平成28年度 学校長より

平成28年度 学校長便り

3学期終業式 学校長式辞

3学期終業式式辞

 3学期終業式にあたり、私から話をさせていただきます。

 さて、今年度の仕上げの3学期ではありましたが、短く、慌ただしい3学期でもありました。皆さんはいかがだったでしょうか。私なりに振り返ってみたいと思います。

 まずは修学旅行です。本校は2年に1回の実施ですが、みなさんの思い出に残るすばらしい旅行ができた、と聞いています。特に旅館の方から、みなさんの態度、立ち振る舞いがすばらしいとお褒めの言葉を直接お電話で頂き、本当に嬉しい思いがしました。修学旅行については内容を更に検証し、次回は70周年記念修学旅行として実施したいと考えているところです。

 次に、各種大会での成果です。先ほど表彰をしましたが、数々の大会で入賞したり、県大会を突破したり、更には最優秀賞に輝くものもあるなど、みなさんの活躍がいろいろなところで評価されました。また上位の入賞ではありませんでしたが、城北駅伝でのベスト10入りや、英語スキットコンテストでの成果は次回の大会につながっていくのではないかと期待しているところです。

 また、地元への貢献についても述べておきましょう。先月12日から1ヶ月間行われた「新酒とふるさとの味のまつり」では2年の佐々川さんがポスターデザインを、タイトルの題字を2年の松岡さんが担当しました。これらは非常に好評で、また彼女たちの作品を県内外のたくさんの人たちが目にすることとなりました。本校としても非常に名誉なことでした。熊本地震に関する復興イベントは今後も続きますし、また忘れてはならないことです。これからも何らかの形で地域に貢献していきたいと考えています。

 振り返りの最後に、今月1日に卒業をした3年生の進路関係について話をします。彼等の進路については、今年も進路決定100%を実現することができました。3年の先輩たちと3年主任の前田先生、進路主任の林先生をはじめとする先生方とで勝ち取った大きな成果だと思います。内容は国公立大学2名、私立大学2名、専門学校6名、自衛隊2名、日本郵便2名、その他の就職8名でした。特に国公立大学は7年連続で合格者を出し、その中で国立大学の理系工学部の合格者は10数年ぶりのようです。是非、みなさんも先輩たちに続いてもらいたいと期待しています。またこれからはどれだけ学習してきたか、ということが大きく問われる時代になっていきます。単に勉強が嫌いだから、という理由だけで安易な進路選択をするのではなく、学びの楽しさを感じながら、一生学ぼうという姿勢を身につけ、学校生活を送っていって欲しいと思います。

 さて、来年4月10日に入学式を挙行します。みなさんも知っているとおり、今度の入学者は40名を大きく超えています。是非、先輩として高森高校のことを教え、仲良くしてあげて欲しいと思います。部活動にもどしどし勧誘し、歓迎してあげてください。また勉強の方もいろいろ教えてあげてください。ただ、今度の1年生からは教科書の冊数が今までより倍近くになります。そういう意味では共に学ぶ姿勢が大事ですし、負けないように頑張ってください。

 また来年度は、ICT教育推進事業が本校で始まります。県立高校では高森高校が県下に先駆けて、全教室に電子黒板と無線ランのアクセスポイントが設置され、ICT環境の整備が進められます。もちろん高森高校での授業はそれらを利用した最高ものができるのではないかと期待しています。

 その他、4月からは実力考査等、各種テスト関係の変更、校内検定の大きな改革、総学の「やまびこプラン」に代わる「グロ-カル・プロデュース」へのリニューアル等、「学び」というものに関しては新しいプログラムを実施していく予定です。先生方の説明をよく聞いて、しっかり学習をしていってください。

 同様に部活動や学校行事の活性化もどんどん推進していく予定です。こちらの方はみなさんでいろいろなアイデアを出しながら顧問や生徒会の先生と一緒に積極的に取り組んでいってください。そして、それらをとおして、昨年4月からみなさんにお願いしている「思考をする」機会を多くもってもらいたいと思っています。

 創立70周年の式典も来年、平成30年の10月26日と決まりました。これからは同窓会との関連行事も多くなります。高森高校は新たな成長期に入りました。いろいろな方々がみなさんを応援してくれます。それに応えるべく、学び、優しさ、強さのハーモニーを地域に響き渡らせて、真の意味での「一人一人が輝く学校」に、この高森高校を成長させていきましょう。

