平成29年度 学校長より

2017年12月の記事一覧

2学期終業式 校長式辞

12月18日2学期終業式式辞

                                                    H29.12.18 光 永 幸 生

皆さんおはようございます。2学期終業式ということで、私から話をさせていただきます。

この2学期は8月23日から本日までの約4ヶ月という長い期間でしたが、高森高校の3大行事である体育祭、文化祭、チャレンジ大会をはじめ、忙しいながらも充実した日々になったのではないかと思います。またそれぞれの行事が外部の方々から大きな評価を頂くことができました。

加えて、2学期は9月に文部科学省指定事業の英語の公開授業、11月には県の高校体育研究会の体育の公開授業、そして12月にあった県指定の「未来の学校」創造プロジェクトによるICTの公開授業と、本校の教育活動を外部の皆さんにご披露する機会がたくさんありました。先生方の研修の一環ではありましたが、同時に高森高校生の学習に対する態度を評価していただく場でもあったわけです。皆さんは緊張した中にも積極的に取り組む姿勢を見せてくれました。いろいろな方々からお褒めの言葉をいただいた次第です。

さて、3年生の皆さんの進路先については早々に全員方向性が決まりました。進学する人はこれからの学習活動の中で、高度な知識や技能を身につけていって欲しいと思うと同時に、就職する人も、これからは「学び」の姿勢が要求される厳しい時代となることを覚悟して欲しいと思います。

先日、ある企業の方とお話をする機会がありました。この方がおっしゃるには、よく言われるAIの波がすぐそこに来ている、ということでした。例えば、銀行やコンビニなどでの窓口的な業務は近い将来無人化され、AIがとってかわることは間違いなく、そのために、現在の社員の皆さんには、今のうちからいろんな業務を覚えて、その会社のために有為な人材となるよう研修を始めているそうです。そういう状況を考えると、高校生の皆さんは、今ある教科の勉強や総学などでの探究的な活動には是非力を入れて欲しいということでした。もちろん、部活動等で、いろんなスポーツ、文化活動で汗をかいたり、生徒会活動、ボランティア活動も含めた、集団の中での人間関係構築や外部の方との交渉などの経験も大事なものとなることは当たり前です。

皆さんには2学期の始業式で、家庭学習の充実を求めましたが、十分達成できたでしょうか。課題は当たり前ですが、自分で求めて、授業の予習や復習をするなど、自ら考え抜いて、次の授業等に臨めたでしょうか。どうでしたか?

これからの学習活動には「主体的・対話的で深い学び」ということが要求されます。このうち、「主体的」という点については、皆さんの姿勢、気持ちの在り方が問題です。またそれには、皆さんが将来のことについて、明確で、本当にそれぞれにあった適切な目標を持つことが大事だと思います。

文化祭にゲストでお出で頂き、落語を披露していただいた三遊亭好吉さんは、紹介にもあったように神戸大学で物理学を専攻されていました。卒業後は大学院の進学が決まっており、将来は研究者の道を歩もうとしておられたそうです。ところが大学4年の夏に、同じ神戸大学出身で早くに他界した天才落語家、桂枝雀のビデオを観て落語家になることを決意し、両親を説得してこの世界に身を投じたそうです。因みに桂枝雀師匠は超人的努力と空前絶後の天才的センスの持ち主で、「東の志ん朝、西の枝雀」とも称され、古典落語の他、英語落語を行うなど、いろいろな挑戦を行った人でもあります。

好吉さんは、「大学時代、物理学はもちろんですが、語学などもっと勉強したり、長期の海外旅行などに行ってもっと見聞を広めておきたかった」と云われています。

私は思うのですが、この教科、科目だけやっていれば、他のものは必要ない、という人がいればそれは大きな間違いです。無駄なものはありません。生きていく上で、いろんな人と会話をし、語らい、一緒に仕事をする必要がでてきます。その際、いろんなジャンルの話も一通り話ができる教養を持っていなければなりません。すべてに専門家になれ、ということではなく、それについていけるぐらいの力を持っておきましょう、ということです。 

それと同時に好吉さんはこんなことも云われています。「何かやろうとすると必ず苦労します。やりたいこととやりたくないことが一緒にやってきます。」

これも同感です。好きなことだけをやれることは絶対になく、好きなことをやるためには、それに伴うやりたくないことを無理してでもやらなければならないのです。それを避けて通ろうとすることは絶対に無理なのです。

皆さんはいつの間にか、そういうことについて我慢することを忘れていた、ということはないでしょうか。やりたくないことも必ず自分の力になるはずです。

この冬休み、皆さんそれぞれがこの2学期を振り返り、冬ゼミや冬学習、部活動等を通して、「主体的な学び」に挑戦してみてください。きっと来年へのいいステップとなることでしょう。

それでは、健康に留意し、ご家族でいい年をお迎えください。これで私の話を終わります。