平成29年度 学校長より

2学期始業式 校長式辞

8月23日2学期始業式式辞

                                                    H29.8.23 光 永 幸 生

 2学期始業式にあたり、私から話をさせていただきます。

 さて、28日間という、他の高校よりは短い夏休みでしたが、皆さんはいかがだったでしょうか。この夏休み期間中も本校生徒がいろいろな活躍をしました。いくつか紹介をしたいと思います。

 まず、高森中央小学校のサマースクールでの学習支援活動がありました。2,3年生の有志で参加してもらいましたが、小学生の皆さんとのふれあい、教えることの難しさなど、とても貴重な体験をすることができたのではないかと思います。

同様に2年生が参加しましたが、高森町の小学生を対象とした英語わくわくキャンプでの学習支援がありました。これは皆さんの英語力を高めることにも大いに役立ったのではないかと思います。

それから先程表彰を行いました吹奏楽部です。7月27日の県吹奏楽コンクール予選、30日の代表選考会を、金賞並びに最優秀賞で勝ち抜き、県代表として大分で行われた南九州大会に出場しました。そしてそこでも金賞を受賞し、またその中のトップの成績ということで最優秀賞に輝きました。このことは、学校だけでなく、地域としても喜ばしいことであったと評価を受けているところです。

 そして、高森町の夏の風物詩「風鎮祭」です。ここでも本校から、吹奏楽部の演奏、総合文化部の書道パフォーマンス、放送部の司会進行、有志による清掃ボランティアなど、本校生が地域になくてはならない存在として活躍しました。実行委員会の方々からも皆さんの活躍とその行動する姿、挨拶など、お褒めの言葉を頂き嬉しく思った次第です。

 残念ながら台風5号の関係で中止になった行事も多数ありました。例えば例年行われている「南郷熟寺子屋」、今年も興味が湧く実験やグローバル的な外国語活動など準備されていただけにとても残念でした。また2年の下田君が代表で参加することになっていた東京大学の視察ツアーもこの台風のおかげで中止となりました。都合がつけば冬休みに実施される可能性は残っていますので、その際にはみんなでその報告を聞く機会をつくりたいところです。

 また、夏ゼミや、3年生の就職、進学へ向けての対策、2年生のインターンシップなど、短い夏休みもみっちりとした充実した時間を過ごしたのではないかと思います。その努力が実ることを期待しています。   

さて、2学期の始まりにあたり、皆さんに強く訴えておきたいことがあります。それは家庭学習時間の充実です。

今、先生方には高森高校の理想の授業を追い求める研究をしていただいています。この授業を「Takamoric Movement」と名付けています。この先生方の授業は、皆さんが家で行う授業の予習、復習の取り組みにより、先生方も皆さん自身も大いに充実して輝きを増すはずです。

ただ、学習というものは言われてやるという状態ではなかなか実力はつきません。しかし、学力がついていなければ、進学しようが就職しようが、イバラの道が待っているだけですし、社会に貢献するということなどは夢のまた夢でしかありません。では学習するということはどういった意味があるのでしょうか。私の専門は数学ですので、数学を例にとり少しお話しをしたいと思います。

小学校で学んだ算数の内容は日常生活に必要不可欠であることは、暗算による計算力や図形的な能力を養ってきたことを考えると、皆さんも理解できると思います。

大学では、最前線の、しかも国際基準の分野の学習、研究を行います。

中学校、高等学校はその中間に位置するものを学びます。実はここにその国の求めている教育水準があります。またその国の将来の国力レベルが伺えます。

自然界の様々な法則や原理は数学を使って記述されます。計算やデータの処理は数学の一分野ですが、情報科学の基礎でもあります。数学の問題を解くことにより、論理力を身につけ、未知の問題に取り組むちからを養うことができます。

もちろん、皆さんが進学する学部や学科、就職する職種によって身につけていく数学の種類や程度に違いはでてきますが、不必要な内容はありません。数学Ⅱで学ぶ三角関数や指数関数、対数関数は生活の至る所で使われていますし、まして微分積分がなければ建築、土木、医療、生活科学などあらゆる分野は成り立ちません。確率を学んでいなければ仕事にならない業種はたくさんあるでしょう。1年生の皆さんはだいぶ2次関数を学習したことでしょうが、2次関数は単にグラフを描くことが目的ではなく、2次関数の性質をもとに、2次方程式、2次不等式などの他の分野との関連を考え、その考えの正しさを論理的に記述することをとおして、数学の基礎の基礎を学んでいるのです。これらの教材の学習をとおして、将来生活する上での大事な力を養成しているのです。

数学についてのみ話をしましたが、どの教科、科目も必要だから学んでいるのです。だから進学するにしても就職するにしても、単に受験のためということではなく、学ぶ必要があるから学んでいるのです。ならば、どんな難しい内容であろうとも、歯を食いしばってどうにかしようと努力しなければなりません。これは授業だけで成就できるわけではありません。皆さんが家庭に帰ってからも学習時間を確保し、努力することで成果が現れてくるのです。

 2学期は、体育祭、文化祭、チャレンジ大会と大きな学校行事が続きます。しかしそのような忙しい中でも学習のペースを崩すことなく、しっかり頑張り、高森高校で何でも挑戦し、“ええとこどり”の高校生活を送ってもらいたいと思っています。特に3年生にとっては大事な日が続きます。自分の一生のことです。覚悟して頑張ってください。

 これで私の話を終わります。