第64回卒業証書授与式 学校長式辞

                                   学 校 長 式 辞

 早春の柔らかな日射しを浴びて、ここ南郷谷の桜のつぼみも色づき始めた今日の佳き日に、高森町長 草村大成 様をはじめ、多くの御来賓並びに保護者の皆様の御臨席のもと、第64回熊本県立高森高等学校卒業証書授与式を挙行できますことは、このうえない喜びであり、光栄の至りであります。

 ただ今、卒業証書を授与した22名の皆さん、卒業おめでとうございます。これまで、励ましながら支えてこられた、保護者の皆様には、本日の凛々しい我が子を前にして、お喜びも一入かと存じます。

  私たち教職員も、この三年間、卒業生の皆さんと共に多くの時間を過ごしてきました。授業や掃除時間で見せた笑顔や、体育祭、文化祭、チャレンジ大会での生き生きとした姿が思い出されて、感慨深いものがあります。

  また、昨年4月の熊本地震は皆さんの生活にも大きな影を落としました。普通のことが如何に大切であるのかを教えられた出来事でもありました。しかし、そこにも皆さんの家族を労る姿やボランティアに励む姿、復興への魁となる姿がありました。これらはとても頼もしく、また本校生のあるべき姿を示してくれたものでありました。

 もちろん、皆さんだけではできなかったことも多々あったと思います。皆さんがいろいろな方々に元気と勇気を与えたことと同じように、本校に来校された多くの方々からたくさんの励ましを頂きました。このことを決して忘れてはなりません。

 さて、このようにいろいろなことを体験し、学舎を旅立つ皆さんを待っている社会は、人工知能の開発が大きく進み、生活の至る所で様々なことに変化が起こり、利便性の高度化が期待される社会です。その代わり、2030年頃には国内労働人口の49パーセントの職業について、人工知能やロボットで代替される可能性が高いといわれている社会でもあります。ではそのような社会で我々はどのように生きていくべきでしょうか。

  求められる理想像について、いろいろと論じられていますが、そのうちの一つに「人間性を磨く」ということがあげらています。他者との学びの共感や、コミュニケーション能力の育成、文化に接し、芸術性を磨くことで、人工知能にはどうしても再現が難しい人間らしさを高めることを心掛けるべきであるといわれているわけです。そのためには我々の周囲のあらゆるものが学びの対象となることを知っておかねばなりません。

 明治の教育者として有名な福沢諭吉は、その著書「学問のすゝめ」の中で「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と述べています。これは「万人は生まれながらに平等で、身分上下の差別などない」ことを意味しています。またこうも著しています。「人、学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」。これは賢人と愚人の違いは学ぶか学ばないかによって決まる、ということです。

  もちろん、明治初期という時代背景もあり、福沢は実生活に役立つ学問を優先しろ、ということも述べていますが、ここは現在の状況とは多少違うと私は考えています。しかし、学びの大事さについては、いつの時代も同様ではないかと感じています。
 

   皆さんは、進学であろうと就職であろうと、学び続けることが今まで以上に大事である社会を生きていかなければなりません。その学びには楽しさを感じると同時に、他者と共感し合う優しさと、貫き通す強さを備えるべきであろうと考えます。「一人一人が輝く学校」を巣立ち、「一人一人が輝く人生」を歩み続けることを切に望む次第です。

 

 本校は、まもなく創立70年目を迎えます。脈々続く本校の歴史に、皆さんは個性ある一ページを鮮やかなに書き残しました。後輩の1、2年生は、卒業する先輩たちを引き継ぎ、発展させてくれた良き伝統の上に、更に新たな伝統を築き上げてくれるものと信じています。

前後しましたが、御来賓並びに保護者の皆様方には、ご多用の中に、巣立ちゆく卒業生に心温まる祝福と激励を頂き、誠にありがとうございました。また、高森町からは物心両面でのご支援を頂き、卒業生もこの日を迎えることができました。卒業生と共に、心から厚くお礼申し上げます。

 なごりは尽きませんが、卒業生の皆さんの前途に幸多からんことを祈念して、式辞といたします。

 

 平成29年3月1日

                       熊本県立高森高等学校長  光 永 幸 生


 

 

 

 

 

3学期始業式式辞

3学期始業式式辞

                                           

 皆さんあけましておめでとうございます。3学期の始業式にあたり、私から話をさせていただきます。

 さて、皆さんはどのように年末年始を過ごしたでしょうか。私も年末年始に必ずやることがいくつかあるのですが、そのうちの一つに、1月2日、3日に行われる箱根駅伝のテレビ観戦があります。毎年繰り広げられる競技に感動しながら、どんなドラマが繰り広げられるか本当に楽しみにしています。今年は青山学院大学の3連覇の達成で幕が下りましたが、学生の皆さんが一生懸命に走る姿はとても美しいと思っています。

