、令和最初の体育祭となるため、新時代の幕開けにふさわしいものにしようと意気込みました。伝統を受け継ぎながらも新しい風を吹き込みたいと生徒会執行部のみんなと夜遅くまで議論し、宇土高生全員にアンケートを実施しました。そのアンケートを分析し、昨年度刷新されたプログラムをさらに改善したことで、体育祭本番では、今まで以上の一体感からくる、全生徒の、そして生徒を温かく見守る保護者や地域の方々の喜びや充実感を肌で感じることができました。その後に実施されたクラスマッチでは、三年間で初めて天候に恵まれ、サッカーを楽しむことができました。みんなが笑顔で「楽しかったよ」と言ってくれ、仲間とともに生徒会長としての仕事を全うできたことへの喜びがこみ上げてきました。

 こうして振り返ると、この三年間で私は、仲間を持つことからくる心地よい責任の重さを体得できたよう気がします。自分一人では何もできず無力感に苛まれていたとき、そのような自分を励まし協力してくれる仲間がいました。そのため「もっとできるはずだ」という責任感が湧き上がり、頑張ることができました。その積み重ねにより仲間を信じ、自分の可能性も信じることができました。受験勉強は大変きつかったのですが、仲間と互いに前向きになれる言葉をかけあうことで、楽しみながら乗り越えることもできました。こうした日々をともにしたからこそ、合格した仲間が出るたびに、みんな自分のことのように喜んでいたのだと思います。

  たくさんの人との出会いがあり、その方々に見守られた三年間。

 先生方。今まで私たちに御指導いただきありがとうございました。質問に行くと、理解するまで何度も説明してくださるだけでなく、追加問題も用意してくださる先生。いつも元気に教室に来て授業をしてくださる先生。私たちのちょっとした変化に気づき、さりげなく声をかけてくださる先生。社会に出る私たちに人としての在り方を示唆してくださる先生。先生方は、私たちのことを考え、最後まで寄り添ってくださいました。先生方には感謝の気持ちしかありません。本当に三年間、ありがとうございました。

 在校生の皆さん。今まで私たち三年生についてきていただき、ありがとうございました。私たちは、今日、先輩方から受け継いできたこの宇土高校をみなさんに託します。皆さんの力で、宇土高校の伝統をさらによいものへと高めていってください。皆さんの活躍を期待しています。

 第一の理解者であったお父さん、お母さん。いつも仕事に対する思いを熱く語ってくれるお父さん。お父さんの話を聞くたびに、自分も誇りを持って仕事をする大人になるために何事も頑張ろうと、前向きな気持ちになれました。毎日お弁当を作ってくれたお母さん。言葉として発していないのに、自分が食べたいものが夕食に出てくるときが度々ありました。その温かいお母さんの励ましは、私を何度も勇気づけてくれました。本当に今までありがとうございました。立派になったねと言ってもらえるよう頑張っていきますので、これからも見守ってください。

 そして一番身近にいて支えてくれた卒業生の皆さん。みんながそばにいてくれたおかげで目の前に立ちはだかるいくつもの壁を乗り越えることができました。卒業後は離れ離れになりますが、再会できる日を信じて新しい一歩を踏み出し、自己の可能性に挑戦していきましょう。

 仲間とともに築き上げた宇土高校。青春を謳歌し、毎日懸命に過ごした宇土高生活。名残り惜しいですが、お別れの時がきたようです。宇高健児の誇りを胸に、この先もたゆまぬ努力を続けてまいります。

 最後になりましたが、宇土高校のますますの発展を祈念し、答辞とさせていただきます。

 

令和二年三月一日  

 熊本県立宇土高等学校 卒業生総代  平井   
 

 

 宇土高の制服を着て校歌を歌う
 何度も歌ってきた この体育館とも
 いよいよお別れの時が近づいてきました。
 生徒を真ん中に、ご家庭と学校が
 力を合わせて成長を楽しみに育んできました。
 
 第72回は参列できる人数は限られましたが
 参列できなかった在校生たちの分も
 心を込めて卒業の式を執り行いました。