校長室からの風

社会が皆さんを待っています ~ 2年生「職業ガイダンス」実施

 成年(成人)年齢が2022年4月1日からこれまでの20歳から18歳に引き下げられます。現在の2年生は来年度、全員が「成人」(大人)となります。積極的に社会に参画する姿勢を養うために、西高では様々な取り組みを行っていますが、その一つとして、2年生対象の「職業ガイダンス」を6月8日(火)に実施しました。

 社会の第一線で活躍されている社会人講師の方々をお招きしました。「医療」、「福祉」、「サービス」(飲食・冠婚葬祭・販売)、「建築」、「情報」、「警察」(南署)、「行政」(西区役所)、「教育・保育」の大きく8分野に分かれ、生徒達はそれぞれ興味・関心のある職業分野に参加しました。西高の職業ガイダンスでは、事前に講師から課題を与えられ、その課題について生徒達が調べておくことになります。そして、職業ガイダンス当日に発表し、講師から助言を受けるのです。私は全分野を見て回りたかったのですが、ガイダンスの時間は100分と限られ、4分野の参観にとどまりました。

 「福祉」分野には18人の生徒が参加していました。「高齢者が住みやすい街とは」という課題に対し、女子生徒3人の班が「高齢者が移動しやすい」、「治安の良い」などのキーワードで発表しました。それに対し、講師(県社会福祉協議会)の方から、ユニバーサルデザインの街づくりの理念を説明されました。身近なものでは教室の教壇が一つのバリアであるとの指摘に、生徒達は意表を突かれた表情でした。高齢者だけに特化せず、障がいのある人も含め皆が住みやすい街を目指そうというまとめに生徒達は納得の表情でした。

 「医療」分野は42人の生徒が参加し、ほぼ男女半々でした。熊本県看護協会からいらっしゃった講師(女性看護師)の方が、「看護師という職業は男性の仕事としてとても良いものだと思う」と述べられ、男性看護師の必要性を語られました。また、看護師にとって必要なものとして、アセスメント能力をあげられました。看護アセスメントとは、対象者(患者)の多くの医療情報を適切に分析し、看護上の問題を把握することだそうです。

 「建築」分野の教室では、設計事務所の建築士の方が、住宅設計図を最新のコンピュータソフトで立体的にスクリーン表現されました。ドアを通り、住居の中を自由に行き来でき、まるでそこにいるかのような感覚となる画像に生徒達は引きつけられていました。また、「警察」分野の教室では、市民に寄り添う警察官像を語られ、後半は指紋採取の体験まであり、生徒達は興味を示していました。

 「社会は皆さん(高校生)を待っています。」とある講師の方が言われました。生徒の皆さん、社会で活躍するあなたの未来が見えましたか?