それと併せて近年楽しみなことに、スポンサーであるビール会社のCMがあります。これは「大人エレベーター」というタイトルでシリーズものになっているものです。今年のゲストは所ジョージさんでした。テレビ画面に登場した所ジョージさんの、還暦を超えているのに妙に愛らしい笑顔はとても印象的でした。また、何を語るのかとても期待をさせるものでした。

「夢は持っていた方がいいですか?」「反省しますか?」等の妻夫木聡さんの質問に、所ジョージさんらしい世界が、しかもテンポよく展開され、私としては期待通りのものでした。ところで大人でない皆さんは何と答えますか?またその理由は何ですか?

(この答えについて生徒の皆さんとやりとりしました。

ちょっとしたアクティブ・ラーンニングのつもりで・・・)

さて、私が一番印象に残った質問について話をします。その質問は「運命とは?」でした。

国語辞典で「運命」を調べると、「人間の意志を越えて、人間に幸福や不幸を与える力のこと。あるいは、そうした力によってやってくる幸福や不幸、その巡り合わせのこと」とか「人生は天の命によって定められているとする思想に基づいて考えられている、人の意思を越えてもの上に起きる禍福」とあります。これは「運命とは?」という質問に対して、知っておくべき知識ですが、これを答えとして求めているわけではありません。それを踏まえて、更に自分の今まで生きてきた人生に照らし合わせて、自分にとっての「運命」とは何かを語るのです。

さて、そのときに、所ジョージさんは何と答えたでしょうか。それは「答えが見当たらなかったときに使う言葉だね。本当は一生懸命考えれば答えってわかるのに、一生懸命考えるのをやめたときに、「運命」って言っちゃうね。」でした。

これを聞いたとき、今まで自分が諦めてしまったことや、投げ出したことを思い出して、逆に考えさせられました。

皆さんには昨年4月より「思考する」ことの大事さを訴えてきました。つまり考えることの大事さです。所ジョージさんにとって「運命」という言葉は「逃げの言葉」ということになるのではないでしょうか。

皆さんは今年も、それ以降も越えなければならない、いろいろなハードルや壁を目の前にすることがあるでしょう。その際に「運命」という言葉で物事を済ませず、最後の最後まで粘って、目標を達成して欲しいと思っています。そして自由な発想で物事を解決できる人間として成長して欲しいと思っています。

さて、今年度もこれからの3学期を残すのみとなりました。3年生にとって残り少ない高校生活を、次の進路へのステップとして、2年生、1年生はそれぞれ3年生、2年生の準備期間であるゼロ学期として、十分にエネルギーを蓄えて欲しいと思います。頑張っていきましょう。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2学期終業式 式辞

12月22日 2学期終業式式辞

 2学期終業式にあたり、私から話をさせていただきます。

 さて、8月22日から今日までの丁度4ヶ月という長い2学期でしたが、皆さんはいかがだったでしょうか。学校行事は体育祭、文化祭、チャレンジ大会と大きな行事が続きました。みなさんの積極的な取り組みのおかげで、すべて成功に終わったと思っています。また、ボランティアや部活動、委員会活動を中心に地域に大いに貢献する機会が多かった期間でもありました。今、表彰を行いましたが、これらもすばらしい成果であったと思います。どれをとっても高森高校生の「良さ」をアピールすることができたのではないかと思っています。


 この「良さ」というのはどういうことでしょうか。私は、知識をもち、その本質をきちんと捉え、ケース・バイ・ケースで対応を柔軟にしていく力だと思います。また、そこには積極的に取り組もう、やってみようという意識がないといけません。

 今学期は3年生の皆さんに、進学、就職で面接練習をすることがあり、ほとんどの皆さんと話をする機会がありました。自分の言葉で堂々と語っていた人もいましたが、中には、決まり切った質問にはスラスラと答えられるが、想定していない質問になると、黙り込んでしまったり、自分のきちんとした考えがないためか、それまでの質問の答えと明らかに矛盾した内容を答えてしまった人もいました。そういった人は、知識・情報と自分の思いがつながっていない、あるいはそれらがねじれているという感想をもちました。

