進路便り 第1号 平成29年5月12日発行 熊本県立盲学校 進路指導部                      今年度も進路便りを通して進路選択や日頃の学習の参考になる情報をお知らせしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  1 前田校長より 風薫る5月となり、校長室横には今年も香りを放ちながら、いく輪もの薔薇が咲き始めました。昨年の熊本地震後も同じように次々と花を咲かせ、慌ただしい学校再開までの日々を見守ってくれていたことを思い出します。多くの方が昨年と重ね合わせながら、この4月を過ごされたのではないでしょうか。 校舎内に目を向けると、今年度は昨年より7人多い43人でスタートし、朝の挨拶の声、笑い合う声、教室での学習の声、放課後の部活動の声と活気を感じる日々です。  さて、106年の歴史を持つ本校、その校訓「明るく 強く 精いっぱい」を幼児児童生徒一人一人に照らし考えてみると、このシンプルにみえる言葉に、先陣達の深い『思い』を感じます。『どんな時でも前を向き、諦めることなくうつむかず、持てる力を出し切って生きていく』ことを伝えているように思え、「盲学校の使命」を強く感じます。 本校には二つの使命があると入学式でも述べました。 一つは見えなさ見えにくさをもつ子どもたちにしっかりとした教育を行う場であること。確かな学力をつけることだけでなく、卒業後に社会で生きていく、社会参加をしていく力をつけることです。それぞれに生き方・社会参加の仕方は違いますが、自分らしく尊厳を持って生きていける基礎基本作りを学校生活の中で行いたいと思っています。 二つめは三療(あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師)の免許取得を目指し、社会的に経済的に自立した生活を望んで入学された方々に、しっかりとした力をつけ、資格取得し、社会に貢献出来る人材として送り出すことです。 本校職員、皆さんの自立への挑戦を全力で支えてまいります。小さな目標も大きな目標も自分なりの大いなるチャレンジです。共に目標に向かって進んでいきましょう。 2 第25回国家試験について 毎年、本校の理療科・保健理療科に在籍する3年生は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家試験を2月に受験します。  今年は、平成29年2月25日(土)あん摩マッサージ指圧師(以下、あマ指師)、26日(日)はり師・きゅう師の国家試験が行われました。  本科および専攻科保健理療科の生徒は、あマ指師を受験し、専攻科理療科の生徒は、1日目は、あマ指師、2日目に、はり師・きゅう師を受験します。試験は本校会議室で行われ、午前9時から午後4時10分まで行われます。問題は、あマ指師試験は   150問、はり師・きゅう師試験が160問の四者択一問題です。 国家試験に合格するには、正答率が60%以上必要になります。今回、全国の盲学校の現役者の合格率は、あマ指師84.0%、はり師77.3%・きゅう師74.8%となっています。年々、問題が難しくなりつつあり、合格率も少しずつ下がってきています。 本校では、国家試験の合格に向けて授業時間以外に、始業時前、放課後、長期休業中などの時間を使って課外を行っています。ただ、国家試験に合格するには、学校だけの勉強だけでなく帰宅してからの勉強も大切になってきます。  国家試験は毎年2月の最終土曜日と日曜日に行われます。これから国家試験を受験する生徒のみなさんは、日々の積み重ねが結果となって現れますので、一日一日を大切に国家試験合格に向けて頑張って下さい。 3 平成28年度卒業生進路状況  昨年度、卒業した8名の高等部生徒の進路状況をお伝えします。 【高等部普通科】  ・本校専攻科理療科進学 2名  ・ライン工房(就労継続支援B型) 1名  ・託麻大地(生活介護) 1名 【理療科・保健理療科】  ・訪問マッサージ就職 1名  ・福岡高等視覚特別支援学校研修科進学 1名  ・その他 2名 4 進路指導部より  進路指導部は、幼児児童生徒の社会的・職業的自立に必要な能力や態度を身に付けるための指導・支援を行って行きます。  進路を決定するのは中学部や高等部になってからですが、幼稚部・小学部の早い段階から、自分の思いを自己表現・自己理解をしながら、具体的な進路につなげていくための準備をしていただければと思います。  担任・保護者と協力しながら、幼児児童生徒の将来の進路実現に向けて取り組んでまいりますので、今年度もよろしくお願いします。