進路便り 第1号 平成30年5月11日発行 熊本県立盲学校 進路指導部                      今年度も進路便りを通して進路選択や日頃の学習の参考になる情報をお知らせしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  1 松ア校長より 新緑がまぶしい季節となりました。幼児児童生徒45人でスタートし、ちょうど一か月が経ちました。校内のあちこちで、皆さんの元気な声や素敵な笑顔をたくさん見ます。また、授業や実習、更には部活動にと真剣な表情で取り組む姿もあり、実に盲学校らしい毎日です。  さて、本校は今年107年目を迎えました。校長室には、本校の歴史を感じることのできる一枚の写真が掲示してあります。今から約80年前、ヘレンケラー女史が来校された時の写真です。ヘレンケラー女史は、皆さんもご存知のとおり、2歳の頃、高熱にかかり聴力、視力、言葉を失いました。しかし、家庭教師のサリバン先生と出会い、しつけや指文字、言葉の指導を受け、根気強く学びを続けたことによって会話ができるようになりました。その後は、世界各地を歴訪しながら障がい者の教育や福祉に尽力されました。  1937年に来日され、5月31日に本校に来校されています。  そのヘレンケラー女史が残された言葉を紹介します。「初めはとても難しいことも、続けていけば簡単になります。」という言葉です。聴力も視力も失った幼少のヘレンケラー女史にとって、指文字や言葉を覚えることは決して簡単ではなかったと思います。この言葉には、「初めは困難に思えることでも、こつこつと努力を続けていけばきっと克服できますよ。」という自らの経験に基づいたヘレンケラー女史の思いが込められているように思います。  皆さんも、これからの学校生活の中で、うまくいかないことや壁にぶつかることがあるかもしれません。簡単にあきらめてしまうのではなく、目標を定めてゆっくりとでもいいので前に歩を進めていきましょう。盲学校には、皆さんを支えてくれる仲間や先生たちがたくさんいます。家族の皆さんも応援しています。皆さんがそれぞれに思い描く進路実現のために、一日一日を大切にしながら、一歩ずつ一緒に積み上げていきましょう。 2 第26回国家試験について  理療科に在籍する3年生は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家試験を2月に受験します。  今年は、平成30年2月24日(土)あん摩マッサージ指圧師(以下、あマ指師)、25日(日)はり師・きゅう師の国家試験が行われました。  1日目は、あマ指師、2日目に、はり師・きゅう師の国家試験を受験します。試験は本校会議室で行われ、午前9時から午後4時10分まで行われます。問題は、あマ指師150問、はり師・きゅう師が160問の四者択一問題です。 国家試験に合格するには、正答率が60%以上必要になります。今回、全国の視覚障がい者の現役の合格率は、あマ指師83.3%、はり師62.2%・きゅう師68.8%となっています。問題が年々難しくなり、昨年度より合格率が低下しています。問題の傾向としては、読み解く力が必要となってきています。  本校では、国家試験の合格に向けて授業時間以外に、始業時前、放課後、長期休業中などの時間を使って課外を行っています。  ただ、国家試験に合格するには、学校だけの勉強だけでなく帰宅してからの勉強も大切です。  受験する理療科の3年生は、毎日、学習する習慣を身につけ、日々の積み重ねがよい結果に結びつくことを頭に入れて頑張ってもらいたいと思います。 3 進路指導部より  進路指導部は、幼児児童生徒の社会的・職業的自立に必要な能力や態度を身に付けるための指導・支援を行っています。  進路を決定するのは中学部や高等部になってからですが、幼稚部・小学部の早い段階から、自分の思いを自己表現・自己理解をしながら、具体的な進路につなげていくための準備をしていただければと思います。  担任・保護者と協力しながら、幼児児童生徒の将来の進路実現に向けて取り組んでまいりますので、今年度もよろしくお願いします。 【進路指導部のメンバー】 部 長 高等部 山岡 正人 副部長 高等部 小林 豊 小学部 坂本 真実 小学部 加藤 栞 中学部 澤 僚久 高等部 藤川 和成 高等部 稲葉 史朗 定期的に進路のHP(http://sh.higo.ed.jp/kumamo/)を更新していきますので是非ご覧ください。