 そうなる原因は何でしょうか。一つには、普段の授業を通しての勉強が全然足りてないこと、もう一つには、得られた知識のうわべだけを単に取り入れて、その知識や情報を、自分で考えて、考え抜いて、自分の本当の力に変換していないことではないかと思います。やはり1年の時から、授業、部活動、学校行事等を通して、力をつけていかないと一朝一夕にはいけません。今の2年生には予告しておきたいと思いますが、来年はもっと厳しくしたいと思います。勉強とは、多くの情報を得た上で、それらを基に思考し、活用することであると思います。そのことを日頃から意識して生活していって欲しいと思う次第です。

 さて、本校の校訓は昭和30年9月、今から61年前に制定されたものです。これは当時の教頭、藤野嘉三先生が草案をつくられました。その一つ目「叡知を磨いて真理を探究する」の「叡知」とはどういう思いがあって校訓に用いられたのでしょうか。

 もともと「叡」は「ものごとを深く見通すこと」「神のようになんでも見通すこと」ということから「すべてに通ずること」という意味があります。そして「知」には「すべてを知っていること」という意味があります。ですから「叡知」とは「深遠な真理を覚りうる優れた才知」ということになるでしょう。そのことをとおして、藤野教頭先生は「心に感じることであり、物事の審議を識別すること」の大切さを当時の生徒、皆さんの先輩方に訴えたかったのではないかと思います。私は更に、そこから他者を考えたりすることで、深い思考力をつけ、社会性、人権感覚をも養って欲しいと思います。そのような集団にはいじめは決して起こらないと考えています。

 勉強は真摯に取り組まなければなりませんし、楽なことではないかもしれません。日頃から学校の授業だけでなく、読書や新聞、テレビのニュースや情報サイトからの正しい知識を得て、その本質をきちんと捉えるよう努力して欲しいと思います。そうすると思考しようという意識も自然と生まれることでしょう。「学問を楽しむこと」、これが高森高校生には必要だと思います。奇しくも来年度から始まる本校の新しい教育課程には、「数学叡知」という科目があります。本当の意味で「叡知を磨いて真理を探究」していって欲しいところです。そして新しい年を迎えるにあたり、学校のスローガンである「一人一人が輝く学校」に全員で積極的に取り組んでもらいたいと思います。


 今年は地震もあり、普通であることの尊さを感じる1年でした。年が明けると、3年生は最後の定期考査やセンター試験、大学等の一般入試もあります。1、2年生は八校連模試や修学旅行、あるいは創生カレッジやヤマト運輸関係のキャリア教育に取り組む人もいます。更には城北駅伝大会といろいろな行事が待っています。来年は高森高校にとっても飛躍となる1年にしたいと考えています。それでは、ご家族皆さんで、健康でよい年を迎えてください。これで私の話を終わります。

2学期始業式 式辞

                              2学期始業式式辞
                                                  

 2学期始業式にあたり、私から話をさせていただきます。

 さて、23日という短い夏休みとなりましたが、皆さんはいかがだったでしょうか。この夏休み期間中も本校生徒がいろいろな活躍をしました。いくつか紹介をしたいと思います。
 まずは1年生の甲斐信一君がモンタナ大学高校派遣事業への参加しました。本校からは2年の野尻岬さんに続いて2年連続で選ばれました。帰国後に本人と話をしてみましたが、とても貴重な経験をしてきたということでした。また、改めて自分の考え方を表現することの大事さと難しさを痛感したということでした。表現力というのはこれからとても大切になる学力の一つです。甲斐君にはこれからの学校生活での活躍にも期待すると同時に、他の皆さんも表現力ということには意識して学習活動をしていって欲しいところです。
 次に8月8日に熊本大学理学部との連携で「南郷塾寺子屋」が開催されました。新聞でも紹介されましたが、今年は南阿蘇村の小中学生も参加する今まで以上に規模が大きいものとなりました。本校からも多くの皆さんが参加し、自分たちの学習に、大学生活の話を聞いたり、小中学生の学習のお手伝いにと、終日大変活躍してくれました。
 それから先程表彰を行いました吹奏楽部です。8月1日の県吹奏楽コンクールで高校Bパートの部で金賞並びに最優秀賞を獲得しました。そして県代表として8月11日に沖縄で行われた南九州大会に出場し、そこでもトップクラスの成績で金賞を受賞しました。8人という最少人数での成果で、こちらも新聞紙上で紹介され、学校だけでなく、地域としても喜ばしいことであったと評価を受けているところです。
 そして、高森町の夏の風物詩「風鎮祭」です。ここでも本校から、吹奏楽部の演奏、総合文化部の書道パフォーマンス、放送部の司会進行、有志による清掃ボランティア、南阿蘇鉄道復興グッズのデザインや販売ボランティアなど、本校生が地域になくてはならない存在として活躍しました。実行委員会の方々から君たちの活躍とその行動する姿、挨拶など、お褒めの言葉を頂き嬉しく思った次第です。
 また、課外授業、3年生の就職、進学へ向けての対策など、短い夏休みもみっちりとした充実した時間を過ごしたのではないかと思います。その努力が成果として実ることを期待しています。   

 さて、この夏休みは4年に一度の夏季オリンピック大会、2016リオデジャネイロ大会が開催されました。日本代表の多くのアスリートが、このオリンピックを通じて世界を相手にスポーツで大きな活躍をし、感動を私たちに与えてくれました。大会が始まる前は、準備が間に合うかどうか、選手村の設備の不備、治安の問題など、オリンピック開催には不安があり、また2020年東京オリンピックの準備活動に関する批判も多く、少々しらけムードさえ漂う雰囲気でしたが、いざ開幕すると、一試合一試合、あるいは選手の一つ一つのプレーに感動をもらい、やはりオリンピックはいいなあ、と思わざるを得なかったのは私だけではないと思います。成績も今日現在、41個という過去最高の獲得メダル数を記録しています。52年前の東京オリンピックの時にメダルレースで3位に輝いた日本でしたが、その後順位は下がり、20年前のアトランタオリンピックの時には金メダル3個でメダル順位も戦後最低の23位まで後退しました。現在は6位と健闘しています。
 また今回のオリンピックでは逆転勝ちが多いとも言われています。追い込まれたところから諦めずに、極限状態に追い込まれても、ものすごい集中力で勝利を掴み取っています。2,30年前のオリンピックでは、日本選手のメンタル的な弱さが論じられていましたが、今回はその強さが讃えられています。その他、この大会に向けて、パワーやスタミナの点で劣る部分を、技術を磨くことで克服したり、新しい発想による作戦、または膨大な資料によって審判の癖まで研究するなど、各競技の選手、コーチングスタッフによる相当な努力が実ったことにもスポットが当てられています。
 4月の始業式で、2,3年生に伝えましたが、私は君たちに思考することの大切さを訴え、是非そういう学校生活を送って欲しいと言いました。このリオデジャネイロオリンピックでは、メダルの獲得に関係なく、どの競技でも、日本人のよく分析し、思考し、実行し、堪える強さを世界に大きく発信できたのではないか思う次第です。
 この2学期は学習に限らず、学校行事、部活の新人戦、3年生においては大学入試や就職試験に向けての対策や本番での思考する行動、考えに考え抜かなければならない状況が多々起こってくると思います。一人一人が輝くために、自ら輝こうという積極的な思いとともに、是非脳に汗をかくくらい思考を伴う生活を送って欲しいと思う次第です。

 ところで、2学期に学校としても、分析や思考を行った結果、大きな変更を行うことにしました。体育祭後に1年生を2クラスに分けることにしました。年度途中に行うのは異例のことですが、現在1年生35名となり、教室の収容としては厳しくなりました。また、2クラスに分けることによって、学習効果を上げるという期待もあります。9月6日にクラス名簿と新担任を発表します。また、来年度の入学生から教育課程、つまり授業をする科目や週の時間数を変更します。今の1年生も2年次以降、少し変更します。これらについて、1年生には改めて説明を行います。

 さて、2学期は、体育祭、文化祭、チャレンジ大会と大きな学校行事が続きます。新生徒会執行部を中心に、深い思考活動を通して高校生ならではのものを目指してください。3年生にとっては大事な日が続きます。自分の一生のことです。オリンピックで金メダルを取りにいくぐらいの覚悟で頑張ってください。

学校長便り

さあ、学校再開!後援会総会もお世話になりました。


5月6日(金)やっと学校を再開することができました。

 平成28年熊本地震は犠牲者も多数出て、多くの方が被災されました。また本校の通学地域には、甚大な被害があった南阿蘇村があります。
 まず、全校集会を行い、今回の地震で犠牲になられた方へ黙祷をささげました。
 本校も、4月16日(土)午前1時25分のマグニチュード7.3の本震後、4月18日(月)から交通網の遮断、ライフラインの被害、被災された生徒のご家庭の状況を考え、休校にしていました。この日、環境も整備され、高森高校は再開しました。
 学校で教育活動が行われることは当たり前の、ごく普通のことです。ところが今回はこの普通のことが如何に尊いことであるかを知りました。学校に行くこととは、生徒にとっても、先生たちにとってもとても大事なことです。今回の地震で、普通のことのありがたさが本当に身に染みました。
 新聞等で報道があった通り、高校総文祭の中止、高校総体の大幅な変更等、高校生を取り巻く状況は、今まで通りの普通のことが行われていくとは限りません。学習活動、部活動、学校行事等への影響もゼロではありません。この状況下で、職員、生徒諸君一丸となって、知恵をしぼり、普通のことがなるべくできるように、またボランティア活動も含めて、困っている方々へ手を差し伸べるプラスアルファの行動ができるように、高森高校がどうあるべきかを考えながら、頑張って参ります。

5月7日(土)後援会総会では多数ご出席いただき本当にありがとうございました。
参加者多数で総会が成立できたことに深く感謝申し上げます。

 総会の冒頭にも申し上げましたが、学校再会で、やっとお子様方が一同に会すことができ、これから地域の皆様へ元気を発信することができるのではないかと感じております。また、高森町、南阿蘇村で臨時バスの運行もあり、非常に有り難いと思っております。しかし、併せて保護者の皆様の送迎のご苦労をおかけしたりしていることも事実です。申し訳ありませんが、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。また、いろいろお困りのことがあった場合には、担任を通じてご相談いただければ、と思います。
 総会では、定例の協議の他、新役員の皆様のご承認もありました。また、学校からは、「原付通学、免許取得の規定見直し(通学区域の緩和等)」、高森町社会福祉協議会からのご提案である「介護職員初任者研修(高森町高森高校支援事業)案」の説明など盛りだくさんでした。時間が予定より長くなったこと、どうぞご容赦ください。
 改めて、本校の教育活動へのご理解、ご協力をお願いいたしますとともに、藤本新会長を中心に、後援会が益々発展しますことをご祈念申し上げます。

校長あいさつ

                   一人一人が輝く学校
        ~響き渡る『学び』、『優しさ』、『強さ』の個性あるハーモニー~                

             
 
                        熊本県立高森高等学校  校長 光 永 幸 生
                              平成28年4月12日

 本校のホームページへようこそ。
 本校は世界農業遺産や世界ジオパークに認定された「世界に誇る『阿蘇』」の麓に位置し、森と湧水に恵まれた自然豊かな環境の中にある学校です。今年で創立68年目を迎え、阿蘇南部地域の教育、文化の中心的な役割を担って発展を遂げてきました。学舎を巣立った卒業生は7000名を越え、「地域になくてはならない学校」として、元気ある生徒・学校づくりを目指しています。
 さて、今年度はスローガンとして「一人一人が輝く学校~響き渡る『学び』、『優しさ』、『強さ』の個性あるハーモニー~」を掲げました。小さい学校だからできる、一人一人が自ら光り輝き、充実した学習、部活動、学校行事等が行われるよう、頑張って参ります。
  ところで、昨年12月に地元の南郷檜を使った新校舎が完成しました。周辺環境に配慮し、環境負荷を低減させる構造・材料・デザインが採用されています。生徒たちは木の香りが漂う校舎で勉学に励んでいます。
 部活動加入率は100%で、生徒全員が日々練習に励んでいます。地域からの要望もあり、今年度からバドミントン部と吹奏楽部を新設しました。
  進路に関しては、進学も就職も100%の進路決定という実績を残しています。国公立大学へは6年連続で現役合格を果たし、就職は地元企業を中心に採用され、公務員にも合格しています。
  地域との交流も盛んに行っています。地元の代表的なお祭りである風鎮祭をはじめ、小学校への理科部の訪問によるおもしろ科学実験や地域のイベントでの吹奏楽部と高森中吹奏楽部との合同演奏などを行っています。また、高森町から生徒全員の入学金・教科書代金が助成されています。
  高森高校は阿蘇南部地域唯一の高校です。地域に根差した学校として、地域の期待に応える学校として、そして地域から羽ばたくグローバルな人材の養成をする学校として、努力邁進して参ります。どうぞよろしくお願いします。

(平成28年4月28日)
  この度の平成28年熊本地震におきまして、被災された方々、甚大な被害に遭われた方々には御見舞いを申し上げます。また復旧に大きな力を発揮されている方々には感謝申し上げます。本校も一日も早い開校を目指して努力しております。またこれによって地元の皆様に貢献でき、元気を発信できるものと信じております。どうぞ今しばらくお待ちください。